| 作品名 | 「台川」 |
| 作成年 | 大正11年頃 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:鉱生 |
| 作品内容 | 晴れた日、教師の「私」は鉱物を調査するため、生徒達を連れて野に出る。途中、生徒達に地質や鉱物を説明しながら釜淵を目指す。風景や移り変わる「私」の気持ちを綴った短編。賢治の教師生活の間にはこんな場面もあったことだろう。 |
| 作品名 | 「谷」 |
| 作成年 | 大正12年 |
| 関連作品 | 「二人の役人」「鳥をとるやなぎ」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:− |
| 作品内容 | 山の中、楢渡の谷で一人葡萄を食べていた「私」は、通りかかった理助に誘われて「はぎぼだし」(きのこ)を取りに行く。理助に騙されて古いきのこばかり取った「私」は、家で兄に笑われてしまう。次の年、「私」は友人の慶次郎を誘いきのこを採りに再び山に入る。 |
| 作品名 | 「種山ヶ原」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | 「風の又三郎」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:生 |
| 作品内容 | ある秋の日、牛達を連れて種山ヶ原へ登った達治は、牛を追って道に迷い、夢と現実の狭間に入り込む。(後に加筆修正され、「風の又三郎」の一部となった。 |
| 作品名 | 「タネリはたしかにいちにち 噛んでいたやうだった」 |
| 作成年 | 大正13年頃 |
| 関連作品 | 「若い研師」「若い木霊」 「研師と園丁」「チュウリップの幻術」 「サガレンと八月」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆,その他:− |
| 作品内容 | 小屋で藤蔓を打っていたタネリは、あまりに天気がよいので藤蔓を持って外へ駆け出す。母親がタネリに、外に出るなら白樺の皮を取ってくるように言う。タネリは藤蔓を噛みながら散歩する。タネリは栗の木や鴇に話しかけたりしていたが、鴇を追って暗い森に入ってしまい、そこで不気味な声を聞く。森から出たタネリが振り返ると、森の入口に恐ろしい犬神がいた。タネリは家に帰り、白樺の皮を取らずまた藤蔓をなくしてしまった事を母親に怒られる |
| 作品名 | 「注文の多い料理店」 |
| 作成年 | 大正10 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:− |
| 作品内容 | 都会から山へ狩りに来た二人の紳士は、森の奥で西洋料理店に入る。しかしその店は二人に多くの注文を付ける。実はその店は、「客に料理を食べさせる」のではなく、「客を料理して主人が食べる」店だったのである。二人が山猫に食べられる寸前、二人の買っていた猟犬が飛び込んで来て二人は助かる。が、恐怖のためにくしゃくしゃになった顔は元に戻らなかった |
| 作品名 | 「チュウリップの幻術」 |
| 作成年 | 大正12年 |
| 関連作品 | 「若い研師」「若い木霊」「研師と園丁」 「タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆,幻想性:,その他:擬 |
| 作品内容 | 農園を訪れた洋傘直し(兼研師)は、園丁に頼まれた刃物の研ぎ直しを終えた後、園丁に勧められて花畑を見る。その農園で一番大切なのは、白い小さなチュウリップであると洋傘直しは聞く。そのチュウリップから沸き立つ光に二人は酔い、果樹達の踊る姿を見る |
| 作品名 | 「「ツェ」ねずみ」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | 「クンねずみ」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | 古い家の天井裏に住む「ツェ」ねずみは、自分が辛い目にあう度にそれを他人のせいにして償いを求めていた。この性格のために友人達を失い、最後の友人「ねずみとり」を怒らせてしまったためにその中に閉じこめられてしまう。 |
| 作品名 | 「月夜のけだもの(初期形)」 |
| 作成年 | 大正10年 |
| 関連作品 | 「月夜のけだもの」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | 動物園の檻の中の動物達。ある月夜の晩、彼らは同じ夢を見る。それは、檻の外で自由に暮らす夢だった。獅子の前を通る白熊。象に弟子入りするつもりらしい。また、嘘をつく狐と、狐に向けた獅子の怒鳴り声を聞いて目を覚ました狸。狐が手に負えなくて困る獅子の前に現れたのは象から逃げてきた白熊と、白熊の鼻を伸ばそうと追いかけてきた象だった。獅子は白熊を助け、象には狐の教育係を命ずる。やがて動物達は檻の中で目を覚ます。月はまさに沈もうとしていた。(完成形で動物達と夢を見る「わたくし」が初期形では登場しない。) |
| 作品名 | 「月夜のけだもの」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | 「月夜のけだもの(初期形)」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:擬− |
| 作品内容 | ある月夜の晩、動物園の獅子の檻の前のベンチに座った「わたくし」は動物達と同じ夢を見る。獅子が野原の見回りをしている。その獅子の前を通る白熊は象に弟子入りするつもりらしい。次に現れたのは嘘をつく狐と、狐に向けた獅子の怒鳴り声を聞いて目を覚ました狸。狐が手に負えなくて困る獅子の前に現れたのは象から逃げてきた白熊と、白熊の鼻を伸ばそうと追いかけてきた象だった。獅子は白熊を助け、象には狐の教育係を命ずる。やがて「わたくし」は目を覚ます。月はまさに沈もうとしていた。 |
| 作品名 | 「月夜のでんしんばしら」 |
| 作成年 | 大正10年 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆☆,幻想性:☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | 恭一は、夕暮れ時、鉄道線路の脇を歌いながら行進する電信柱の軍隊に遭遇し、電気総長の老人と出会う。そこを照明の消えた列車が通りかかり、老人が列車の下に飛び込むと列車の照明は点灯する。 |
| 作品名 | 「土神ときつね」 |
| 作成年 | 大正12年 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | 小高い丘に生える一本の女の樺の木。彼女には2人の友人がいた。一人は正直だが汚く粗暴な沼の土神。もう一人は上品だがつい嘘をついてしまう狐である。狐は樺の木に好かれようと、(反省しながらも)持ってもいない美術の本や望遠鏡の話をする。樺の木を好きな土神は狐を妬み、ついには絞め殺してしまう。しかし土神が狐の家で見た物は、赤土の壁だけだった。狐の嘘を知った土神は大声で泣き出してしまう。 |
| 作品名 | 「連れて行かれたダァリヤ」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | 「連れて行かれたダアリヤ」 「まなづるとダアリヤ」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | さらに美しく輝きたいと願う赤いダリアは、空を飛ぶ鴾にそのことを頼む。ダリアは日に日に大きく輝くようになったが、やがて萎れ、視力を失い黒く枯れてしまう。 |
| 作品名 | 「連れて行かれたダアリヤ」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | 「連れて行かれたダァリヤ」 「まなづるとダアリヤ」 |
| 関連作品 | 「ポラーノの広場」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:− |
| 作品内容 | イーハトブの首都マリオに出張した「私」は、そこで毒蛾が大発生していることを知る。夜、町では毒蛾を一掃するための青いアセチレン灯や赤い石油ランプ,たき火が美しく燃えていた。次の日、南のハームキヤへ行った「私」は、そこでもランプやたき火を見かけるが、毒蛾は全く見あたらないと聞き、笑ってしまう。草稿一部を修正,「ポラーノの広場」のキューストとデステゥパーゴの再会場面へ転用。 |
| 作品名 | 「毒もみのすきな署長さん」 |
| 作成年 | 大正13年頃 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:− |
| 作品内容 | プハラの町の河原にいくつもある三日月湖には、どじょうや鯉などたくさんの魚がいた。この国では毒もみ(川や沼で毒を使って魚を捕ること)が禁じられていたが、新しい警察署長が来て以来、沼に死んだ魚が浮かぶようになった。やがて沼で署長を見た、とか毒の原料の灰を買っていた、等の証言があり、署長が毒もみをやっているという噂が町中に広がった。見かねた町長が直接警察署長に尋ねたところ、署長はあっさりと容疑を認めてしまう。署長は死刑となったが、その寸前、「ああ面白かった。今度は地獄で毒もみをやるかな」と笑って言い、人々は感服した。 |
| 作品名 | 「とっこべとら子」 |
| 作成年 | 大正10〜11年 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | 「とっこべとら子」というのは狐の名前。平右衛門が村会議員になった祝いの席でつまらない思いをした小吉は、帰り際に疫病除けの「源の大将」を道に立てる。宴が終わり、帰ろうと平右衛門の家を出た酔った村人たちは、それを見て狐と勘違いする。 |
| 作品名 | 「鳥箱先生とフゥねずみ」 |
| 作成年 | 大正10年頃 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆☆,幻想性:☆☆☆,その他:擬 |
| 作品内容 | ひよどりを飼うために使われていた鳥箱は、不要となったために物置に片づけられてしまう。しかし、鼠に囓られたことがきっかけで、その鼠の子供「フウ」を教育することになる。嘘をつき偉ぶる鳥箱先生と、言うことを聞かない生徒のフウ。そこに猫が現れ、フウを押さえつけて二人をあざ笑う。 |
| 作品名 | 「鳥をとるやなぎ」 |
| 作成年 | 大正12年 |
| 関連作品 | 「二人の役人」「谷」 |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆☆☆,その他:生 |
| 作品内容 | 煙山に鳥をとる楊の木があるらしい、という噂を聞いた「私」と友人の慶次郎は、二人で煙山の野原へ向かう。鳥の群がまるで引きつけられるかのように一斉に楊にとまるのを見た二人は、これが噂の楊かと思うが、石を投げると驚いた鳥は飛び去ってしまう。その後も二人は鳥をとる楊を探すが、鳥が木に引き寄せられているのか、それとも違うのか、よくわからなくなってしまう。 |
| 作品名 | 「どんぐりと山猫」 |
| 作成年 | 大正10年 |
| 関連作品 | − |
| 作品特徴 | 難解度:☆☆☆,幻想性:☆☆ ,その他:犠 |
| 作品内容 | 一郎はある日、山猫から裁判に来て欲しいとの手紙を貰う。翌日、一郎は森に入り、山猫を裁判長とする裁判に立ち会う。それは「誰が一番偉いか」というどんぐり達の裁判だった。山猫を助けて裁判を終わらせた一郎は金のどんぐりを貰い、帰路につく。 |