ボリショイ劇場 白鳥の湖


2002年12月22日(日)

配役
オデッタ=オディーリヤエカテリーナ・シプーリナ
ジークフリートコンスタンチン・イヴァノーフ
ロートバルト:ルスラン・プローニン、
女王:マリヤ・イスプラトフスカヤ、
道化岩田守弘
教師:アンドレイ・ポポフチェンコ、
王子の女友だち:マリアンナ・ルィシキナ、アンナ・ツィガンコーヴァ、
儀典長:アレクセイ・ロパレーヴィチ、
ハンガリーの花嫁候補:オリガ・スーヴォロヴァ、
ロシアの花嫁候補:スヴェトラーナ・ウヴァーロヴァ、
スペインの花嫁候補マリヤ・アラーシュ
ナポリの花嫁候補ニーナ・カプツォーヴァ
ポーランドの花嫁候補:ナタリヤ・マランディナ
三羽の白鳥:ナタリヤ・ヴィスクベンコ、マリヤ・ジャルコヴァ、イリーナ・フェドートヴァ
四羽の白鳥:スヴェトラーナ・グネドヴァ、ダリヤ・グレーヴィチ、オリガ・ジュルバ、スヴェトラーナ・パヴロヴァ
ワルツ:ユリヤ・エフィーモヴァ、マリヤ・ジャルコヴァ、イリーナ・ズィブロヴァ、イリーナ・セミレチェンスカヤ
ワルツ:ヴィクトル・アレヒン、アルチョーム・ヴァフティン、アレクサンドル・ヴォルチコフ、ルスラン・スクヴォルツォフ

指揮:パーヴェル・サローキン

演出:ユーリー・グリゴローヴィチ。 プティパ、イヴァノフ、ゴールスキー版の一部を利用

舞台装置:シモン・ヴィルサラッゼ(ヴィルサラッゼ死去にともなう舞台復元はマルガリータ・プロクディナ衣装復元はエレーナ・メルクロヴァ)

照明:ミハイル・ソコロフ




知り合いだからいうわけじゃないけれど、今日の舞台は岩田さんブラヴォーにつきます。
第一幕第一場、パ・ダクシオンの道化の迫力!特に最後の追い込みはヤーニンも悪くなかったが、
指揮者も岩田さんの力を知っているから昨日の1,5倍にスピードを煽っているかのようにみえ、ほとんど1拍1回転。
隣で見ていたボンダレンコ先生も「なんていうテンポで回るんだ!」とためいきをついていたし、 幕間では私が耳にした限りでも3人が「イワタ」の名前を口にして賞賛していた。
もともと道化の活躍が多い振付だけど、このグリゴロ復活新版では岩田さんが初演1軍メンバーであり、
第一幕第一場、第二幕第一場ではバレエとしての見せ場が王子より多くなっている気がする。岩田でみた後には、ヤーニンでは大いに物足りない。

ウヴァーロフは大人になりきれない王子の「青さ」を強調していたが、イヴァノーフは安定感があり、時には悩み、時には毅然とした意思をもって行動するという王子を好演していた。だから第一幕第一場までは今日の方が上。

しかし白鳥のシプーリナとロートバルトのプローニンに力が足りなかった。
二人ともバレエ技術としては十分なのだろうが、心からの表現にまでまだ至っていないみたいで、
光ってきたかなと思うと力が続かず軸がずれたりということの繰り返し。

特に、ロートバルト登場場面の王子とのからみは物足りない。ロートバルトが王子を後ろから両腕をいれて持ち上げ、
振り子時計のように揺らすことまでする「操り」なんだけど、両者が離れると二人別々に踊ってるようになってしまう。

シプーリナはかわいい、でも幼いオデッタ。白と黒の対比もあまりない。彼女はエイフマンの「ロシアン・ハムレット」では、
無垢な若妻から、その気のない夫に権力を得るよう求める「おねだり妻」に変身する過程をうまく演じていた。まだ入団四年目、白鳥での強さを求めるのはこれからでしょう。

各国の花嫁候補はそれぞれいいが、特にカプツォーヴァがナポリの明るく軽く華やかな気分をふりまいていたのが印象に残る。
ウヴァーロヴァ、アラーシュ、カプツォーヴァと並んだ姿は美しく、ボリショイの層の厚さをみせていた。

今日は一階平土間9列目中央、オーケストラもよく響き、暖かく絹のようなやわらかさをもつこのオケの音色の特徴がはっきり出ていて気持ちよかった。


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