介護日誌
2003. 2. 2
介護(母はアルツハイマー病?)
母の痴呆?について診察を受けたわけではないが、ケアマネさん、ホームヘルパーさんの話などきいて素人判断ではあるが痴呆症であろうと推定している。
ある人の話では<老年痴呆>=「アルツハイマー病」と言っていたが、痴呆の原因が大半、脳血管性とアルツハイマーに分類されることから、母は「アルツハイマー病」ということになる。
痴呆らしい事例を記し、痴呆について考えてみる。
状況1
自宅にいるとき、時たま叔母のYさんと電話をすることもあるが、自分の状態のことと思われるが「まあボチボチ」、「まあね」とか
いう言葉しか発していない。耳が遠いせいもあってか会話になっていないようだった。
顔を見ながら話をしているとなんとなく会話が出来ているようだ。
会話が出来ないのは痴呆が進んでいるからかもしれないと思うこともある。
状況2
時々、今日は何日か尋ねるがほとんど分からない。そこで自分の名前、住所、自宅の電話番号、生年月日、それに私の名前を書かせてみた。
電話番号は覚えていなかった。生年月日は日にちが私の誕生日であった。そのほかは間違いなく書くことが出来た。
痴呆といっても記憶の一部分はなくならないのかもしれない。
状況3
会話だけでなく日常生活でおかしな行動も見受けられる。たとえば着替えの新旧の区別が出来ないようである。
まず着替えようとしないこともある。自分の息子に下着等を渡したくないという「羞恥心?」なのだろうか。
施設では週2回、入浴の日がある。着替えたものを入れておくダンボール箱を汚物処理室に用意してもらっている。最近、ここに着替えたものが入っていることがない。やむを得ず面会時に目の前で着替るようにさせている。
状況4
ある日施設からベッド付属の「リモコンを操作してベッド高くしている。危険防止のため取り除いた」と連絡があった。
目的をもってリモコンを扱っているのではなく、単に興味本位らしくおまけに元に戻せなくなっていたそうだ。
状況5
在宅のときは押入れの中にビニール袋が幾つも入れてあり、中をみるとゴミが出てくる。なぜゴミを押入れにしまうのか尋ねると
「なぜしまったか考えてみる」という。これらは「行動障害」なのであろうか。
これらの状況をみると痴呆でないとはいえないような気がする。しかし
「痴呆症」について詳しくないので、図書や資料をを読んで勉強中であるが、ここでは介護者のわたしの考えを記す。
私の「痴呆症」の知識は別に記す。
どの書物をみてもおおむね「勝手な判断をせず早期の診断を受けること」、
痴呆性老人に対しては、「相手の言うことを聞いてあげる」、「痴呆性の行動を受け入て・・・」「事実を追求したり意見を否定せず、本人が心地よく安心できる環境をつくる」、と書かれている。
いづれも正論ではあるが、90歳になっていまさら診察のため、病院にいき問診やテスト、CT、MRI、SPECTなどの画像検査を受けさせるべきなのだろうか。
診察の結果正しい「病名」が診断されたとしても、被介護者、介護者とも状況が善くなる訳ではない。
介護の方法も、治癒の見込みのない現在と変わりようがないとおもわれる。在宅時はひとりで対応しているので、毎日となるとこちらの方がストレスが溜まり気が狂いそうになることもある。
書物によればアルツハイマーの場合、元のような機能を持つようには戻れないという。介護者がつぶれないように「訪問介護」、「デイ・サービス」、「ショート・ステイ」などを利用することだと結論付けている
。
これらのサービスはとっくに目一杯受けている。今の状況を「良し」とすべきなのであろう。
「痴呆性老人ネットワーク」
「痴呆性老人ネットワーク」を八王子市医師会がを立ち上げると言うことを知った。2月2日「市民公開講座:痴呆症の正しい理解のために」が開催される
というので聴講してきた。
聴講した結果について何らかの記録を残したい。
私の「痴呆症」の知識
<<「健忘」と「痴呆」の違い>>
<<脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆>>
脳卒中などにより脳の血管が詰まったり破れたりした結果、片麻痺、言語障害などを引き起こす。
加齢にともなう脳の老化によるボケと痴呆とは異なる。
分類 | 原因 | 男性 | 女性
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脳血管性痴呆 | 脳卒中など | 40% | 25%
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老年性痴呆 | アルツハイマー病 | 14% | 30%
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その他 | − | 6% | 9%
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分類不能 | − | 40% | 35%
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表の数値は昭和62年東京都に在住の65歳以上のひと約5000人を選び調査した。その中のいわゆるボケ156例の分類である。
数値から脳血管性痴呆は男性に多く、老年性痴呆は女性に多く発症している。
この資料によると、ボケ老人の出現率は、80歳を境に急増している。60歳代は1.5%程度、70歳代は5%程度、85歳を越えると男性は14%、女性は25%となっている。
痴呆は脳の病的障害による思考・記憶・判断などの知的能力に支障をきたす。症状の程度は「軽度」「中等度」「重度」に分けられ
徐々に進行する。
軽度 :自立した生活は出来るが、最近の事柄に対する記憶の障害が目立ってきて仕事などを続けられなくなる。
中等度:場所や時間が分からなくなり、古い記憶も失われる。徘徊や異常行動が始まり、自立が困難になってくる。
重度 :家族の名前や顔が分からなくなり会話も出来ない。失禁も見られ、末期は寝たきりになる。
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新聞記事「痴呆性老人ネットワーク」
読売新聞<<2003.1.15>>
痴呆症の高齢者の治療や介護で医療機関や福祉施設などが連携し合えるように八王子医師会は来月「八王子痴呆性老人ネットワーク(D−NET)」を発足させる。
専門医や空き病床などの情報をネット上で共有し、介護に悩む家族らの力になるのを目指す。(略)診断や治療などの対応に困った開業医が同ネットを通じ専門医に直接
相談したり、空き病床の情報などから入院・入所先を紹介したり痴呆症の治療や介護に対応する。同ネットに参加するのは約400人の開業医や勤務医、精神科病院などの
医療機関、老人保健施設や特別養護老人ホームなどの介護施設、ホームヘルパーや訪問看護、デイサービスなどの在宅介護の事業者など約500。
現在、医師会で情報を収集しデーターベース作りを進めており、早ければ来年3月までにホームページを開設予定で、一般の人もアクセスできるようにするそうだ。
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