オーキング
08. 3. 30
真春ハイク(生籐山〜陣馬高原下)    

念願の・・・
今日の最高所(1019m)、茅丸に立つ
山と高原地図の「高尾・陣馬」を参考にしている。
高尾、城山、景信、陣馬、・・・となじみの山が順に紹介されている。
石老山は今年1月に登った、石老山の前にこの生籐山のことが記されているが、順番が逆転したので気になっていた。
生籐山は上野原駅からバスで20分ほど行ったところから登りはじめる。暖かくなってからにしようと待っていた。
彼岸を過ぎ春本番の23日に出かけた。日曜日は避けたいと22日に予定していたが朝のふとん離れが悪かったのであきらめることになった。

地図によれば中央線上野原駅から石楯尾神社まで富士急山梨バスがある。
今は便利な世の中である、インターネットでバス会社のホームページを探せば時刻表と運賃が載っている。9時46分発でお終いらしい。

9時5分の大月行きの電車に乗る、前に座っている仕事に出かける雰囲気の横浜から来たという(わたしより年長らしい)おじさんが 「今の時間だと陣馬あたり?」と尋ねてくる。行き先を答えると、「あそこはさくらがきれいだよね」。 私は地図の解説に書いてあったので、そうらしいですねと返す。
ひとつ手前の藤野で降りるおじさんは「気をつけて」という言葉を残して行った。
上野原駅もはじめて下車する駅だ。谷あいの狭いところに駅があり、いろいろと工夫されている。
島式のホームだが、上り下り別々に改札口が設けられている。学校があるようなのでラッシュ時の学生をさばくためだろうか。
狭い駅前広場にはバスの並ぶ場所がない、停車する時間が少なくて済むようにダイヤが汲んであるのだろうか。

中年のハイカーが数人バスを待っている、ところがドンドン増えて30人以上になった。
うへっ、みんな同じ方向らしい。 谷底の駅前からバスはうなり声を上げて坂を上り市街地を通りぬけ、ふたたび坂道を登り続ける。
バスの中は先ほどのハイカーたちに貸し切られて、私は隅っこで外を眺めている。

3月23日に歩いたコース
石楯尾神社バス停→佐野川峠→甘草水→三国山→生籐山→茅丸→連行山→醍醐丸→和田峠→陣馬高原下バス停 (約21000歩)

石楯尾神社
20分で神社が見えてきた。
団体のハイカーさんに続いて下車し神社の境内をひとまわり。八世紀ころここの住人石村石楯物が反乱をおさえこの神社に祀られているようだ。
団体さんは準備運動のあとお話あいをやっている。
私はなるべく急いでその場を離れた。
狭い車道の先には彼岸桜だろうか馬酔木も春を感じさせる。

生籐山への指導標に従い林道と分れ山道に入る。
道の上にみかんが数十個転がっている。あたりにそれらしい木は見当たらない。
異常な風景に気味の悪さを感じる。

間伐中の杉林を登ります
杉林のなか、ジグザグを繰り返し登っていると、下の方から大勢の人の声が聞こえてくる。
先ほどの団体さんのようだ。多人数、女性がいることを考えればそう簡単に追いつかれはしないだろう。
山道は 先ほどの林道に出てふたたび山道に入る。「間伐中、通行に注意」の張り紙がある。
切り倒されたばかりの木材が斜面にイカダのように重なっている。
山村に育だち物心ついた頃を思い出す。
材木が山道のすぐそばまで来ている、今にも滑り襲ってくるかもしれない。

日本武尊が掘り当てた?甘草水
右に左にジグザグを繰り返していると、枯れた杉の葉に埋もれるように小さな石仏が座っている。
おそらく昔の人は林業の合間に念仏を唱えていたのだろう。

まもなくやや広い尾根道に出た。佐野川峠らしい。
それほど急な坂でもない尾根道は快適である、このあたりは4月終わり頃のサクラ並木がいいらしい。

やがてベンチのある開けた場所に出た、尾根道を外れたところに甘草水という湧水がある。
日本武尊が鉾で岩を突いたら水が湧き出し、難儀していた兵士の士気があがったという伝承があるそうだ。

三国山山頂はすぐそこ
私も休息して、大いに(?)元気を取り戻した。
木々の間から春の日差しを浴びながら尾根道を登りつづける。
10分少々で軍刀利神社への分岐に達した。
三国峠への道標にしたがいしばらく進むと登り口に石祠が祀られているピークが見えた。
登ったところが甲武相の国境の三国山(960m)である。ベンチがいくつかあり、奥のベンチから賑やかな”ご老人たち”の声が聞こえてくる。
山頂着11時45分、急に空腹感を覚える。眼下にゴルフ場、たぶん上野原CCが見えるベンチに腰を下ろして昼食とする。
神社があったふもとの上岩地区まで3.2km、生籐山は200m先、醍醐丸まで3.6kmと道標に記されている。
しばらくするとバスでご一緒だった団体さんが上がってきた。

ようやく生籐山・・・このあと
東に向かって尾根を下りふたたび登りを上がる、5,6分で生籐山(990m)だ。
山頂には狭くベンチがふたつ、標識が2本立っている。
中年の夫婦連れらしいハイカーが休憩している。
私はひとつの標識にカメラを乗せ自画像を撮影。アリバイ作りだ(?)
カメラを腰のホルダーに収めるとすぐに次へ向かう。
急な下りが待っていた。
登れば下りがある! しかし急な坂は神経を集中しなければならない。
ポールは役に立たない、木々に掴まりながら一歩一歩足を動かす。
今日一番の難所だ。この次ここへ来た時は巻こう。

最高所の茅丸から醍醐丸へ
尾根道を東に向かう。木に次のような警告文が貼り付けられていた。
「発砲危険! 近くにハイキング道路あり」 ハイカーも気をつけなきゃ。
ふたたび小高いピークが見えてきた茅丸だ。 先ほどの下りには懲りたが、一度は登っておこうと弾みをつけ登る。
本日のコースの中で最高峰・茅丸(1019m)、ここからの下りはそれ程でもなかった。
しばらくアップダウンを繰り返す。そのひとつに連行山の標識があった。
ようやく醍醐丸らしいピークの登りが見えてきた。”よし、登ったら休憩だ!” とひと踏ん張り。
しかし頂上には団体さんが休憩している。残念!!(和田峠まで1.6km)

間伐される杉の木 (醍醐丸から高岩山)
醍醐丸から南東に向かって杉林を下る。ここも杉を間伐中である。
切り出した杉は何に使うのだろう、住宅などの建材だろうか。

前の方に5,6人のパーティーが縦列で進んでいる。 「急行で〜す」と最後尾の人が叫んでいる、道が広がったところで先に行かせて貰う。
ただいま2時少し前、高岩山と地図に記されているが気がつかない。下る途中のピークなのだろうか。
まもなく林道に降り立った。和田峠は近い。
今日は日曜日だ、和田峠にはバイクやサイクリング車、車が駐車している。
高原下を発車するバス時刻は2時40分。普通に歩いてはギリギリかもしれない。
少し急ごう。


和田峠から高原下へ 急歩 急歩 急歩
先週登ってきたとき新道への分岐まで20分だった、ということは、そこまで20分以下で下れば何とか間に合う。
ときどきピッチを上げる。道は九十九折直ぐ下の下りがずいぶん下に見える。
歩いている人が数グループいた、急ぎ足で追い抜いていく。
チェックポイントの分岐点に達す、おおむね20分かかっている、ヤバイ。

さらにピッチを上げる。
民家が見えてきた、橋を渡る。バスがUターンしている音が聞こえてきた。
14時35分、間に合った。
バスはたちまち満員になった、途中のバス停は通過していった。心地よい疲れと満足感でウツラ、ウツラ。


ウオーキング