2001/01/01新世紀 2001年が, 21世紀が, 第2ミレニアムが始まったけれど, いつもと変わらぬ夜明け. 曇りの予報だったと思うけれど青空に初日. 百年千年と十進法で区切りをつけたい人間の気持ちとは関わりなく, 自然界の時はゆったりと流れている. これからの千年がどうなるのか想像もつかない. 千年後から振り返っていまはどういう時代と評価されるのだろうか, それも想像つかない. 千年後に人類が生存しているのか, 歴史を振り返ってみるほどの文化が千年後に保たれているのか, 想像つかない. 逆に千年前を考えてみると, 日本では平安時代. それは, 漢字仮名交じりで日本語を書くことを女性文学者たちが創り出した時代. こうしていまも漢字仮名交じりで日本語を書いている私たちは, その恩恵を大きく受けている. それを思うと, 千年後の人々に感謝されるような何かを残すことができるだろうか, 気になるところである. 千年という長さに耐え得るものがあるとすれば, それはやはり文化的なものだろう. 千年後に残せる文化の創造がたやすいことではないとしても, それを目指すことに価値があるのではないだろうか. 千年を考えるのは長すぎるとしても, これからの百年を二十世紀とはちがう 平和で豊かで明るい希望にみちた世紀にすることを目標に, 何かを考えることはできるにちがいないと思う.
2001/01/05長男 パート暮らしの私は四日から出勤というわけではないけれど ちょっと忙しくて日記を怠ってしまいました. さて, 新年早々暗い話なのですが, 落語家の桂三木助さんの自殺のニュース. まだ詳しい真相はわからないけれど, テレビ番組などを少しだけ見た印象では, 芸に行き詰まって悩んでいたらしいです. 長男だから, 男だから, 三木助の名を継いだのだからしっかりしろと, マネージャーを務める姉から叱咤激励されていたとか. "もっと本音で語り合いたかった"とその姉さんが言ってましたから, 三木助さんは悩みを姉さんにうち明けることもなく 一人で悩んでいたのかも知れません. 三木助の姉さんという人を責める気はありません. 長男というのは兄弟姉妹のなかで格別にきびしくされるものなのです. 長男という立場にあれば, 幼いときは別として, 姉にあまえることなどできるものではないでしょう. 悩みがあっても姉には言えないでしょう. 私には姉がいないけれど, 同じ長男という宿命をもって生まれたものとして, そういう気持ちは察しがつきます. "長男はいいですね"と, ある女性から言われたことがあります. しかし, 親から田畑をすべて受け継ぐとか店を継承するとかの特権は私には ありません. 父親の職業を継がなかった私は自分の実力で稼いできました. 仮に父を継いで美学・美術史の専門家になったり絵を描いたりしていたとしても, 長男であるがゆえの特典というのはほとんどないでしょう. 三木助さんも名を受け継いだのはむしろ負担だったのかも知れません. 長男という逃れられない宿命に敗れたのではないでしょうか. 三木助さんのご冥福を祈ります.
2001/01/08降った, 折れた, 伐った 昨日七日の夕方から降り出した 雪が予想以上に積もり, 庭木が折れてしまった. 夜中に何か妙な音が聞こえてそのときは何の音かわからなかったけれど, 起きてみたら庭のピラカンサが一本とその他に一本, 幹の途中から折れてフェンスを越えて道路に垂れ下がっていた. 枝折れなどではないひどい折れ方に驚いた. 越境して道路にでてしまったのをそのままにしておくわけには行かず, 雪を払い落とし, 運びやすい程度の長さにチェーンソーで伐り, 庭に運び込んだ. この作業だけで半日以上費やしてしまった. 疲れた. 明日から研究集会なのでその準備もしなくてはならない.
2001/01/12研究集会 日記というのはそもそも日々のことをその日に 書き留めるものだろうけれど, 9日からきょう12日までの日記をまとめて書く. 越後湯沢で研究集会があった. 温泉やスキー場で知られたところだけれども, そういう楽しみのほかに東京などからも北陸先端科学技術大学院大学からも 行きやすい場所という利点がある. 研究討論の合間のあいた時間を有効に 使ってスキーを楽しんでいた人もいた. 研究会場も宿泊や食事も, 公務員共済組合連合会の施設で, 昼間は大いに勉強し, 夕食の後は 七階の展望大浴場で雪の夜景を眺めながら温泉に浸り, その後は雑談したり非公式な討論したり, 心豊かになった四日間. 大雪と聞いていた雪国の湯沢町も訪れたときには雪が少なく雨が降ってたけれど, 天気は回復し, 雪景色が楽しめた. 集会が終わって帰る今朝になって雪が激しく降ってきて, 電車があまり遅れたりしないうちに帰れて幸いと思っている.
2001/01/13書類を書く あさって15日が東京女子大学の今年最初の授業で, 同時に今学期の最終回でもあるので, 一回の講義で話をまとめてしまうように 準備しておかなければならない. それも忙しいのだが, 急いで書き上げなければならない書類が一つ. 内容も何をどう書くか迷う上に書式がわからなくて苦悩中. 専門家に相談したいところだが週末だ.
2001/01/15授業締めくくり 東京女子大学の冬休みが終わり, 今年初の授業だが, 同時に今年度の最終回. 期末レポート提出の 締め切り日をかねているので, めずらしく出席率がよい. 顔に見覚えのない学生が出て来ている. 眠気をこらえてとにかく講義してレポート集めて終わりにした. 慣れぬ書類書きやら何やら夜なべ仕事が続いたあとなので眠い. これからの採点がなかなかの苦労である. 特別ゼミナールだけは非公式なものなので学年暦にとらわれることなく, 学生と話し合って来週もつづけることに決定. 特別ゼミの学生たちは意欲的で, よろこんで勉強してくれていると思う.
2001/01/21雪晴れ 昨日20日は大寒, この冬になって二度目の雪が降ってきた. そして今朝は雪晴れ. 誕生日を祝ってくれてるようなみごとな銀世界. 雪で難儀してる方には申し訳ないが, 雪国育ちの私にはうれしい眺め. 強い日射しに照り映える新雪の美しさを堪能した. 晩はワインの栓を抜いて妻と二人でささやかに誕生祝い. 無事に世紀を越え無事に66歳になった.
2001/01/22特別ゼミ 東京女子大学の講義はすでに終わっているので 今日は特別ゼミナールだけ. 数理論理学というのは数学の中でもちょっと 異色で, 数学の他の分野にはない独特の考え方があって近づきにくいもの なのだが, 学生たちはそれをよく勉強してくれている. 最初はおそらく雲をつかむような感じだったろうと想像されるが, わかったという気分になってきたようだ. どう教えるか迷い悩みもするけれども, 学生たちによろこんでもらえるなら幸せなことだ.
2001/01/27雪がまた降った 昨夜から降り出したこの冬になって三度目の 雪. 今日は雪のち午後は雨という予報だけれどもいつまでも雨に変わらず, どんどん積もる. 晩になってようやく雨に変わった. 水を含んだ雪が 夜の冷え込みで凍ると危険なので小雨の中で雪かきした. 雨に濡れた水雪をかき寄せたり庭へ放り込んだりして, 道路のおもな部分はともかく雪のない状態にした. 折れた木を伐って片づけるやら雪かきするやら, 今月は肉体労働が多い. 雪国からみたらわずかの雪なのだけれども東京としてはまるで災害.
2001/02/05Cool Runnings 2 私たちの共同研究の成果の "共有知識の論理" を学びたいという人たちのことを, 常夏の国ジャマイカの人たちがオリンピック冬季大会のボブスレー競技に 参加した話を映画化した"Cool Runnings"になぞらえて 去年10月23日の日記に書きました. 東京女子大学の学生たちのその熱意に応えて, 非公式の特別ゼミナールを 開いてきましたが, 今日で終わりになりました. 論文を読み終えたわけではないのですが, すでに学期末を過ぎていて, 皆がそろって参加できる日時の調整がつかなくなり, 継続できないのを惜しみながら終わりにしました. 半年足らずの間でしたけれど皆さんほんとうによく勉強してくれました. ボブスレーにたとえたら, ゴールインさせるところまではできなかったけれど 氷を見たことのない人たちに氷にさわらせ, 氷の上に立たせ, スタートから滑走開始させるところまで行ったと思います. もう手を離しても大丈夫です. あとは一人一人の力で目標へ向かって行ってくれることと信じます. 数理論理学専攻でなくてあの論文に取り組んだ人はいままでに世界に十人前後しか いないと思われます. とにかく読み始めるところまでたどり着いたのは誇るべきことです. 今春卒業する四年生たちで, 就職したり進学したり, それぞれの道があります. 強い熱意と努力で学んだことが, 後々のよい思い出になることを願ってます.
2001/02/08父の誕生日 父の93歳の誕生日です. 田舎へ訪ねて行けず, 祝電を打ちました. 昨年, 老人性白内障で両目を手術して, 幸いに経過良好. よく見えてるそうです. 物忘れが多くなったりしてはいますけれど, 本を読んだり絵を描いたりしています. いつまでも元気に暮らしてほしいです.
2001/02/14余寒 立春過ぎの寒さを余寒と呼ぶそうですが, その余寒が続きます. 晩になって小雪が舞い落ちてきました. 一月末に風邪を引いてしまって, 期末レポートの採点が遅れてます. 締め切り日が迫ってきているので, 急がねばなりません. コタツに入ってレポートを読んでます. 楽しく読めるのもあれば, 書いてる当人にも意味がわかってないだろうという文字の連なりも あります. 頭も疲れ, 目もつかれます.
2001/02/17配偶者を何と呼ぶか 自分の配偶者のことを人に語るとき, 何と呼んだらいいでしょう. 結婚なさっている皆さんは何と呼んでますか? まだ結婚されてない方は, 結婚したらどう呼ぶか考えてますか? 私は"家内"という言葉が好きでなくて, 悩みました. "ワイフ"はきざです. "女房"は古くさく感じます. "妻"と呼ぶのも悪くはないけれど, 多少のためらいもありました. そして"連れあい"という呼び方にしました. 男女共通に使えるところが気に入って, 結婚以来たいてい "連れあい"と呼んでますが, 相手によってあるいはその場の状況に応じて, ときには"妻"とか "うちのかみさん"とか呼ぶこともあります.
日本の古語の"つま"はそもそも男女いずれの配偶者をも意味して いました. それを復活させたい気持ちは強いのですけど, 一人で望んでいても実現の見込みはありません. いまは"つま"という発音と "妻"という漢字との連想があまりにも強固で, 夫の意味で"つま"ということには違和感が伴うでしょう.
"つれあい"が"おっと", "つま"よりも 好ましい理由の一つは, 相手の配偶者のことも"おつれあい"と呼べることです. "夫さん"とか"妻さん"とか呼べないですよね. ところで"つれあい"は老夫婦を連想しますか? 年寄り臭いですか?私は若夫婦が使っても違和感のない語だと思うのですが.
2001/02/28二月は短い わずか二日か三日の違いなのに二月という月は とても短く感じる. 今月末締め切りの原稿を書いていたせいもあるけれど, それだけとは思えない. 二月はいつも気ぜわしい. せき立てられる感じがする. 飛ぶように過ぎ去っていく. 昔, 暦の大の月と小の月とが交互だったときには 二月は平年で29日あり閏年には30日だったのを, 八月を大の月にしてしわ寄せで二月を短くしてしまったオクタビアヌスが恨めしい.
大学の授業のない時期にパソコンを入れ替えておこうと思い立って 新しいのを買った. ソフトをインストールしてあれこれ設定するなど, 古い方とだいたい同じ使い方のできる環境を整えるまでにかなり手間がかかる. そんな事情で"水のほとり"の更新も遅れてます.
2001/03/06パソコンの入れ替え 新しいのを買いました. もっとも, 買い替えようと決断したのも機種を選んだのも, どちらかというと私よりも連れ合いの考えです. 元はプロだけれどいまは趣味にしか使わない連れ合いと, アマにすぎないけれど仕事に使ってる私と, いろいろ話し合って合意しました. 周辺機器はままでのものをそのまま使いたいこともあって, どういう手順で移行するか考えながらの作業です. アプリケーションソフトをインストールして設定する作業を一つずつやってます. 新しい方の早さや快適さを喜びながらも, まだ新しい方で仕事ができる状況は十分には整ってません. 古い方は起動ドライブがAなのに新しい方は起動ドライブがCだとか, 古い方はWindows95なのに新しい方はWindowsMeだとか, 単純に引っ越せない事情があれこれあります. ところで, Windows98を経験せずに一っ跳びしてしまってよかったかも知れません. Windows3.1も自宅で使ったことがなく, 職場で少しさわっただけですし, Windows3.0はほとんど触れてません. MS-DOSからWindows95へ跳びました. そしていまWindowsMeです.
2001/03/11 所得税の確定申告書をどうにか書き上げました.
納めすぎたのをいくらか取り戻せるのでがんばって計算しました.
疲れました. 肩が凝りました. 目が痛くなりました.
○昨日は激しい頭痛, 今朝はかなり軽くなりましたけれど食欲がなくて
朝はクラッカー数枚とヨーグルト, 昼食は中華粥.
○久々の湖畔日記. 何を書くかまとまらぬまま, 箇条書きしてます.
書きたい話題はあるので, いずれ落ち着いてから書きます.
○年度末から年度初めにかけてのもろもろのこと,
日程を考えて準備したり連絡したり.
○いったんは暖かくなったのにこのごろ毎晩気温が零下になる寒さ.
いつまで続くのでしょう.
○パソコンがダウンしたときに失われたデータの復元を試みてます.
どこまでできるか, やってみないとわかりませんけれど.
○ジンチョウゲが庭の隅で咲き始めました. ふきのとうが増えました.
2001/03/14卒業式 寒さがようやく和らいで春らしい陽気に恵まれた今日, 東京女子大学の卒業式がありました. 私は非常勤なので参加しなくてもいいのですけど, 四年生の授業を担当し, さらに特別ゼミナールもやりましたので, 卒業する人たちを見送ってやりました. 私が姿を見せたことを卒業生たちは思いのほか喜んでくれたようです. 最先端の研究成果である難しい理論を情熱的に学んでくれた人たち, 魅力的なレポートを書いてくれた人たち, それぞれに今日の感慨は後々までよい思い出として残ることでしょう.
2001/03/16不注意の失敗 失敗して, 今日は落ち込んでます. 不注意で間違いを犯すことが多いのを自覚して用心しているつもりでも, 過ちを繰り返してしまいます. そこつ者の性格は治りにくい物なのでしょうか. 宿命なのでしょうか.
複数の人に宛ててメールを送るとき, 宛名に本名を書くはずの場合なのに, 一人の人にはハンドル名を併記してしまいました. つまりハンドル名が他の人に知れてしまったわけです. もっとも, ハンドルが誰に秘密であるか誰に公開してるか, 当人から告げられているわけではありません. 失敗の原因を振り返ってみると, メールソフトのアドレス帳に本名とハンドルとを併記していて, ハンドルを消すのを忘れて送信ボタンを押してしまったようです. パソコンがダウンしたあと, メールソフトの再設定がいい加減だったことも, 原因の一つだったと反省してます.
送信控を見ていてハンドルが併記してあるのに気づいてぎくりとして, 早速お詫びのメールを出しました. 相手が寛容な方で, とくに問題ないと, 許して下さいました. メールの連名の人たちには, ハンドルが知れてもかまわなかったのかも知れません. それでも, 私の不注意の過ちには違いありません. しかも, 複数宛のメールにいつもハンドルを併記してしまった失敗は 一回か二回だけと思っていたのに「いつもそうなっていましたよ」と 指摘され, ショックでした.
悪意はないのに人に迷惑をかけてしまったり人に不愉快な思いをさせてしまったり, そういう過ちを私はおそらく何度となく繰り返していて, しかも自分では気づいていないのだと思います. 多くの人が黙って許して下さっているのだと思います.
2001/03/18税の計算 所得税の確定申告の計算に手間取って 大変でしたけれど, どうにか締め切りに間に合わせました. まず説明書を読んで, 何をどこに書くのか判断しなくてはなりません. 説明書の大部分は私には関係ないものですが, 読んでみて初めてこの項目は読まなくてよかったとわかるので, だいたい全部に目を通すことになってしまいます. HTMLとCGIを使って, いくつか質問に答えると自分の読むべきところだけを 表示してくれる説明書を作ることはできないものでしょうか.
つぎに記入ですが, 源泉徴収票やいろいろな領収書などを見て, 間違いないようにそれぞれの欄に書き込むのがまた疲れる仕事です. 保険料控除など, 申告書用紙に書いてあることの意味がわかりにくい上に 「料控除社会保険」というようなお役所独特の書き方にいらいらします. 申告書用紙のそれぞれの欄に控除額の計算の規則を書き添えてあるなど, 昔とくらべたら納税者に親切になってます. 税務署のそういう努力は認めますけど, それでもなおわかりにくいものです.
記入のつぎの段階にする事は計算です. やっかいなのがこの計算です. 以前は電卓を使ってましたけど, 去年あたりから表計算ソフトを使ってます. 去年のフォームを今年も流用したのですが, 計算式が去年と同じとは限りませんから, 一つ一つ確かめねばなりません. それでも電卓を使うよりは楽になりました. 計算ができると, その金額をまた申告書用紙に書き込みます. 数字を間違えないように, 位どりを間違えないように, 慎重に書き写します. その記入枠がまた奇妙です. 千の位, 百万の位で区切ってあるのは常識的. 3桁ずつ区切ってコンマを打つ世間の習慣に合致してます. しかし3桁区切りの太い線のほかに, 枠の区切りがあります. 一, 十, 百, 万, 百万の位で区切ってあるのは何か税務署での 処理の都合なのでしょうか. この枠に惑わされて位どりを間違えそうになりました.
数学者だから税金の計算が得意だろうと誤解されることがあります. 私のとってはかなり腹立たしいことなのですが, 誤解の原因を考えてみるともっともな点もあって, 誤解する人を責められない気にもなります. 小中学校の数学というと決まりきった数の計算を実行することが大部分だから, 数学は計算の学問と思ってしまう, そして数学者はそういう計算がもっと得意なのだろうと思ってしまうのでしょう. しかし, 私たちは式の計算をすることはあっても, 数値の計算をすることはほとんどありません. 数値を扱うことに関しては, 税理士や会計士などその道のプロの方が数学者よりはるかに得意なはずです.
2001/03/21パソコン入れ替え パソコンを入れ替えてみて, 感じたことがいろいろあります. 手間ひまかかるものです. 周辺機器やソフトなどはなるべくいままでのものを使いたい, 移行作業中も日常のしごとに使いたい, などの事情から, どういう手順で実行するか迷いながらやってます. まず, ソフトウェアのインストール. 不正コピー対策として とてつもない桁数のID番号などを打ち込むようになってるものが多く, 登録カードなどを出してきて目のくらむような数字の列を打ち込む, これがめんどうなものです. アップグレード版を持っている場合, 旧バージョンのIDを要求されるのはよい方で, 古いバージョンを インストールしたあとグレードアップしなければならないのもあります. それぞれのソフトの「オプション」とか「環境設定」とか, そういうのを以前のものとなるべく同じになるように 一つ一つ設定する, これがまた手間のかかるものです. しかも古い方のパソコンとまったく同じとは限らないのです. 古い方は起動HDDがAドライブ, あたらしい方はもちろんCドライブ. したがって作業フォルダの場所などがちがったりします. OSもWindows95からWindowsMeへ代わり, ちょっととまどってます. Windows98を経験せずに一挙にMeへ移ったのはよかったかも知れないけれど, Meはまだよくわからないところがあります. 95で無事に動いていたソフトがMeでは一部の機能がはたらかないなど, 不思議な現象もあります. あれこれ苦労もしてますけど, CPUクロック130MHzから800MHzへ, メモリ80MBから256MBへ, 性能が一っ跳びに上がったのはうれしいことです.
2001/03/25ある卒業生のこと 14日に東京女子大学の卒業式がありました. 卒業生の中に, おつれあいと幼い女の子とを連れてきた人がいます. 式を終えて校庭に出て, 心地よい日ざしのもとで写真を撮ったりしてるとき, "夫です, 娘です" と紹介してくれて, お嬢ちゃんに "お母さんの先生よ" と・・・
涙が出そうになりました. この感慨は忘れられません. 主婦で母親で大学生, 苦労もしたことと思われますけど, 若い学生たちよりも情熱的に意欲的に勉強してくれました. ある教授から聞いたところでは, 履修資格のない科目の講義も聴きに来ていて, "単位は出ないのだからレポートは出さないでいい" と告げたにも かかわらずちゃんとレポートを書いてきたそうです. 卒業論文も感動的なものを書き上げて, 私にも見せてくれました. 学ぶ喜びというものを本当に知っている人です.
保育園のことやらなにやらに苦労しながらもとにかく勉強したいという 熱意のある人を, 世の中全体で支えてやりたいものです.
2001/03/29春の学会 八分咲きの桜が冷たい雨に打たれてます. いままで例年になく明るく乾いた日が多かったのですが, 今日はいかにも三月らしい陰鬱な天気です. 今日まで, 春の日本数学会. 家から会場まで片道二時間あまりかけて昨日と今日と二日間, 行って来ました. 久しぶりに町へ出てみると様子が変わっていて驚いたりします. 学会でいろいろおもしろい話を聞いて心豊かになって帰って来ました. 研究の参考になる話, 講義の材料に使えそうな話, などなど.
2001/04/02空中衝突 アメリカ軍の偵察機と中国軍の戦闘機とが接触, あるいは衝突して, 中国軍機は墜落し, 米軍機は緊急着陸. これをきっかけに米中戦争を始めるほど指導者たちは愚かではないと 思うけれども, 国家間の関係に何か悪影響がないだろうか気がかりである.
2001/04/03春の一日 晴れて暖かくなり, 黒雲が出て来て強い風が吹き, にわか雨があり, 杉花粉が舞ってます. 妙な天気のせいか, 頭がさえません. 明日のリサイクル日に備えて 古段ボールを束ねたり, パソコンの中を少しばかり整理したり, 事務的なことをごちゃごちゃやったりしているうちに, 何となく一日が終わってしまいました.
2001/04/04努力するということ もっと努力しなければいけないということは, 仕事に関しても勉強に関しても, しばしば言われることです. ひとまず, それは正論でしょう. なまけて待っていて得られるものなど少ないでしょう. 努力せよと言われる当人も, 努力の必要なことはたいていわかっているでしょう. わかっているとすると, 努力をさらに求めるのはむなしい気がします. つまらないことのために努力する気にはなりにくいけれども, おもしろいことのためなら誰に求められなくとも努力するでしょう. 努力させる手段の一つは, 努力に値するおもしろさに気づかせることだと思います. 私が, 慢性の頭痛などの悪条件にもかかわらず 数学の中でもいちばん難しいと言われる分野の研究を続けて来ることのできたのは, そのおもしろさを知ったからです. たとえ禁じられても研究を続けるだろうと思うほどの魅力があるのです. 数学をもっと努力して勉強しなさいと求めるよりも, 数学がどんなにおもしろいかを伝えることが大切だと感じてます.
2001/04/08解決の快感を 文部科学省の学習指導要領の改訂で, 学校で教える円周率の値が "3.14" から "およそ3" に変わる, この話題が世の中をにぎわしているようです. 水のほとりの掲示板にもこの話題で書き込みがいっぱいありました. ゆとり教育と言うことで, 何々を教えてはいけないという制限がかなり厳しくなったようです. 数学の指導要領についても改訂でいろいろなものが減らされていて, その全体を見なければいけないのですが, 円周率の問題は目立つ上にわかりやすいので, 象徴的にとりあげられ, 集中的に議論の的になるのでしょう.
円周率のことについてはまたあらためて書こうと思いますが,  "およそ3" にせよ "3.14" にせよ, それをただ暗記するだけというのではおもしろくないでしょう. いったいなぜそういう値になるのか疑問を感じることが大切です. 公式を暗記してそれをただ当てはめるだけの傾向の強まることが, 3.14が3に変わることよりもっと恐ろしい気がします. 公式を問題に機械的に適用するだけの勉強に制限されて, 深く考えるような問題に取り組む機会がなくなるのを懸念してます. 自分で考えて問題の解けたときの快感を子供たちから奪ってはいけないと思います.
2001/04/10ふたたび解決の快感について 数学を教えるに当たって, 問題の解けたときの快感や法則を見つけたときの快感を味わわせることが 必要でしょう. 解けたときの喜びを感じたくてまた難問に挑む動機になります. 私たち研究者でも同じです. この研究をしたら何の役に立つかということも 考えますし, 研究費の申請にはやはり何の役に立つかを強調して書きます. しかし, 本音を言うと, 問題が解けたらうれしいから研究してるのです. コンピュータの原理の基礎を支える計算可能性の理論を創った人々は, 便利な機械を創ろうとしたのではなく 「計算とは何か?」ということをひたすら探求していたのですが, その研究成果がたまたま計算機を作ることに結びついたのです.
私が助手として大学に就職したとき, 教授から与えられた課題の一つが, すでに知られていた「クレイグの補間定理」, 「シュッテの補間定理」を もっと精密なものにできないかということでした. それが可能か不可能か はじめは見当もつきませんでしたけれど, おもしろい問題だと感じたので考えてみました. そして, ある方法によってついに補間定理の精密化を成し遂げたのです. そのときの快感がその後の仕事の支えになってます. 「一橋大学名誉教授の永島」と言われるよりも 「クレイグ・シュッテの補間定理の精密化を発見した永島」と言われる方が 私にとってはうれしいことなのです.
2001/04/13秋みたいな一日 空気が乾いて秋のような一日, 窓を開け放つと心地よい風が家を吹き抜けて行きました. 晩秋にちょっと春のような日和になると小春といいますけど, 春に秋のような天候の日があっても「小秋」とは言わないのでしょうね. とにかく, こんな日は股関節の痛みもなく, 気分よく過ごせます. 講義の予習をしなければならないと思いながらも, 庭仕事などに時間を費やしてしまいました. パソコンにため込んでいる資料, とくにゼミ資料を今日は 整理しようと手をつけたのですが, はかどっていません. 13日の金曜日ですけどべつに悪いことは起きませんでした.
2001/04/14おいしい 若い世代の人たちは「おいしい」ということに 何のためらいも後ろめたさも感じないで, すなおに言えるようです. ひもじかった時代のことを歴史的事実として知っていてほしいとは 思いますけど, おいしいという言葉に罪悪感を伴わないのは幸せです. 戦時中や敗戦直後の食糧難の時代, 出された食べ物をまずいなどと言えば 「それなら何も食うな!」となるし, おいしいと言うのもまた何か ぜいたくをしてる後ろめたさがつきまといます. 食べ物の豊かな時代になっても未だに「おいしい」ということに 何となく後ろめたい気持ちが伴うのは, トラウマなのかも知れません. グルメとか食い道楽とか食通とかにはいつまでもなれません. なりたいとも思いません. おいしいものが食べたいという気持ちも一方ではあるのですが, ぜいたくは肌に合いません. 庶民的な食事を楽しめればいいのです. 一万円のフランス料理フルコースなどもてなされたとしても, 気詰まりで, 味わいを楽しむことはできそうにありません. もっとも, 私と同世代でも, ひもじかった時代の反動のように 高価でぜいたくな食事に熱中してる人もいますから, 結局は 世代の特性でなく一人一人の個性なのかも知れません.
2001/04/15四月半ば 四月もすでに半分が過ぎ, 新緑の緑が日に日に深まり, 花水木が咲いてます. 春にしては空気が乾いていて, それは心地よいのですけど, ときどき吹いてくる突風はきもちよくないです.
さて, ニュースの話題はもっぱら総裁選. 誰が自民党の総裁に選ばれるかよりも, 私には明日に迫った今学期最初の講義をどうするかの方が問題. 政治に関心がないわけじゃないけれども, 支持してない政党の代表に誰がなろうと知ったことじゃありません. まあ, そういうわけでテレビもあまり見ずに, 明日の予習などに一日を費やしてしまいました. 明日の初講義にはどんな学生が来るか, それが楽しみ.
2001/04/17初講義など 16日は天気に恵まれて, 校庭の芝生の上で授業をやりたいような日和に, 新学期の初講義してきました. 最初なので, 履修するかどうかまだ決めてなくて 様子を見に来る学生もいるのでしょうが, とにかく予想以上の人数でした. 大勢に聴いてもらえるのはうれしくもあり, 疲れることでもあります. 同じ話をしても聴衆が多いと疲れる気がします. 三科目を終えたときにはかなりの疲れを感じました. 次回までに学生たちは履修登録を終えてるはずで, 来週は人数がひとまず確定します.
きょうも良い天気で, 庭仕事を少しやったり, パソコンの中の資料を整理したり, 次回の講義のために資料を調べたりしてます. 目がちょっと疲れてます.
2001/04/18言葉は絶えず変化する 天気は下り坂, 体調も下り坂. 予報どおり雨が降り出した. 雨が少なくて土が乾き切っていたから, 草木にとっては恵みの雨. しかし, 肩が凝り股関節が痛み腰も痛み気分が良くない.
さて, 言葉はいつの時代にも変化し続けるものだが, いまはその変化の激しい時代なのだろう. 語の意味や語感が変わっていく速さになかなか追いつけない. 急速に変化し続ける言葉に適応していくのは, 技術革新を追って新しい技術を習得することよりもある意味で難しい.
たとえば, ほんのちょっと昔には親しみをもって使われていた言葉が, いまは親しみを感じさせなくなっているらしい. むしろ侮蔑的に受け取る人がいる. 何気ない私のひとことをいちじるしく不快に感じた人がいる. 激しい抗議を受けて気づいたのだが, 意図せざることとはいえ言葉によって人権を傷つけること避けねばならないので, 若い人たちが言葉の意味をどんな感じ方で受け取るのか, もっと知っておかねばなるまいと思う.
2001/04/20疲れた〜 まず, お断り. "激しい抗議を受けて気づいた・・・" と一昨日の日記に書きましたが, 抗議したつもりではなく冗談であるとのこと, ご当人から連絡がありました. 私の想像したほどには怒ってなかったようです. ただし, 私が何らの悪意なく使う単語が, その人には不快に感じられるという, 言葉に対する感じ方のちがいはあります.
仕事が忙しい上に, 連れ合いがちょっと具合悪くて不機嫌になっていて 家事分担の割合がふえてるなど, 昨日はかなり疲れてました.
その上に, 悩み事がありました. 何を言われてるのかよくわからないのです. 何となく前後の文脈と整合しない文章なので, タイプミスや脱字, 誤変換などの 可能性を考えてみたけれども, 当てはまるものが思い浮かびません. お世辞を並べておいて私がそれに乗ったところを足下をすくってやろうという 一種のほめ殺しなのだろうか, いや, あの人はそこまで意地悪なことをするとは思えません. それとも怒り心頭に発して攻撃的になってるのでしょうか. そう解釈してみると, 「そこまで言うか?」と疑問を感じる過剰報復. やはりこれもちがうのでしょう. そうすると, 残されてる可能性としてこれは冗談なのだと考えてみます. しかし, いろいろ考えを巡らせてみても, 読み解けないのです. 冗談としての面白みがどこにあるのか, 笑えないと言うか, あまりにきつい言い方なのです. 参りました. いったいどう解釈してどう対処したらいいのだろうと悶々としてました. 今朝は疲れを繰り越してぐったりとして目覚めました. 今日の日記はいったい何を言ってるのかわからない, 掲示板をごらんになってない方はそう感じることでしょう. お許し下さい. これ以上書けません.
2001/04/21愚痴なのだ すみません. 昨日の日記に書いたことが, そのご当人に心配をかけてしまいました. 決して責めてるのではないのです. ただ私のぐちを誰かに聞いていただきたいという私のわがままにすぎないのです. みなさんご存じのとおり私はぐちっぽい人間です. そして, ぐちを聞いてもらえる場がインターネットの世界なのです. 誰を責めてるわけでもなく, まして誰かに態度を変えさせようなどと大それたことを考えてるわけでもなく, ただ自分の気持ちを語ってるのです. 悩んだり苦しんだり迷ったり悲しんだりしているとき, それを誰かに聞いてほしくて訴えてるのです. 私は心の弱い人間です. どうぞどうぞお許し下さいませ.
2001/04/24心の弱さ 自分の心の弱さを曝け出してしまうことが, 人につらい思いをさせることになり得ることを知りました. 愚痴っぽいものを読みたくない人の少なくないことはもちろん知ってます. しかし, 愚痴を書いたことが人を苦しませることになると想像できなかった, そのことを悔やんでます. 責めていると解釈される可能性について, 思いが及びませんでした.
昔はねぎらったりいたわったり慰められたりしたことがなく, ほめられたこともあまりありません. しかし近ごろは, 苦労したらねぎらって欲しい, つらいときはいたわって欲しい, 悲しいときは慰めて欲しい, などと 感ずるようになりました. 人生はつらいものであり生きるとは耐えることであると わかっていたはずなのに, その信念が崩れてきています. 老いの衰えなのでしょう. つい, 愚痴を誰かに聞いて欲しくなります.
心の弱さを隠して強いふりをしているのは疲れます. しかし弱さを見せることで誰かを苦しめるのは避けたいのです. それには強い心を持てばいいのでしょう. 自分の心を鍛えるのは体を鍛えるよりむずかしく感じられます. 強くなれるかどうか自信がありません.
2001/04/25何と呼ぶべきか 「おばさん」という語が差別的で禁句であったり, 少なくとも不快感を感ずる人がいたりするなら, ある程度の年齢の女性を何と呼んだらいいのでしょう. 「おねえさん」とか「お嬢さん」とか呼ぶのはわざとらしかったり, ときには嫌みに聞こえるかも知れない, そういう人たち. ほんの一昔か二昔のこと, 「おばさん」に否定的な感じはなかったと思います. 通学する子どもたちの交通安全を守る「緑のおばさん」や, ある商品を宅配する「××××おばさん」がいて, 「おばさんパワー」などという言葉も使われてました. いまは「おばさん」と呼ばれることに つよい不快感を示す女性が多いようです.
いま, 女性がさまざまな分野で活躍しています. 優れた研究業績があり優秀な弟子を育て学会の役員も務めている人, 元は腕利きの新聞記者で結婚後は学術誌の編集に携わりながら 絶えず勉強している人, そういう輝いてる女性たちを知ってます. 私が「おばさん」という語を使ったときに思い浮かべていたのは そういう人たちなのです. 若くなくても魅力的な女性がいるのですけど, 世間の多くの人々は気づいてないんでしょうか. 若さだけが魅力と思ってる視野の狭い人が多いのでしょうか. 若くない女性を何と呼んだらいいのでしょうか.
2001/04/26もうすぐ連休 まもなくゴールデンウィークとかいう連休. 土日の週末のほか祝日があり振替休日がありさらに何かよくわからない休日があり, 仕事を休んでゆっくり楽しめる人たちもいることでしょう. あいにく私は休んでいられません. 姪が結婚するので披露宴に招かれてます. 共著者たちと連絡取りながら論文を書き直すことなど, 急ぎの仕事があります. もっとも, 観光地などへ出かけたとしてもどこも混雑してることでしょう. 連休でないときにゆっくり休みたいなどと思ってます.
2001/04/27あれやこれや 疲れてるのでとりとめもなくあれこれ書く.
2001/04/28定期入れ 定期券がないのに,
出かけるときはいつも定期入れをポケットに入れて出ます.
何が入ってるかというと, こんなものです:
運転免許証 (身分証明書としても役立ちます), 連れ合いの写真,
SDカード (無事故無違反の証), クレジットカード数枚, 銀行のATMカード,
図書館利用証 (東京女子大学と一橋大学),
JR東日本のイオカード, バス共通カード, など.
これだけでもかなりかさばりますが,
行き先によって中身を入れ替えるのはめんどうで,
SDカードのほかは肌身離さず持ち歩きたいものです.
2001/05/01五月 五月になったのに暖房を入れる寒さで, 風薫る五月などという決まり文句とはほど遠い感じです. 平日の今日は連休を楽しんでる人もあれば 会社や役所や学校へ行かねばならない人もあり, さまざまです. 私は論文の見直ししたり教材を作ったりで相変わらずです. もっとも, 昨日・今日は旅の疲れが残っていて, 仕事はあまり進んでません. ぼんやりとしている間に時が過ぎていきます. まったく旅慣れない連れ合いを伴って日帰りで山形まで行って来たのが一昨日. 帰り着いたときにはさほど疲れを感じなかったのですが, 翌日になってぐったりしました.
2001/05/02八十八夜 五月二日は八十八夜. しかし「夏も近づく」という歌の文句に反して寒く, 冷たい雨が降ってきた. 四月は記録的に雨が少なかったという. そしていまこの冷え込み. 農業にどんな影響があるか気がかり.
連休の谷間の平日. しかし連休も谷間も関係なくいまは論文の見直しなどに忙しく, ゴールデンウィークとやらの恩恵はない. 調べたい文献の見つからず, さがしものに費やす時間が少なくない. 積み上げた段ボールのどこかに入ってるはずなのだが.
2001/05/03憲法記念日 憲法改正に賛成が何パーセント, 反対が何パーセントとか, 世論調査の結果が出ていた. その数値にはあまり関心がない. どれほどの意味があるのだろう. こういう調査に答えてる人のうちどれほどの人が憲法を読んでるのだろう. 憲法改正になぜ賛成なのかなぜ反対なのか答えられるのだろうか. 改正に賛成という人はどういう改正を望んでるのだろうか. 改憲派と護憲派との二つに割り切ってしまうのはあまりに単純すぎないだろうか. 憲法について考えることなくムードだけで改憲に流されていくとしたら恐ろしい. 今日も冷たい雨が降り続いている.
2001/05/05立夏 五月五日がこどもの日という祝日で三月三日が平日なのは 何か不公平な感じがする. それはともかく, 今日は立夏. 昨日まで幾日か続いた寒さはいくらか和らいだけれど, 初夏を感じる陽気ではない. それでも満々と水をたたえる多摩湖に映る雑木林の緑は深まってきた. 忙しくてニュースもあまり見てなかったが, テレビをちょっと見ると悲しいニュースや不可解なニュースなどさまざま. 連れ合いと買い物に出たほかは本を読んだりパソコンに向かったりして 何となく一日が終わる.
2001/05/06連休が終わる 原稿書きに追われる一日. ほかにも考えなくちゃならないことがあれこれ. とにかく忙しい. しかも眼鏡が合わなくなってきたようで, 目が疲れる. 明日は二週間ぶりに講義の日. 学生たちが休みぼけしてないか, 連休前に教えたことを思い出してくれるか, それが気がかり. 学期はじめにすぐに連休があるというのは好ましくないと 毎年感じているのだが, どうにもならない.
2001/05/10生きてます ちょっと日記を休んでしまいました. 講義を三つ担当してる七日の月曜日ははじめの講義の最中に頭が痛くなってきて, 休み時間に鎮痛剤を飲んで, あとの二つも何とか終えたものの, 三つめの講義のころには失せてきた思考力や判断力を気力で何とか保ってました. 駅までバスに乗るか歩くか迷ったものの待つのがいやで歩きました. 家の最寄り駅まで連れ合いに車で迎えにきてもらいました. 食欲もなく, あまり食べずにすぐ寝てしまいました. 翌朝もまだ何となく気分が悪く, ぐったり疲れてました. 低気圧の通ったのと連動していたように思います.
徐々に快復してきて, 少しずつ仕事してます. 原稿を書いたり, 共同研究のことでメールのやりとりしたり, そのほかこまごまとした用事がいっぱいあります. 日記に書くネタはあれこれあったのですけど, いま整理がつきません. とりあえず生存報告です.
2001/05/11計算できない人たち ふもとまで買い物に歩いて下りたほかはパソコンに向かって仕事する一日でした. 目が疲れます. 肩が凝ります. 青空が見えたかと思うと激しいにわか雨が降るなど不安定な天気です. ところによっては雹が降ったそうです.
さて, ある掲示板で見かけた話. 喫茶店に三人連れの十七〜八歳の女性客がいて, 請求額1200円が割り勘で一人あたりいくらになるかわからなくて, 300円だよね などといってたとのこと. これは極端な例でしょうけれど, これが「ゆとり教育」の成果なのでしょうか. こういう人たちがこれから幸せに暮らしていけるのか心配です.
2001/05/12安くなったコンピュータ 天気の回復に連動して気分が回復. 専門書を読んだり, 紙に書いて考えたり, パソコンに向かって書いたり, メールのやりとりしたり, たいした知恵も浮かばないのに頭ばかり使って 運動不足気味の一日でした. 明日は散歩に出ようかな, などと思ってます.
パソコンとインターネットの恩恵を身にしみて感じてます. 茨城県と東京都と静岡県と福岡県とに住んでる四人が共同研究するなど, インターネットがなかったら非能率で, 実現できなかったことでしょう. コンピュータも昔とくらべて安くなったものです. 就職して助手を務めていたころ, いまのパソコンに匹敵する性能の コンピュータは世の中になかったから, いくら金を積んだとしても手に入るものではありませんでした. 私の勤めていた大学にはメモリ6kBのコンピュータが入りました. ある大学のセンターの大型機がメモリ256kBとか1MBとか言ってたと思います. 当時, メモリの価格がビットあたり一円と聞いたことがあります. バイトあたり8円ということになりますね. もちろん, いまのメモリよりも遅く, かさばるものでした. いま, うちのパソコンがちょっとぜいたくにメモリ256MB, これを当時の相場で見積もると20億円を超えることになります.
2001/05/14バスが通れない バスが行く. いつも通る一方通行の狭い道を行く. 歩行者や自転車に用心し, 路上駐車の車を避けながらゆっくり行く. 路線バス以外の大型車は入ってこないだろうと思われる細道. 狭い道へ左折する. ここもまた一方通行. 左折するこの角はやや大きく "隅切り" してある. そうしないと大型車は曲がれないほどの細道だから, 路線バスが通ることを考慮した隅切りであろう. ところがここにたいてい自動車が止まっている. その辺の小さな店に来る客などが, 何のための隅切りか考えもせずに駐車してしまうのだろうか. バスはそれを避けて左折する直前で一旦かなり右にハンドルを切って大回りし, 左折した先の道の右側の家々や電柱をほとんどこすりそうにぎりぎりに行く. ところが, 今日は何と何と左折したすぐ先の右側にも乗用車が一台止まってるのだ. これは切り返しても通れない. バスが警笛を鳴らしたらその車はすぐに移動してくれたので, 幸いバスは遅れることなく目的地に着いた. 止めてた車の運転者がその辺にいなかったら大変なことだった. こういうところに駐停車する人たちは, バス通りと知ってるなら, 交通の状況について何の配慮もしないで自分の都合だけで行動してるのだろう.
2001/05/18無題 四月から論文の手直しやらなにやらに忙しく, "水のほとり" の更新もできません. 昨日, 今日は晴れてしかも湿度の低いおかげで気分よく, 仕事はひとまずはかどってます. 連れ合いに頼まれて買い物に出たほかは, 論文を見直したり 別の連載原稿を書いたり教材を作ったり専らパソコンに向かう作業. 買い換えなくてはならない物がいくつかあって, 検討中. 自動車の点検整備は終わり, バイクの修理は予約. その他, 連れ合いに頼まれた雑事あれこれ.
近頃テレビはあまり見てません. 断片的にみたニュースの感想: 国会は, 内閣の人気の割には大した中身のある議論をしてないようです. 景気も相変わらずのようです. 暗い犯罪のニュースは相変わらず絶えません. 動機の不可解な殺人が多くなったように感じてます. 女子学生が出会い系サイトで知り合った相手に殺された "メル友殺人" の容疑者が逮捕され, それに関していろいろ報じられてます. まだ詳細がわからず事件そのものに関しては意見を述べる段階でないのですが, ともかくこの事件をメル友殺人と呼ばないでほしいと思ってます. 私にもメル友はいますけど殺しも殺されもしません.
2001/05/20英語はむずかしい ややかすんだ晴れ. 強風が吹き入道雲がわき上がって雷が鳴って夕立になったきのうとちがい, 風は弱く, 暑いけれど夕立の気配さえもなかった.
風邪を引いたかも知れない. 暑いのに, きのうから体が冷えてる感じがする. 汗ばんでるのに, 暖かくした方が気持ちいい. 熱はないと思うけれど, 肩こりがひどい. 頭が重い. のどは痛くない.
授業のための資料を調べたり論文を見直したり, 日曜といえども相変わらず. 論文を書いたり直したりしていていつも悩むのは, 論文の内容だけでなくてそれを英語でどう表現するかということ. かつて国際的に多く使われていたドイツ語やフランス語の勢力が衰えて, いまではドイツ人でさえ英語で論文を発表している. ラテン語からフランス語やドイツ語へ, そして英語へと変わってきているが, 日本語が国際学術用語になる日が来るとは思えない. 世界に向けて発表するには自分の母語でないことばで書かなくてはならない. その点で英語を母語とする人たちとくらべて不利なのはやむを得ない. 近ごろはやりの英会話教室などでは論文を書く英語は学べないだろう. あれこれ読んだり辞書をまめに索いたりするほかないのだろう.
2001/05/21レコード アナログとデジタルという概念を説明するのに, 音楽レコードのアナログ盤とデジタル盤の例が親しみやすいだろうと, 講義のとき "LPレコード知ってる?" などいくつか問いかけてみた. しかし反応がない. SPは知らなくてもLPなら親がもってるか何かで知ってるのを 期待したけれど, 無理だろうか. それとも知ってて知らないふりしてるんだろうか. いまの学生が聴くレコードはCDばかりなのだろうか. アナログの媒体としてカセットテープはまだ使われてるかも知れないけれど, LP, EP, SPなどのアナログ盤は若者の知識の世界から消え去ってしまったのか. CD, MD, DVDなどなどとデジタル媒体ばかりになってしまうと, アナログという概念を説明するときに時計ぐらいしか例が見つからない, そんなことになるのかも知れない.
2001/05/24エスカレーター 昨日も今日も梅雨時を思わせる雨降り. こんな日は股関節が痛む. 鈍いかすかな痛みが続くこともあるけれど, いまはそれは感じない. 立ち上がって体の向きを変えた瞬間や, 階段を下りるときなどに, 鋭い痛みが走ることがある. それでも, 階段を上り下りするのに不自由とは思わない. 痛みに耐えることに慣れてしまってるのかも知れない. しかし, 将来のことを考えると, 老いて体の衰えてきたとき, 階段を上がり下りするのが苦になることもあろう. そんなとき, エスカレーターやエレベーターが頼り. というわけでエスカレーターは上りか下りかどっちがよいかという問題. 両方あるのが望ましいのはもちろんだ. 多摩モノレールの各駅は, 私の知ってる限り上り下り両方を備えている. 脚が衰えたとき, 階段は下りる方がつらいと聞いている. それが正しいとすると, 下りエスカレーターを備えるのがよいということになる. 実際はどうなのだろうか. 上りだけのエスカレーターを備えてるところが多いような気がする. JR立川駅は橋上駅で, 駅前広場から駅舎へは上り下りがあり, プラットホームには下りだけある. JR西荻窪駅のプラットホームには上りだけある. つまりJR中央線の駅だけみても統一した基準はないらしい. 東京駅八重洲地下街も昔は下りだけだったけれど, いまはどうなのだろう.
2001/05/26若けりゃいいのか "おばさん" という語が すごく嫌われている. 親族の伯母・叔母はひとまず別の問題としよう. かつては親しみをもって使われていた. 通学する児童の交通安全を見守る "緑のおばさん" がいた. ある商品を宅配する仕事の女性たちも "○○○○おばさん" と呼ばれていた. 某生命保険会社の テレビコマーシャルにも "○○のおばちゃん" が登場していた. "おばさん" と "おばちゃん" と感じがいちじるしく 違うという意見もあるけれど, 私にはわからない. とにかく, いつのころからか "おばさん" と呼ばれることを 女性が非常に嫌うようになったらしい. バブルのころか, あるいはもっとさかのぼって高度成長のころだろうか. いまではおばさんと呼ばれることをセクハラとさえ感じることがあるようだ. "○歳すぎたらおばさん" などというらしい. 女性は若くなければいけないというのだろうか. 若さにだけしか女性の魅力を見いだせないのだろうか. 女性には性的魅力だけしか認めない風潮があるのかも知れない. 話して楽しい人, ばりばり仕事のできる人, 感性の豊かな人, 頭のさえた人, 手先の器用な人, などなど人間にはさまざまな魅力があるはず. 仮に性的魅力に限っても, 年齢を増してますますセクシーになる女性もいる. おばさんという呼び方の嫌がられる背景には 女性に対する非常に偏った価値観があると思う. 若さのほかに魅力を見いだせないのは感性の貧しさである.
2001/05/27若けりゃいいのか(2) "おばさん" という語が 女性にすごく嫌がられるのは, 若さにばかり価値を求める傾向が原因だろう, そんなことを昨日は書いた. それでは, いったいなぜそういう価値観が出て来たんだろうか. 高度成長と呼ばれる経済発展と関わりがあるんじゃないかと私は疑ってる. 農民や漁民が減って勤め人が増えた. 田舎から都会へ人が流れる. 地価がどんどん上がり, 人々はやむなく長距離通勤することになる. 会社員か公務員の夫, 専業主婦の妻という家庭を仮定してみよう. 夫は朝早く家を出て職場へ向かい, 残業と通勤に疲れ果てて深夜に帰宅する. メシ, フロ, 寝るの三言亭主になってしまい, 夫婦や親子の対話が消える. 家事や子育ては妻だけの役割になってしまい, しかも田舎とちがって近所づきあいも疎遠な環境の中で孤独に生きる. 妻は早く起きて朝食の支度をし, 夫や子どもを送り出し, 住宅ローンの返済に追われる家計のやりくりを考え, 安売りを求めてスーパーをさまよい歩き, 夜更けまで夫の帰りを待つ. 子どもは父親の帰りを待てずに寝てしまい, お父さんの顔を忘れたりする. こんなのが典型的な家庭じゃないだろうか. こういう暮らしの中で既婚女性は疲れやつれてしまう. 家庭電化で主婦はたらいで洗濯しかまどで飯を炊くなどの伝統的な家事労働から 解放されたけれど, 別な苦労や孤立に縛られてしまった. 若いときには生き生きしてた女性がこうして日々の暮らしの中でやつれて 生彩を失っていくのを見て, 女性は若いのに限ると感じる人々が現れてきた. そして "おばさん" のもつ語感からも魅力が消えていった. これが私の推測.
2001/05/28ふたたびエスカレーター 階段は下りる方がつらいのではないかと 24日の日記に書いた. 私自身, 股関節の調子の悪いときなど, 下りの方が痛みを感じることが多く, 下り階段ではときに軽い恐怖を感じることもあり, また年寄りなどに下りの方がつらいという話も聞いたような気がしていた. これについて, 年寄りでなくても一般に下りの方が苦しいと, 情報をいただいた. 足首を傷めたときや子どもをおんぶしてるときに下りがつらいという経験, 多くの人に階段を上り下りさせる実験で下りの方が脚に負担になるという 結果の出ていること, など私の気づいてなかったことである. 情報を下さったいるまさん, ありがとう存じます.
さて, 駅のエスカレーターについて24日の日記ではうろ覚えで書いたが, 気をつけてみてみると, 前に書いたのはちょっとちがっていた. ほぼ全線が高架の多摩モノレールは駅も高いところにあり, 駅前からは駅へ上り下りのエスカレーターが並んでるが, 改札口からプラットホームへは上りだけしかない. JR中央線で改札口とプラットホームとの間を見ると, 立川が下りだけで吉祥寺と西荻窪は上りだけ. これは統一した基準がないように思ったけれど, 考え直してみると, 乗車する側のがあって降車するためのがないという原則かも知れない. 立川は地上プラットホーム, 橋上駅だが, 吉祥寺も西荻窪も高架である.
2001/05/29天気が不安定 晴れたり曇ったりして一時は雷が鳴り 妙な風が吹いて小雨の降る不安定な天気. 湿度が高い. ところによっては雹が降ったそうだ. 一度は外に干した洗濯物をとりいれて除湿器の回ってる部屋に干した. 肩こりが激しく, 考え事に集中できない. 昨日28日の日記 "ふたたびエスカレーター" は 日付がまちがって27日になっていたので訂正. 私にはつらい梅雨時みたいなこの天気も草木には天の恵み. 日に日に育っていくのが目に見える. 狭い庭ながら窓いっぱいに緑の目に入るのはうれしい. 座り仕事ばかりでは運動不足になる. 今日は散歩をかねて ふもとまで下りてコンビニとスーパーで買い物してきた. 体の調子を少し取り戻して, 論文を読み返したり, 式を書くのとくらべて図を描くのはめんどうだと感じながら教材を作ったり, 相変わらずの仕事.
2001/06/01こわれたレコード 早くも六月, 梅雨間近. さて, "こわれたレコードみたい" というたとえは いまでも通じるのだろうか. 何度も何度も繰り返して同じことを言い続けるたとえ. アナログ盤だけの現象かと思っていたけれどCDでもまれに経験した. アナログ盤の場合, 傷がついたりすると針がとなりの溝へ飛び移ってしまう. 一回転したところでとなりへ飛び移りまた同じところをたどる. CDの場合はレーザーがトラックを踏みはずしてしまうのだろうか. その詮索はどうでもいい. ここまでは枕, これからが本論.
こわれたレコードみたいに "赤とんぼ" を繰り返す. ちょっと調子の外れたチャイムでしつこくしつこく繰り返す. これでもか, これでもか, と休みなく繰り返す. 短いときで二十分か三十分, 長いときは二時間. 平日はこれに悩まされる. とくに, 暑くなってきて, 窓を開け放っているとき. 室内にも "赤とんぼ" が遠慮なく入ってくる. こんな音が必要なのだろうか, ゴミ収集車に. ゴミ収集に来たのがわかってありがたいというのが多数意見らしい. 静けさを求めるのは少数意見. 当分はあきらめるほかないのだろう.
2001/06/04五百年ぶりか? ペルー大統領選挙でトレド氏が当選. 彼がどういう思想なのか, どんな政治を目指しているのか, それは知らない. とにかく, 先住民系だと本人は言ってる. 1532年にスペイン人が侵入し タワンティンスーユ (いわゆるインカ帝国) が滅ぼされて以来, スペイン系の人たちに支配されてきたこの土地に, ようやく先住民の政権. これから先住民の権利が尊重される政治になるのかどうか見えないいま, 喜ぶのは早すぎるだろう. 南米の先住民の解放はアフリカのそれよりも難しい問題を孕む. タワンティンスーユの再興を夢見るのは非現実的にすぎるけれど, アンデス文明を築いてきた人々の末裔のために何かを期待したい.
2001/06/06入梅 一昨日の月曜日までは空気が乾いてさわやかだったけれど, 昨日から湿度が高く, 今日はついに関東地方も梅雨入り.
ネパール王室の事件. はじめの報道では皇太子が国王等八人を射殺したあと 自殺を図って重体と伝えられ, つぎには銃の暴発事故といういかにも嘘っぽい発表. その後の経過も, 陰謀説がささやかれるのも無理もないと思わせる状況. 調査委員会が設置されたと言うけれど, 果たして真相など公表されるのだろうか.
外務省. 外務大臣と事務方の対立という奇妙な状況. ミサイル防衛網への疑問や アメリカの核の傘に頼るのは安易だという批判を大臣が口にしたのだろうか. 田中さんはそういう個人的意見をもってるかも知れないと思うけれど, 内閣の政策と異なる意見を公式の場で述べてはまずいことになるのは 承知してるはずで, そんなことをほんとに言ったのかどうか疑問. 仮にそういう発言があったとして, それを誰がどういう意図でもらしてるのか. 外相の足を引っ張る人たちの策動があるのか, あるいは外相が判断力を失ったのか. 外交問題なども起きないとは限らないけれど, いまのところ傍観してる限りなかなかおもしろい.
2001/06/07アナログとデジタル この二つの概念について, 何回か前の講義で説明したので, 今週は簡単な試験をしてみた. アナログとデジタルとはどう違うか, どう感じるか, 書いてもらった. 正しく理解してる学生がもちろん多いけれど, 間違いも少なくない. 最も目立った間違いは「デジタル=ハイテク」という思いこみ. 確かに最近の技術革新でアナログからデジタルに変わっていく傾向が強い. パソコンの苦手な人を「アナログ人間」などとよぶのも, アナログとデジタルについて誤解させる原因になっているだろう. 講義では典型的なデジタルの例としてそろばんを挙げたのだけれど, それを忘れてしまったか, 聴いてなかったのだろう.
講義では概念を述べたあとアナログ時計とデジタル時計の例を挙げ, さらに 計算尺はアナログでそろばんはデジタル, 固定電話はアナログで携帯電話はデジタル, LPはアナログでCDはデジタルなど例を挙げて説明した. ところがそういう具体例についての体験から間違った推測をしてる答案も見られた. 例えばデジタル通信は通話の途切れる欠点があるなどという答. これはもちろん, 固定電話は有線で携帯電話は無線という違いに原因があり, アナログとデジタルの問題ではない. もっとわけのわからない答案に, アナログ時計とデジタル時計とをくらべて, デジタルのは狂うとか, デジタルのは電池交換が要るけれどアナログのは 半永久的に動くとかいうものなどがあった. アナログ, デジタルという言葉の氾濫してる割に, その本当の意味は理解が難しいのかも知れない. 教え方にさらに工夫が必要と思う.
2001/06/10路面電車の日 今日が時の記念日であることは知られてるけれど, なぜか路面電車の日でもあるそうだ. 路面電車は少なくなってしまったけれども, 復活する兆しがいくらか見えてきたのはうれしい. いくつかの都市では路面電車が市街地の主要な交通機関として活躍してる. 例えば広島. 各地で路面電車が廃止されていったとき, その中古車を買い取って整備して使ってるので, いろいろな車両が来る. こんどはどんな電車が来るだろうかと停留所で待つのが楽しい. ドイツのドルトムント市から来た電車にはドイツ語の表示などもそのまま 残っていたりしておもしろい. この電車はすごくよく効く電気ブレーキを備えていて, 専用軌道に入るとすばらしいスピードで走っていた. あれに乗ったのは十年以上前のことだったろうか. いまはバリアフリーを考えて床を非常に低くした新型車が入ったりして, さらに便利になってるらしい. 広島のほか, 岡山では路面電車の新しい路線が出来るとか, 高知, 熊本, 長崎などでも路面電車が市民に愛されてるようだ. 東京の都電はわずか一路線になってしまい, 京都にはまったくなくなってしまってさびしい. 懐古趣味だけじゃなくてエネルギー問題や環境問題のことを考えても 路面電車をもっと増やすのがよいのではなかろうか.
2001/06/11蒸し暑い日 蒸し暑い. 気象情報によると, 梅雨前線は南に下がって北から寒気が入ってきてるという説明だったけれど, 蒸し暑さに参った. 股関節の痛みに耐えながら講義を三つ. 三科目のうち二つは教材のプリントを配布し, あと一科目も準備中. 講義のときプリントを見てもらうことで板書の手間が省けそう. 手抜きするためには手間をかけなくちゃいけない (矛盾?). 問題は, プリントを見ておけば授業に出席しないでもいいだろうと 心得違いする学生がいるかも知れないということ. 疲れて帰って来たけれど, 晩になったら涼しい風が吹いてきた.
2001/06/15自立訓練 梅雨半ばらしい雨の日. 今ごろは鳥たちの子育ての時期でもある. 親鳥は餌集めに必死. 小鳥ならかわいいけれど, カラスはゴミをあさったり時には人を襲ったりして 近ごろ嫌われるようになってしまった. うちの地区のゴミ集積場は無事だけれど, 集積場のゴミの散らかされてるのを見かけることがある. ゴミの出し方などの工夫でカラスと共存できないものだろうか.
巣の中のカラスのひなは見たことがないけれど, 巣立ったばかりと思われるのが親に連れられて来ることがある. 色も大きさも親鳥と見分けがつかないのだけれど, 自分で餌をとらず, 親鳥に口に入れてもらってる. 羽を中途半端に広げてばたばたさせて大きな口を開けて あまえた声でカーカー鳴いてるだけなのだ. ところが, こんな過保護っぽい状況が長くは続かなかった. 親鳥はひなを連れて, ゴミ集積場の見下ろせる電線まで来る. しかし, ひながいくらカーカーあまえても餌をやらず, じっと見守っている.
2001/06/16選ぶ 雨が明け方にやんだらしく, 起きたときは降ってなかったけれど草の葉は濡れていた. 都議選が先日告示になった. 告示と聞いて, まだ告示されてなかったのかと思う. それほど宣伝カーの拡声器がいままでも騒々しかった. 思い出してみればいままで来てたのは政党の宣伝車で, 候補者のではなかった. いま, 各候補車の宣伝車のほかに, 電話がかかってきたりする. 郵便受けにはチラシ, そして候補者からのハガキ.
しかし, 我が家の緊急の課題は候補者選びよりも車選び. 長らく乗ってきた自動車もついに寿命か, 修理するには費用のかかりすぎる故障. いよいよ買わなくちゃならないときが来た. 各社のカタログをつきあわせて検討中. この前に買ったときと比べると技術の進歩でいろいろよくなっているとはいえ, 高い買い物だから慎重に比べて考えているところ.
2001/06/21夏至 夏風邪を引いたか, 気分の優れない日々でした. 18日の授業中に気分が悪くなり, 講義は予定どおり終えましたけど, 食欲がなく, 頭が重く, 股関節の痛みも普段より増したように感じました. ご心配下さった皆様, ありがとう存じます. インターネットを通じて伝わってくるお心遣いはうれしいものです. おかげさまで快復してきて, 今日はほぼ平常の食欲です. 水のほとりの自己紹介のページを少しだけ更新して, 久しぶりの湖畔日記も書いてます. 懸案の車選びも結論が出て, 明日は販売店へ行きます.
2001/06/23信州へ 日帰りで長野市まで行って来ました. 梅雨時なのに東京も長野も雨が降らず, 傘を持たずにいけたのは幸いです. 帰りの電車に乗るころは長野市のすぐ裏の山まで雨雲に覆われ, かすかに雨粒の飛んでくるのを感じました. 佐久では降ってました. 関東平野に下りたら降ってませんでした. 東京駅から長野駅まで新幹線で2時間かからないのに, 家から東京駅まで2時間以上かかるのはちょっと矛盾を感じます. 長野まで出かけた目的は, 父が関係しているある行事です. ほんのささやかな親孝行と思っています.
2001/06/25蒸し暑い 雨の降らないのはありがたいけれど激しい蒸し暑さ. 学生たちも暑さ負けしてるのか, 今日は何となく無気力だったり 落ち着きがなかったり. 授業のやりにくい日だった. 疲れた. バイクで風を切って走っても涼しさを感じないほどの湿度.
2001/06/26事故二つ 京福電鉄でまたも正面衝突事故. この前はブレーキが利かなくなったのが原因だった. 制動力を伝える棒の一ヶ所が折れて常用ブレーキも非常ブレーキも 働かなくなってしまうすごく旧式なブレーキなのだから, ブレーキ系の点検整備はよほど慎重にしてもらいたいものだと感じた. 今回は出発信号機の見落としらしい. 運行表も時刻も信号も確認せずに漫然と発車してしまったのだろうか. 運転手の仕事に対する自覚や責任感がどうだったのか気になるけれども, 信号の見落としだけで大事故になるような設備も問題だ. 新聞ではATS (自動列車停止装置) の設備のなかったことを問題にしてるが, ATSでなくてもっと古典的な方式で安全を守ることはできるはず. ATS過信になる方が却って危ない.
誤射. 訓練中の自衛隊戦闘機が火薬の入ってない訓練弾とはいえ 百何十発も誤って発射してしまった. 死傷者のなかったのは幸いな偶然. 引き金を引いてないのに機関砲が発射されるのは, 何か電気系統などの故障であろうといわれている. そういう故障を事前に発見できなかった点検整備の問題があるにしても, そもそもこういうことが起こり得るのは設計上の問題だろう.
2001/06/29空梅雨か 論文のまとめの最終段階, 目が疲れる. 昨日までとくらべて気分がよいけれど左股関節は相変わらず痛む. 湿度の高さが痛みに関係してるのだろう. ところによって夕立という予報だったが雨は全然降らない. 注文した自動車がまだ納車されないので二輪に二人乗りして外出. 書きたいネタはあれこれあるけれど目が疲れるので今日はこれだけ.
2001/07/01七月になった 青空で, 乾いた風が吹き, 気温がぐんぐん上がる. 本来の意味の "さつき晴れ" の一日. 暑さがきびしくても湿度の低いのがありがたい. それでもなお, 左股関節の痛みは続く. なぜだろう. 昨日まで湿度の高かった影響がまだ残ってるのだろうか. それならば明日は痛みが引くのだろうか. 診てもらった方がよい, と連れ合いは言う. 正論だろう. 痛みは耐えるべきものとしつけられてきたけれども, 歳を取ったら我慢せずに診療を受けるのもまた必要なことかも知れない. それにしても, 五十数年を経たいまもなお痛みに悩まされてることを, 加害者たちや暴行を容認したその親たちや黙認した教師たちは知ってるだろうか.
股関節の痛みはあっても, 昨日までとくらべて気分がよく, 今日は論文に目を通したり, 教材を作り直したり, いろいろできた. 昼はバイクに連れ合いと二人乗りして外食に. さあ, 明日は講義.
2001/07/06数日分まとめて 箇条書きにします. 順不同です.
2001/07/09暑くて痛くて 股関節の痛みに耐えて三科目講義してきました. 学期末が近づいて, レポートのテーマを何にしようか迷う学生, すでにテーマを決めて書いている学生などさまざま. 講義の内容も終わりに近づいて難しくなってきて, 学生も苦労してるかも知れません. 気のせいか, 今年は何となく表情に乏しいのじゃないかとも感じられます. 暑さのきびしい日, 下着と見まがう涼しげな装いの女性たちが うらやましく感じられます. 私は, 半袖ワイシャツですがネクタイを締め, 教壇に上がるまでは上着も着ています. 開襟シャツ程度までは許されるのかも知れませんけれど, 女性と同じ程度に肌をさらすわけにもいかないでしょう. 疲れて帰ってビール飲んだら眠くなり, 早々と寝てしまいました. この日記は翌々日になって書いてます.
2001/07/11梅雨明けか 沖縄・奄美を除く西日本ではまだ梅雨が明けてないのに, 関東甲信地方で梅雨明けしたらしいとの気象庁の発表です. とにかく暑いです. 雨のないのは外出にありがたくもあるのですが, 水不足にならないか気がかりです. 昨日の夕方はヒグラシの鳴くのを今年初めて聞きました. 朝はウグイス, 夕はヒグラシ, 一日に両方聞けるのはまるで深山にいるみたいです.
2001/07/13頭痛い 昨日も今日も, 午前中は気分が良かったのに 午後は激しい頭痛, いくらか吐き気も伴い, 気持ち悪い. 昼食に食べたものがよくなかったかも知れない. 暑さあたりかも知れない. 日記に書くネタはあれこれあるのだけれど, 文章がまとめられない. とりあえず現況報告だけ. 頭痛の直接の原因が何であるにせよ, 遠因は頚椎のゆがみ, そして頚椎の歪んでる原因は股関節を外されたこと. だれか, この恨みを晴らしてくれませんか?
2001/07/14車が来た 注文してあった自動車が昨日来ました. 今までMT車にばかり乗ってきて, 初めてのAT車です. 連れ合いは以前からAT車をほしがってました. 私も, 股関節の痛む日には左足を使うクラッチ操作がつらくなってきました. それに, 近ごろは自動変速装置も技術が進歩して, 峠道を走るのに不自由しなくなってきたようです. 運転に慣れようと, あちこちの店などを回ってきました. 今日は頭痛のほとんどないのがありがたいことです. 昼過ぎに夕立があり, ようやくほんとに梅雨明けらしい気分です.
2001/07/15アクセス解析 相変わらずの猛暑だが, 体調はかなり快復. さて, この数日, 水のほとりの各ページをアクセス解析してみた. 学期末で予想どおり私の授業の履修者と思われるアクセスなどかなりあったが, その他のアクセスについてもある程度の傾向がつかめた. サイトの内容をこれからどうするかについて参考になる. 検索でたどり着いたのが意外に多く, その大部分は和算に関するものであった. しかも私の授業の履修者でない人がかなり多い. 検索のキーワードの中には予想もしなかったのがあり, 訪れてくれた人には役立たなかっただろうと思われるのがある. ただしこういうのは検索エンジンの問題であって, こちらで対策をたてるのは難しいだろう. とりあえず過去の日記については検索拒否にしてみた. 和算などに関しては内容を充実させるのが何より望ましいだろう.
2001/07/16前期終了 今日で前期の講義が終わりました. 担当してる三科目のうち, 半年で終わる2単位の科目は二つとも終了. 通年4単位の専門科目「数学特論」は前半が終わりました. 東京女子大学では期末レポートは原則として最終回の授業のときに 教室で提出することになっているので, 講義したあとレポートを集めました. これから採点に追われるわけですけれど, 講義を終えて一つの学期の区切りをつけて, まず一安心です. レポートを見るのは苦労でもあり楽しみでもあります. 講義のどういうところを楽しんでもらえたか, 何を理解してもらえたか, 何に興味を感じてもらえたか, それを知ることができます. どこに関心があるか一人一人ちがうのが当然ですから, 個性を尊重してレポートの課題は授業内容に関連したことなら何でもよいことに しました. つまりテーマを見つけることも課題の一部分です. 自分で選んだ課題について考えたり調べたりする過程で 何かに感動し心豊かになってほしいと願ってます. 中には勉強する気のない学生もいて, 講義はさぼってレポートだけ出して, 単位は認定してもらおうと思っていたりします. 最終回の授業に限って出席率がよく, ぺちゃくちゃとうるさいのです. 智恵を蓄えて心豊かになるよりも卒業証書だけの欲しい人たちは, 教科書や辞典の抜き書きみたいな主体性のないレポートを書きます. こんな学生を, 女子大だからといって甘く採点することはないと思ってます. 「女の子だから評価を甘くしてやろうなんて考えるのはセクハラですよね」と 教室で何度か言ったのをおぼえていてくれるでしょうか.
2001/07/17もう一つ終わった 前期の講義が昨日終わったのに続いて, もう一つ終わりました. 金子守さんの研究プロジェクトに参加して, 鈴木信行さん, 田中義人さんとともに, 共有知識の論理について研究し, 四人で共著の論文を書いてきましたが, ようやく完成してStudia Logica誌へ提出しました. 安心しました.
同じ雑誌の載った金子さんと私との共著の二部作の論文がありますが, その論文に発表した共有知識の論理体系 GLω の他, ハルパーン・モーゼスの体系をはじめ共有知識の論理体系のいろいろを とりあげて比較し, それらの体系の間の関係をあきらかにして, 見通しをよくすることができたと思います.
筑波, 東京, 静岡, 福岡にいる四人で共同研究できたのはまさに インターネットのおかげです. 四人が集まって討論するのは時間も費用もかかり, あまりたびたびはできません. 電話で議論するのはちょっと無理です. 郵便では時間がかかりすぎます. FAXも難しそうです. 電子メールが何より便利です. 一人が三人に同文メールを送る, それに対する意見をまた同文メールで皆に送る, 本文に書けない長いものや複雑な数式などは添付ファイルにして, 一日に何往復もやりとりしたことさえあります. 論文ができあがるまでに四人で取り交わしたメールの量はたいへんなものです. インターネットが利用できなかったら, 時間がかかりすぎたというよりも, この共同研究は実現しなかったのではないかと思われます.
2001/07/23猛暑続く しばらく日記を休んでしまいました. 二〜三日頭痛に悩まされたあと, 海の日が金曜日で土日と続いてきょうまで三連休だったのですが, 月曜だけ出勤のパート暮らしにはありがたみがなく, きびしい暑さに旅に行く気にもならず, いつもと同じ暮らしです. 体調は快復しましたけれど, 採点に追われていたり, PCがふさがっていたり (連れ合いが何か集中的にやってます), なかなか日記の書ける状況になりませんでした. 三百近い期末レポートの山と取り組む日々です. 楽しいレポートもあればつまらないのもあります. 何人か異口同音に奇妙なことを書いてるなあと思って, 念のためウェブで検索してみるとあったあった. 似たテーマでだれかのウェブに公開してる出来のよくないレポートを, 誤字までそっくり丸写しして提出して, ばれないと思ってるのでしょうか. 暑さに参ってるときにこんなのを見るとますますぐったりします. 尤も, こんなひどいレポートはほんの一部です. 多くの学生は何か楽しいテーマを見つけて, 調べたり考えたりして書いてくれてます. 大半は楽しんで読めるレポートです. それにしてもこの暑さ, この夏は格別のような気がします. 昼間暑くても, せめて夕立が降ってくれるのを心待ちにしてます.
2001/07/24新しい車 今度買った自動車は連れ合いの願いもあって自動変速. 連れ合いはまだ運転してません. いまのところもっぱら私が運転. 慣れるためになるべくいろいろな条件のところを走ってみてます. 尤も, 採点に忙しくて遠くへ行くひまはなく, 近所ばかりです. AT車でコラムシフトというのはどうするのかと, 初めはとまどいました. シフトレバーをP位置から抜くときの押ボタンがない. ボタンの代わりにレバー自体を手前に引くのです. 上から順にP, R, N, D, Lで順番はフロアシフトと同じ. 無段変速 (CVT) なのでODボタンもキックダウンもありません. AT車をほしがっていたのは連れ合いですけど, 私もうれしい. 渋滞した市街地など楽なのは誰しも同じでしょうけれど, 痛い方の脚をほとんど使わずにすむのが, 左股関節亜脱臼の後遺症の痛みに悩む私にはありがたいことです. 峠道を走るのはどうなのか, いつか試したいと思ってます.
2001/07/25採点 相変わらずレポートの山と取り組んでます. なるべくていねいに読んでやりたいと思ってます. 計算問題か何かで試験をやってしまう方が採点は楽になります. しかし, 計算が速くて正確だからと言って数学がわかってるとは限らない, これは数学者吉田光由 (1598-1672) がすでに指摘してるとおりです.
さまざまなテーマのレポートを比較して序列をつけて 点数という数値をすべてに与えるという作業は苦痛を伴います. まだしばらくは採点に集中しなければなりません.
2001/07/26水 昨日は昼過ぎから雷が鳴り黒雲が見えていて 夕立に期待したのに晩になっても降らず, 庭の草木がしおれてきてるので, 水をやってから寝ました. ところが夜中に目を覚ますとしとしとと降ってます. 水やりの手間は無駄になったけれども, 今朝は草木が生き生き. ムクゲの花がにわかにふえました. 今日は一日中曇り. 渇水の心配が伝えられてますが, 多摩湖は幸いに満水です.
2001/07/27夏ばてか 記録的な暑さの続くのに体が耐えられなくなって 来ているような気がします. エアコンは除湿か, 控えめな冷房に設定して, 屋外との温度差があまり大きくならないように心がけてます. それでもだるくて集中力が失せて, 仕事がはかどりません. 採点したり, 教材を作ったり, 少しずつ少しずつやっています.
2001/07/28丸写し 七月最後の週末. 月末の迫ってるのを感じても, 週末というのは実はあまり感じない. 平日も休日も同じように, 朝食が終われば期末レポートの山に取り組む日々.
書物の一部を丸写ししてくるレポートは昔からありました. ところがインターネットの普及したいま, ウェブサイトの内容の丸写しが あります. 本を丸写ししていても, 少なくとも写したところは読んだはずで, そのことをいくらか評価してやることができたものです. しかし, ウェブサイトの内容をファイルにコピーしてワープロソフトで打ち出す, そういう作業を行っただけで, 自分で読んでないというのが出て来ました. 冒頭から「前述のとおり」と書いてあったり, 「(3)式から」と数式の 誘導の説明があって(3)式などなかったりします. 外字や機種依存文字が使われてたり図や表があったりすると, もっと悲惨なことに. 「図の斜線の部分の面積が・・・」などと書いてあって図のどこにも 斜線など引いてない, そういうレポートを平気で提出する困った人たちが 少しばかりいます.
2001/07/29投票日 比例区は候補者名でも政党名でも書ける妙な制度の 参議院選挙の投票を初体験. 予想どおり, 比例区の記載台のところは待ち行列. 開票の手間も問題だけれど, そもそも参議院の存在意義にこういう選挙制度が なじむものだろうか, そういうところに疑問を感じながら, 政党名を書いて 投票してきました. 投票所まで, 暑い暑い散歩でした.
2001/07/30暑い 選挙結果が出ました. 改革に伴う痛みを覚悟した人が 多いとも思えないのですが, 与党がのびてます. 日本は国際的には孤立化を目指すことにはっきりと決断したのでしょう. これから近隣諸国と関わりを持たずにやっていく, その方策がいっこうにあきらかになってるとは思えません. オリンピック誘致などと寝言を言う人はもういないでしょうけど, さしあたりサッカーのワールドカップはどうするのでしょう. 日韓共同開催がすでに決まってるのだから, 両国の間の友好的な関係が必要だと思うのですが.
相変わらず暑さ負けしていて, 買い物にちょっと出たほかは 朝から晩までレポートを一つ一つ読んでます.
2001/07/31ついに月末 月末といっても焦りを感ずるほかに感慨もなく, 曜日の感覚も薄れ, 日々が単調に過ぎて行きます. 採点を急がなくてはならないという焦りばかりです. そのほかにも, 夏休み中にやらなければならないことややりたいことはいろいろ. 親を見舞いに行かなければいけないし, 後期の授業の準備もあり, PDFをうまく作れるようにAcrobatの使い方に習熟したいとも思ってます. 読みたい本もあります. 調べたいこともあれこれあります. とにかく時間がほしいです. そして体力も.
2001/08/01八月 先月に続いて大の月. Augustの名のもとになった アウグストゥスつまりオクタビアーヌスが妙な改暦をしたおかげで, それまでは大の月と小の月が交代にあってわかりやすかったものが おぼえにくく変わってしまった上に, しわ寄せで二月が短くなってしまった. 二千年以上昔のことに恨み言をいってもしかたないかも知れないけれど, 月の大小を元に戻そうという議論はなかったか, 議論があったとしても まとまらなかったか, いまだにわかりにくい暦を使い続けなくてはならない.
2001/08/02カーナビ 今度買った自動車にはナビゲーションシステムを 備えてます. DVDで地図を表示し, 現在位置はGPSで割り出しています. 分厚い説明書を一度に読んでもわけわからないので, 少しずつ試してみながら説明書も少しずつ読んでます. 現在の位置や向きが十分精確に表示され, GPSの威力に感心してます. 子どものころは人工衛星などSFの世界の話と思っていたのが, スプートニク一号が打ち上げられて驚いたのですが, 技術の進歩の早さは恐ろしいほどです. テレビの天気予報で人工衛星から見た雲の写真など日常的になり, カーナビにまで人工衛星が実用になってきました.
2001/08/03暑中の採点 相変わらず暑い日が続いて暑さ負けしてます. だるくて何をやる気にもならず, それでも必死にレポートを採点してます. 幸いに, 楽しんで読む気になるレポートがあります. 自分で調べたり考えたりして書いた人は何かを感じ, それを伝えようとしてるのが読みとれます. 講義の内容に関係したことなら何を書いてもいいと, 課題を自由にしたので, いろいろなテーマのレポートがあります. 読んでると, 知らない概念や言葉に出会うことがあって, その都度それを調べて確かめてるので, 私にもいい勉強になります.
2001/08/04まだ暑い週末 暑さがまだ続いてます. 昼間庭へ出ると熱中症になりそう, 朝夕は蚊にいっぱい刺されます. 庭へ出る気にも遠くへ行く気にもなりません. 消極的でいけないと思いながらも家に閉じこもりがちな日々です.
2001/08/06五十六年前の夏 しばらく続いたきびしい暑さが和らいで 涼しい風が吹き, 夜になって雨が降ってきました. 今から56年前の敗戦の年, 1945年の夏は暑い夏でした. 信州の北部のことで, 東京の暑さとくらべたら大したことはありません. それでも, 例年の夏よりは暑かったように思われるのですが, 気のせいかも知れません. 父は出征し, 家には母と私と妹だけでした. 出征兵士の家と言ってもべつに優遇されるわけでもなく, 乏しい食糧で私と病身の妹とを養うために母は苦労してました. ポツダム宣言の出たとき, 「脅しに過ぎないから黙殺する」という政府決定が 新聞に報じられていたと思います. いま, 史料を確かめず記憶だけで書いてます. 正確でないところがあるかも知れませんがお許し下さい. 十歳で新聞を読んでいたとはませたガキとお思いかも知れませんね. ほかに読むものがあまりなかったとか, 戦況が気になったとか, とにかく新聞はよくわからないながらも読んでました. 沖縄には米軍が上陸して地上戦になり, 本土も空襲がたびたびでした. 私たちの住んでた村は爆撃されたことはありませんでしたけれど, 警戒警報や空襲警報はたびたび発令され, 灯火管制になりました. 本土決戦が叫ばれ, 上陸してくる米軍を竹槍で迎え撃つというような ことが本気のように言われてました. そして「広島に新型爆弾」という新聞記事が出たのですが, 新型といってもどんなものなのか被害はどの程度なのか, ほとんど知らされてなかったと思います. 幾日も経ってから「原子爆弾」という言葉を見たように思うのですが, そう言われても何の知識もなくてどんなに恐ろしいものか見当もつきません. 長崎にも「新型爆弾」が落とされました. やがて, 黙殺するはずだったポツダム宣言を「受諾する」ということになって, 「15日正午に重大な放送があるからラジオを聴くように」と村役場から連絡があり, あの「耐え難きを耐え・・・」の放送があり, ついに日本は降伏して戦争は終わりました. 暑い暑い日だったように思います.
2001/08/07立秋 昨夜の雨に恵まれて草木が生き生きとしてます. 昼間も霧雨が降ったりやんだり, 涼しい一日. これからは暑くても「残暑」と呼ぶわけですけど, まだまだ「残り」という気分にはなれません. 多摩湖は満水ですが利根川水系のダムは水が減ってるとのことで, いよいよ取水制限になるらしいです. 節水に心がけなくてはなりません. 涼しいのはありがたいのですが湿度が高くて股関節が少し痛みます. それでも, 暑かった日々とくらべて採点の能率が上がってます.
2001/08/08「涼」の字 ありがたいことに涼しさが続いてます. すずしいと書いていて気になったのですが, 昔は "凉" という字でした. "冷" や "凍" などと同じ「にすい」だったのです. 当用漢字でなぜ「さんずい」に変えてしまったのかわけわかりません. "涼" は "凉" とくらべて涼しくなく見えます. 「にすい」をすべて「さんずい」に統一したわけでもなく, また点が一つ増えて字がやさしくなるわけもないでしょう.
2001/08/09水不足 朝はちょっと涼しかったのですが暑くなりました. 採点を見直して点数を入力し中間テストの成績を加味して調整する作業に 取りかかってます. ほかにもやらなくてはならないことがあれこれあるのですが, 期限の迫ってる成績評価が最優先です. かなり疲れてきました.
利根川からの取水制限がすでに始まっているらしいです. 利根川水系に雨が降らないと給水制限の恐れもあります. 給水制限で毎晩断水になった1964年のことが思い出されます. 大都市の水の問題は何か根本的な対策を考えるべきときでしょう.
2001/08/11茨城往復 茨城県まで日帰りで行って来ました. 夏休みの旅行ではありません. 急な用事が出来て, I町へ行ってつぎにY町へ回って, 帰宅したのは22時過ぎ. 二ヶ所を回るのに電車では不便なので自動車で行きました. 昨日は体調がはなはだ悪く, 疲れが残っていて, 二輪車に乗る気分になりません. しかも各地で局所的に激しい雨が降るという予報. こんなときは屋根があってエアコンも備えてる車の方が快適です. カーナビも頼りになりました. 行ったことのある場所とはいえ, 思い出せるかどうか自信のないわかりにくい道を, ナビゲーションシステムに案内させてたどり着きました. お盆休みのラッシュで道路も鉄道も空路も下り線は大混雑といわれる日, 外環道も常磐高速もその他の道路もすいていて渋滞のなかったのは意外な幸運です. 出かけた時刻が昼ちょっと過ぎと遅かったのも幸いしたのでしょう. 300キロあまりを走って疲れはしましたけど無事に帰ってきました. 目的の急用を無事にすませることのできたのは人々の善意のおかげと感じました. 善意に支えられて帰って来たので, 肉体的な疲労の割にはつらくなかったのです.
2001/08/12母入院 母が昨日入院しました. 意識障害などがあり食事のとれぬ状態です. 苦しんでいない (と思われる) のがせめてもの救いです. 熱が出たりして肺炎の疑いも考えなくてはならないとか, ホームの方が総合病院へ連れて行って診察を受けたところ, 入院治療の必要があるとのことで, 連絡を受けて昨日病院へ行って来ました. 老人ホーム入所前にも入院していたことのある病院です. 治療といっても95歳の高齢のことゆえどこまで快復し得るか 難しいところのように思われます.
こんな事情なので, 私たちにとっては夏休みと言っていられる状況でなく, 湖畔日記も掲示板やメールのお返事も滞りがちになるかも知れません. あしからずご了承下さい.
2001/08/13成績評価 東京女子大学の授業のうち, 半期で終わる二単位科目についてはレポートの採点を終え, 中間試験の成績と合わせて最終的な成績を決めて, 教務課へ出しました. 一年間四単位の科目については, 前期のレポートを出してもらってますが, 成績は学年末にまとめて教務に出せばよいので, 急がずゆっくり採点します. すでにすべて目を通してありますが, 後期の始まる前までに点をつけようと 思ってます. 前期の仕事はこれでひとまず終わり. 採点は, 学生に対する評価であると同時に, 自分に対する評価だとも思います. どこがわかりにくかったか, どこに興味を感じてくれたか, いろいろと反省する材料になります. そういうことを少しずつまとめながら, 教材の改訂に取りかかっています.
共同研究の論文をまとめ上げるのも忙しい仕事でしたけれど七月には 最終原稿を無事に提出して受理され, そして大学の前期の講義と成績評価も終わり, ふつうならこれで夏休み気分になるところです. あいにく心配事があって夏休みという心地にはなれないのですが.
2001/08/14ふるさと 毎年のことながらこの時期になると道路も鉄道も 飛行機も大混雑し, その様子がテレビで伝えられます. 東京などの大都市から ふるさとへ向かう人々で込み合いまた大都市圏へ戻ってくる人々で込み合います. 少なくともニュースで伝わってくるのはそう言う感じの話です. 本当にみなさんふるさとへ帰省なさってるんでしょうか. あの大移動する人々の中でどのぐらいの割合の人がほんとに故郷へ向かってるのか ちょっと統計を取ってみたい衝動に駆られます. いまの世の中, 田舎がふるさとという人が大部分を占めてるとは思えないのです.
さて, 私の場合, どうでしょうか. 戸籍上の出生地は東京ですが, それは母が実家に帰って出産したので, 私の記憶にはまったくないことです. 物心ついたときには父と母と私とは兵庫県西宮市に住んでました. 父の実家も母の実家も東京なのですが, 当時の父の勤め先が西宮にありました. 六歳の時まで西宮で暮らしていて, その間に父の実家や母の実家を訪れたことが あります. おぼろげな記憶です. お盆の時期だったかどうかわかりません. 私にとっては, それは「ふるさと」への旅ではありません. むしろ西宮が私のふるさとです. 六歳の時に一家で長野県上水内郡へ転居します. 野尻湖のほとり, ここが私の第二のふるさとです. 長くここで暮らしましたが大学に進学するとき東京へ出ました. 夏休みや春休みや正月休みには信州の家へ帰省しました. 就職してからも休みには信州の家へ帰りました. 大学に入り大学院に進み就職して十年間ほど, この期間だけが私の「ふるさと」への帰省の思い出のある時期です. やがて父と母は信州の家を売り払い茨城県笠間市へ越しました. それ以後は休みのときに笠間へ父母を訪ねるようになりましたが, 父母にも私にもかつて縁のなかった茨城, 帰省という感じはしません. 西宮の家も信州の家ももはや訪れる場所ではなくなり, ふるさとは心の中だけのものになっています.
2001/08/15休みます 何を書こうかと考えると頭に浮かぶのはやはり終戦の日. ほかの話題でもいっこうにかまわないはずだと思いながらも, この日に戦争のことをおいて他のことに思いをめぐらす気にならない. しかし戦争について書こうとしてもいまの気分では文章がまとまりそうもない. 三年前のこの日 ようやんさんが書いて下さった "ごめんください" を読んでいただくことにして, 今日の日記は休ませていただきます.
2001/10/01久々に 湖畔日記を再開します. 一ヶ月半も休んでしまってすみません. 母が八月に入院し, それに伴う手続きなど気の疲れることが続いてました. 研究会などにも参加できず, 落ち着かぬ日々でした. 夏休み中にやるつもりだったことがほとんど何もできていません. そして, 世界で大変なことが起きてます. 日記を休んでいる間に季節は真夏から秋へと移り変わりました. 今日はあいにくの雨ですけれど, 晴れれば山々がくっきりと見える時季です. 今日は後期の最初の授業で, 東京女子大学まで行って来ました. 通年講義の専門科目では, 夏休み前のことを思い出してもらうように, 少し反復して話しました. しかし, わかってくれたかどうかかなり不安です. 後期半年だけの科目では, 今日が第一回なのでこれからどんな授業をするか 概要を話したりしました. 履修者が多いのは喜ぶべきことなのでしょうけれど, 百人を超える学生相手に講義するのは疲れます.
2001/10/02風邪引いた 鼻の奥からのどにかけて痛く, 鼻水が出て, だるい. 連れ合いが一足先にそういう症状になってます. 拾ってきたウィルスをもらってしまったかも知れません. せっかくの秋晴れですけど外出する気になりません. こたつで本を読んでます. 講義のネタになりそうなものをあさってます.
2001/10/03風邪その後 風邪引いても鼻水やのどの痛みだけで 二〜三日でたいてい治ってしまうのですが, こんどの風邪はたちが悪いのか, 熱が出て来ました. 病気のときはお医者さんへ行きたくないと だだっ子みたいなことを言っててもしょうがない. 思い切って近所の医院へ行って来ました. 薬が三種類出ました.
2001/10/04戦争より裁判を 熱が下がって鼻水も止まり, かなり楽になりましたけど, だるくて食欲があまりありません.
さて, 同時多発テロ事件について書こうかと思ったのですが, まだ考えがまとまりません. とりあえず, お知らせのページに資料やリンクを載せておきます. 武力で報復することには反対です. 今後のテロを防ぐのに武力は有効なのかという疑問があります. また, 武力で攻撃した場合, テロに何の責任もない人々に危害を加えることに なる恐れが多く, 却って新たなテロを誘発しないか不安です. テロリストを捕らえて国際法廷で裁くのが望ましいと思います. ただしそれが困難であろうことは承知してます. それでもなお, アフガニスタンと戦争するよりも, テロの首謀者たちだけを捕らえてほしいと願ってます.
2001/10/05平和を 風邪は少しずつ軽くなってきてますが, まだ鼻の奥からのどにかけて痛みがあります. 熱は下がりました. 母のことや私のことを心配してくださった方々にお礼申し上げます. 母は入院して一ヶ月以上経ちますがいまだに意識がはっきりしません. 声をかけたり手を握ったりして反応のあるときと, 眠ったように反応のないときと, むらがあるようです. 意識障害も, 考えようによっては救いなのかも知れません. 衝撃的なテロ事件などを知ることもなく, もろもろの悩み事からも解放されてるのでしょう.
テロ事件に関してブッシュ大統領が「文明の衝突」とか「十字軍」とか 言ってるのが気がかりです. キリスト教文明圏とイスラム文明圏との 全面的な戦争にならぬことを願ってます. ロシアの飛行機が落ちたのはテロか事故か, 未解決. テロの拡大でないことを.
明日から三連休の方もあるでしょう. 私は遊ばずにとにかく休養. 元気を取り戻しておくのが大切と思ってます.
2001/11/01そろそろ復活 湖畔日記を長らく休んですみません. あと一週間ほどは休みたいところですけど, そろそろ復活させます. 風邪気味だったりしてご心配かけましたけれど, 治りました. 朝起きたときに「ああ疲れた, もう寝たいなあ」といつも感じるほどに 心身共に疲れてますけど, 体はひとまず無事です. 東京女子大学の授業も, 一回も休講せずに続けてます. 紅葉が山から里へ下りてくる秋, モズの高鳴きの聞こえる秋, 毎年同じように季節は巡ります. しかし今年の十月は晴れても霞んだような空. 「天高く・・・」とたとえられるような澄み切った青空を見なかった気がします. それでも, 赤く熟れたリンゴが店頭に並び, 秋を感じさせてくれます. 風景や食べ物に秋を感じる喜びの一方, それどころではない人々が世界にはいることを思うと, 喜んでばかりもいられません. 私ごとに追いまくられてニュースもあまり見てなかったのですが, アフガニスタンは激しい空爆が続いて本格的な戦争状態になってしまってます. これからどうなっていくのか気がかりです. 自爆テロと報復攻撃のほかにも炭疽菌テロや狂牛病など, なにやら恐ろしいことばかり話題になってます. あと二ヶ月で終わる今世紀最初の年を明るい話題で締めくくりたいものです.
2001/11/04窓の入れ直し 先日, Windows Meの再インストールしました. 2台あるパソコンのうち, オフラインで使ってる方. 忙しい最中というのに, 何が原因か, 一部のアプリケーションからフォントを認識しなくなってしまうなど, 不調がいろいろあったので, ついに思い切ってやってみました. その作業のめんどうなこと! あとからつけ足したデバイスはすべてはずせということで, SCSIインタフェースやらなにやら外して窓をインストール. そのあと, 外したボードをまた差し込むやらなにやら. ドライバがいろいろ要ります, ねじ回しもソフトも. 実は, 外付けデバイスの一つは説明書やドライバソフトが見つからなくて まだ復元できてません. アプリケーションソフトのインストールし直しも手間ひまかかる作業です. インストーラが順調に動いてくれても, 登録のIDなど目のくらむような番号を打ち込まされたりします. インストール後のオプション設定もなかなか手間のかかるもの. 新バージョンが出たときにアップグレード版を買っていたソフトの場合, 古い方の版をインストールしたあとアップグレードするなど, まことにやっかい.
努力の甲斐あって (?) 安定して動くようになってくれましたけど, こういう一連の作業をもっと楽にできるようにならないものでしょうか. いいえ, そもそも再インストールなど必要のないOSがほしいのです.
2001/11/05コネクタの抜け止め コネクタについてあれこれ書こうかと 思ったのですが話題をしぼらないと際限なく話が広がってしまいそうで, 抜け止めの話題に限ることにしました. 昨日書いた再インストールの作業で, あとから取り付けたものはすべて取り外せということになってます. SCSIボードなどを外すためにPC本体を引っ張り出して後のコネクタをすべて外し, 箱を開けてねじを外してボードを抜く, ここまでの一連の作業がめんどうです. そしてまたボードを差し込んでドライバの設定などなど.
さて, コネクタの抜け止めもさまざまです. USBのは抜け止めがないも同然, 突起があっていくらか抵抗はあるようですけど, 軽く引っ張れば抜けてしまいます. スピーカーをつなぐプラグ・ジャックも同様です. SCSIコネクタのはプラグの方に抜け止めがついていて 両側からつまむと解除されるのに対して, プリンタのパラレルポートのはソケット側にバネのような抜け止め金具が二つあって, プラグを差し込んだあとこれを引っかけます. いちばん嫌なのはディスプレイのアナログRGBコネクタ. 滅多に外さないと想像した設計なのでしょうかねじ止め式で, しかもこのねじがまことに扱いにくいのです. 指では回しにくく, ねじ回しも使いにくい位置にあります. パソコン用のコネクタを設計した人たちは, 他の分野のものや過去のものについて学んでいるのでしょうか. もっと扱いやすく信頼できるものを考案してほしいと感じてます.
2001/11/07立冬 暦の上では冬の始まりという日, しかしまだ秋. 北国や高い山ではすでに冬だろうけれど, 狭山丘陵では紅葉の始まりで, これから美しくなる時季. 忙しい気分でも赤や黄色に色づいてくる林を 眺めると心が安らぐ. 今年は寒さがまだ厳しくないようだ.
2001/11/11明日は休める 三日の祝日「文化の日」のころにあちこちの大学の 学園祭が開かれるけれど, 東京女子大学はいま学園祭. それで, 明日は大学祭の後片づけのため授業はすべて休講. 忙しい日々の中, 講義の予習から解放されてちょっぴりゆとり.
2001/11/15すでに月半ば 日記がどうも毎日続きません. 時の流れが速すぎます. あっという間にもう15日. やらなければならないことが多すぎると, どれから手をつけるか優先順位を決めるのに悩みます. 疲れた心をいやしてくれるのは青空と秋の日ざしに映える紅葉, それと心優しい人々です.
2001/11/19二週間ぶり 先週は講義がなくて, 二週間ぶりの講義. まだ大学祭気分が抜けきらないのか, 学生たちの反応が鈍い. 先週は教科書代わりのプリントをつくるのにかなり精力を費やしたけれど, とにかくウェブにアップロードして, 紙に刷るのも依頼して, 一安心. ところで, 明後日から研究集会があるのだけれど, 残念ながら今回は欠席. 私たちの研究してきた認識の論理がテーマの国際研究集会. 外国から招かれてきた人たちも一緒に筑波大学で三日間の討論. 私たちの理論についてももちろん議論されるので参加したいけれど, いまはそういう難しいことを論じたり考えたりできる精神状態ではなく, あきらめざるを得ない.
2001/11/22明日は祝日 土曜日が休める方は明日から三連休ですね. 私はあいにく連休を楽しめる状況になく, 却ってせわしくしてます. 役所や郵便局や銀行の用事は今日中に済ませておかなくてはなりません. 「勤労感謝の日」という祝日ですけど, いったい誰が誰に感謝するんでしょう. 「働いてるみなさん, ありがとう」と首相が言ったりしないんでしょうね. よくわかりませんけれど, それぞれのお仕事にいそしんでる皆さまには 感謝の気持ちを伝えたいと思います.
2001/11/25母のこと 母が亡くなりまして五十日目, 忌明けというわけではありませんけれども, 母のことを書いてみようと思います. 母が生前にお世話になった方々や母のことを気遣ってくださった方々に 心からお礼申し上げます. 十月六日二十時頃, 穏やかに息を引き取り, 九十五年と約二ヶ月の生涯を閉じました. 何の痛みも苦しみもなく安らかな最期でありましたことが幸せと思います. 明治末からの九十五年間, まわりの世の中の変わり方も激しかったわけですが, 母の身の回りも激しく変わりました. その激変する九十五年間を生き抜いてきた締めくくりの感想を 聞いてみたかったと思ったりしております.
三人の子がおのおの都会へ出て勤めたり嫁いだりして, 田舎の家で父と母と二人だけの暮らしが続いてましたが, やがてそれができなくなって老人ホームに入所しました. 夏にちょっと熱がでたとき, 大事をとって入院することに なりましたが, 熱はすぐ下がりました. 見舞いに行って声をかけたときに反応がなく, ちょっと不安を感じましたけれど, 手を握ったら弱々しく握り返してきました. 入院したとき意識障害があってその治療も行うと医師から説明を受けてたので, 意識が戻ってないかと思ったのですが, 意識はたしかにありました. 耳が遠くなって, 私の声が聞こえなかっただけなのでしょう. 看護婦さんが母の耳元で大きな声で「いかがですか?」と聞いたときは, 「いいです」としっかり答えてました. 病床で歌を歌ったりしてるのを看護婦さんや妹は聞いたとのことです.
母は戦時中にたいへんな苦労もあり, 老いてからは骨粗鬆症で腰椎を痛めて不自由にもなりました. それでも, 親切な人々にお世話になり見守られていた晩年は 幸せだったと思ってよいでしょう.
2001/11/30月末 十一月が終わるのに, 妙に暖かい日. 何となく忙しく, 昨日に続いて郵便局など 平日の昼間でないと開いてないあちこちを駆けめぐってます. 連れ合いはちょっと実家へ行ってます. 実家と言っても老人ホームに義母一人だけ.
2001/12/04恵みの雨 昨夜から久しぶりの雨でした. 朝になって雨はやんで, 日中は曇り. 乾き切った土に恵みのお湿り, 草木が喜んでます. 空気の湿りはインフルエンザの流行を防ぐ役にも立ってるそうです.
2001/12/05幼い命を奪った人への判決 今日は工事の職人さんが来たり, 何かと忙しい一日. プロ野球某球団監督夫人の脱税の話題でマスコミは過剰ににぎわってます. ところでもう一つのニュース. 二歳の女の子を殺したいわゆる 「お受験殺人」に懲役14年の判決が出ました. この事件については 1999/11/26の日記「嫉妬心の恐ろしさ」 にも書いたのですが, そのときは報じられるままに幼稚園受験競争のねたみと思ってました. しかし, そういう問題ではなかったことが明らかにされてきました. 母親への憎しみが幼児へ向けられるという恐ろしさ, それが十分に解明されたとは思えませんけれど, 重い刑が決まってひとまず事件は解決ということでしょう.
2001/12/06ツグミ ツグミの声をこの季節になって初めて聞きました. シベリアなどから渡って来る時季になったのですね. 雨のち曇りの湿っぽい日, 近所の空き地の桜の木で鳴いてます. 義母がちょっと具合悪くて連れ合いが日帰りで世話に行ってます.
2001/12/13義母逝去 義母が亡くなりました. 数週間前までは元気だったのに急に具合悪くなってきて, 開戦記念日の翌日の晩に危篤, 十日の未明に逝去いたしました. 連れ合いとともに駆けつけて義弟夫婦たちとともに通夜および密葬, 老人ホームの部屋の明け渡しのことなど処理して参りました. 今日は冷たい雨が降ってます.
2001/12/16静岡県往復 真っ暗な時刻に出発して連れ合いと二人で車で亡くなった義母の老人ホームまで 往復. 義弟夫婦と落ち合い, 打ち合わせや片づけなど. 疲れました.
2001/12/17締めくくり 東京女子大学の今年最後の講義. これがあるので昨日は泊まらずに帰って来たのです. 疲れを押して出かけ, どの科目も今年最後を締めくくる話してきました.
2001/12/19役所へ 遠いところの役所に行って来ました. 連れ合いと長距離ドライブ.
2001/12/21初雪 朝は曇りでしたが午後から雪が降り, 積もることなく晩にはやんでしまいました.
2001/12/22アフガニスタン暫定行政機構発足 アメリカはタリバンさえつぶせば良いんでしょうけど, アフガン人民にとってはこれからの建て直しが大変. 平和に豊かになってほしいと願ってます.
2001/12/23帰りは別の道 ふたたび義母のホームへ二人で往復. 真っ暗な夜明け前に出発し,
まだすいてる道をひた走り, 義弟たちとともに用事を済ませて,
帰路に就いたのは夕方. 同じ道を二度走るのも退屈だから
別の道を経由. 途中で暗くなりました.
不審船のニュースを断片的に耳にしてたのですが, 撃沈したとか.
やっかいな国際問題にならないか心配です.
2001/12/28最後の平日 郵便局や役所の窓口でないとできない用事のためにあちこち走り回りました.
2001/12/30月が冴える 何となく休まらない年末の日曜日. 夜になってちょっと表へ出てみたら 月がすばらしく冴えてます. 月のすぐ近くに見えてる惑星は木星でしょうか.
2001/12/31大晦日 大変な一年でした. 母が夏に入院し秋に逝ってしまいました. 春に姪が結婚したときにははるばる山形まで出かけて元気に祝っていた義母が 今月になって急に逝ってしまいました. 世界に目を向ければ, アメリカで起きた同時多発テロ, そしてその報復のアフガニスタン攻撃, 日本近海では不審船. 戦争の二十世紀から平和の二十一世紀にという願いは裏切られ, 空前の恐ろしいことで今世紀が幕を開けました. 来年はどうなるのでしょう.