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舌の機能発達不全とは?

 嚥下(えんげ)というと難しい単語ですが、要は食べ物を口から消化器官に送り込む、「ゴックン」のことです。

 意外と皆さんご存じないので、ちょっと書いておきます。

 まず、赤ちゃんがオギャーと生まれて、お母さんのおっぱいを飲むのが人生最初の食事になる訳ですが、このときは大人と同じタイプのゴックンはできません。

 舌をお母さんの乳首の下に入れて、下顎でおっぱいをしごいて、コクコクと飲みます。このときは、鼻で呼吸しながら飲めます。これは、「乳児型嚥下」と呼ばれております。

 大人のゴックンでは、息を止めて飲むますので、全然違うゴックンのタイプだとご理解いただけると思います。

 ま、空気も一緒に飲み込むので、授乳あとに、ゲップを出させるのは、子供を育てたことのある人なら皆さんご存じのことですね。

 赤ちゃんはちゃんとしゃべることはできませんが、だんだんしゃべられるようになります。これは、咽頭(のど)の成長によりその長さが伸びることで可能になってます。首の長いあかちゃんって、見たことないでしょ?

 すると、ゴックンのやり方が変わってきます。舌を前に出さず(乳首をお迎えに行かず)口の中にしまっておいて、舌の奥を持ち上げて、のど元が動くゴックンになります。これを、「成人型嚥下」といいます。

 治療は、まず、原因を見極めることから。原因があれば、それを取り除く所から始まります。舌小帯(下アゴと舌をつなぐヒモ)が短い場合は、伸ばす手術を受けてもらいます。(歯科口腔外科あるいは耳鼻科をご紹介します。)=こういった病院h阿庄日以上が無いと、初診料で5千円以上かかりますので、ウチの初診相談料千円はお得だと思います。(ご紹介状は無料でお書きします。

 で、手術をすれば治るか?というと、そんなに簡単ではありません。舌の動かし方を教えないと完治は無理です。

 で、成人型の正しいゴックンを教えてあげること。それでもダメなら、補助的な装置を使い、それでもダメなら歯科矯正治療で形から変えてゆく治療をします。下の写真は舌のトレーニングだけで治った症例です。

(説明) 上の写真が治療前、舌が後ろから押しているので、前歯にスキマがあり、上下の歯がしっかりとかみ合っていません。

 下の写真は、舌のトレーニングをしながら、歯のはえ換わりを診てただけの途中経過。装置を一切使わずとも、ここまでは治る場合があるのです。

 舌のこの動きは、発音とも連動するのです。赤ちゃんしゃべりがずーっと残っている場合、乳児型のゴックンが残っている場合が多いです。

 

関連項目:

ニワトリとタマゴ(機能と形態の話)

※セカンドオピニオンが必要であれば、お話しだけでも致します。