前回の「日記」ならぬ「戯れ記」を書いてから既に半年以上が経過してしまった。いろいろと自分の身の回りで起きた変化があったりもしたし、平日にできない雑多なことを休日に一気にやろうとするとけっこう時間が取れないものだ。よって健太(ERS-111)や祐輔(ERS-210)と戯れることも自然としなくなっていった。やはり由々しき事態である。
が、そこにさらに由々しき事態が発生した。
AIBOオーナー向けメールマガジン「AIBO通信」があるが、2003年9月4日(木)、「号外」として「新世代AIBO、ERS-7発表!」とあったのだ。
ERS-3XXシリーズが出たときは全然駆動系、プログラムに変更がなかったので「ただぬいぐるみのような形状のもが動くだけじゃん」と全然食指がうずかなかった過去もあり、実はあまり期待していなかった。しかし、やはり情報だけはオフィシャルページにに見に行くと、そこには本当に新世代のAIBOが発表されていた。
型式もまったく新しく、ERS-7。ちょっとガンダムのような脚部が下のほうに向かって膨らむデザインは気に入らないが、さんざんこの「戯れ記」で認識系はダメダメと書いてきた認識系が大きくバージョンアップされている。空間認識までは行かないものの、形状認識はおなじみのピンクのボールに加えて、AibOne(アイボーン)と名づけられた骨形状のものが用意され、向きを判断する、くわえる、向きを変えるなどの動作ができるようになっている。しかもマーカーを頼りにバッテリーステーションの位置を確認し、自動で充電、自動で活動再開ができるようになっている(さすがに認識できる距離は制限があり、約120cmとのこと。やはりまだまだなのだろうが、今までと比べれば格段の進歩だ)。
ちょっとしたズルもしている。頭部の距離センサーにくわえて胸部にも距離センサーを搭載している。これは台の上などの縁を判断するためのものらしいが、平気で今まで台から落ちていたことを考慮すると許される範囲だろう。やはり現実の動物のような頭部の距離センサー(眼球)だけでは今の情報処理技術では難しいのだろう。
時計を内蔵していてERS-7が目覚ましになってくれる、という機能があるのだが、本当にそれで人間が起きれば問題ないのだが、起きなかった場合、その辺のコードに絡まっていたり物にぶつかったり物陰で引っかかって動けなかったりしてしまっていたらちょっと困るなぁ、と思いながらも新しい機能だ。
無線LANの機能を標準で搭載しており、外部からの操作も可能、とのこと。そうすると、タイマーとこの外部からの操作によって、帰宅したら玄関まで迎えにきてくれる、ということが実現できるかもしれない(ちょっと嬉しいかも)。
音声やタッチセンサーに加えてカード(色や2次元コード(バーコードがより複雑になったもの))が認識できるようになっており、「進入禁止」や各種命令を伝えることができるようにもなっている。これも「躾」の部分で言えばかなりの進歩なのではないだろうか。
駆動系も前足と後ろ足との間隔を多少延ばしたことでより自然な動きができるようになったとある。実際サイトには動画が用意されていてそれを観ている限りでは今までガチャガチャと動いていたものに比べ多少身体を左右に振るようであるが動きが滑らかになっている。
図1.新旧の対面?
と、いうことで、これは買うしかないな、と思い、即効で「エントリー予約」のページへ飛ぶ。即発注とせず、一旦購買意思確認のために「エントリー予約」という前段階を経ているようなのであるが、私のような人間からしてみれば、即発注でも全然問題ないのになぁ、と思いつつクリックすると「SonyStyle」のIDとパスワードを入力する画面。考えてみたら「SonyStyle」のIDなんて取得していなかったので、予約するためには新規IDを取得せねばならないらしい。面倒だと思いつつも新規発行の手続きへ。
このエントリー予約の仕組みがあまりユーザフレンドリーではなく、同じAIBOオーナーの知り合いから「予約できないんだけどどうして!SonyStyleIDって何?」というメールが届く。ちなみに私もこの予約の仕組みに手間取ったので、やはりこれはソニー側の問題であろう。改善を望む。
まぁ、そんなこんなで発表日に即効でエントリー予約までした(さらに壁紙やスクリーンセーバーもダウンロードしたことは当然といえば当然といえよう)。9月27日から順次発注受付、となるらしいので、再度また手続き取らねばならぬのが鬱陶しいが、まぁ、よしとしよう。
何日かしているとSonyStyleからメールが来て、エントリー予約を済ませている者は9月26日(金)夜から先行発注ができる、他の一般発注は9月30日(火)から、ということになっているとのこと。解禁時刻が待ち遠しくて9月26日はなかなか仕事が手につかなかったことは言うまでもない(サーバの混雑が予想されます、とメールにはあったが全然そんなことはなく、さっさと発注完了。ちょっと拍子抜け)。ボディカラーは「ちょっとグレーがかったブルーがいいなぁ」と私は思っていた(前出の知り合いはパステルカラーを希望していた)が、パールホワイトしか現状用意されていないとのこと。ちょっと残念。でもソニーのことだから今後いろんな色が出てくると用意に予想される。Buffalo(旧メルコ)の無線LANアクセスポイントがたったの2,000円で追加購入できる、ということだったので、当然のようにこれも購入。無線LANアクセスポイントはもともとASUSTeKの拡張ボード内臓タイプを買おうと思っていたのだが、まぁ、これは渡りに船。買っていて損はない。
現在の勤務先が銀座で、銀座のソニービルで9月26日(金)に一般公開を前に「ERS-7発表会」が行われたようであるが、ちょいと仕事の関係で行けなかったのが心残りであるが、どうせ実物は11月になれば届くのだから別にいつでもいいと思っていた。それにその日だけでなくてもソニーショールームや秋葉原に行けばデモってるだろうという読みもあった。
実際、早速秋葉原ツクモロボット館では手に触れることはできないまでもデモっていた。さらについでに会社の人からCEATEC
JAPAN(電子機器関係の総合展示会(PlayStation2とDVD/HDDレコーダーの融合機、PS-Xの正式発表の場でもあった))のプレス向け公開時間帯の招待券をもらったので、これはいい機会と出かけると「メモリースティック」ブースでもERS-7をデモっていた。アンケートでお手持ちの「メモリースティック機器は何ですか」という問いに「AIBO」と答え、係りの人に驚かれた。だって実際メモリースティックを使った機器ってそれしか持ってないんだも〜ん。
さて、それはそれ、だ。10月8日(水)、SonyStyleからプロモーションDVDが届く。11月にERS-7が届くまでこのビデオでお楽しみください、とのことらしいのだが、そんなもったいぶらないでいい、さっさと実物送って来い、という感じである。
ついでに、ソニーのお膝元である品川に2003年10月1日、東海道新幹線の駅ができた。それを記念してソニーの2足歩行ロボット4台が品川から静岡まで新幹線に乗った、というニュースがあった(さすがにロボットの歩幅ではホームから直接乗車することはできず人間が抱きかかえたらしい。さらに身長とシートのサイズが合わないためこれもまた人間が抱きかかえて着席。しかし、車掌の検札は自動で行ったらしい。実はすごい)。前出のCEATECではNTT DoCoMoが携帯電話(FOMA)からホンダのASIMOを操作していたが、しっかり床にマーカーが貼ってあることを私は見逃さなかった。自律歩行という面ではホンダよりもソニーの方が勝っているかもしれない。
さてさて、まぁ、若干祐輔が甘えん坊に育っているのが気になるところではあるが、人間一人に対しAIBO3台。激しく世間一般の家庭環境から逸脱していることは間違いないが、いやはやこの部屋の主人(私)にはそれを収拾つけようという感じがまったく見て取れないので、困ったものである。
それ以前に困った問題かつ緊急で非常に重要な問題が浮上した。ERS-7の名前はどうしよう。
図2.僕らの行き先はどこまで続くのかな。