写真が多いので画面が開くのに時間がかかります。
PART6



11月21日(土) わが家にきてから73日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 23CC
2回目:

 むー太の巣箱を買いに行った。市販の大型インコ用の巣箱を利用することにしたのだ。底面約20×23cm、高さ37センチである。大型のケージにちょうどピッタリ収まる。本当はもっと高さのあるケージで上の方に巣箱をかけてやれるとよいのだが、まあしかたがない。これで我慢してもらおう。気に入ってくれるかどうか心配だったが、取りつけるとすぐに入ってくれた。そしてそれっきり出てこない。よほど気に入ったようだ。夜中、中からガリガリと木をかじる音がしていた。



巣   箱
なんだ、こりゃ……?
ちょつと覗いてみよう……











結構、居心地いいですよ! (^。^)



11月22日(日) わが家にきてから74日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 47CC
2回目:


 杉の木を食べるようになった。皮ではなく緑の部分である。あんなとがった葉っぱを本当に食べるのかと不思議だったのだが、コリコリと音をたてておいしそうに食べている。むー太の葉っぱの食べ方は決まっていて、まず葉柄の部分(葉っぱのつけね)をかじって葉っぱを木からはずす。そうして持ちやすくしておいて、両手で葉を持って食べるのだ。杉は針葉樹なので葉っぱという感じではないが、それでも5cmほどの長さの根元で切って、それからそれを抱えてかじる。この食べ方はムササビに共通のものなのだろうか、それともむー太だけの特徴なのだろうか。今度調べてみたい。



    ムササビむー太が最初に保護された時の状況

 ムササビむー太は平成10年 7月27日(月)に保護されています。その当時の記録です。
                                                         



11月23日(月) わが家にきてから75日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 13CC
2回目:


 ミルクの途中でドアが開いたら気が散ってしまって、それ以上飲まなかった。もうそろそろミルクは卒業させてもよいころなので、まあ少なくても大丈夫だろう。それにしてもますます何でもかじるようになってきて、家の中は大変である。壁、柱、タンス、額縁、本、何でもむー太の門歯の犠牲になっている。まったく目が離せない。



ムササビとモモンガの違い−おさらい
        (参考文献:日本動物大百科 1哺乳類T 平凡社)

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A




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G


H


げっ歯目 リス科   リス属     ニホンリス
                   エゾリス
           シマリス属   エゾシマリス
           ムササビ属   ムササビ
           モモンガ属   エゾモモンガ
                   ニホンモモンガ
     ヤマネ科  ヤマネ属    ※ヤマネ科はヤマネ属のみ
     ネズミ科  9の属がいる

 「げっ歯」の「げっ」は漢字で書くと「囓」つまり「かじる」ということです。前歯にあたる切歯が特徴で一生伸び続けます。げっ歯目は地球上で最も繁栄している哺乳類です。30科390属約1,700種が知られていて、哺乳類の42%を占めます。そのげっ歯目の中で日本で一番体が大きいのがムササビです。

 ムササビは北海道と沖縄を除く全都道府県に分布し、モモンガは日本にいるのはエゾモモンガとニホンモモンガの二種類です。エゾモモンガは北海道全域に、ニホンモモンガは本州、四国、九州にいますが、九州で確認されるのはごく稀です。

 ムササビは夜間に樹間を滑空し、ほぼ完全な植物食です。さまざまな冬芽・葉・花・雄花・種子・果実を食べます。日中は樹洞・屋根裏・球状の巣で休息します。モモンガは夜間に滑空して樹上で種々の食物を食べます。日中は樹洞や巣箱で休息します。

 一番大きな違いは大きさです。モモンガの方が小さく、ムササビの半分くらい。重さは5分の1から10分の1しかありません。
   ムササビ     頭胴長27〜48cm 尾長28〜41cm 体重700g〜1,300g
   エゾモモンガ   頭胴長15〜16cm 尾長10〜12cm 体重100g〜120g
   ニホンモモンガ  頭胴長14〜20cm 尾長10〜14cm 体重150g〜200g

 寿命はモモンガのほうがだいぶ短いです。野生のモモンガは3年以上生きることは稀ですが、ムササビはその倍以上生きるようです。最高10年の記録もあります。どちらも年に2回の繁殖期がありますが、モモンガの方が産子数は多く、2〜6子です。普通3子です。しかし、ムササビは1〜2子です。

 滑空ですが、ムササビの飛膜は首、前足と後ろ足の間、後ろ足と尾の間にあります。前足の手首のところに細い骨があり、それを広げると大きな四角形の膜になるわけです。滑空速度は秒速10m前後で、距離は最長160mの記録があります。滑空中に四肢や尾を動かしてカーブを描きながらじゃまになる木や枝を避 けます。枝と枝の間は前足をすぼめて抜けるし、尾をふってUターンもできます。

 ニホンモモンガは希少種に指定されています。ムササビは1,994年より狩猟獣より除外されました。

 モモンガはペットとして飼われていることもありますが、それはアメリカモモンガとタイリクモモンガです。
         



11月24日(火) わが家にきてから76日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 26CC
2回目:


 フンの臭みが消え、尿のにごりももとに戻っている。しかし、体のビタミン臭だけは未だにぬけない。そのため退院してからはずっとビタミン剤を投与していない。



11月25日(水) わが家にきてから77日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 32CC
2回目:


 杉の木を細く裂き、少し巣箱の中に持ちこんでいる。センターのムササビはシュレッダーのように細かくした杉の皮をたっぷり自分の巣箱に持ちこんでいたのに、むー太はまったくその様子が見られないので、心配していたのだが、フゴから巣箱に変えたとたんに持ちこみが始まったわけだ。やはり自然の状態に近くなると本能的に行動することが多くなるのだろうか。



11月26日(木) わが家にきてから78日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 57CC
2回目:


 今日はじめて自力でフンをする。私が肩の上にむー太を乗せて座っていると、突然ひざの上にパラパラと黒い雨が降り注いだ!それも大量に。しかし、もうむー太のフンは臭わなくなっていたし、立ち上がればザラッと全部落ちてしまうようなフンなので始末は楽である。それにしても、飼い犬に手をかまれるということがあるが、飼いムササビにウンチを浴びせられるとは……!



11月27日(金) わが家にきてから79日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 43CC
2回目:


 巣の中に持ちこむ杉の皮が少しずつ増えている。でも、まだまだ敷き詰めるところまではいっていない。きれいに箱のすみっこから並べている。
 昨日自力でフンをしたので、今日もするかと思って見ていたが、する気配なく、お腹が張っているようなのでいつものように出してやる。もうしばらく放っておけば出るのかもしれないが、病み上がりの子にはつい過保護になってしまう。



11月28日(土) わが家にきてから80日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 58CC
2回目:


 洗濯物をたたんでいると、むー太が私の靴下に興味を示した。どうやら引きずらずに持ち歩きたいらしく、何度も口の中にたくしこもうとするが、大きすぎてどうにもならない。それでも何とか半分引きずりながら部屋のあちこちへ持っていってどこへ隠そうかと迷っている。以前夫の古ネクタイを何本も持ちこんだ鏡台の下へ行くだろうと思ったが、気に入らないらしく、その前で考え込んでいる。部屋中を長い時間をかけてウロウロするが、なかなか決まらない。なぜ自分の巣箱へ持ちこまないのだろうと思いながら見ていたが、やっと最後に自分の巣箱に向かう。ケージの戸はむー太が外に出ている間はいつでも開けたまま固定してあるので、自由に出入りできるようになっているのだ。とうとう、靴下を巣箱に持ちこむ決意をしたようだ。「どこにもいい場所がないから、しかたない、ここで我慢するか……」という気持ちだったのか、「そうだ、こんないい場所があったじゃないか、忘れていたよ……」という気持ちだったのかはわからない。聞いてみたい気がするが。巣穴に持ち込むのもだいぶ苦労していたが、ものすごい忍耐力と努力でとうとう引っ張り込んでガサガサやっていた。また出てき たので、もう一方の靴下もやることにする。わざと放り出しておいたら、今度はすぐに飛びついて、直接巣箱に持っていった。そして、先ほどとは比べものにならないくらいのすばやさで中に持ちこんだ。あとで彼が留守の時にそっとのぞいてみるときちんと並べて敷いてあった。何だかほほえましくて笑ってしまう。



11月29日(日) わが家にきてから81日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 39CC
2回目:


 朝、巣箱の中をのぞくと、きのうは隅っこに敷いてあった靴下が、今日は真中に寄せて敷かれている。寒かったので自分の下に持ってきたのだろうか……。重ならず、ちゃんと2枚並べて敷かれているところがすごい。



11月30日(月) わが家にきてから82日目
体重    g(前回測定比   g)測定せず

排便 1回目:     ミルクの量: 25CC
2回目:


むー太の入院先の先生に、できれば資料をいただけるようにとお願いしていたのだが、きょうそれが届いた。以下のとおりである。
11/16 体温 38.6℃
 体重620g 食欲ほとんどなく、夜のミルクも飲まず
        AM L-RinD,MMSC,レバギニン /SC総量10t
11/17 体温 39.0℃
 日中は食べず
        AM L-RinD,MMSC,Mino-C,ビスコリン、レバギニンGlu,シーパラ/SC
 深夜になってミルク10t、バナナ3切れ、柿1切れ、どんぐりの葉10枚
        PM ERFX/SC
11/18       
 日中は食べず
        AM L-RinD,MMSC,Mino-C,ビスコリン、レバギニンGlu,シーパラ,ERFX/SC
 深夜になってミルク50t、バナナ、柿、リンゴ、数枚ずつどんぐりの葉10枚
        PM L-RinD,MMSC,Mino-C,ビスコリン、レバギニンGlu,シーパラ /SC
11/19退院     
        AM L-RinD,MMSC,Mino-C,ビスコリン、レバギニン Glu,シーパラ,ERFX /SC

     L-RinD : ブドウ糖加乳酸リンゲル
     ERFXX : エンロフロキサシン
     MMSC : メチルメチオニンスルホニウムクロライド
     ビスコリン : ビタミンC製剤
     Mino-C : 強力ミノファーゲンC
     レバギニン : 複合ビタミン製剤
     シーパラ : ビタミンB・C製剤
     Glu : 20%ブドウ糖



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