作品名 | 「なめとこ山の熊」 |
作成年 | 昭和2年頃 |
関連作品 | − |
作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:擬生犠 |
作品内容 | 花巻のなめとこ山には熊がたくさんいた。熊捕り名人の淵沢小十郎はその熊を捕って生計を立ててはいたが、別に熊を憎んでいるわけではなく、生きるために仕方なく熊捕りをやっているのであった。小十郎はもう熊の言葉がわかる程で、また熊の方も実は小十郎が好きで、崖や木の上から山を歩くのを見ていたり、小十郎の家の前で死んで家計を助けたりした。しかし1月のある日、小十郎は不意に熊に襲われた。小十郎の犬に噛み付かれた熊は、つい小十郎を殴り殺してしまう。熊は「殺すつもりはなかった」と言い、小十郎は薄れる意識の中で熊に謝る。それから三日目の晩、たくさんの熊が小十郎の死骸の周りに集まり、その死を悲しんでいた。 |
作品名 | 「楢ノ木大学士の野宿」 |
作成年 | 大正10〜11年 |
関連作品 | 「青木大学士の野宿」 |
作品特徴 | 難解度:☆☆,幻想性:☆,その他:鉱擬 |
作品内容 | 地質学者の楢ノ木大学士は商人の依頼で蛋白石を探して旅に出るが、毎晩夢うつつの中で鉱物達の会話を耳にする。一夜めは岩頸の4兄弟の会話を、二夜めは花崗岩のかけらの中の病んだ鉱物達の会話を聞き、三夜めは夢の中で旅の目的を忘れ、恐竜達に出会う。旅から戻った大学士の元に蛋白石を依頼した商人が訪ねる。大学士が取り出した下等な蛋白石を見た商人は文句を言うが、大学士は商人を追い出してしまう。 |
作品名 | 「二十六夜」 |
作成年 | 大正12年 |
関連作品 | − |
作品特徴 | 難解度:☆,幻想性:☆,その他:宗擬 |
作品内容 | 梟の三人兄弟の末弟の穂吉は兄弟の中で一番真面目で、説法会で兄達が逃げ出してもきちんと説教を聞いていた。穂吉はある日人間の子供に捕らえられてしまう。穂吉で遊ぶのに飽きた子供はその両足を折り、外へ逃がす。両足を失った穂吉はそれでも説教を聞きたいと言い、説法会に参加する。二十六夜の月が昇ったとき、紫色の雲に乗った三人が現れ、手をさしのべる。そのとき穂吉は息をしなくなった。 |
作品名 | 「猫の事務所(初期形)」 |
作成年 | 大正15年以前 |
関連作品 | 「寓話 猫の事務所」 |
作品特徴 | 難解度:☆☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:擬 |
作品内容 | ある事務所で働くかま猫は、かまどの中で寝る癖があるため黒く汚れており、同じ事務所で働く他の猫から好かれていなかった。ある日風邪のため欠勤をしたかま猫は、誤解からついに事務長からも無視される。が、そこに現れた獅子の一声により猫の事務所は解散させられる。最後に登場する獅子が、完成形では「おまえ達は何をやっている」と言うが、初期形では「何という思いやりのないやつらだ」と怒りの理由を明確にしている。また、初期形では最後に「かあいそう」を連続し強調した終わり方となっている。 |
作品名 | 「猫の事務所」 |
作成年 | 大正15年 |
関連作品 | − |
作品特徴 | 難解度:☆☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:擬 |
作品内容 | 「寓話 猫の事務所」参照。 |