か 行

作品名「貝の火」
作成年大正10年頃
関連作品「みぢかい木ペン」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容兎の子、ホモイはひばりの子を助けたことで「貝の火」と呼ばれる宝物を手にする。しかし、そのことで他の動物達に尊敬されるようになり増長する。それとともに「貝の火」はどんどん輝きを増すが、最後に砕け散り、その煙が目に入ったホモイは失明してしまう。
作品名「カイロ団長」
作成年大正10〜11年
関連作品
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容酒場の主人である蛙のカイロ団長は、アマガエル達にたくさん酒を飲ませ、代金を払えないと聞くと彼らを自分の子分にし、こき使うようになる。しかしアマガエル達は王様からの勅命により救われ、カイロ団長も改心する。
作品名「蛙のゴム靴」
作成年大正11年以降
関連作品「蛙の消滅」
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容カン蛙,ブン蛙,ベン蛙の三匹は外見の似通った蛙だったが、カン蛙はゴム靴を手に入れたことから美しいルラ蛙との結婚が決まる。結婚式の日、妬んだブン蛙とベン蛙はカン蛙を連れ回して靴を破り、さらに落とし穴に落とそうと企んだが、3匹そろって穴に落ちてしまう。穴に落ちた瀕死の三匹はルラ蛙の父親とその仲間達に助けられる。カン蛙はルラ蛙と仲良く暮らし、他の二匹は改心して仲直りする。「蛙の消滅」の最後が残酷なため書き換えたもの。
作品名「蛙の消滅」
作成年大正11年
関連作品「蛙のゴム靴」
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容「蛙のゴム靴」前身。カン蛙,ブン蛙,ベン蛙の三匹は外見の似通った蛙だったが、カン蛙はゴム靴を手に入れたことからテントウムシとの結婚が決まる。結婚式の日、妬んだブン蛙とベン蛙はカン蛙を連れ回して靴を破り、さらに落とし穴に落とそうと企んだが、3匹そろって穴に落ちてしまう。三匹は穴の中で死に、カン蛙を失ったテントウムシの娘は悲しむ。
作品名「学者アラムハラドの見た着物」
作成年大正12年
関連作品
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容学者アラムハラドは町外れの塾で11人の子供を教えており、教え子達は裁判官や大臣等を親に持つ者ばかりであった。ある日、アラムハラドは教え子達に「水が低い方に流れ、鳥が飛ぶように、人間がしないでいられないことは何か」と訊ねた。ある子は自己犠牲であると言い、またある子は正義であると言う。また教え子の一人セララバアドは、「良い事は何かを考えること」だと言った。アラムハラドはこれを聞き、金色の着物を着た人の姿を脳裏に思い浮かべた。原稿一部喪失,未完成。
作品名「かしはばやしの夜(初期形)」
作成年大正10年以前
関連作品「かしはばやしの夜」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容清作は夕方の柏林で絵かきと会う。柏の木大王に招待されたと言う絵かきと共に、清作は林の中に入り、木々や梟達の踊りを見る。(木を切る立場の清作が、切られる側の木々と交流を深める。) 原稿一部なし。完成形とは、絵かきや木々の歌などが異なる。
作品名「かしはばやしの夜」
作成年大正10年
関連作品「かしはばやしの夜(初期形)」
「葡萄水(初期形)」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容清作は夕方の柏林で絵かきと会う。柏の木大王に招待されたと言う絵かきと共に、清作は林の中に入り、木々や梟達の踊りを見る。(木を切る立場の清作が、切られる側の木々と交流を深める。)内容から、この作品の「清作」は「葡萄水(初期形)」に登場する「清作」と同一人物と思われる。(「葡萄水」は初期形から完成形になる過程で主人公の名が「清作」から「耕平」に変更されてしまう。)
作品名「風野又三郎」
作成年大正13年
関連作品「風の又三郎」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:−
作品内容9月、新学期が始まり学校へ行った子供達は、そこで不思議な子供に出会う。その子供は自分は風の精の又三郎だと言い、子供達にいろいろな話を聞かせる。又三郎が自ら「風の精」と名乗る点が「風の又三郎」と大きく異なり、全く別の作品となっている。
作品名「風の又三郎」
作成年昭和6〜8年
関連作品「風野又三郎」「さいかち淵」
「種山ヶ原」
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容夏休みが終わり新学期が始まった山間の学校に不思議な転校生「三郎」がやってくる。子供達は遊びを通して三郎と仲良くなる。子供達の一人、嘉助は三郎や他の子供達と種山ヶ原で馬を追っているうちに一人道に迷い、三郎がガラスのマントで空を舞う幻影を見る。やがて来たときと同じように三郎は急に転校し、子供達の前から姿を消す。「風野又三郎」では又三郎が自ら風の精であることを語っているのに対し、この作品では三郎は人間なのか、それとも風の精なのかはっきりせず、子供達の心に謎を残す。
作品名「ガドルフの百合」
作成年大正12年
関連作品
作品特徴 難解度:★★★★☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容ガドルフは旅の途中で嵐にあい、一軒の空き家で過ごすことになる。窓の外で風雨に揺れる百合の花々を見て考える。「俺の恋はあの揺れる花なのだ。」と。百合は一部折れたものの、やがて日の光によって光り輝く。ガドルフは再び旅に出る。
作品名「烏の北斗七星」
作成年大正10年
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容烏の大尉は、山烏との戦いを前にして、恋人に別れを告げる。大尉は山烏に勝利するものの、飢えて里に出てきただけの罪のない山烏の事を思い、憎むことのできない敵を殺さなくてもよい世界が来るようにと、夜空の星に祈る。
作品名「雁の童子」
作成年大正12年
関連作品「みあげた」「インドラの網」
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容流沙の南の泉で旅の疲れを癒やしていた「私」は、泉のほとりで小さな祠を目にする。旅の老人によると、その祠は「雁の童子」を祀った物だという。以下、老人の語る話。ある日、沙車に住む須利耶圭という男が従弟と共に野原を歩いていると、雁の群が飛んでいた。従弟が鉄砲で打ち落とすと、雁達は人の姿になって消え去る。須利耶は「この子は貴方に縁のある子供。お育て願います」という雁の遺言を受け、一人残った子供を連れ帰る。雁の童子は優しい子に育つが、ある日町外れの遺跡で天の童子の壁画を見た童子は須利耶と自分の関係を語り、倒れる。
作品名「革トランク」
作成年大正12年頃
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容担任教師が計算を間違えたおかげで工学校を卒業できた斉藤平太は、実家に戻り建築設計事務所を開く。初めて依頼された仕事は2階建の消防小屋と分教場で、平太は4日で両方の図面を引き終わる。やがて工事が始まるが、どうも大工の様子がおかしいようである。が、完成した分教場には廊下が、消防小屋には階段がなく、それを知った平太はそのまま東京へと逃げてしまう。2年が経ち、母が病気になったという電報を受け取った平太は、大きな革トランクに親方から貰った絵をつめて村へ帰る。
作品名「黄色のトマト」
作成年大正13〜15年
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容「私」が町の博物館の蜂雀の剥製から聞いた話。ペムペルと妹のネリが育てていたトマトの中に、黄色く輝く実がなったものがあった。ある夕方、羊歯に水をやっていた二人は楽しい音楽を耳にする。それはサーカスの音だった。小屋に入る人が何か黄色いもの(お金)を渡してから入るのを見た二人は、畑で採れた黄色いトマトを差し出して入ろうとするが追い出されてしまう。蜂雀の数が途中で変わったりと矛盾点がいくつかあり、原稿が一部ないなど、推敲の途中であったと思われる。
作品名「気のいい火山弾」
作成年大正10年頃
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容死火山(おそらく岩手山)の斜面にころがる丸い石、「ベゴ石」は、その容貌と人のいい性格から、周りの石達や自分に生えた苔にまでからかわれていた。ある日、山に登ってきた学者達に「すばらしい標本」と言われ、採取される。
作品名「銀河鉄道の夜(初期形1)」
作成年大正?年
関連作品「銀河鉄道の夜(初期形2)」
「銀河鉄道の夜(初期形3)」
「銀河鉄道の夜」
作品特徴 難解度:★★★★☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容冒頭原稿なし。銀河鉄道で旅をするジョバンニとカンパネルラ。ジョバンニは乗客の女の子とばかり話すカンパネルラに不機嫌になる。天界への駅(南十字)で女の子や乗客達と別れた二人はいつまでも一緒に行こうと誓う。が、列車が石炭袋を通るときにカンパネルラがいないことに気づいたジョバンニは、みんなのために本当の幸福を探すと誓う。そこでセロのような声が聞こえ、ジョバンニは現実の世界に引き戻される。全てはブルカニロ博士による思考を伝える実験だったのだ。博士と別れたジョバンニは家に向かって走り始める。
作品名「銀河鉄道の夜(初期形2)」
作成年大正?年
関連作品「銀河鉄道の夜(初期形1)」
「銀河鉄道の夜(初期形3)」
「銀河鉄道の夜」
作品特徴 難解度:★★★★☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容冒頭原稿なし。銀河鉄道で旅をするジョバンニとカンパネルラ。車掌が検札に来るが、ジョバンニの切符を見て納得し去る(カンパネルラは切符がない)。難破船の乗客だった青年と男の子、三姉妹が列車に乗り込んでくる。ジョバンニは乗客の女の子とばかり話すカンパネルラに不機嫌になる。天界への駅(南十字)で女の子や乗客達と別れた二人はいつまでも一緒に行こうと誓うが、列車が石炭袋を通るときにカンパネルラは車内から消えてしまう。ジョバンニは、みんなのために本当の幸福を探すと誓う。そこでセロのような声が聞こえ、ジョバンニは現実の世界に引き戻される。全てはブルカニロ博士による思考を伝える実験だったのだ。博士と別れたジョバンニは家に向かって走り出す。
作品名「銀河鉄道の夜(初期形3)」
作成年大正?年
関連作品「銀河鉄道の夜(初期形1)」
「銀河鉄道の夜(初期形2)」
「銀河鉄道の夜」「双子の星」
作品特徴 難解度:★★★★☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容星祭の晩、ジョバンニは北へ出かけたまま消息を絶った父親のことで級友のザネリにからかわれ、辛い気持ちになる。また優等生の級長、カンパネルラと友達になりたいと思う。その夜、ジョバンニは丘の上で眩しい光を浴び、気付くとカンパネルラと共に銀河鉄道に乗っていた。二人は鉄道で天球を巡り、鳥捕りや難破船の乗客,灯台看守らさまざまな人たちと出会う。ジョバンニは乗客の女の子とばかり話すカンパネルラに不機嫌になる。天界への駅(南十字)で多くの乗客が降りた後、ジョバンニは「どこまでも一緒に行こう」とカンパネルラに言うが、カンパネルラは石炭袋で列車から姿を消してしまう。ジョバンニは別れを悲しむが、車内に現れた痩せた男に諭され、みんなのために本当の幸福を探すと誓う。ジョバンニは現実の世界に引き戻され、全てブルカニロ博士の実験だったことを知る。ジョバンニは家に向けて走り出す。作品中で、「ふたごの星」の話について語られる。
作品名「銀河鉄道の夜」
作成年昭和6年頃
関連作品「銀河鉄道の夜(初期形1)」
「銀河鉄道の夜(初期形2)」
「銀河鉄道の夜(初期形3)」
作品特徴 難解度:★★★★☆,幻想性:★★★★☆,その他:
作品内容星祭の日、仕事で疲れたジョバンニは学校で先生の質問に答えられない。同情したカンパネルラは同じ質問に答えるのをためらう。授業が終わって活版所で仕事を済ませた後、ジョバンニは北へ出かけたまま消息を絶った父親のことで級友のザネリにからかわれ、辛い気持ちになる。その夜、ジョバンニは丘の上で眩しい光を浴び、気付くと友人のカンパネルラと共に銀河鉄道に乗っていた。二人は鉄道で天球を巡り、大学士、鳥捕り、難破船の乗客らさまざまな人たちと出会う。天界への駅で多くの乗客が降りた後、ジョバンニは「どこまでも一緒に行こう」とカンパネルラに言うが、カンパネルラは石炭袋(銀河の中の暗黒部)で列車から姿を消してしまう。丘の上で目を覚ましたジョバンニは町に戻り、カンパネルラが川に落ちたザネリを救うために命を落とした事、また父がもうすぐ帰ることを知る。
作品名「寓話 猫の事務所」
作成年大正15年
関連作品「猫の事務所(初期形)」
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容ある事務所で働くかま猫は、かまどの中で寝る癖があるため黒く汚れており、同じ事務所で働く他の猫から好かれていなかった。ある日風邪のため欠勤をしたかま猫は、誤解からついに事務長からも無視される。が、そこに現れた獅子の一声により猫の事務所は解散させられる。
作品名「寓話 洞熊学校を卒業した三人」
作成年大正13年頃
関連作品「蜘蛛となめくぢと狸」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容洞熊先生の学校を卒業した蜘蛛,なめくぢ,狸は、それぞれ互いを貶しながら頂点に立とうと他の動物達を騙し、食べ続ける。しかし、蜘蛛は貯まった食物の腐敗が体に移って死に、なめくぢは食べようとした相手に逆に塩で溶かされ、狸は最後に食べた狼の持っていた籾が腹の中で成長し、体が破裂して死んでしまう。競争することしか教えなかった洞熊先生は、「三人とも賢い生徒だったのに」と残念がる。(「蜘蛛となめくぢと狸」に教師の洞熊を登場させて細部手直ししたもの。現代にも通ずる学校教育への批判が感じられる。)
作品名「グスコーブドリの伝記」
作成年昭和7年
関連作品「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」
「グスコンブドリの伝記」
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容冷害のため両親を失い妹と生き別れたブドリは火山局の職員となり農民達のために力を尽くす。やがてまた冷夏がやってくるが、火山を噴火させて二酸化炭素を増加させることで冷害を防ぐことができると知り、自らを犠牲としてそれを成し遂げる。賢治の自伝に近い作品。
作品名「グスコンブドリの伝記」
作成年昭和6年頃
関連作品「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」
「グスコーブドリの伝記」
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容冷害のため両親を失い妹と生き別れたブドリは町に出て火山局職員となる。火山を噴火させて冷害を防ぐことができると知ったブドリは自らを犠牲として成し遂げる。「グスコーブドリ〜」の原型であり、自己犠牲性が強い。また、登場人物の名前が統一されていない等、未完成な部分がある。
作品名「蜘蛛となめくぢと狸」
作成年大正7〜12年頃
関連作品「寓話 洞熊学校を卒業した三人」
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★★☆☆,その他:
作品内容「寓話 洞熊学校を卒業した三人」の原形。蜘蛛,なめくぢ,狸は、それぞれ互いを貶しながら頂点に立とうと他の動物達を騙し、食べ続ける。しかし、蜘蛛は貯まった食物の腐敗が体に移って死に、なめくぢは食べようとした相手に逆に塩で溶かされ、狸は体が膨れて中に泥が溜まりやがて野原や山ができて死んでしまう。
作品名「車」
作成年大正12年頃
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:−
作品内容午前中の仕事がなく、街角で昼食の弁当を食べ始めたハーシュの元に急な仕事が入る。「松林の裏の工場からテレピン油を買ってきて欲しい」と言われたハーシュは、車を引いて工場へ出発する。途中で空気銃を持った子供を車に乗せたハーシュは、あまりにも車ががたがたするので妙に思い車を調べる。くさびが抜けていることに気づいたハーシュは道を戻ってくさびを探し、車を直す。やがて工場に到着したハーシュは、面白い仕事だったと思う。
作品名「黒ぶだう」
作成年大正12年頃
関連作品
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容よく晴れた日、狐に誘われて柵をくぐり抜け散歩に出た仔牛。二匹は林の中のベチュラ公爵の別荘に立ち寄り、テーブルの上にあった黒ぶどうを食べる。人の気配を感じた狐は黒ぶどうを平らげてバルコニーから外へ逃げ出すが、仔牛は部屋に残されてしまう。やがて公爵と友人のヘルパ伯爵父子がやってくるが、仔牛を見たヘルパ伯爵の娘は仔牛にリボンを結んでやる、と言う。
作品名「クンねずみ」
作成年大正10〜12年
関連作品「「ツェ」ねずみ」
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容立派な話や難しい話を聞くとせきばらいをして偉ぶる癖を持つクンねずみは、やがて仲間に嫌われ、死刑の宣告を受ける。それを救った猫の家で子供の教育係をすることになったクンだが、子供達が優秀なために虚勢を張ってしまい、怒った子供達に食べられてしまう。
作品名「けだもの運動会」
作成年大正10〜11年
関連作品
作品特徴 難解度:☆☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容動物達が運動会を行うことになり、会議の結果、「鉄棒ぶらさがり」を種目として採用した。やがて運動会の日となり、各種の競技の後、鉄棒ぶらさがりが行われた。未完の作品。
作品名「虔十公園林」
作成年大正12年
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:−
作品内容農家の子、少し頭の弱い虔十。家の前には畑になっていない野原がある。ある日、虔十は親に「杉の苗を植えたい」と言う。翌日、虔十と兄は野原に杉の苗をたくさん植えるが、下が粘土質のためなかなか育たない。知人の「下枝切りをしないのか」という冗談を真に受けた虔十は上の枝数本を残して枝を切る。その後虔十は病死するが、小さな杉林は子供達の遊び場となる。やがて子供達は大人になり、杉林は「虔十公園林」と命名されて憩いの場となる。
作品名「耕耘部の時計」
作成年大正12年
関連作品
作品特徴 難解度:★★☆☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:
作品内容赤いシャツを来た男が農夫として農場にやってくる。男は耕耘部にある立派な時計が進んだり遅れたり、また文字盤と違う時間に音が鳴るのを不審に思うが、古株の農夫達はそんな彼を見て「時間を気にする奴だ」と笑う。日が暮れ、外で雪が降り出した時、6時の音が鳴った。そのとき時計の針が瞬時に大きく動くのを見た男は、針をとめるネジが緩んでいたことに気づく。
作品名「氷と後光(習作)」
作成年大正13年
関連作品
作品特徴 難解度:★★★☆☆,幻想性:★★☆☆☆,その他:
作品内容雪と月明かりの中を走る列車に若い夫婦と小さな子供が乗っている。若い夫婦は眠る子供を見て話をし、父親は子供に自分の服を着せてやる。夜が明けて盛岡に到着した列車の中で夫婦は目を覚まし、窓の氷が朝日を浴びて子供の頭の後ろで後光のように輝いているのを見る。

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