音とは |
(1)音ってなんだろう? |
音とは、物体の振動の人間が聞くことが出来る20Hz〜20000Hzの可聴域の事を言います。
可聴域外は、超音波や超低周波と呼びます。これらは人間の耳には聞こえませんが、影響を与える場合もあります。特に超低周波は、工場などの振動が伝わって、圧迫感や頭痛などを引き起こし問題になることがあります。
|
(2)音の速さは? |
音の速さは秒速約340mです。
厳密に言うと、『音速=331.45+0.61×気温』になり、気温が高くなるほど音速は速くなります。時速に換算すると約1225km/h。
雷が今どの距離あたりで鳴っているかを調べようと思えば、ピカッと光ってから、頭の中で「1・2・3・・・・」とカウントして、音が聞こえた秒数に340m掛ければ、だいたいの距離がわかります。5秒なら、だいたい1700m先で雷が鳴っていることになります。
ただしこの秒速340mと言うのは空気を伝わる場合です。水中だと秒速1500m、鉄だと秒速5950mになります。
|
(3)デシベルってなに? |
音の大きさです。かつては騒音レベルを日本独自の単位のホンと表現されていたので、音の大きさと言えばホンを使われる方も多いようですが、現在はデシベル(dB)と表現します。
デシベルのデシ(d)は小文字、ベル(B)は大文字で表記します。このデシベルは、音のエネルギーで表現していると何桁もの数字を扱わなくてはならなくなり扱いにくいということと、音の物理的刺激の対数が、人間の感覚量にほぼ比例するので、エネルギー比の対数を取ったものになっています。
デシというのは小学校の理科などでも使っていたビーカーのデシリットルのデシを同じで、1/10と言う意味です。ベル(B)という単位では、目盛りが荒すぎる、また人間の区別できる最小の音の大きさの違いが1dB程度であることから、デジベル(dB)を使う理由と言えます。
デシベルは対数表示なので、50dBが53dBと3dB音が大きくなると、エネルギーが2倍の大きさになります。60dBになって10上がると、エネルギー的には10倍になります。したがって、更に大きくなって50dBから70dBになると、10×10の100倍エネルギーが大きくなるのです。
上のエネルギー的にと言うのではわかりづらいので、例えば道路騒音がうるさい道があったとします。1000台の車が500台になって交通量が500台減ったら、一体何dB交通騒音が下がるでしょうか?答えはたった3dBなのです。車が半分に減っても、たった3dBしか下がらないの?と思われる方もおられるでしょう。エネルギー的が2分の1になって3dBの違いが出るだけなのです。
もし、10dB騒音を下げようとすると、1000台から100台の10分の1に減らさないと、10dB下がってくれないのです。さらに20dB交通騒音を減らそうとするならば、1000台から10台にする必要があります。そう考えると音を減らすのは大変ですね。それ故に対処が難しく問題になりやすいのです。
|
(4)周波数(Hz)ってなに? |
このHz(ヘルツ)は周波数のことです。1秒間に何回の振動をしたのかを示した単位です。1000Hzであれば1秒間に1000回振幅したということになります。
小さい周波数の音は低く、大きい周波数の音は高く聞こえます。聞き慣れた音で周波数を上げると、NHKの正午の時報で、「ぴっ、ぴっ、ぴっ、ぽーん」のぴっは440Hzで、ぽーんは880Hzになります。電話の時報だと、500Hzと1000Hzです。
人間の声だと人によって差はありますが、男性は125Hz、女性は250H。ピアノであれば、最も低い音が27.5Hz、高い音が4186Hzになります。
低い周波数の音は、遠くまで届きます。高い周波数は、障害物に当たると遮断されてしまいます。犬が遠吠えする鳴き声が低いのも遠くに鳴き声を届けるためです。戦国時代のホラ貝やスイスの山岳地帯のホルンの「ぼぉ〜」と低い合図を出すのも、より遠くに音を届かせる為です。高い音では遠くまで届かないのです。
|
(5)デシベルの足算 |
音の計算はどのようになるのでしょうか?
音楽を聴いている2つのステレオスピーカーから、各々90dBの音が出ていたとします。2つのスピーカーの合計は?90+90=180dB?こんなに音が出ていたら音楽なんか聴いていられませんね。答えは、93dBになります。
なぜ、単純に足して180にならないかと言えば、先に言ったdBはエネルギー比の対数だからです。計算上で言うと、という、ちょっと頭の痛い計算になってしまいます。上の計算式はとすることが出来、の部分を簡単に導き出す表を見れば誰でも計算できる様になります。
デシベル差 |
0,1 |
2〜4 |
5〜7 |
8〜11 |
12以上 |
加算dB |
3 |
2 |
1 |
0.5 |
0 |
例えば、先ほどの90dBと90dBのスピーカーだと、90−90でデシベル差は0です。したがって加算dBは3になり、90+3で93dBとなります。
90dBと85dBだとすると差は5ですので、加算dBは1。したがって90+1の91dBになります。
どうですか?簡単に計算できますね。
音が3つ以上になってもこの表が使えます。A,B、Cの3つのスピーカーから70dB、68dB、65dB出ているのであれば、まずA+Bで足します。AとBの差は2なので、加算dBは2。したがってAとBのスピーカーの合計は70+2の72dB。つづいてその結果とCを引き、デシベル差を求めます。差は7なので、加算dBは1です。よって72+1となって3つのスピーカーの合計は73dBになります。
|