プロジェクトA デジタル・リマスター版 [DVD] プロジェクトA (製作年度: 1984年)
レビュー日:2009.8.10
更新日:2010.8.13
評価:★★★★
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解説(Yahoo映画より):
ジャッキーのデビュー10周年を記念して作られた作品。海軍警備隊のジャッキーが、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キン・ポーの協力の下、海賊たちと繰り広げる戦いを正に命懸けのスタント(20数メートルもの時計台からの落下シーンでは首の骨を折り本当に死にかけた)満載で描いた超コミカル・アクション大作。


男の子永遠の憧れ?

いや確かにスゴイわ。こんなことやってれば怪我人続出だろうし死にかけるでしょ、そりゃ。
これにハマっちゃう男の子がいっぱいいた、というのもわかるような気がします。
(マネして怪我したり親に怒られたりした子どももいっぱいいるでしょう。まったく男って……)

……と、最初に見たときはさほど深い感銘を受けなかったこの作品、実は「人生2番目に見たジャッキー映画(笑)」でした。
(最初に見たのはすでに書いたように「シャンハイ・ヌーン」です)
あれからほぼ一年、30本以上のジャッキー映画を怒涛のごとく鑑賞(爆)し、とりあえず見たいと思った作品ほとんど見つくした後で、もう一度この作品に戻ってきたわけですが……

やっぱり代表作といわれるだけのことはあるなぁ。何度見ても面白いわ。

ジャッキーのくるくると変わる表情もいいし、サモハンやユンピョウとの息の合った掛け合いもいい。広東語のリズムもめまぐるしい動きも、エネルギーにあふれてる感じがします。

極私的にはアラフォー以降のちょっとオジサン入って味の出てきたジャッキーが好きなんですが(笑)、この頃の元気ハツラツジャッキーも、改めて見てみるといいなぁ。「酔拳」の頃の悪ガキジャッキーよりはオトナになって、冷静に事態を見極めて仲間を引っ張っていける頼れるリーダーでありながら、イヤな上役にはそれとなく仕返しするイタズラ心。ガールフレンドの前ではカッコつけてイキがってみせながら、ふたりして悪漢に追いかけられる場面では足手まといになる彼女にイラつきながらもせいいっぱいかばってあげる紳士的態度。どれをとってもチャーミング。

どんな俳優さんにもきっと、「一生に一度しか作れない作品」ってのがあって、これもたぶんそれなんだろうなぁという気がする。同じ方向性で作って、前作よりいろんな面でよくできていても、決して超えることができない「なにものか」を持ってしまった作品……

ただそれは、違う方向性をめざせばひとつとは限らない。ジャッキーの場合、「酔拳」もそうだろうし、「ミラクル」だってある意味そうかもしれない。 そしてこれからも、あるいはそんな作品を作ってくれるかもしれない、と期待しちゃうのであります。


【ここが美味しい名シーン】

「プロジェクトA」についてはもうそれこそ名場面満載で、いろんな人に語りつくされているので、ここではあえて、水上警察vs陸上?警察の乱闘シーンについても自転車チェイスシーンについても時計台落下シーンについてもコメントしません(笑)。

わたしがけっこう好きなのは、指名手配犯を捕まえたものの、警察上層部の態度にブチ切れ、「手柄はくれてやる、責任はオレがとる」という有名な捨て台詞とともに街に飛び出したドラゴン(ジャッキー)が、街角で旧知の仲のフェイ(サモハン)とばったり出会い、立ち食い甘味屋(?)でタピオカミルクらしきものを食べ、じゃんけんしてジャッキーが負けて代金支払って……という一連の流れの間、ずーっと途切れずに会話を続けているところ。地味だけどなんか笑えるし、それだけの描写でふたりがどんな仲か、なんの説明もなしで納得させてしまうあたり、たいしたものだと思います。

それからはっと気づいたのだけど、「プロジェクトBB」でユンピョウ演じるモク警部の登場シーン、このシーンのちょうど裏返しになってるんです。「A」ではサモハンが泥棒だけど、「BB」ではジャッキーが泥棒役。で、「A」ではジャッキーとサモハンが泥棒と警官として会話しながら行動は完全に仲のいい友だちなのに対し、「BB」ではユンピョウとジャッキーが幼馴染として同窓会がどうのこうのなんて話をしながら、行動のほうは警官が犯人を逮捕する手順をてきぱきと進めてる、という(笑)。
これ、「BB」作るときに意識してやったのかなぁ。


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