真夜中の脳みそ
詩集「半熟卵」(Update:2001.
9.16.)
コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004.
8.21.)
AIBO日記(Update:2003.11. 3.)
アルバム(Update:2003.1.31.)
「紺野」とは?(Update:2004.
8.21.)
Links(Update:2002.10.20.)
更新ログ(Update:2004. 8.21.)
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1994年
目次
空
消えた幻を追いかけることはしない
いつまでも後ろを見ていることもしない
弱く迷う者を歪めることはしない
目を閉じたまま信じることもしない
ひとつひとつの粒子を集めて
交換される全てのエネルギーに
繰り返される閉鎖空間の中で
生きる喜びとモラトリアムを胸に
地を走り海を渡り山を登り
水が生まれ草が育ち種が蒔かれ
次の時代へと受け継がれていく
全てを凍らせる風になったとしても
熱く照りつける光になったとしても
遠く遠く広がる空を越えて
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後ろ向きの痛む涙
あれからどれだけの夜が過ぎ
今日の日付も遠い彼方
見知らぬ他人のふりをして
背中を丸め通り過ぎるだけ
冷めた視線の行き着く先は
はじかれつままれさげすまれ
降り積もる粒子を片手ではらい
渦巻く気流に気配を隠す
白く光る月の影に
狂った笑いふりまいて
ずるくなった今日もまた
黄昏れた朝を迎える
呟くモノローグ
昨日と共に置いてきぼりだ
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Get back and go back
I
m
a
g
i
n
e
a
l
o
g
i
c
. 7.
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混乱
夜を奪う瞼に
月の滴を滴らせ
極限の飢餓状態の中で
加速する前頭葉
許容量を超えるドーパミンが
陶酔に溺れさせる
越境する情報に
感覚器が全てを閉ざす
ノイズと化したサイコロジー
剥き出しの恐怖
3分前の動悸
舌に残る蜜
空の中の灯かりを
惑う時間を
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北緯40度岬
この場所は待っていた
寄せる波、消える波、舞う波
海鳥の泣く声遠く
風はまわりながら
岩は崩れ落ちる
誰かが鳴らす鐘は
幸福の願い
回転する地球に
線を引く
轟け、響け、湧きあがれ
大地の営み
歓喜の歌
芽吹く生命(1.)
そして
飛翔
- 生命.....いのち
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よごれちまった僕の話
よごれちまった服を着て
よごれちまった足どりで
風の音を食べ
菖蒲(1.)の紫を飲む
よごれちまった顔をして
よごれちまった神経で
遠くの心を眺め
僕は詩を書く
よごれちまった靴
よごれちまった手
よごれちまった僕の大脳
乾いた笑いを浮かべている
冷めた目に
かけるスパイスもない
梅雨の雨はいつも静か
- 菖蒲.....あやめ
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鳥
その翼は
朽ちていた
その囀りは
忘却の彼方
その嘴は
天を指し
その足は
地を蹴ったまま
思慕
憧憬
希望
全て死んだ
生ぬるい空気に
委ねるがいい
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心象二景 〜黄昏〜
うつむき加減な空もよう 風はそよいでる
行き交う人も 見上げる人も 気にもとめずに
明日のために 一度だけ わざとふりかえる
見えなくなっても 小さくなっても 手をふり続けている
足元照らす 灯かりを探し 戸惑ってしまいがち
今はこのまま 色を失い 溶けて消えてみたい
静かに暮れる黄昏がひとつ
静かに暮れる黄昏がひとつ
涙のような雨の中 重い足を止め
色とりどりの傘がみな 音もなく濡れる
零れていく思考のかけらに 立ち尽くすだけ
流れる光 留まる滴 時間が響く
つかめる明日は鏡のように 今日の繰り返し
過ぎ行く季節を見送りながら 留まり続けている
触れて重なる黄昏がひとつ
触れて重なる黄昏がひとつ
はかなく映る黄昏
夏のように
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悪魔の館
誘惑の錆びた扉を開ければ
電気仕掛けのショーが始まる
いつの間にか派手な衣装を纏い
無数のスポットライトを浴びて
科学者が創り出す端役
飽きもせず夢想する舞踏者(1.)
気が付くと剥がせない仮面(2.)
声もなく立ち尽くす主役
政治家に雇われた観客
どこまでも果てのない舞台
旋律(3.)を打ち崩す楽団
脈絡のかけらもない脚本
ゴシップを読むだけの指揮者
汗も涙も生命が流れても
幕切れは許されない
続けることだけが唯一の手段
心にあるのは後悔だけ
永遠に繰り返す
孤独の歌劇(4.)
- 舞踏者.....ダンサー
- 仮面.....マスク
- 旋律.....メロディー
- 歌劇.....オペラ
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季節のゆりかご
彩り重ねる景色の中で
水面をすべる細い風
夢や希望は流れに乗って
恐れや迷いは沈んでいく
記憶の森へいざなうアルペジオ
幻見まがう遠い空
靴と翼と鍵さえあれば
呪縛や悔いから解放される
預言なんてない
偶像なんてない
破壊も境界も
そして固体すらも
天と雲と大地と水と
3万回のハレルヤ
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音のない雨
濡れる
流れる
隠れる
暮れる
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月下の像
半身だけ照らす月明かり
寒風に身じろぎもせず
その腐食は涙の様
中空を見つめ立ち尽くす
その影は雑踏に荒らされる
その存在などないかの様
像は僕を見ない
誰も僕の影を踏まない
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