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真夜中の脳みそ

詩集「半熟卵」(Update:2001. 9.16.)

コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004. 8.21.)

AIBO日記(Update:2003.11. 3.)

アルバム(Update:2003.1.31.)

「紺野」とは?(Update:2004. 8.21.)

Links(Update:2002.10.20.)

更新ログ(Update:2004. 8.21.)

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1993年


目次


しかく

 僕はただの「しかく」だった
 「まる」になれと何度となく言われた
 「まる」になろうと円周率を覚えた
 3.14159265358979323846.....
 小数点以下20桁まで言えても
 全然「まる」なんかにならなかった
 本を見ればもっとたくさん書いてあるし
 プログラムを走らせれば何億桁まで計算できる
 でも「しかく」は「しかく」のままだ

 「まる」の方がいいとは僕は思わない
 「まる」っぽくはなるけど
 誰だって完全な「まる」じゃない
 同じ理屈で
 「しかく」っぽくはなるけど
 誰だって完全な「しかく」じゃない
 どっちにしろその程度だ

 僕は「しかく」の方が愛着があるし
 もうただの「しかく」なんかじゃないんだ

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You bet!

 暗闇とただの闇
 雨に濡れた手と
 濡れ羽色の白い烏
 鍵をくれ!
 トラの毛皮はカモフラージュ
 電子の鎧はモンタージュ
 Brain damageな夜だ
 Open it,open sesami!
 騒げ、喚け、腰を抜かせ
 遠くでドラム缶が吠えるだけだ
 中間分離帯のないhigh-way
 powerは虚数を実数にする魔法の関数
 「虚」という漢字を使っている限り
 それはrealだ
 イメージしろ
 自分の仮面と邂逅しろ
 ガウス平面はいつだって笑っている
 3クロックだけCPUを止めるんだ
 自らすすんで落ちれば落とし穴じゃない
 ドアを開ければリンボでダンス
 前へならへ
 右を向け
 世界標準時は3秒遅れだ
 惑わされるな
 霧の中では強い国も弱い国もない
 観念を捨てろ
 Beat it,beat dowm!
 いつだってバイブルは腐ってる
 毎晩毎晩発電するだけ

 You bet!

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気温17度、快晴

 つつみこむ
 陽(1.)を感じながら
 喜びを表しているのか
 生命(2.)が芽吹く

 謳歌するのが
 たとえ一瞬であっても
 現在(3.)だけを
 受け止めている

 停止する時間の中で
 空気が動いている
 同化を求めて
 入り込んできた

 眼鏡を外し
 ページを閉じる

  1. 陽.....ひ
  2. 生命.....いのち
  3. 現在.....いま

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灰色の倒錯

 

 

 

 

 

 

 

 

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5月病になりそうな君へ

 自分で乗せた重荷や
 1G加速のため息
 あてもあい期待なんて
 振りきってしまえばいい

 挫折なんて
 感じている暇はない
 はいあがる必要なんてない
 状態変化はいつものこと

 自分が動かなければ
 何も来ない
 見ようとしなければ
 何も見えてはいない

 紫色の虹を越えて
 Get a chance!

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蘇る月

 0が並ぶ
 見慣れた街角
 薄れていく闇に
 雨はあがる

 主張する前兆
 交錯する赤銅色
 揺れる流音は
 その場を乱す

 動はいらない
 調はいらない
 終はいらない
 水もいらない

 曲面を滑る光を
 滲む月に

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Metamorphism

 いざなえ
 原色の世界へ
 435.8nmの青を
 我が身の中枢へ

 右腕が分解するほど
 強く、激しく
 大地が共振するほど
 低く、大きく

 脳髄を溶かせ
 心臓を焦がせ
 分子の結合すらも
 無きものに

 雷(1.)
 我と共に歩め

  1. 雷.....いかずち

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スレッショルドレベル

 連続する量子化ノイズ
 補正の限界オーバーフロー
 腐りかけた界面
 核融合までもう少しだ

 生ぬるい微風
 凝固する意志を奪う
 黄昏れる水の流れ
 色褪せる皮膚の感触

 140のビートを刻むLED
 眠り続けるビブラート
 15kHzの正弦波が
 剥き出しの神経を逆なでする

 錯綜する時間軸と
 to be continued

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北山崎にて

 ここは
 人を知らない海岸
 霧の中の浄覚の地

 時間のみを対象とする
 排他的な空間

 断崖絶壁に襲いかかる波の音は
 大地を揺るがす鼓動

 そして
 「神」と邂逅した
 否定されるべき「神」と

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捨てられた仔猫

 駐車場の隅に
 仔猫が2匹
 ダンボール箱の中に
 寄り添うように
 うずくまっていた

 夜の時間が寒いのか
 毛を膨らませて
 訴えているわけではないが
 君たちは僕に助けて欲しいかもしれない
 手をさしのべて欲しいかもしれない
 許してくれとは言わないが
 僕は助けるわけにはいかない

 僕は君たちが野に下ることを望む
 自分の力で生きていくことを望む
 そして
 一度でも手を触れた人間共を呪え

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「僕」の時代

 青と赤
 黒と白

 めぐり
 まわり
 もどり
 とまる

 静寂と流動
 そして
 破滅

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