実質年率とアドオン率〜どっちが得?
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融資における実質年率表示について


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実質年率は、実質的な利回りによって計算される金利を年率にしたものです。
金利計算は、借入金元本残高に対して、毎月つど計算されるこの実質年率方式が
本来の形なのですが、この計算は非常に手間のかかるもので、通常電卓等での
手計算は むずかしく、コンピュータ等に依存することが一般的です。
一方、アドオン方式というのは、支払回数ごとにアドオン率を決め、その率を元本に
乗算するだけで金利合計額が算出できるもので、非常に簡単な方法といえます。
そして その手数料を元本に上乗せして回数で割ったものを毎月の支払額(元利均等)
とする もので、現状のクレジット等での一般的手数料計算方式なのです。

この2者の関係を次の例を使い解説します。

例 題
 
 元金 30,000円
 支払回数 3回均等払い【毎月1回の支払で、支払回数=支払期間(月数)】
 アドオン率=2.0% (実質年率 11.96%)     
 毎月の支払額 10,200円 × 3回


 アドオン方式での計算

   30,000円×2.0%=   600円  〜 分割払手数料(金利)
   30,000円+600円=30,600円  〜 分割払合計額
   30,600円÷3回  =10,200円  〜 毎月の支払額

このようにアドオン方式での手数料の計算は、非常に簡単にできるものです。

一方実質年率計算で、同様の計算をしようとすると、次の例になります。

 実質年率での計算

   実質年率が11.96%とすると、
   実質月利率=11.96÷12=0.996667% です。
   ここでの均等毎回分10,200円というのは
   元金×(実質月利率/100)÷(1−(1+実質月利率/100)^-回数)という
   計算式にあてはめて初めて求められます。

   30,000×0.00996667/(1−1.00996667^-3)≒10,200
   ここで、10,200×3−30,000=600 ということで、
   初めて金利が600円であることがわかります。

   毎月の支払の元利内訳をみると

 回  支払額  金 利  元本充当  元本残高
          30,000
1回目  10,200    299    9,901   20,099
2回目  10,200    200   10,000   10,099
3回目  10,200    101   10,099        0
合 計  30,600    600   30,000  


この600円が元金30,000円の2%になるわけですが、
その2%がアドオン率となるのです。
つまり、回数が3回払いの場合、その金利額は
アドオン率2%=実質年率11.96% となるのです。
このように、実質年率での計算は、たった3回払いでもこんなにめんどうです。
これが60回払だったり、ボーナス併用払いだったら気が遠くなりますね。
実質年率11.96%は、アドオンで3回払の場合は2%であることを予めわかって
いれば、単純に2%を元金に掛けるだけで、金利が求められるのです。
現在では、アドオン率から逆計算で、実質年率を割り出す場合と、上記のように
実質年率計算をして、その結果で得られる金利合計の元金に対する割合を
アドオン率 として用いる場合と、両面での利用となっています。

これでわかるように、アドオン方式は非常に手軽で、簡単・便利です。
これがもし、アドオン方式がないとしたら、実質年率で計算となると前述のように、
3回払でさえ、あのように複雑でめんどうな計算をしなければならず、36回や
60回等となると、実際はとても手計算では対応できないものであり、常に
コンピュータがなければ無理な訳です。
アドオン方式は後に述べる問題は確かにありますが、これほど簡単で便利な
金利計算 方法があることで、日本経済において、クレジットが発展した一因とも
なって いるのです。
  しかし、このアドオン方式も問題があります。
それは、同じ金利額でも、年率に直して比較した場合、アドオン率のほうが少ない
率表示になり、アドオン計算のほうが「安い」という誤解を招きやすいということです。
更に言えば、3回で3%と10回で9%では、どちらが割合として安いのかとしても、
なかなかわかりにくいものがあります。
このように、アドオンは計算はやりやすいけれども、高いのか安いのか、よく
わからない点がある為、それを本来の金利の考え方である、実質の年率を基準と
して置き換えて比較できるようにしたのが「実質年率」ということになります。
つまり、金利としてものを考える場合、統一基準である実質年率では、何回払いで
あろうと、どんな支払方法であろうと正確に金利比較ができる、必要不可欠のもので
あるといえます。
また、一般的に比較的少額の耐久消費財(家電品等)のショッピングクレジット等
ではアドオン方式で、金銭消費貸借関係では実質年率計算で対応されています。
 現在では、アドオン計算表示がある場合、通産省の指導にもよって、アドオン率
だけではなく、同時にすべて実質年率の表示もされるようになっており、金利の比較
が容易にできる形となっています。