歯磨きはいつするのが良いか?
「食べても、スグに磨かないほうが良い。」と、言う人おりますが。。。
彼らが根拠としているのは、次の図です。
10%の砂糖水を口に含んだ後の、プラーク(歯垢)の中のpH変化を時間と共に記録して、グラフ化したものです。砂糖を栄養として、、プラーク中の細菌が酸を作るためにpHが5分後には最低のpH=5.0になり歯からカルシウムが抜けて(脱灰=むし歯になる方向に進行、図中ではDemineralosation)行きます。しかし、10分後には唾液の力(緩衝能=酸性をアルカリに戻すはたらき)により、元の状態に徐々に戻ってゆきます(=再石灰化、図中ではRemineralisation)。
pH=5.5の所に横線が引いてありますが、このpHがエナメル質が溶けるpHです。(臨界pHと言います)
「このグラフを見たら、歯磨きしなくても元に戻る。」と、歯磨きしなくてもOK!の理論も出てきそうです。
もっと高い濃度の砂糖液や歯にまとわりつく食べ物なら30分では元に戻りません。
「食後30分経ってから磨きましょう。」なんて言う人もおりますが、30分たったら、歯磨き忘れちゃう人もいるでしょう。
食べたらスグに磨く。そうすれば、歯磨きをまず忘れないし、最初の5分の歯からのカルシウムが逃げてゆくのも防げます。また、プラークの生成には8時間かかると言われておりますが、プラークをためなければOKなハズです。
とはいっても、家庭での歯磨きには原価があります。100点の歯磨きって、かなり難しいです。 歯科医院を利用して、定期的な歯みがき指導、PMTC、適切なフッ化物の応用などう蝕(むし歯)予防の方法を色々組み合わせてむし歯を作らないようにするのが良いと思います。
当院では、「食べたら磨く。」をお勧めします。ダラダラ食いはいけませんし、むし歯になりやすい食品(特に揚げ菓子やクッキー)の場合は、注意が必要です。個人個人で対応を考える必要がありますね。
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