真夜中の脳みそ
詩集「半熟卵」(Update:2001.
9.16.)
コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004.
8.21.)
AIBO日記(Update:2003.11. 3.)
アルバム(Update:2003.1.31.)
「紺野」とは?(Update:2004.
8.21.)
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樹
目次
一本の木
さみしいのか
さみしくないのか
もう、忘れてしまった
好きなのか
好きじゃないのか
もう、昔のこと
もともと感情なんて
持ってなかったのかもしれない
ただ
こうして
ずっと遠くを見ているだけで
充分なんだ
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門出に
小さな人には 小さなものを
大きな人には 大きなものを
弱い人には 弱いものを
強い人には 強いものを
小さな弱いものには 眩しい光を
大きな強いものには 一本の道を
小さな強いものには 夜の吐息を
大きな弱いものには 緑の若芽を
幾千万の祈りにかえて
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ほら、風が吹いた
雲が流れていくよ
白い白い雲
樹々が揺れているよ
緑の樹も枝だけの樹も
音を運んでくるよ
細くて強くて
祈りを伝えていくよ
西からも東からも
色が変わっていくよ
華やかに鮮やかに
時間(1.)を呼んでいるよ
しがらみや想い
火の粉が飛んでいくよ
遠く遠くへ
火が消えてしまった
やっと燃えはじめたのに
ほら、風が吹いた
- 時間.....とき
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丘の上で
静寂の弦(1.)が緩んで
いろんなものから角がとれていきます
単色の支配が終わって
いろんなものに色が塗られていきます
ひなたでうたた寝、いい気持ち
空を見上げて、いい気分
いのちが芽吹く、いいにおい
あいまいな時間(2.)、いい心地
こんなに、こんなに
やわらかい
こんなに、こんなに
あたたかい
ふわふわの空気を吸い込んで
いま、つぼみがふくらみます
- 弦.....いと
- 時間.....とき
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46億年の歌
波の音は
46億年の歌
ずっといつまでも聴いていられる
波の音は
生命(1.)の歌
全てがここから生まれた
波の音は
包容の歌
喜びも悲しみも知っている
波の音は
憧れの歌
みんな明日をめざしていた
波の音は・・・・・
波の音は・・・・・
- 生命.....いのち
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Coda
花束をかかえて
街を歩こう
誰に届けるでもない
両手いっぱいの花
あてもなく
通り雨に打たれながら
こぼれていく花びらに
僕のかけらをのせて
灰色のジャングル
少しだけ色づける
全部なくなったら
立ちどまり
歓喜の声をあげて
風に吹かれよう
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記憶
小春日和の
陽溜まりの中
ぼやけていく彩(1.)
うすれていく輝(2.)
滴の様に
こぼれていく枯葉
風に舞い
土に帰る
見えないくらい
奥深い底の方で
握りしめる
強く堅く
ページをめくる指先
ずっと遠くで
- 彩.....いろどり
- 輝.....かがやき
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22cm
夜をすべる
乾いた吐息
襟を立てながら
凍る視線
震える肩
照らす月明かり
指が探す
微かな別解
音に阻まれて
止まる情景(1.)
消える時間
奪い合う温度
凝結する身体に
熱き血潮を
- 情景.....シーン
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僕は庭にいます
梅が咲きました
甘酸っぱい香りに包まれる庭です
小鳥が小枝にとまっています
何も言えなかったのは僕でした
今年もたくさんの実がなるでしょう
桜が咲きました
花びらはピンク色の風に変わります
紋白蝶もやってくるようになりました
遠くを見ていたのは僕でした
夏は緑でむせかえるでしょう
紫陽花が咲きました
薄い水色が雨に濡れています
遠くで蛙もないています
泣きたかったのは僕でした
もう少しで梅雨も明けるでしょう
鉄砲百合が咲きました
つんとくるいい香りが庭を支配しています
どこからともなく蜂が飛んできます
潔白じゃなかったのは僕でした
いつかは茶色になって枯れるでしょう
菊が咲きました
大輪と小輪が並んでいます
蟋蟀が根元で跳ねました
眼を閉じていたのは僕でした
風が白い妖精を連れてくるでしょう
雪が積もりました
樹々は白い葉と花をつけています
誰も来てくれなくなりました
その場を乱したのは僕でした
じきに色が塗られるようになるでしょう
僕は庭にいます
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