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第15回 何を今更のWindows98アップグレード記
雨が降ったら読書をする、は晴耕雨読の意味であるが、休日に雨が降ってやることがないと、結局こうやってPCに向かってしまう。雨が降ったらPCをいじる。ということで、発売日(1998年7月25日)にPlus!と共に買っていながら2ヶ月もパッケージを開けることがなかったWindows98をインストールすることにした(1998年9月27日のこと。このページを更新している10月4日は皮肉なことに晴天である)。
発売日、新宿のヨドバシカメラで買ったのだが、フロアの中央に山のように積んであったパッケージがみるみるなくなっていって、レジに並んでいる人だかり(ざっと200人近く)がすべて同じもの(つまりWindows98アップグレードパッケージ)を持っている、という姿は非常に異様だった。そう思っている自分ものその中の一人なのだからまぁ、仕方がない。とりあえずその日は「買う」だけはした。
実は用があって大学の先輩と後輩にその日に会ったのだが、「アップグレードはやめとけ」「悪いことは言わない。サウンドボードは外せ」「FAT32にするなら他社製のものにしろ」「レポート待ってます」「サービスパックが出てからインストールした方がいいですよ」等々好意的な言葉はまったく得られなかった。このパッケージを手にしている自分自身、ちゃんとアップグレードできるかかなり不安であった(良くも悪くもなにせ、Microsoft製品である)。みんなMicrosoft(以下:MS)はあまり好きではないが、仕方なく使っている、過去数々MS製品に泣かされてきた、できればMS製品は使いたくない、でも結局MS製品使っちゃうんだよなぁと思っている連中が私のまわりに多い(私もその一人)ので、こういう反応は至極当然ではある。
実はその昔私はWindows3.1からWindows95へアップグレードした際にsafeモード(必要最小限の構成でOSを起動するモード)すら起動しない、という事態に直面した過去を持っている。まぁ、使用していた機種がEPSON社製の98互換機(今から考えると極端に古い機種)を改造したもので、正式Windows95対応機種ではない、ということもあるが。そのときは原因特定まで約1ヶ月かかった(PCをいじるのは休日ぐらいというのと、やる気を起こさせるのにも時間がかかった)。原因は改造して25Mbytesまで積んでいたマシンであったため(昔の98はメインメモリ14.6Mbytesが上限だった)、グラフィックボードがバッファエリアとして使用しているメモリ(物理アドレス15Mbytesめ〜16Mbytesめまで)をWindows95がそのバッファエリアまでメインメモリとして認識してしまってそこの部分にもOSをロードしてしまう、そのためsafeモードすら起動しない、というものであった(ブートログを追跡して突き止めた)。動かないんじゃ仕方がない、ということで、グラフィックボードのバッファエリアを移動させる設定をしてめでたく起動した。
そんなことがあったので、1発でアップグレードがうまくいくとは全然思っていなかった。まったく思っていなかった。MSを信用していなかった(まぁ、MSもユーザを信用していないのだろうが)。「ゆっくり時間が取れるときにやろう」と考えていたので、結局Windows98は封を開けることもないまま2ヶ月間誇りをかぶったままであった。
なぜアップグレードが必要であったのか。それはネットワークアソシエイツ社製の"VirusScan"がPlus!に標準でくっついてくる、ということと、FAT32にファイルシステムを更新するためだ。使用しているメーラが"電信八号"(作者のISHIOKAさんに感謝します)であり、メール一つ一つがファイルとして管理されるため(私にはこの方が便利だ)、小さなファイルがたくさんできるので、FAT32の恩恵にあずかりやすいのだ。
運のいいことに、月刊ASCII(ASCII社刊)の通算256号記念号(1998年10月号)に特集として「Win98アップグレードトラブルシューティング」が掲載されていたので大いに参考になった。自作マシンをアップグレードするときにはサポート情報がない分だけこういった雑誌情報が役に立つ。
記事を読んで、まずやることとして「マザーボードのBIOSバージョンアップ」。使用しているマザーボードがASUS社製であったためサポートWebへ飛んでダウンロードした。いざバージョンアップしようとすると、マニュアルには画面にメニューが表示されるとあるがまったく出てこない(でもキーボード入力は生きている)。何度やっても同じ、MS-DOSの起動方法(マザーボードのバージョンアップにはMS-DOSモードが必要)を変えても同じ、ということでかなり悩んだ。キーボードが生きてる、マニュアルには画面が載っているんだからこのまま画面には正しいメッセージが表示されていると仮定してバージョンアップする(しかしBIOSのバージョンアップに失敗するとマシンは起動すらしなくなる)、というのと、BIOSのバージョンアップはあきらめる、のどちらにするか、だ。実際使用しているマザーボードが古いため、もともと使用していたCPU(Intel
Pentium-166)をAMD K6-200に変えたときにCPUを正しく認識せず"AMD
K5-120"とBIOS画面に表示されてしまう不具合(その時点でBIOS新しくしておけ、という突っ込みはさておき)があった(でも動作は問題ない。だってこうやってWebを更新している)ので、このまま行っちゃえ、という判断に至った。どうせBIOSを新しくしたところでACPI(Advanced
Configuration and Power Inteface:省電力に関する管理を直接OSが行う機構)のハードウェアじゃないし、問題ないだろう、ということにした。
次に読むと「Tekram社製のSCSIボードのドライバはWindows98標準のものではMO等を認識しない」とあったので、やはりドライバをWebからダウンロード。ついでに使用しているMOドライブのメーカ(富士通)のWebを覗きに行くと「Windows98でそのまま使用できる。Windows98標準で640Mbytesフォーマット可能。ただし、補助フォーマットドライバはアンインストールすること」とあったので、ふむふむと読んだ。ついでなので、怪しそうなデバイスまわりはドライバを集めようということで次々とそれぞれの部品メーカのページを見て行ったが、サウンドボードのメーカのページがなくなっていた(どこぞに吸収されてしまったのか?)。これでWindows98の標準ドライバでうまく動かなかったら笑うしかないな、と覚悟を決め、いざアップグレードへ。
その前に、常駐アプリケーションが起動しないように設定を変え、システム設定アプリケーション("PowerToys":MS、"CrashGuard":Symantec社等々)を全てアンインストールし、Windows95を再起動して、常駐ものが動かないことを確認し、CDをドライブへ突っ込んだ。
まず、CDキーの桁数が多い。こんなに入れなくてもいいだろう、と思うくらい桁数が多い。しかも英数字が混ざってるではないか!なんだかんだと言いながらWindows98起動ディスクを作成してなんとかアップグレードが始まる。ダイアログが出るたびにWaveの音が鳴るのがうざったい。余計なことまでやりたがる、やらなくてもいいところまでやるのがMSの悪い癖だ。あ〜だ、こ〜だ、と画面に表示される進行表示(全体に対するパーセンテージと時間予測が出る)を見ながら、「はじめてから5分以上もたってるのに『残り35分』の表示のままじゃないか!」と叫びながらとにかく何もせずに黙って見守ることにした(下手にいじると再起不能だ。これはMS製のソフトをインストールするときの鉄則だ。とにかく黙って見守る。これしかない)。しかし、ここでとんでもないミスを思い出す。MOフォーマット補助ドライバをアンインストールしていない!さてどうしようと思ったが、ドライバは勝手にインストーラが警告なしに上書きするだろう(これもMSの常套手段)、レジストリにゴミが残るが仕方なしとしよう、という結論に至り、黙って待つ。数回の再起動のうち(いちいちうるさいWaveが鳴る。しかし、鳴るということはサウンドボードはきちんと認識されている、ということだ)、なんと、驚いたことにすんなりアップグレードできてしまった!
デバイスマネージャを起動し、ハードウェアをきちんと認識しているかチェックする。案の定、SCSIドライバがとんちんかんでMOドライブを認識しなかったが、新しいドライバを入れることで解決。ディスプレイもとんちんかんなものを認識していたが、これもきちんと設定してやることで解決。COMポートの設定がデフォルトに戻ってたので設定しなおす(せっかくTAつないであるんだから、もともと接続ハードウェアとして認識していたんだから勝手に「標準のモデム」というダサいものをインストールするな!)。
エディタ(現在JUST SYSTEMが"一太郎"のCMに(ATOK)「いれたてのお茶」→他社「入れた手のお茶」、(ATOK)「バスガイドが添乗する」→他社「バスガイドが天上する」をやっているが、他社とはMS
IME-98のことと思う。実際、自分のIME-98がそう変換した。この笑える誤変換を見つけてCMにしてしまうセンスに感服だ)とメーラが起動することを確認して、ファイルシステムを変換に取り掛かる。しかし、なんと、驚いたことにこれも1発で終わってしまった。もともと1.6Gbytesのディスクの残り容量630Mbytesのところにアップグレード直後が残り430Mbytes、FAT32変換後はなんと840Mbytesになっていた。う〜ん、ありがたい。あとは勝手に統合されてしまったデスクトップを可能な限り外し、うざったいウィンドウアニメーションもTweakUIで外し、疲れてきたので今日はこの位にしてやろう、後はおいおい、ということにした(メニューが開くときのアニメーションも消した。タイトルバーのグラデーションも消した。そんないらんことするな、OSがユーザに対して押し付けがましいことするな、とMSに強く言いたい。そうこうしている間にIME-98がバージョンアップされたが、Windows98は直接"Windows
Update"からでないとバージョンアップできない。私はISDN接続だからいいものの、約4.4Mbytesのダウンロードってアナログだときついぞ。押し付けがましい。しかも「入れた手のお茶」はそのままだ。ばかめ)。
と、いうことでなぜかすんなりとアップグレードが済んでしまった。なんとまぁ味気ないというか、気が抜けたというか、雑誌等での予備知識もあったことも幸いしてはいるが、覚悟さえあれば世の中何とかなるもんである。しかし、そんな覚悟が必要な製品を世に送り出してもよいのだろうか、MS。うまくアップグレードができずに泣いている(泣いた)ユーザも多いと聞くので、このコラムが何かの役に立てばと思う。合掌。
教訓:特に必要がない限りMSのOSはアップグレードすべきでない。
(1998.10. 4.)
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