四方津駅前で・・・
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桂川を渡って
駅前のそれ程広いとはいえない広場に数台のタクシーが停まっている。 間を抜けて西に向かい中央線のガードをくぐり道なりに東に向かい川へ下っていく。 「大地峠・高柄山」と記された道標が分岐点に立てられているのはありがたい。 橋のすぐそばに遊漁について記した案内が立っている。私は漁、魚釣りなどやらないからあまり関心がない。 橋を渡り西に向かって緩やかな上り坂が続いている。 小さな祠も見える、道の左手の高台には石塔が並んでいる。 何だか知らない野草の花が無数に石垣に生えている。 ここにも山への道標が立てられ、ひとりで歩く者にはうれしい道案内である。 |
いよいよ登山口
車道から分かれて左へ向かって登っていく道がふたつあった。 その間の塚のような上に石塔が立っている、地図の解説書によれば”二十三夜尊の石仏を左に折れて・・・”と記されている。 石塔を眺めて左側の道へ向かう。 気がつかなかったが高柄山への立派な道標が目の上にあった。 緩やかな登りを続けているとおばあさんが歩いている、先ほど分岐のところで立ち話をしていたおひとりだ。 あいさつをして更に進んでいると中高年の男性ハイカーが歩いている。 「高柄山ですか」声をかけると、初めてだという。 私も初めてだと話ししばらくお喋りをしながら登り続ける、互いに名前を名乗らなかったので仮にAさんとしておこう。 知らない人と一緒というのもペースがわからず少々戸惑う、私は自分が汗をかきはじめていた。 男性は年長なのか年下なのだろうか、やがてふたりとも立ち止まり水分補給の休息をとる。 ここから私は先に歩くことにした。 |
高柄山の方角を望む・・・
しばらくひとりで先行する、道は多少一昨日の雨のためか柔らかいところがある。 道のまわりは雑木林が茂って木陰をくれるが、水分を含んでいるからだろうか蒸し暑い。汗ばんでくる。 私は登りはじめたばかりまだ体力も余裕があり花やその他の植物にも目をやりながら登り続ける。 ときどき藤の花やヤマツツジが単調な登りを慰めてくれる。 道端に石仏が立っている、よく見ると寛政六年と彫られているようである。 木々の間から山なみが見えてきた、たぶん目的の山なのだろう。まもなく武田信玄がここで休息したといわれたことから名づけられた「御座敷の松」の説明があった。 四方津駅を出て1時間半くらい経って大地林道が見えてきた。 |
大丸(730m)山頂で
林道を少し歩きふたたび山道に入る、10分くらい登ると大丸というピークに着いた。 途中でAさんと一緒になりこのピークでも休憩した。地図の解説には高柄山まで1時間かかると記されている。 ひと呼吸入れた後、私が先に下りはじめる。大丸の標高は730m、高柄山は733m。しかし間にはいくつかの突起と深い鞍部を越えなければならない。 まもなく先ほどの林道に降り立ち、さらに急勾配の下り道に入る、檜林に入るとロープが張ってある下りが続いて見える。 ピークを登れば次は下りが待っている、しかしもう少し緩やかな下りでもいいだろうに・・・、声にならない願望である。 ロープは緩んでいるから足元が滑ると体が大きく揺れる。 下り終えて鞍部に達するとふたたび登りがはじまる。名もないピークに高柄山への道標が立っている。 |
四方津ニュータウンを・・・
地図の解説には”高柄山までの標高差はほとんどないが、小さなコブの登り降りは肉体的にも精神的にも疲れる・・・”と書かれている。 私もここの急な下りには多少驚いた。逆コースだったらこの登りでは汗が吹き出るところだろう。 左手の木々の切れ間から四方津ニュータウンの街並みが青みがかって見える。駅からニュータウンまでのエスカレーターを囲った屋根がパイプのように思える。 狭い尾根道を下っていると千足峠に出た。 北側に下る道があるようだ、千足の集落を経て1時間少々で四方津駅に達するという。 今は歩くひとは少ないのかもしれない。 この峠は千足と金山の集落を結んでいたのだろうか。 15分ほど登り続けると高柄山の山頂に着いた。12時30分。 山頂には先客がいた、先ほど急ぎ足で通り過ぎた人らしい。 それにしてもAさんはなかなか登ってこない!! |
高柄山(733m)山頂
先客はまもなく道標が「鶴島・上野原」と指す北の方へ下っていった。 おにぎりを食べているとAさんが登ってきた。 ゆるい登り道を探してまわってきたと言う。 Aさんは自製のおにぎりだそうだ。 ”狭い山頂ではゆずりあって喜びを分かち合いたい・・・”と書かれているまでもなく今日の山頂はハイカーが私たちふたり、かなり広くゆとりの時間を過ごせる。 混雑する時は座る場所を確保するのも大変だろう。 まもなくAさんが先に下っていった。 赤いトタン屋根だったであろう小さな祠や東側の眺めを見まわしたりした後下山の準備をはじめる。 1時10分出発。 |
"疲れの後に" 樹齢700年のムクノキで癒される
30分ほどで新矢野根峠につく。ゴルフ場ができたため登山道が付け替えられ矢野根峠からは通れないという。 ここの屋根付きのベンチに座ってAさんとしばらくおしゃべりをする。 Aさんはバイクにも乗るらしいが、山行と同じように群れないで独行だそうだ。 10分の休憩のあと私が先に下るこ。 このあとAさんとは会うことはなかった、互いに気遣うことも無くそれでよかったのだろう。 一気に沢まで下ったが、沢を渡ると道は小さなジグザグを繰り返しながら二つほどのピークを登る。 気持ちの中では”下りなのに登るのか!”。 ここは非常にタイアドであった。 山腹を巻いている狭い山道を進むとやがて林道に降りた。 林道は鶴島の集落に続いている。 琴平神社の前を左に折れて民家の間を歩いていると一本の巨木が見えてきた。 樹齢700年、お生まれは鎌倉時代!! さすがに長寿の様相である。 疲れも一遍に吹き飛んだ。 |
ウオーキング
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