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第29回 コラム:来たるべき世紀 partV


 20世紀、産業革命によってもたらされた爆発的な経済の成長は、大量の化石燃料を燃焼させてエネルギーを取得し、そして大量の工業製品を作り出し、そして大量に消費し、大量に廃棄してきた。それがさらに経済の成長を促し、化石燃料の消費を加速させ、大量の廃棄物を作り出してきた。しかしそれらは20世紀末期になって、我々人類に警告を発している。

 アメリカ合衆国スクリプス海洋科学研究所のロジャー・レベルは1955年、石炭や石油に代表される化石燃料を燃焼した結果に得られるエネルギーの消費によって二酸化炭素(CO2)が大気中に増加すれば、二酸化炭素のもつ「温室効果」という性質より、地球は温暖化へと向かい、気候が変わることになると発表した。しかし、当時は全くこの発表、警告に関心が寄せられることはなかった(物質的に豊かになっていく中でエネルギーの大量消費が進む中で、二酸化炭素が少しぐらい増えたからといってそんな影響が出るわけもない、というのが当時の世論だった)。そこでロジャー・レベルはチャールズ・キーリングに研究を託し、1958年、ハワイ島マウナロア山の中腹(標高3,400mの地点)に高さ40mの鉄塔を建て、大気中に含まれる二酸化炭素の濃度を観測し始めた。

 「温室効果」とはどういうものか。二酸化炭素や、メタン、フロン等の炭素ガスは、熱を逃がしにくい、という特徴を持つ。例えば、ビニールハウスで作物を栽培するときにはビニールハウス内の二酸化炭素濃度を少し高めに設定すると、外気温よりも高めの温度を維持するようになる。これにより夏野菜であるトマトやキュウリが一年中食卓に並ぶわけである。ビニールハウス、という閉じた空間であれば「温室」の効果、恩恵を人類は享受することができるが、それが地球規模となると話しが異なることになる。地球の大気の主成分は窒素で約70%。次いで酸素が約19%。二酸化炭素はわずか0.03%である。この0.03%の二酸化炭素が、昼は太陽からの熱を受け、夜はあまり熱を逃がさず大気温の調整をするおかげで平均気温約15℃という気候を保っている。この二酸化炭素が全く存在しなければ平均気温は−15℃まで下がるといわれている。ちなみに大気の主成分(98%)が二酸化炭素の金星は強烈な温室効果により平均気温約500℃、灼熱地獄である。ほとんど大気中に二酸化炭素を持たない火星(二酸化炭素は気体ではなく固体として存在するため)は平均気温約−50℃という世界である。

 話しをチャールズ・キーリングの観測に戻そう。1958年に観測しはじめて10年、季節による多少の増減はあるものの年を追うごとに一貫して指数関数的に二酸化炭素の濃度は上昇していることが確認された。しかしそれでも世界の注目を集めることはなかった。この観測データの存在について転機が訪れたのは1988年。記録的な異常気象(熱波、干ばつ)がアメリカ合衆国を襲ったことによる。主力の輸出品である穀物の生産に大打撃を与え、相場は急騰、混乱した。当時アメリカ合衆国上院議員だったティモシー・ワースはこのマウナロアでの観測に着目し、1988年6月23日、彼は公聴会を開き、地球に温暖化が訪れていると警告した(彼は自分の意見に説得力を持たせるため気温が上がりそうな日を選び、わざと会場の冷房を切って公聴会は行われた。実際彼の読み通りその日は記録的な暑さだった)。NASA(アメリカ航空宇宙局)からからも科学者、研究者を呼び、科学的な根拠があることを付け加えた。

 これがきっかけとなり、1997年世界地球温暖化防止京都会議が開催された。1997年には二酸化炭素総排出量約65億トンにもなっていた二酸化炭素を1990年を基準としてその半分まで削減するために当面2012年までに削減目標を決定するためだった。世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカに対して当然大幅な削減目標が課せられることは明白であったが、産業界の大規模な反対キャンペーン(「二酸化炭素の削減をすると物価が上がる。それでも高い製品をあなたは買いますか?」というテレビCMまで作成し、放映した)にあい、しかも京都会議で削減目標が決定されても上院は従わない議決まで行われ、自国の利益だけを守るためにはなりふりかまわない、という利己的な主張を前面に押し出してきた(排出削減は当時好調だった経済を減速しかねない。経済優先の国策、欲望優先の国策を取るかの国ではそうなるのはしかたがないであろう)。当時国務次官にまでなっていたティモシー・ワースはこれがもとで辞任せざるを得なかった。そしてアメリカは狂気とも思える「削減目標0%」(つまり削減なんか全く行わない)という主張を打ち出した。結局京都会議では各国歩みより、アメリカ7%、ヨーロッパ全体で8%、日本は6%、という目標が課せられた。しかしアメリカは小賢しいことにこの排出削減に市場原理を持ち込み「排出権」の導入を譲歩の条件として強引に認めさせた。

 市場はまだ形成されていないが、この「排出権」は既に取り引きが始まっている。あるアリゾナ州の発電所は専門のトレーダーを雇い、活発に取り引きをしている。仕組みはこうだ。例えばある企業(企業A)が二酸化炭素の排出を200万トン削減に成功したとしよう。このうち、100万トンを削減しなければならない別な企業(企業B)が自分の排出した削減分として100万トン分買う(これが「排出権」)。仮にこの企業Bが50万トンの削減に成功したとする(これで企業Bは150万トンの削減が数字上できたことになる)。すると50万トンを高値をつけて売りに出す(それを企業Cが購入して市場として成り立つ)。どうやら現在は1トン=1.5(米)ドルが暗黙の相場になっているようだ。将来は全世界で約20兆円の市場(企業対企業のみならず企業対国、国対国で取り引きされるだろうとアメリカは読んでいるのである)となると予測されている(どこかの国、例えばロシアが大量に二酸化炭素排出の削減に成功すれば、金さえ払えば自国では全く削減しなくても数字上は削減目標を達成したことになる。今は経済絶好調で、金はふんだんにあるし、ロシアにはちょっと新技術を注入すれば排出量は激減するはずだ、という論理)。これで本当に二酸化炭素は減少できるのか。私は疑問を持たざるを得ない。現在日本は二酸化炭素削減技術ではトップレベルにある。ここからさらに6%削減は困難であろう(ましてや常軌を超絶した無策集団と化しているどうしようもない連中を集めたあの日本の内閣からは打開策を打ち出せまい)。結局、赤字国債を発行して「排出権」を買うしかなくなるだろう。負の遺産は増えるばかりだ。

 もともと環境先進国であるドイツは、自国に21%という高い削減目標を課した。1970年代よりシュバルツバルトで大量の酸性雨により森林破壊が進行し、1986年の(当時ソ連、現ロシア)チェルノブイリ原子力発電所の事故の影響は遠く離れたドイツまで及ぼした。「大気に国境はない」それがドイツの考え方だ。この自然破壊を背景に環境保護を政策として掲げる「緑の党」が初めて1983年に議席を獲得する。そして1998年に成立したシュレーダー首相を中心とした社会民主党連立内閣発足により、連立政権の一員として入ることになる。もともとエネルギー消費の効率が悪かった旧東ドイツの工場、暖房設備をとりこわし、10%の二酸化炭素削減を確保した。エネルギー消費に高い税金をかけ、国民に省エネルギーを促した。もっともそれが進んでいる人口28万人のミュンスター市は自転車専用の車道レーンを作り(ここ10年で自転車の量は倍になった)、バス専用の信号システムを作り(バスの運賃も極端に下げた。学生なら日本円で約2,600円で半年乗り放題)、マイカーを徹底的に規制し、学校での暖房設定を2℃下げさせ、水道のお湯の配管の太さも制限する徹底さだ。そんな中、電力会社はエネルギー効率の高い発電所を建設し、そのため、電気料金は高めに設定していた。が、電力事業が自由化されると化学メーカーが安い電力を供給するようになり、この電力会社は経営の危機に立たされている。また、ガソリンに環境税を課そうとする政策調整会議の場にドイツ自動車連盟から環境税導入反対の手紙が届いてしまう(自動車産業はドイツの基幹産業でもある)。またこのミュンスター市では空港を国際線化する拡張計画があり、空港が拡張されれば新たな雇用の促進(ミュンスター市ではドイツ平均に比べ失業率が2%高い)され、経済は好調に向かうことが予測されるが、空港周辺には自動車が集まり、また国際線ともなれば大きな飛行機が大量の二酸化炭素を排出する。ドイツは経済成長と環境の中で苦悶している(1999年3月11日、蔵相ラフォンテーヌ氏が突然辞任した。通貨統合や連立政権を支えていた人物だけに今後のドイツの方向性が心配される)。

 1999年1月にアメリカ合衆国デトロイトで開催されたモーターショーでは、環境対策された省エネルギーカーが展示されたが、人々の注目はよりたくさんのガソリンを消費する高馬力な大型自動車だった。人間は目に見えない恐怖には関心を払わない、ということであろう(特に何が価値となるか判断できないアメリカ人にとっては)。

 このまま化石燃料を消費しつづければ、21世紀には平均で3.5℃も気温が上がり、北極や南極では10℃も上昇することが予測されている。氷が解け出すことにより国連機関IPCC(The Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の予測によれば、海面は1m上昇し、その分だけ陸地が消失する(これによりトンガ等の南太平洋の島国は国土が消失する)。気温が上昇することにより干ばつ等の自然災害が発生し、熱帯地域が拡大することにより、熱帯性の感染症が増加することになる。もともと海は大気と二酸化炭素の交換を行ってきた。それが珊瑚礁や石灰岩を作り出してきた。今から約4億年前、地上に誕生した植物は光合成することで二酸化炭素を吸収してきた。しかし、その力をもってしても、(1990年現在の)人類の排出する二酸化炭素の半分しか吸収することができない。現在でもそういう状況なのに、数々の開発途上国が先進国並みに化石燃料を消費し始めたらどうなるのか。IPCCの予想よりももっと急激に温暖化が進むだろう。だからといって彼らが豊かになろうという意志を抑えつけるのはエゴでしかない。そんな内政干渉は許されることではない。

 絶え間なく海や植物は二酸化炭素を吸収してはいるが、マウナロア山の観測所での大気中の二酸化炭素濃度を示す針は加速度的に上昇していく様を刻み続けている。

 地球温暖化防止も早急に対策すべき問題ではあるが、ゴミ問題も人類は解決せねばならない。それは自らの欲望の果てであり、物事の始まりには知恵を絞ってきても、結末を全く考えてこなかったツケを払うときがもう既に来ているのだ。

 アメリカ合衆国ニューヨーク市。人口1千万人のこの大都市から毎日排出されるゴミの量は約1万トン。この大量の廃棄物を抱えてきたのは、もともとは沼地だった郊外にあるフレッシュキルズ埋立地。東京ドームの約380倍もの面積がある、世界最大のゴミ埋立地である。しかし、収容能力は限界に近づきつつある。もともと20世紀初頭はアメリカでもリサイクルのシステムは機能していた。が、大量生産、大量消費の時代を迎えるとそのシステムは機能しなくなり、大量の廃棄物であふれかえることになる。そういう背景のもと1948年からフレッシュキルズでの埋め立てが始まった。しかし、大量に運び込まれる廃棄物が堆積していくに従って、大量に発生するメタンガス、汚染された地下水。それらの前にニューヨーク市は2001年にフレッシュキルズ埋立地を閉鎖することを選択せざるをえなくなった。しかし、毎日大量に生み出される廃棄物を処理する有効打はない。リサイクルを促進することによりゴミを25%削減する目標だが、13%しか達成できていない。大量消費、使い捨て、大量廃棄と行った生活習慣をなかなか変えられない。不法投棄も絶えない。「ゴミポリス」と呼ばれる防弾チョッキ、拳銃で武装した監視人を配置しても効果はあがっていない。生活習慣を力で抑えつけようとするアメリカの貧しい姿がある。

 ゴミ問題は処分システムが信頼を失ったことも起因している。ダイオキシンに代表される発ガン性がある有害な汚染物質は塩素を含むプラスチック製品を不完全燃焼させた場合に発生する。1976年、イタリアで農薬工場が爆発し、ダイオキシンが大量発生。200人をこえる付近の住民が皮膚炎を発症。家畜が処分された。いわゆるセベソ事件である。また、1977年、オランダのゴミ焼却場でダイオキシンが検出された(これはゴミの焼却がもとでダイオキシンが発生した最初の報告である)。ゴミの行き場がなくなり始めた1980年代、日本を含む先進工業各国は焼却灰等の有害廃棄物を開発途上国に輸出を始めた。アメリカ合衆国フィアデルフィア市は焼却灰の始末を民間会社に委託し、1986年9月、この会社はキーアンシー号という船に乗せて周辺の途上国へ向かう。しかし、バハマ、ホンジュラス、パナマで入国を拒否され、1年3ヶ月海上をさまよい、ハイチに肥料と偽り半ば強引に運び込む。ハイチ政府は撤去を要請したが、キーアンシー号は夜陰にまぎれて逃走した。この焼却灰は有害物質を大量に含んでいたため、土壌を汚染し、付近の動物を死に追いやった。ハイチ政府の撤去要請にはアメリカ政府、フィアデルフィア市は全くの無視を続けた(業者に委託したのだからそれは業者の責任だ、という論理)。1989年、国連において有害物質を含む廃棄物の輸出を禁ずる「バーゼル条約」が採択され、この先進諸国から開発途上国へのゴミの流れはやっと止まった。そして1998年11月、やっと自発的にハイチに投棄した民間会社が撤去作業を始めるが、持っていく場が見つからず、ビニールシートを被せるだけにとどまっている(当のフィアデルフィア市民は「海の向こうの話しに関心はない」だ)。

 世界的なゴミの焼却処分に日本はかなり関係している。明治維新以来高度な文明が日本にもたらされたが、コレラやペストといった疫病ももたらされた。明治政府は衛生上の観点からゴミは焼却すべし、と発令した。このことにより、日本全国各市町村にゴミ焼却処理場基本的に一つずつといった世界に例のないゴミ焼却大国が誕生する(現在世界中で稼動しているゴミ焼却炉の半数が何と日本国内に存在する)。確かにゴミの焼却はゴミの減量に大きく貢献した(その意味では日本はゴミ減量先進国だった。ニューヨーク市から視察が来るほど)。そのため、プラスチックゴミが不完全燃焼しやすい小規模な焼却炉が多く、ダイオキシンの規制が大きく立ち遅れることになった(ゴミ焼却施設によるダイオキシン汚染の顕著な例は大阪府能勢町、埼玉県所沢市、茨城県新利根町等々である)。しかしその日本も2002年にはWHOの定めた欧米並みのダイオキシン規制(焼却炉の排気1立方メートルあたり10ピコグラム以下)が施行されることになっている。

 アメリカ合衆国サフォーク郡。ここで1988年4月、プラスチックの使い捨て容器を規制する「プラスチック禁止法」が成立する。しかし、全米プラスチック産業境界から猛烈な反対運動が起きた。議論は使い捨て容器禁止派のセントロレンス大学教授のポール・コネット氏、便利な生活習慣を堅持したいサフォーク郡議員マイケル・ドノホー氏を中心に続いた。禁止法が成立してから1年3ヶ月で使い捨てのコップや容器、フォーク、スプーンなどが禁じられるはずが、全米プラスチック協会がニューヨーク州地方裁判所へ訴訟を起こしたことにより宙に浮いてしまった(これは全米各地でサフォーク郡に習う動きがあったためだった)。裁判が長引き、「リサイクルすればゴミは減る」とドノホー氏は動いたため、このプラスチック禁止法に反対する議員が増えてきた。そして一度も施行されないまま、1994年、規制のないリサイクル奨励法に変わってしまった。幻想でしかない豊かな使い捨て文化へのサフォーク郡の挑戦は敗北で終わった。

 リサイクル先進国であるドイツでも苦悶が続いている。ミュンヘン市では徹底したリサイクルによりゴミの量は最大時の50分の1にまで減少した(そのため、市の最終処分場は半分も余っているという日本にとっては羨ましい姿だ)。市民に"ゴミ代"を負担させることで経済感覚に働きかけるものであった(より少なくゴミを出す人には"ゴミ代"が軽減される)。そのかわり、無料のリサイクルシステムを整備した。細かく分別するだけでゴミの量は7分の1に減少する。商品にはリサイクルを義務付けるマークをメーカにつけさせ、さらにメーカにはDSD社というリサイクルを行う会社を設立させた。そして電気製品等を無料で修理するサービスを市は始める。ネジや部品を統一させ、リサイクル効率が上がるようにした。一見成功したかに見え、リサイクルとして機能している姿だが、ゴミ焼却処分技術も向上し、ガス化溶融炉という新しい焼却炉が開発されたことで揺れ始める。ゴミをガス化させて高温で燃焼させるシステムである。通常ゴミには水分が含まれるため、燃焼温度が下がってしまう(これによりダイオキシン発生)。そこでこのガス化溶融炉ではゴミをある程度乾燥させて水分を抜いてから焼却させる(ゴミが完全燃焼するためにダイオキシンは発生しない)。しかし、このガス化溶融炉は高温を保つためにプラスチックのゴミを必要とする(分別によりプラスチックはほとんどがリサイクルに回されていたのに対し、プラスチックのゴミを出せ、というのである)。そして残った焼却灰は固形燃料として再利用できるため、最終的にはリサイクルの形態となる。ラーンディル郡ではこの固形燃料で発電するプラントの建設が始まっている。新しい技術への不安と機能していたリサイクルシステム。当然住民は困惑している。資源の有効利用と新しい焼却技術との間でドイツは揺れている。しかし、リサイクルされない有害廃棄物(ダイオキシンを含むもの、PCBなど)も当然存在する。これらは岩塩を採掘していた深さ800mの岩塩坑に貯蔵されている。分解することができる新しい技術が開発されるまで(これと同じようにアメリカでも石炭や鉄の鉱山の坑に放射性廃棄物を貯蔵している)。

 38億年前、海で生まれた生命は多様な進化を遂げてきた。約1億年前、アカウミガメとアオウミガメが生まれる。最近になって、死んで浜に打ち揚げられたこれらのウミガメの胃の中からプラスチックが検出された。餌と間違えて食べてしまったからである。この様な使い捨て容器が使用されるようになったのはここ30年くらいのことであり、人間の独り善がりな経済活動の結果であるが、海の生き物の生命を奪い始めている。ゴミ問題は人間だけの問題ではないのだ。

 「かもしれない」という状態に備えるには非常に困難である。その「かもしれない」状態が予想もつかないことだったり、「まさか」ということだったりする場合には特に。よって、「対策」は必ず何かが起こった後で計画性もなくその場しのぎだけで終始する(常に後手後手だ)。これは歴史が証明している。となれば、二酸化炭素が増えていくのは止められない(大規模な地球温暖化)。捨て場のない産業廃棄物の増加も避けられない(もはや有害物質で汚染されていない土地はないのではないのか。地中深くに埋めたところでその場しのぎでしかない)。人類の歴史の中で何度か「氷河期」という気候の大変動があった時期があり、これによって生物、人類は淘汰されてきた。21世紀は自然による淘汰の時代ではなく、人間が自ら引き起こした淘汰の時代なのかもしれない。誰が生き残るのか、生き残ってもそこに未来はあるのか、それはわからない。

(1999. 4. 4.)

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  • 二酸化炭素(CO2) 炭素を含む物質を燃焼(酸化)反応させると、炭素が酸素と結びつき、この二酸化炭素が生成される。無臭。空気の平均重量よりも重いため、酸素と遮断させる目的で消化剤としても用いられる。温室効果ガスのひとつ。
  • メタン(CH4) 湿原や湖沼で自然発生し、天然ガスや家畜、水田、廃棄物埋めたてによっても発生する。有臭。空気とこのメタンとの混合気は引火性が高く爆発性である。常温では気体であるが、水の分子の中にメタンの分子が入ってある圧力、温度条件のもとで固体化したものがメタンハイドレートと呼ばれるものである。近年世界中の海底に大量に存在することが確認された。温度条件が変化し、このメタンハイドレートが空気中に拡散すると二酸化炭素の比ではないほど急激な温暖化をもたらすと推測されている。
  • フロン フロンといえばオゾン層の破壊の方が大きく取り上げられているが、このフロンもまた温室効果ガスである(たとえオゾン層を破壊しない代替フロンであっても)。クーラー、冷蔵庫等の冷媒や、洗浄剤として用いられる。フロンガスにはいくつか種類があり、CFC、HFCなどがある。無臭。

今回参考にさせていただいたもの

  • NHKスペシャル「世紀を越えて」 1999年1月より月2回ずつ、42回にわたって放送中
  • NHKスペシャル「海」 1998年放送
  • Yahoo! News http://news.yahoo.co.jp/headlines/
  • IPCC(The Intergovernmental Panel on Climate Change) http://www.ipcc.ch/
  • 国際化学物質安全性カード(ICSC) http://www.nils.go.jp/ICSC/
  • 宇宙開発事業団 http://www.nasda.go.jp/
  • 《Galaxy Textpress》 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/4176/euc.htm

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