蛇拳 [DVD] 蛇拳 (製作年度: 1976年)
レビュー日:2011.1.7
更新日:
評価:★★★★
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解説(Yahoo映画より):
道場でこき使われてばかりいる青年が、蛇拳の達人である老人と知り合い技を仕込まれる。凶悪な鷹拳使いの武道家が蛇拳の使い手を次々と倒し、遂に最後の蛇拳使いである老人を見つけて闘いを挑んだ。窮地に陥った老人を救うため、青年は猫の形をミックスしたオリジナル“猫形蛇拳”を駆使して武道家を撃退する。


ジャッキーかわいいよジャッキー(笑)

今年の初ジャッキーは「酔拳」でした(笑)。
「酔拳」見ると、やっぱりあの爺さん師匠のキャラとジャッキーとのからみがいい感じで、ほとんど同キャストという「蛇拳」も見てみるかな、という気がしてきたのでレンタル。
最初に怒涛の勢いでジャッキー映画借りまくった時にはTSUTAYA上社店にはこれとか「酔拳」とか置いてなかったのよね。ようやく入荷した頃にはジャッキーフィーバーも一段落してたし、タイトル画像の雰囲気だとか「蛇拳」というタイトルになんとなく気が乗らなくて(長いモノ苦手なんです)今まで借りずに放置。

で、借りてみて後悔。もっと早く借りとくんだった〜! 面白いじゃない、これ。
(ま、確かに画質は悪いし、効果音やBGMなんて全面的に作り直したいくらい大時代的でヒドいけど)
っていうか、女性ファンにはこっちのほうが「酔拳」より受けると思う。「酔拳」のフェイホンはちょっとズル賢くてすれた面があるけど、こっちの主人公、ガンフー君はほんとに純朴で人懐こい。あんまりバッチいシーンもないし(「酔拳」にはちょっとある)。
息子に持つなら「酔拳」のフェイホンより「蛇拳」のガンフーよね、と思ってしまった。(ぇ

「酔拳」と同じ頃作られただけあって、雰囲気はよく似てます。こっちのジャッキーのほうがちょっと不遇ないじめられっこ設定なので、その分なんか「可愛い度」が増してる感じがします(笑)。
ジャッキーって動物好きらしい感じがするけど、ペット飼ってる設定はこれがはじめてかな。でもその飼い猫が、出てくるたびに違う猫……香港映画の「てーげーさ」にはもう慣れたけど、あまりのいい加減さに笑った。

爺さん師匠のキャラは「酔拳」のまんまです。多少こっちのほうがシリアスかな。ジャッキーが爺さん師匠をひたむきに慕う姿がいじらしいなぁ。「酔拳」もそうだし、「プロジェクトA」の老上司に対してもそうなんだけど、若い頃のジャッキーの年長者に対する敬意と愛情の示し方が、なんかすごくいいんだよね。


【ここが美味しい名シーン】

なんたって爺ちゃんとの「茶碗の取り合い」が最高。
カンフー道場に住み込みで雑用をやってる孤児のガンフー君、館主はいい人っぽいけど留守がちで、師範代に嫌われてこき使われ、いつも稽古の相手役をやらされてボコボコに殴られている。

ある日ライバル道場の人たちに絡まれている宿無しの爺ちゃんを見かけ、助けようと飛び込んでいくガンフー君。ところがこの爺ちゃん見かけによらず武術の達人で、ガンフー君が手にしていた天秤棒を後ろから操って相手を次々にたたき伏せていく。
(このへんは「あ、ドラゴン・キングダムだ!」と思った)

爺ちゃんと仲良くなったガンフー君は、爺ちゃんを連れて自分のねぐらがある道場の裏庭へ。ところが一緒にゴハン食べてる最中、道場から呼び出しくらったガンフー君はまたも練習台にされてボッコボコに殴られ、傷だらけで戻ってきて自分のねぐらに引きこもってしまう。

ガンフー君に優しくしている道場の料理人から事情を聞いた爺ちゃんが部屋に入っていくと、そこには頭を抱えて座り込み、悲しさ悔しさにじっと耐えてるガンフー君が……(ここは可哀相でちょっと泣ける)

それを見た爺ちゃん、やおらそこにあった茶碗を手に取りテーブルの上でくるくると回す。その音に気づいていぶかしそうに顔を上げたガンフー君の表情がだんだん和らぎ、ふっと笑みがこぼれる……いやもう可愛いんだよこの瞬間のジャッキー! 萌えるぜっ!! (笑)

そこで爺ちゃん茶碗を自在に操る妙技を見せ、ガンフー君の興味をひいて、「取ってごらん」と誘う。ここから茶碗を取ろうとするガンフー君と取らせまいとする爺ちゃんの攻防が展開するのだけど、これがまたスゴイし面白い。爺ちゃんの妙技もさることながら、それまでの辛さ悲しさをひと時忘れて、夢中で茶碗に手を伸ばし、目の前からふいと消える茶碗にきょとんとし、楽しそうに茶碗を追いかけるガンフー君……最後に爺ちゃんから渡された茶碗をまねして操ろうとして、ガチャンと落として割ってしまった瞬間「あちゃ〜」と首をすくめるところまで、ジャッキーの表情の変化がすばらしい。

最後に割れてしまった茶碗のかけらを、肩を並べて爺ちゃんと拾い集める姿にかもし出されるほのぼの感もとってもよくて、何度も見直したくなるシーンです。


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