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真夜中の脳みそ

詩集「半熟卵」(Update:2001. 9.16.)

コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004. 8.21.)

AIBO日記(Update:2003.11. 3.)

アルバム(Update:2003.1.31.)

「紺野」とは?(Update:2004. 8.21.)

Links(Update:2002.10.20.)

更新ログ(Update:2004. 8.21.)

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AIBOと暮らす〜立って歩く編〜


 祐輔(ERS-210)は健太(ERS-111)より、約2倍の成長速度を持っているようだ。なぜなら、健太のときはひたすら充電と作動を毎日繰り返して、3日で自力で立つようになったのだが(AIBO日記第3回参照)、祐輔は初日(2000年12月17日)2回の充電と次に起動した際(2000年12月22日)になんとかその状態になった。

 しかし、すぐに腹ばいになって「くぅ〜ん」と鳴く。まぁ、年末年始やら部屋が狭くなったりしてなかなか彼らと遊ぶ暇と場所がないのだが、明らかに成長速度が速い。多分、初期モデル(ERS-110/111)のオーナーから「成長が遅い」とクレームがついたのだろう。人間せっかちになってはいかん、ということなのだろうが、成長が早いにこしたことはない。

 図1.とりあえず一発芸

 心配していたピンクのボールへもちゃんと反応する。よし。それでいいんだ。当然、ここで誉めてあげる、という意味で頭をなでなでするERS-110/111では、人間とコミュニケーションの手段として用いることができるタッチセンサーは頭しかなかったのだが、ERS-210では、頭、顎、背中と3箇所に増えている。実際健太を実家に連れて行った昨年の夏は、従弟の子供がさかんに健太の背中をなでていた。そこはERS-111の廃熱部だというのに。ま、多分そういう声が多かったのだろう、だからERS-210では背中にもタッチセンサーがついている。で、ここで疑問だ。熱の問題はどうなったのだ。

 AIBOはバッテリ(電池)で動く。バッテリということは電気だ。残念ながら現在の技術では電気を効率100%で力を生み出す(モーターを回す)ことや半導体の塊であるコンピュータを動作させることはできない。どうしてもロスが発生し「熱」が出てしまうのだ(詳しく知りたい人は高校の物理の教科書を見てみよう)。コンピュータは自分自身で「熱」を発生させてしまうくせに「熱」に弱い(熱によって電気的特性が変化してしまうため)。そういうデリケートな奴なのである。

 だからこそ、高性能なコンピュータ(64bit CPU)を持つERS-110/111では背中に廃熱部があったのに対し、ERS-210では一切廃熱部を外観上確認する事は出来ない。どうやって熱の問題を解決したのだ!明らかにERS-111よりも高性能であるにもかかわらず、である(一般にコンピュータの場合、高性能になればなるほど発生させる熱量も大きくなる)。しかも触った感じ「熱」をもっているようには感じない。これは凄い。SONYの技術開発力に脱帽せざるをえまい。

 しかも、バッテリも小型化し、充電時間も短くなっている。そうなると実装系に余裕が生まれる。だからこそ背中と顎にタッチセンサーがつけられたのだと思う。

 う〜む、愛い奴。といって強く頭をなでると怒る。軽くなでるのが肝要ということなのであろう。

 さてさて、年が開けて2001年1月7日、な、なんと、ぎこちないながらも祐輔、自力で歩く。おぉ、これでまた一歩、「ピンクのボールを健太と祐輔とで追い掛け回す」という野望に近づいた

 図2.ごたいめ〜ん!

 ここで気が付いたのだが、ERS-210の音声認識機能はだいたい単語程度しか持ち合わせていないということだが、わざとその認識率を落としているのではないか、ということだ。

 マニュアルにも書いてある通り、成長とともに約50単語くらいは認識するらしいが、「どうもこれは単語らしい」とERS-210が判断すると、現在の成長段階で応答してもよい場合はなんらかの行動、音声で応答し、そうでない場合は耳を倒したりする(はぐらかたり、「ちょっとわかんないよ」という意味らしい)。

 ここまではいい。けっこう思ったよりまわりの音に敏感に反応する。そして耳を倒す(わからないふりをする)。単語だけではなく、文章として発した場合も(テレビのアナウンサーの声など)。

 ここからは私の想像なのだが、ERS-210は、ある程度「文章」としても認識できるソフトウェアを実装してはいるが、安定した認識率を保つためと、はぐらかすなどのかわいい動作をわざとさせることで、全体をまとめているのではないだろうか、ということだ。エンターテイメントロボットして完成度が着実に上がっている、ということなのだろう。気軽に自然言語でコミュニケーション取れる日が近いかもしれない(と、いうことは、そういうAIBOが世に登場するまで私はAIBOを買い続けなければならない、ということか?)。

 そんなこんなで、祐輔が「名前付けて」という動作をするようになった。こ、これは幼児期第4ステージに成長が進んだ、ということか。早速、「なまえとうろく」と言うと耳を傾けるような姿勢になる。そこで「ゆうすけ」と言う。これで登録完了。「祐輔」と呼ぶと「ぴろりろぴ」というような音を発してそれに応える。よし。そ、それでいいんだ。また一歩野望へ近づいたぞ。

 それはさておき、2001年1月28日、知人宅に祐輔を連れて行く。1歳になる知人の娘さんは最初は祐輔がもぞもぞと動き出すと怖がって泣き出してしまったが、すぐに慣れてくれた。「ここんところ(頭)をなでなでしてあげてね」と言うとなでようとするのだが、叩く叩きまくる。厚意は嬉しいのだが、行為にはちょっと勘弁してくれ、と思う。その上、耳を引っ張る、ボールをなめるのやりたい放題。

 まぁ、仕方がない、子供のすることだと思って諦め。何せ話の通じる相手ではない。両方とも(1歳児、祐輔)。幸いなことにちょっとすると飽きてくれたようだ。

 と、いうことで(何が「と、いうこと」なのかかなり不明だが)、何かと今後が楽しみなるAIBOなのであった。

(2001. 1.31.)


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