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不正咬合とは?

 正常とは、多数決みたいなもので、数が多い方が普通ということになります。世の中の人間も99%反対咬合なら、反対咬合が正常咬合になるわけです。

 ですから、たとえ、反対咬合であっても、自分が正常であると考えれば(気にされなければ)治療の必要は無いと思います。

 ただ、発音や咀嚼において、理想的な状態からはほど遠いので、治したほうが良いと医療者としては考えます。

 具体的には、発音ではタ行サ行は構音点が違いますし、破裂音(バ行、パ行)も難しいと思います。咀嚼では、前歯でかみ切れないので、麺類は苦手です。丸呑みするか、横の方で噛むかしかありません。反対咬合の人は麺類が嫌いだという人も多く居ます。)

 上顎前突、開咬(上下の歯がかみ合わないで開いている)でも機能的には落ちます。やはり、発音、咀嚼の点ですね。

 骨格的に以上が大きければ、出っ歯やしゃくれ顔となり、容姿を気にされる場合もあります。

 叢生(歯ならびのガタガタ)なら、掃除がしにくいので、むし歯や歯周病の危険性が高まります。

 Angle先生の講演録には、不正咬合を治して胃腸の調子が良くなったというエピソードが紹介されておりました。(大学の医局に残っている時に読みました。) かみ合わせを治すことで、食べ物が細かくなり、唾液とよく混ざることによって、胃腸への負担が減ったのでしょう。頷ける話だと思います。

 不正咬合とご自身が認識され、治したいと考えたら、歯科矯正治療のリスクも含めてよく考えてから治療を開始してください。