真夜中の脳みそ
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犬
目次
犬
「犬」は誰が主人か知っているものだ
しかし
それが宿命と押し付けた結果であり
その前提の上で手なずけてきた
訓練された「犬」は
どんな強大な「標的(1.)」へも立ち向かい
群れをもって必ずしとめる
つくられた最強の証として
血走った感覚器で周囲をとらえ
残されたわずかな領域で思考し
眼光がさらにより一層鋭くなる
彼は気が付いたのだ
彼はどんな主人をも望まぬ「犬」となった
野に自らを投じた「犬」は
歩くことで背景を隔てる
何かの所有物になることを否定する
ただ一つの道として
頼れるものは自らであり
存在するのは自らの能力
あらゆるレベルを超越し
「標的」へと立ち向かう
歩き続けることができなくなり
背景と融合してしまったとき
彼ははじめて眼を閉じる
満面の笑みを浮かべて
- 標的.....ターゲット
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空間
壁はあるが
窓はない
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極楽蜻蛉批判
「我々に失敗はない」
と彼は言った
その発言が失敗だと
彼は知らない
「正義を信じるものは必ず勝つ」
と彼は言った
何が正義であるかを
彼は知らない
「解決のためのできるだけの支援」
と彼は言った
自分の言葉を
彼は知らない
愚かなる指導者共よ
はいつくばる愚民達よ
誰かが同じことを繰り返させているのではなく
全員が同じことを繰り返させているのだ
自己満足が得られるのが
自己正当化するのが
責任転嫁するのが
正しいとでも思っているのか
誰かが勝つことで
何かが終ることで
彼らが死ぬことで
解決されるとでも思っているのか
雰囲気だけの
感情だけの
論理性のない言葉に
重みはない
騙されているのは一体誰か
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詩人
彼は彷徨って(1.)いた
彼は疲れていた
彼は苦しんでいた
彼は悲しんでいた
視えるもの
聴こえるもの
全てを疑い
全てを信じた
呟きは風に乗り
涙は雨になり
思考は干からび
足跡は掻き消された
彼は歩いている
錆びたromanticismを胸に
- 彷徨って.....さまよって
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目覚めよ
目覚めよ
魑魅魍魎ども
目覚めよ
全知全能の虚像よ
目覚めよ
我が思考よ
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道
祈る言葉を失い
庇う言葉を失い
隠す言葉を失い
偽る言葉も失い
貧しき言い訳からの脱却
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自己否定
言葉なくして表現はできない
言葉では完全に表現できない
自分自身は無知であり
自分以外も全て無知なのだ
言葉は貧しく限界があるが
我々にそれ以外ができようか
抽象に勝手な印象を張り付け
それが本質とほざく愚かしさ
孤独ももはや言い訳に過ぎず
人間性を露呈しているのみ
たとえそれが完結したとしても
不毛の砂漠は続くのだ
自己を解放することを恐れ
隠れ蓑を探していたに過ぎない
あらゆるものをかなぐり捨てよ
身体すらも全く必要はないのだ
そこに何が在るか
答える勇気をお持ちだろうか
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廃棄物
それを視た
そこに在った
腐っていた
錆びていた
存在を主張するわけでもなく
存在を否定するわけでもなく
そこに在った
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少年
少年が何を視ていたのか
少年が何を考えていたのか
少年が何を感じていたのか
誰が少年だったのか
今では
誰も知らない
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窓の外はいつもくもり
誰だって何もできやしない
いつでもただの傍観者
テレビの画面を眺めながら
独り言を繰り返している
何の苦労もなく手にした豊かさに
骨の髄までつかりきって
消費し続けることしか知らないのだ
イメージは商品としてひとり歩きをはじめ
損得勘定で片づける
八方美人でいようとする
偏見でかためた情報を与えて
何も知らない人々を煽っている
誰もがやっていることが正当で
あたりいちめん同じ色
多数の中にいれば安心なのだ
昔誰かがやったことを
繰り返しただけなのに
昔やった誰かから非難をあびる
そんなことをしてはいけないと
自分がやったことは
忘れたふりをしたり隠したり
小手先だけの醜いあがきはするけれど
根本的なことは誰もしない
自分を否定するのが恐いのだ
何が正しくて何が正しくないのか
何が誤りで何が誤りでないのか
何が良くて何が良くないのか
何が悪くて何が悪くないのか
何が平和で何が平和でないのか
何が自由で何が自由でないのか
答えられもしないのに
何も考えていないのに
「『常識』だ」と言ってふりかざす
感情論では何も解決しないのだ
20分後の未来がそこにある
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