まるこの気まぐれ日記

1999.12.16〜12.31


12月15日(水)
 今朝、目覚める直前にみた夢は、電車の中でトヨエツに会う夢だった。そこで正直者の私は彼に「ファンでした」と言ってしまった。「でした、ですか」とトヨエツに突っ込まれた私は、慌ててファンだったぶりをアピールしようとして、何を考えたか「確か『人妻のナントカ』っていうエッチな映画にも出てましたよね」と言ってしまったのだ。実際彼は『ある人妻の追跡調査』というエッチなVシネマに出ていたのだ。私はトヨエツ見たさに、そのビデオをレンタルしてきたことがあるのだ。過去の恥ずかしい作品の名前を出されたトヨエツは、苦笑しながらも「こいつはホンモノだ」と思ったらしく、カバンの中から自分が出ている新作映画のチラシを取り出して私にくれた。いい夢だった。
 夜、駅に着いて帰ろうとしたら、自転車置き場に置いてある私の自転車が倒され、その上に倒れたスクーターがまともに乗っかっていた。スクーターの下敷きになっている私の自転車は引きずり出そうとしても全く動かず、力のない私はスクーターも起こせない。途方に暮れていたら、近くに居た知らないお兄さんがスクーターを起こし、自転車も起こしてくれた。いい人だ。映画ならきっとここで恋が始まるのだろうけど、現実はそんなに上手くいくもんでもない。途中で気がついた。スクーターの下敷きになっていたその自転車は、私の自転車じゃなかったのだ。自分の自転車ではないにしろ、その場から立ち去ることは出来ない私はお兄さんをじっと見守り、自分の自転車ではないにしろ、とりあえず「ありがとうございます…」と小声でお礼を言った。そしてそのお兄さんと、事の成り行きを見ていた全ての人が立ち去ったあとに、私は再び本当の自分の自転車を探すハメになってしまった。暗闇の中でようやく見つかった私の自転車は、やっぱりみじめになぎ倒されていた。

12月14日(火)
 二日酔いで頭が痛い。そんな中、目覚める直前にみた夢は、レコード大賞にノミネートされた菊池桃子が鮮やかなオレンジ色のドレスを着て『魅せられて』を歌っている夢だった。“夢占い”的にみれば、この夢はどんな意味を持っているのだろうか。
 朝一番にライオン丸からEメールが入った。開いてみると、そこには最大フォントで「よっぱらい!」とだけ書いてあった。どうやら私は、シラフの彼を相手に2時間も訳の分からない話をしていたらしい。きっと彼にとっても貴重な体験だったことだろう。
 夜、コンビニでおでんを買った。生まれてから2回目だ。この前のコンビニおでんデビューの時は、容器の密閉度を信じてブンブン振り回しながら家に持ち帰り、玄関先で汁をぶちまけるという悲惨な結果を招いてしまった。今度は2度目だし、もう2度と同じ過ちは起こすまいと私の心には固い決意が芽生えていた。
 今日は店長のおばちゃんに「お汁は入れますか?」と訊かれた。この前のバイトくんはそんなこと訊かなかったのに、そういう選択が出来たなんて。おばちゃんはおでん容器の危険さを知っているのだろう。もしここで「入れないで下さい」と言えば、懸念していた状況はほぼ回避出来る。でも、今回はリベンジなのだ。チャレンジなのだ。私は堂々と「入れて下さい」と言った。そして、またやってしまった…。そーっと持って来たつもりなのに何故? それを前カゴに入れて自転車に乗ったから? コンビニおでんの容器を開発に携わっている人は、ぜひ自転車耐久テストを実施して欲しいものだ。まるこのリベンジは見事に敗北。とりあえず今度からは「汁は入れないで下さい」と言うことにした。

12月13日(月)
 週の初めから飲み会。映画仲間の忘年会なのだ。今年の春に知り合ってからたったの9ヶ月だけど、このメンツとは本当によく飲んだ。差しで飲んだのを除いても20回以上になるんじゃないかな。ほとんどみんな月に10本以上の映画を観るほどの映画好きなのだけど、飲んでてもたいてい映画の話にならず、バカ騒ぎだけで終わってしまうところが私たちの特徴でもある。
 バカ騒ぎが大好きな映画仲間たち、月曜日からなんと18人も集まった。「冬はやっぱり鍋でしょ」ってことで、石狩鍋の飲み放題コース。日頃の貧しい食生活を補うべくガンガン食べ、ガンガン飲んだ。飲んで飲んで飲みまくって、後半の自分の言動もよく覚えていないくらい酔っ払った。私、何かしたっけ? 乱れたっけ? すっごく気持ち良くなって、誰かに抱きついたような気がする。誰かの身体を触りまくったような気もする。でも誰ともチューはしてないと思う。たぶん。
 後半の出来事でちゃんと覚えているのは、締めの雑炊がめっちゃ美味しかったことと、雑炊に感涙を流している隙に、デザートのアイスクリームを食いしん坊チャック(日本人)にすっかり食べられてしまったことと、宴会が終わったあとに太っ腹ピーター(宇宙人)がわざわざお金払って買ってきてもらったバターサンドを店の前でみんなに振る舞っていたことと、もらったバターサンドを道端で食べながら、毒舌ウルフ(最年少)が「うっわー、これレーズン入ってるじゃないっすか!」と顔をしかめて文句を言っていたことくらいかな。
 11時過ぎ、家に帰るとライオン丸(親友・男)から電話があった。でも、何を喋ったかほとんど覚えていない。

12月12日(日)
 そろそろ大掃除に取り掛らないと年末までに終われないし、年賀状だって書き始めなきゃいけない時期に入ってきたのに、何もやる気が起らずグダ〜っとして一日を過ごした。でも、せっかくの休みの日なのだから、何かひとつくらいは片付けておかなきゃダメだと思い、放りっぱなしにしておいた色々な申込書を書くことにした。デパートのカードの申込書を3社分と、JALのマイレージクラブの申込書と、シネクラブの申込書の計5枚。みんな書き終わると、なんだかノリノリになってきて、何となく目の届くところに放置してあった“がん保険特約MAX”の申込書まで書きたくなってしまい、深く考えずに申込書に記入してしまった。私の人生なんて、こんなふうに勢いだけで突き進んできたようなもんさ。
 プリンターの調子が悪い。去年、年賀状印刷した時、インクカートリッジを変えたばかりなのに印字が出来ない。1年通じてプリンターを使うことなんて年賀状の印刷だけなのに、新しいのを買うなんてもったいない気がする。年賀状を書くのもめんどくさい。いっそのこと、喪中にしてしまおうかとも考えたのだけど、喪中だったら11月中にハガキを出さなきゃだめなんだよねー。はぁ…。仕方ないから年賀状書くかな。

12月11日(土)
 ナゴヤドームのドリカムのコンサートに行って来た。ナゴヤドームは今年野球を観に9回も行ったけど、コンサートで行くのは初めて。ドリカムはCDは何枚か持ってるけど、コンサートに行くのは初めて。3塁側内野スタンドの19列目だったから、ステージには割りと近かった。でも、動物園に来てるんじゃないんだからネット越しにステージを観せられるっていうのは何だかねぇ。いくら段があるところでも、みんなが立ちあがったらちびっこいまるこは沈み込んでしまう。せめてものあがきで8センチヒールのブーツを履いて行ったけど、前の席のお姉ちゃんがでっかい人だったから無意味だった。
 コンサートはすごく良かった。楽しかった。大好きな『眼鏡越しの空』を歌ってくれたし。昔、憧れていたひとを想いながら、何度も聴いた曲なんだ。いろんな意味で私に多大な影響を与えてくれたひと。叶わなかった恋は、いつまでも美しく思い出に残る…なんちゃって。ドリカムの曲を聴いていると、ピュアな恋愛がしたくなる。昔の恋を思い出し、聴いてて泣きそうになってしまった曲がいくつかあった。
 吉田美和かわいかったなぁ。それに凄いカリスマ性のある人だ。だって5万人を前にして教祖様みたいだったもん。彼女が「サイコウですかぁ?」と訊いたら、きっと5万人が「サイコウで〜す!」と答えただろう。でも、簡単には教祖様にはなれないことも見せ付けてくれた。曲を作って歌っているだけじゃない。教祖様はローラーブレードをしながら歌えなきゃいけないし、空中ブランコに乗ってアクロバットもしなきゃいけない。どんなに走り回っても息切れせずに歌えなきゃいけない。常に信者に「凄い!」と思わせるために努力をしなければならないのだ。

12月10日(金)
 噂の男色映画『御法度』を観た。…なるほどねぇ。うーん。
『太陽と月に背いて』でディカプリオが頭の薄いおじさんとエッチしてるシーンを観た時や、『ブエノスアイレス』でトニー・レオンとレスリー・チャンがエッチしてるシーンを観た時にはショックだったけど、キャスティングが松田龍平と田口トモロヲじゃいまいち弱い。だって、トモロヲさんなら何やってもおかしくないもん。普通だもん。出てきた瞬間に何かやってくれることを期待しちゃうもん。「やっぱりねー」って思っちゃうもん。松田龍平の相手が浅野忠信か武田真治だったなら「すごーい」って思うところだろうけど、やっぱり日本の俳優って保守的なのかな。殻を破ってほしいなぁ。
 今日の試写会には松田龍平の舞台挨拶があった。松田龍平じゃあねぇ…。どうせだったら浅野忠信と武田真治が見たかったな。それより松田龍平、お父さん(松田優作)の七光り受けまくってデビューしたけど、本人は満足してるのだろうか。きっと子供の頃から「優作の息子」って呼ばれて続けてきただろうに。試写会のスポンサーは松田優作をロレックスのCMで起用しているA.M.I。映画本編の前に優作のCMを流されることを、龍平本人はどう思っているのだろうか。
 ジョージアは心配してくれたけど、別にスティーヴとは気まずくならなかった。でも、スティーヴは観終わったあとに衆道の気がウズイたのか、ちょっと変な気持ちになっちゃったらしい。相手が私じゃなくてオトコだったら大変だったかもね。っていうか、私がオトコじゃなくて本当に良かった。もしもオトコだったら、今頃はスティーヴと…。いや〜ん。
 家に帰ったら『御法度』の14日の試写会の当選状が届いていた。もういらないってば。

12月9日(木)
 『ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版』をリバイバル上映しているので、行こうかどうしようか迷っていた。
2時間バージョンなら迷わずに行ったのだろうけど、3時間バージョンだもん。この映画は2時間バージョンで“謎”だった部分が3時間バージョンで解き明かされる。でも謎は謎のまま終わってしまった方が良かった私にとっては、“謎解き”の部分は蛇足でしかなく、長過ぎてダレてしまい、3時間バージョンにあまり良い印象を持っていなかったのだ。さんざん迷ったけど、映画館でこの作品を観られる機会は今後も少ないだろうし、今観たら違う印象を持てるかもしれないと思って観に行くことにした。そしたら、泣いた泣いた。まるこっち、嗚咽が洩れそうなくらい、久々の号泣モードに入ってしまった。すごく久しぶりに観たからか、劇場で観たからか、3時間という時間も全く気にならなかったし、“謎解き”の部分もとてもすんなりと受け入れることが出来た。私も大人になったのかもしれないなぁ(しみじみ)。
 北海道から帰ってきてから六花亭のマルセイバターサンドを食べ続けている。朝ゴハンの代わりに食べ、時には晩ゴハンの代わりにも食べている。おみやげに買ってきてもらう時には、いつもなら5個入りのを1箱頼むだけなのに、北海道の余韻を楽しむために今回はなんと10個入りを2箱も買ってきてしまったのだ。賞味期限は12月14日。1週間で20個全部食べたら、食べ終わった時にはバターサンド星人になっているか、バターサンド嫌いになっているかどっちかだろうな。でも、「すぐに食べられない時は冷凍しとくと保存がきくよ」というナタリーのアドバイスで、1箱は冷凍庫に入れてあるもんね。へへっ。まるこのお楽しみはまだまだ続くのさ。

12月8日(水)
 映画友だちのスティーヴ(日本人)から『御法度』の試写会に誘われた。「OK」の返事をした直後、一足早くこの映画を観て来たジョージア(これまた日本人)から報告スカイメールが届いた。「御法度ヤバい。隣にオトコが居ると気まずいシーンもあったりする」 …うっ。もう誘われたオトコに「OK」の返事しちゃったんですけど。恐る恐る「相手がスティーヴでもダメ?」と聞いてみると、「なおさらヤバい」という返事。一体どんな映画なんじゃ? ちょっぴり恐れをなしたまるこは、スティーヴに「御法度かなりヤバいらしいよ。隣にオトコがいると気まずくなるって言われたよ」とメールした。するとスティーヴの返事は「観てみないと何とも言えましぇん」。おいおい、観てからじゃ手遅れでしょうが(笑)。ま、いいか。相手はスティーヴだし。
 ジオシティーズなどの無料サーバーを利用してHPを作ると、必ずスポンサーの宣伝が入る。これは無料のものを使わせてもらうための交換条件なのだからやむを得ないことなのだけど、HPの内容とは全く無関係のスポンサーの宣伝がランダムに出てきてしまうというのは、まるこ的にはあまり本位ではない。別にページに美的センスを追求しているわけではないけど、企業の宣伝をさせられているという事実が自分の中で許せなかったりするのだ。でもまぁ、作ってる方も見ている方も、そんなとこまで気にしている人は少ないのかもしれないけどね。しかし、HP上に載っかってくるスポンサーも、注意して見ているととんでもなくおかしなのに出会うことがある。今日見たある映画関係のページのは強烈だったな。だって、綺麗に飾られたトップページに堂々と、“下半身の強化にMokkorin”って宣伝が入ってるんだもん。いくらなんでも“Mokkorin”はヤバいっしょ。管理人はこの驚愕の事実を知ってるのだろうか。

12月7日(火)
 “カムバック、ナタリー!”の叫びが天に通じたのか、ナタリーは夕方無事に帰還した。良かった、良かった。色んな楽しかったエピソードも、全てこの最後のトラブルにかき消されてしまい、1日目に入った寂れた居酒屋でぼったくられたことも既に忘却の彼方にある。でも“何でもやってみたい星人”のまるこっちは、滅多に体験出来ないことをひとりだけ体験出来たナタリーが、ちょっぴり羨ましかったりもして。とりあえず、今回の旅行で得た教訓は“冬の北海道を甘く見てはいけない”。“有給の理由を法事にした時は1日余分に休暇を取っておく”。そして“旅行に行く時はパンツを1枚余分に持っていった方が良い”…かな?
 『気まぐれ日記』を書き始めて1週間が過ぎたが、何とまだ続いているではないか! これは“三日坊主”を豪語するまるこにとって、凄いことである。でもいつまで続くか分からないから、とりあえず『気まぐれ日記』のタイトルはそのままね。
 ある女性が「ほんとに嬉しい事や大事な事は、書いて人目に晒した途端、急にみんなに共有されるありきたりなものになってしまうから書きたくない。逆にイヤな記憶は書くことで、自分の中から切り離せる」とHPの日記の中で書いていたけど、私はちょっと違うな。ほんとに大事なことは書かない(これは彼女と一緒)。でも、イヤなことも書かない。だって、イヤなことは早く忘れたいもん。書き残しておくと、いつまでも残っちゃうからイヤだもん。こんな私は典型的な
エニアグラムの“タイプ7”。“やりかけたことには、責任をもって最後までやりとげる”ということが自己改革へとつながるらしい。
<PHP出版から出てる『9つの性格』という本はすごく面白いよ。オススメ>

12月6日(月)
 2泊3日の冬の北海道食べ歩き旅行も今日で終わり。札幌で味噌ラーメンを食べて、小樽でお寿司を食べて、苫小牧でカレー味噌ラーメンを食べて、とても楽しい旅行だった。しかし「楽しい旅行だった」と言い切れるのは私だけ。無事に帰ってこられたのは私ひとりなのだ。今頃ナタリーは…。ああ、ナタリー、あなたは今いずこ…(涙)
 帰りの飛行機で同じ便を予約出来なかった私たちは、私が16時10分発のJAL858便、ナタリーが18時30分発のJAL860便で帰ることにした。まさかそれがふたりの運命を大きく変えるとはその時は気付く由もなく、ナタリーは私が乗った飛行機をデッキで見送ってくれた。無事名古屋空港に到着した私が新千歳空港に居る彼女に電話を入れると、「何かすごく吹雪いてるんですけど。搭乗手続も遅れてるんですけど」ということ。そして、30分後には「滑走路が閉鎖になっちゃったんですけど」という報告が。そのまた1時間30分後には「欠航が決定しちゃったんですけど」と。これは大変! ナタリー曰く「空港もJRの駅もカーニバル状態」。一体何が起っていたのだろう。彼女は急遽結びついた運命の友7人と札幌に舞い戻り、見ず知らずの人と同室でホテルに宿泊することになってしまったそうだ。ああ、ナタリー、どうか無事に帰ってきておくれ! 北海道で“カムバック、サーモン!”と書かれていた文字を見て大笑いしていたナタリー&まるこっちだったが、今では笑い事ではなく“カムバック、ナタリー!”である。 

12月5日(日)
 夜のうちにまた少し雪が積もったようだ。嬉しい♪ ホテルのベランダに積もった雪で、ちっちゃい雪ダルマを作った。まるこっち、朝から大はしゃぎである。
 靴のすべり止めゴムバンドを装着し、雪道でよたらなくてもよそ者まるだしで小樽へと出発。とは言っても小樽は2度目だし、北一硝子もオルゴール館も以前に行っているので、今回はパス。今回の旅行の目的は、ズバリ“食べること”なので、夕方までの時間つぶしにマイカル小樽へと立ち寄る。靴売り場で売ってる靴の裏側を見たら、やっぱりゴムに秘密があった。北海道の靴はちゃんと雪道仕様になっているのだ。
 マイカル小樽で
『石原プロワールド・西部警察』という怪しいアトラクションを見つける。ロゴは『ジュラシック・パーク/ロスト・ワールド』のパクリみたいなやつで、おまけに横では『渡哲也のヘルシーソフト』なる売り場もある。見るからにヤバそうな雰囲気が漂っているのだが、見ないと一生後悔しそうだったので入ることにした。するとこれがまた、私たちの期待通りのしょぼい内容で、ライドに乗りながら大爆笑。入場料1200円、まんまとぼったくられても、くだらないものが大好きな私たちは何故か損した気分にはならなかった。
 夕方、小樽運河へと移動。雪の小樽運河を見ていたら『Love Letter』を思い出した。

12月4日(土)
 今日から映画友だちのナタリー(日本人)とふたりで2泊3日のフリープランの北海道旅行。北海道は3回目だけど、冬に行くのは初めて。雪は大好きだけどスキーをしたことがない私は、たくさん雪が積もっているところに行ったことがない。もうワクワクドキドキ。雪化粧した新千歳空港を見ただけで、既に興奮状態に入ってしまった。
 札幌の街の歩道の雪は既に踏み固められていて、何度も転びそうになった。しかし、街の人たちはみんな歩き方を心得ているのか、それとも靴に秘密があるのか、とても上手に歩く。北大のキャンパスに入ると、アイスバーン状態の雪の上を自転車で二人乗りしている学生や、トレーニングウェアでランニングしている学生もいる。気温は日中でも1度くらい。寒さに予想がつかない私はめっちゃ厚着で出かけたが、北大の学生は上着なしのトレーナー姿で平気で歩いていた。厚着してカメラ持ってよたりながら雪道を歩くナタリー&まるこっち。よそ者まるだしである。
 ホテルでナタリーが持ってきた雑誌を読んでいたら“マイケル・ダクラスとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが交際したきっかけは、誕生日が同じだったから”と書いてあった。私もこのふたりと誕生日が同じなんですけど。私も一緒に遊んでくれないかな。何なら養女にしてくれてもいいよ♪
 雪道を普段の倍以上踏ん張りながら歩いたので異常に疲れた。ホテルのロビーで靴の裏に取り付けるすべり止めゴムバンドを売っていたから、明日はそれを買って使ってみよう。

12月3日(金)
 会社の昼休みに保険屋のおねえちゃんにもらったキャラメルをほおばっていたら、治療した歯に詰めてあった金属が取れてしまい、2年ぶりの歯医者通いが始まった。私は子供の頃から歯医者が嫌いではない。痛いのだけどクセになる。忘れた頃にまた行きたくなる。私ってもしかしたら肉体的なMっ気があるのかな。
 私が通っている歯医者さんは、とても丁寧で大好きな歯医者さん。歯の模型や、その患者の歯のレントゲン写真を見せながら「ここがこうなってて、どういうふうに治療するんだよ」と、ちゃんと説明してくれるのだ。それって普通のことなのかな? 少なくとも私が過去に通った別の3ヶ所の歯医者さんはそんなことはしてくれなかったので、私にとってはその先生がとても特別丁寧で親切な先生であるように思えてしまう。
 以前に通ってた歯医者さんでは、とても酷い体験をした。そこの先生は、何と耳からたくさんの毛が飛び出ていたのだ。大口開けた治療の最中にそれに気付いた私は、笑いをこらえるために顔が引きつりそうになってしまい、とても辛くて苦しい思いをしたのだった。もう二度とあんな思いはしたくない。だから、私はその歯医者に通うのをやめたのだ。今の先生には耳毛はない(確認済み)。やっぱりいい先生だ。

12月2日(木)
 島耕作が部長になったそうだ。部長になっても彼はまだ浮気を続けているそうだ。仕事が出来て、いつでも女性にモテモテの島耕作は男性の憧れであり、“島耕作シリーズ”は、働く男性たちのバイブルなのだそうだ。ふーん。でも漫画を読まない私には、良く分からないな。
 私が知ってる島耕作は、DocomoのCMで宅間伸がやってたやつと、東宝映画で田原俊彦がやってたやつだけ。確かにCMで見た宅間伸の島耕作はパリっとしててカッコ良いと思ったけど、田原俊彦の方は“なんじゃこれ映画”だった。ビデオを借りて観たのは確か5年くらい前だったと思う。でもどんな話だったっけ。今では麻生祐未との過激なラヴシーンと、会議室で同僚のトヨエツに「島、お前が好きだ」と愛の告白をされる笑撃のシーンしか記憶にない。
 この映画の最大の失敗は完全ミスキャストの田原俊彦の起用だろうが、あの程度のお話なら案外誰が演じていても同じ結果だったかも。どうせ客が呼べない日本映画なら“田原俊彦”という名前に惹かれる人を呼べただけ良かったのかも。でもこの頃、まだ田原俊彦って人気があったっけ?
 …そういえば、彼、どうなった?

12月1日(水)
 今日から12月。新しい月が始まると何となく気合が入る。月が変わると何か新しいことを始めたくなって、色々目標を立てるのだ。そして、それを毎月ひとつづつクリアし継続していくことによって、私はどんどん完璧な人間になって行くはず。…理論的にはね。でもそんなに甘いもんでもない。今月の私の目標は“コタツでうたた寝しない”。なんというささやかな目標なのだろう。
 コタツは魔物だ。私の意思とは関係なく心地よい眠りの世界へと誘う。気付くと部屋の電気もPCもつけっぱなしで、朝方まで眠ってしまっていることもある。いい年齢の娘がこんな乱れた生活をしているのを知ったら、父親も母親も情けなく思うだろう。それにコタツで寝ると、起きた時に鼻がグシュグシュして喉も痛くなっている。そのうちそれが原因で風邪をひいてしまうかもしれない。今の私には風邪をひく暇はない。このままではいけないと奮起したのだ。
 しかし、毎月の月初めに立てる私の目標は大抵1日か2日で挫折という局面を迎える。“三日坊主”という言葉があるが、飽きっぽくめんどくさがりやの私には3日もたないことがほとんどなのだ。そして、今回は何と目標を立てた10分後に挫折してしまった。目標挫折の自己最短記録更新。やっぱりコタツは魔物だった。
 そこで、今月の目標をちょこっと変更。“コタツでうたた寝しても風邪をひかないように身体を慣らす”。だめ?


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