Zabadak Live2002 花見前線北上中 |
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曲目表
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とんでもない早さの桜前線から少し遅れつつも、名古屋・京都と続いてきたzabadakの今年初のライブツアー。
その最終日、六本木のSTB139でのライブに行ってきました。
STBは、去年のざばからくじらのライブの時にも行ったことがあるのですが、雰囲気もよくて個人的にはすごく好きなライブハウスです。
特に何が好きかというと二点あって、まず一点目は、開演時間が遅いこと。
とかく社会人に厳しいライブ日程を組んでくるzabadakですが、20時開演だとちょっとくらい仕事が立てこんでも何とかなる、という安心感を持ってチケットが買えるのです。
そしてもう1点は、カクテルが豊富で美味しいこと(笑)
甘いお酒好きの私なので、美味しいカクテルをくいくいと飲みながら、zabadakの音楽を生で聴ける、なんて幸せはそうそうあるものではございません(笑)
……その代わり、ライブ後の会計がえらい高くつくのですが(笑)
そんなわけで、この日も会社帰りのダークグレーのスーツ姿で、会場左側中央付近のテーブル席に陣取って、カクテルを三杯ほど空けながら聴いていました。
ちょうど二杯目を空けてほろ酔いかげんになった頃に、ステージのスクリーンがするすると上がって吉良さんご一行が登場。いよいよ開演です。
♪チュッチュッチュッチュッ……のコーラスから始まった1曲目は、『ブリザード・ミュージック』より『アポロの月』。
まだまったりと酔い心地の身体に、吉良さんのギターと歌声が直撃して、じん、ときます。さらに、独特のイントロから『僕のビー玉』へと続きます。アコーディオンのメロディに、力強い吉良さんと公子さんのダブルボーカル。
その吉良さんは、何だかルービック・キューブみたいな(笑)模様の黒のシャツ。髪はいつも通りでした(笑)
一方公子さんは、ピンクのレースっぽい華やかな衣装(表現しにくい……)。ただでさえすらりとした腕がさらに細く見えて、何だかアコーディオンが重そう……。
MCでは、早起きしてしまったライブ当日の朝の話。
「めざましテレビ」の星占いのコーナーを「よけいなお世話だ」と思いつつ見ていたら、案の定、吉良さんの獅子座は十二星座中で最下位だったとのこと(笑)
しかもライブの日だというのに、よりによって占いの結果は「派手な行動は慎むこと」(笑)
「……力づくで運勢を変えたいと思います(ぼそっと)」の呟きに、場内大歓声です(笑)
「では、まずは小峰公子さんに運勢を変えてもらいましょう」との紹介に、「他力本願ですねぇ」とつっこまれつつ(笑)、『星ぬ浜』へ。三線の代わりに、吉良さん自らティンホイッスルで、あの南の島のイントロを奏でます。
(出だしに難波さんに音を訊いてたのが、ちょっとかわいかった(笑))
公子さんの、情感あふれる高い歌声も健在です。
間奏では、今度は公子さんのティンホイッスルの調べに、吉良さんが声を添えます。
続いての、アコースティックギターの刻むような三音の出だしは、アルバム『桜』より『百年の満月』。
ギターの旋律とピアノの細やかな調べにのせられた、力強くも切ないヴォーカル。
ライブで聴くのは久しぶりだったのですが、何だかすごく良かった。
さらに連続して、ギターの旋律から『休まない翼』。このイントロが響いた瞬間、身体に電気が流れました。個人的には、この日のライブで一番良かった。
鳥の羽ばたきのように、力強く鳴り響くアコースティックギターに、その翼の真下の海面のように、細やかな難波さんのピアノの調べが流れてゆきます。
そして、大きくサビで空高く舞った後には、シンセサイザーが壮大に広がってゆく大空を奏でてゆく感じで……。思わず、自分の書きかけのおはなしとオーバーラップして、涙ぐみそうになりました。
昔からそうだけど、やっぱりこの曲、好きです。
一息つきながら、吉良さんが「難波さんと話してたのだけど、ハンダごての「ハンダ」の由来って、知っている人、いますか?」と、いきなり不思議な質問を投げかけます(笑)聴衆からは反応なく、半田さんが作ったのか? という説もあるも、明確な答えはでませんでした。
「まあ、こう言っている間に息を整えるわけですが」 ……やるな(笑)。
「後で(オフィシャルページの)BBSですごいことになったりして」と、公子さん。
そうしてハンダごてMCで息をつき終わって、続いては、ザバライブだけでなくネコカルライブなどでも奏でられる、公子さんの『双子の星』。
公子さんの高く響き渡るヴォーカルにはいつも圧倒されるのですが、声の伸びはこの曲を歌う時が一番、すごい気がします。さらに、少し変わったのアレンジから、重々しい『夜明けまで』。
珍しいアレンジで、イントロの時点では曲がわからなくて、一瞬新曲かと思いました。
相変わらず、♪泣いている 声が ……で、一瞬全ての音が消えるのが、格好良い。
ここで、吉良さんを残してメンバーは退場。「悲しい曲で一人になるんじゃなかった……」と、さびしそうな吉良さん(笑)。
静かになった会場に、柔らかいアコースティックギターの音色で『マーブル・スカイ』を奏で始めます……
……と、思いきやイントロを止めないままで、おもむろにチューニングを開始(笑)
やがてチューニングを済ますと、そのまま何事もなかったようにさりげなくイントロに復帰し、会場からは拍手が。
歌詞間違いのさりげなさといい、リカバーが上達してるわ……。コーラスを聴衆に振りながら、静かに響く『マーブル・スカイ』。
久しぶりに聴いたのもあるけど、この曲も個人的に特に良かった曲のひとつです。
ネコカル版アレンジの、サビの入りもよい。
さらに、弾き語りには欠かせなくなった、『遠い音楽』。
染み渡るような歌声が、静かに聴き入る聴衆へと広がります。
ここで小峰公子さんが再登場。
zabadakのライブの時には雨が多い、ということから、誰か雨男がいるのだろう、という話に。
でもこの日は晴れていて、しかも吉良さんと公子さんの二人ライブの時は雨はない、と。「……マサじゃないか?」
「今、フランス行っていて日本にいないからねぇ」(笑)
……と、マサさん雨男説が(笑)
そのフランス繋がり……というわけではないでしょうが、A-nの最新作の芝居の表題として使われた『ねむれないよるのうた』。
背景にはほとんど音がなく、ただ公子さんの声の響きだけが、子守唄のように染み渡ります。
続いては、吉良さんが編曲を手がけた、映画「PP兄弟」のサントラから、『この道』。
吉良さん曰く、「サントラでは、アイルランドのオーストラリアの人が歌ってるのだけど……」(って、どっちやねん(笑))
「……今日はにせ者が歌います(笑)」
何処かケルトを思わせる、ティンホイッスルの主旋律に、吉良さんが力強く英語の詞を歌い上げます。言うだけあって、シンプルで格好良いメロディ。
にせ者だろうと、吉良さんが歌ってるならCD買うのだけどなぁ。
さらに、二人ザバダックには欠かせない、『光の庭で』。
この曲は、歌声はもちろんだけど、うたう時の手の振りもまた綺麗なのです。
さて、ここでメンバーが全員戻ってきて、いよいよ終盤戦です。まずは夜明けのようにひろがるドラムの音から、『COLORS』。
キャラメルボックスの西川さんと大森さんの結婚式の時に歌ったという、この曲、聴きながら、個人的ながらつい先日あった職場の先輩の結婚式のことを思ってしまいました。
そして、いよいよ吉良さんがエレキに持ち替えて、まずは『夏至南風』。
三線の代わりはシンセサイザーが務め、電子的な音が南の島の調べを奏でます。
そして、ラストはこの曲こんなに激しい曲だったっけ、というほどのエレキギタープレイ。
客席に身を乗り出して弾きまくります。
終わったあと、「まだここはこんなはじけるところじゃなかったのに(笑)」と吉良さんの弁。
メンバー紹介を経て、『ブリザード・ミュージック』。
デュアルヴォーカルは「歌えるドラマー」楠さんが務めて、雄雄しい吹雪の音楽が会場中に響きます。もう、無条件に格好良い。
そしてラストのエレキとシンセの競演では、吉良さんがエレキを歯で弾くは、果てはコップでエレキを弾くわと、弾けまくっていました。
そして、その勢いのまま『わにのゆめ』、そして会場総立ちで最後は『Easy Going』でライブ本編の幕は閉じたのでありました。
この頃になると、心地よいお酒の酔いとライブの熱気でもう夢中で、詳細に描写できるほど憶えていなかったり(笑)
終わっても、立ちっぱなしで鳴り止まないアンコールの拍手。
公子さんが「まあお座りになって(笑)」と鎮めて、火照りを冷ますように、アンコールのナンバーは『永遠の森』。
最後は、聴衆も一体になったコーラスでライブを締めくくったのでした。
……と、これで終わりと見せかけながら、小さくはなったもののアンコールの拍手は鳴り止みません。
ちゃっかりと私も(笑)、前回のSTBでのざばからくじらのことを思いだして、まだいけると拍手し続けてました(笑)
やがて、その甲斐あって、吉良さんが「こんなおいら達のためにありがとうございます」と再登場。嬉しかった〜。
最後は、もう枯れかかった声で、しっとりと『小さな宇宙』を弾き語ってくれました。
名古屋や京都で演奏した、『天空の底』や『よごしん』などのリクエスト曲が聴けなかったのはちょっと残念だったけど、やっぱり大満足だったSTBでのライブでした。個人的には、『休まない翼』『百年の満月』『マーブル・スカイ』といったアルバム『桜』からのナンバーが今回は特に良かったです。
いつもながら、たとえ仕事帰りのスーツ姿だろうと、万難を廃して駆けつけるだけの価値はあるなぁ、と……。
これから、zabadakはキャラメルボックスのサントラのレコーディングに入るとのこと。 今からレコーディングということは、夏公演、ですね。
『風を継ぐ者』『ブリザード・ミュージック』と素晴らしい音楽を創ってきたzabadakとキャラメルボックス、今度はどんな音を創るのか、楽しみ。