電話06-6941-2483
住所:大阪市中央区鎗屋町2-4-14
ランチ11:30〜13:00 (L.O.)、ディナー18:00〜21:00 (L.O.) 日曜・第一月曜
地下鉄堺筋本町下車、松屋町筋へ。農人橋歩道橋を渡り100メートル歩いた右手。駅から7分。
2009年9月
この回の点数による評価は<9、4、5=18点>
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脳で味わう新しい味の世界
食べたもの
◎磯の香りの風船、フランとイクラ
◎モヒートの軽いシャーベット
◎鮎の化石
◎チーズに埋め込んだプチトマト
◎レモングラスのタブレット
◎ピスタチオのスナック
◎掘りたてのラディッシュと子持ち鮎
◎気泡をたくさん含ませた栗のパン
◎ピュアなオリーブオイルとトマトのスープ
◎フィルムに包んだ熱い牛肉と松茸のエキス、トリュフ風味のカプセル
◎ストロッツァプレッティ、渡り蟹とミモレットのソース
◎中勢以さんで熟成してもらった南の島豚、落花生、万願寺唐辛子のエキス
◎藤井寺産イチヂクとバラ風味のゼリー、イチヂクのジェラート
◎軽く仕上げたティラミス
◎小さく丸めた桃
◎生ホワイトチョコレート バジル風味、巨峰の果肉のソーダ
◎空気のようなカカオのエアー、塩キャラメル
コースの1品目からデザートの最後まで、確かな調理技術と豊かな発想力が理想的に結びついた料理が続く。単なるびっくり料理ではなく、食材本来の味を生かした料理が組みこまれた季節感あふれるメニュー。
2品目は単なるシャーベットではなく、凍っているのにまるで綿菓子のようにふわふわで軽い。濃くも薄くもない黄金の中庸な濃度に保たれたラム酒で、食感と味ともに楽しめる。
トマトのスープはジュレ状になったトマト水。これも味の焦点がぴったりと決まっている。これにはオリーブのムースというびっくり。
鮎の化石はフリットでカリカリ。その後存分に味わえるふっくら肉厚の子持ち鮎が供される。
メインの肉料理は、豚と唐辛子というそれぞれがかなり質の高い素材に名人の優しい手が加わり、両者を合わせて食べると第三の味が生まれるしかけになっている。
パスタにつく渡り蟹は、岸和田だんじりの慣習に倣ったとのこと。
もちろん今回も、「ぶっとびの料理世界」はデザートになっても同じレヴェルで続く。
1品目は夏の終わりを名残惜しむ世界。イチヂクが和菓子の雰囲気を出し、ほんのりと香るバラのゼリー。H.ヘッセの詩「九月」をR.シュトラウスは歌曲「四つの最後の歌」として表現したが、藤原シェフは同じ詩を料理で表現したかのよう。
小さく丸めた桃には思わずニンマリしてしまうし、巨峰も藤原シェフの手にかかるとスパークする。
サーヴィスのレヴェルも相変わらず高い。簡潔を基本とし、無駄に長話をしないが、必要に応じて詳しい説明を加えてくれる。ほんのりと暖かく、しかもプロフェッショナル。
→2009年10月より、平日昼のパスタランチを終了し、びっくりワールドを垣間見られる5200円のコースのみになった。