症例27=歯科矯正治療で顔も変わる
「歯科矯正治療をすると、小顔になる。」というのは、よく聞く話です。噛めると顔が引き締まるからだと考えております。歯科矯正治療は審美的な治療と言うよりは、よく噛めるように買える地用なんです。だから、医療の一つとして存在しているわけですね。
このことに関連して、左右でかみ癖があると(片側が噛めない状態であると)、前方から見た顔の輪郭が非対称になります。具体的には、噛まない方(噛めない方)の頬が緩み、噛んでいる(噛めている)頬が引き締まります。カノに皮膚の下には筋肉がありますから、使えば締まるし、使わなければ緩みます。当たり前のことです。
症例をお見せしましょう。
症例1=非抜歯で治療(下顎の左側側切歯は先天欠如)
☆写真1:治療前の口腔内写真(正面)
一般歯科開業医で歯科矯正治療を始めたそうですが、治らないので相談にいらした患者さん。おそらく治療前より悪くなっているかも。(だから、ウチにいらした。)
舌が前歯を押しているので、噛み合わせが浅いです。下顎の左側側切歯は先天欠如です。上顎の正中偏位もあります。
☆写真2:治療前の口腔内写真(右側)
こちらは上顎の臼歯が下顎のそれよりも内側に入り、噛めていません。
☆写真3:治療前の口腔内写真(左側)
臼歯部の噛み合わせは前後的には下顎がやや前に出た形です。ですので、キッチリ噛めてません。
☆写真4:治療前の顔面写真写真(正面)
噛めていない右側の頬の方が右よりも広いのがわかります。顔の筋肉が緩んでいる証拠ですね。左右のエラの張り具合も違います。右側のエラの方がなだらかで、左側の方がシャープです。犬でもそうですが、噛める方を下げて噛みます。また、噛める方の咀嚼筋が使うので締まります。(反対側は緩みます。)
☆写真5:治療後の口腔内写真(正面)
左側臼歯部歯列の拡大後、舌のトレーニングをしながら、マルチブラケット法で治療しました。下顎前歯が3本なので、上下の正中は合いません。
☆写真6:治療後の口腔内写真(左側)
噛み合わせは少し甘いですが、下顎前歯の先天欠如により、上下の歯の数が違いますので。しかし、上下の歯が当たり噛めるようになっています。
☆写真7:治療後の口腔内写真(右側)
こちらは完璧に噛めるようになってます。
☆写真8:治療後の顔面写真(正面)
左右の頬の大きさが揃ってきているのがわかります。左右のエラの張り具合も揃ってきました。左右の口角の形も治療前と比べればわかりますが、揃ってます。こっちの方がカッコイイ。
治療費は検査診断料5万円、技術料材料費で36.3万円。調節料が拡大装置装着時が2.4万円、ブラケット装着居が10.5万円。現在観察料が1回2千円で3回分かかってます。トータルで約50万円。(消費税別)
治療期間は4年と2ヶ月。歯の生え換わりと成長がありますので、これぐらいは必要だと思います。
※歯科矯正専門医でないところで矯正治療をしていて治りが悪かったら、専門医にご相談ください。(別にウチでなくても良いです。) 時間とお金の無駄、患者さん本人と親御さんの負担を軽くするためにはご助言致します。転医症例については、→こちらもご参照下さし。
症例2
☆治療前の口腔内と横顔のアップ。症例としては、前歯部叢生を伴った上顎前突症(出っ歯)でした。
☆治療後の口腔内写真と口元のアップ。
※上下の写真を見比べるとわかりますが、日本人の鼻の高さの成長量はあまり多くありません。(白人の2分の1と言われております。) しかし、出っ歯チャンを直して上唇を後退させれば鼻が高く見えるようになります。また、口唇閉鎖も楽になりますね。
治療後の口腔内写真(右側)
(治療内容)上下左右の第一小臼歯を抜歯して、マルチブラケット法で治療してます。治療期間2年(24ヶ月)。治療費は総額で70万円。