亭主の道楽の一番は温泉に浸かることです。二番目に好きなことは、ポケモン・マスターをめざすサトシ君のように、ゲットした癌細胞を育てて一人前の細胞株(ポケキャン)にすることです。

ポケットキャンサー(ポケキャン)カタログ

IM細胞

1989年2月10日神奈川県相模原市で誕生。母親は当時59歳、卵巣の漿液性嚢胞性腺癌で手術を受けた日本人女性でした。母親はとっくに他界しましたが、娘のIM細胞は亭主に鍛えられたせいもあり、粗食に耐え今日も元気に増殖しています。CA125をはじめ、各種腫瘍マーカー産生性をもつ大変育てやすいポケキャンです。

SMOV-1

1994年1月9日神奈川県横浜市で誕生。母親は当時49歳の日本人女性で卵巣の漿液性乳頭状腺癌のため大量の腹水があり、娘はその腹水より誕生しました。そのご「限界希釈法」によってCloningしMonoclonalな細胞集団が得られたので、SMOV-1と命名し今日にいたっています。母親はその後、わずか7ヵ月で他界しましたが、娘はごらんのようにジグソー・パズルパターンのきれいな細胞です。

SMOV-2

1996年1月16日神奈川県横浜市で誕生。母親は当時46歳の日本人女性で、卵巣の明細胞腺癌のため手術・治療しましたが術後10ヵ月で他界しました。Ovary由来のポケキャンのなかでもClear Cellは比較的少ないため将来が楽しみです。


HECシリーズ
このたび新たにポケキャンリストに登録いたしましたのは子宮体癌、それも比較的珍しい乳頭状漿液性腺癌の2株です。HECという名前でお気づきのように、高名な蔵本先生のもとで樹立された二株です。いずれも樹立後10年以上を経ているオールドカマーでありまして、ひとえに亭主の怠惰によってデビューが遅れてしまった、たいへんに奥手な細胞株たちです。

HEC155

1989年1月24日、当時56歳の子宮体癌(漿液性腺癌IIIa期)の患者さんより培養開始。p53, Ki67そしてp27の増幅を認めp53についてはexon 8, codon 286にpoint mutationを認めます。患者さんは術後化学療法にかかわらず、術後4年10ヵ月で 他界されました。

HEC180

1991年5月14日、当時64歳の子宮体癌(漿液性腺癌IIIa期)の患者さんより培養開始。HEC155同様にp53, Ki67そしてp27の増幅を認めp53についてはexon 6, codon 195 にpoint mutationを認めます。患者さんは術後化学療法を受け、経過良好でしたが術後7年9ヵ月で他病死されました。10年以上の長きにわたり、戸籍のない細胞でありましたが、 HEC155とともに下記論文ようやく上梓できました。


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