オーキング
08. 6. 22
初夏っハイク(倉岳山・高畑山)    

無人の梁川駅から・・・
倉岳山(左)と高畑山(右)
 この日14日は桂川南岸の倉岳山(990m)から高畑山(981m)をめざした。
 先週と同じ高尾駅9時05分発に乗る、そして同じように四方津駅で特急とお座敷快速の通過を見送る。

遠くから見ると同じように見えていてもそれぞれ違う。倉岳山は沢道の部分が多い、そのためガレキが多く水量の多い沢を渡りながらの登りは緊張感が必要だった。
 大月市の道標が要所要所に設けられていて迷うことはなかった。

しかし「この先足下注意」の標識があり、わたしはそれを見ながら注意していたつもりであったが滑り落ちた。
初めてのトラブルである。 
 一瞬何が起きたかわからなかった。2m弱滑っただろうか、幸い途中で止まったようだ。眼鏡はすっ飛んでしまい、目の前の土のあたりにフレームが曲がって転がっていた。下を見ると沢に大きな石ころが見える。”あそこまで一気に滑っていたら骨折していたかもしれない”
 見上げると頭の上50cmくらいに山道がある。 右手に持っていたポールを木の幹のところにおいて、左足を崖の潅木の根本に確保し上の木に掴まり山道に上がることができた。
下まで滑っていたら・・・、もしかして骨折していたら・・・、動けなかったら・・・、ケータイが通じなかったら・・・。 地方版に小さく「高齢者、倉岳山で遭難」なんて小さく載っていたかもしれない。
擦り傷以外になさそう、持ち物も落としていない、ヤレヤレである。

6月14日に歩いたコース
梁川駅→登山口→立野峠→倉岳山→穴路峠→高畑山→石仏→鳥沢駅(約26000歩)

倉岳山への登山口
 9時45分に無人の梁川駅を降りる、ハイカーは私を含め3〜4人いた。甲州街道を横断し桂川に架かる梁川大橋へ下っていく。    ひとりは青年のようだ、一人は同じくらいの年配、三人目は別の方向だろうか見当たらない。
 どうやら三人とも倉岳山に向かうようだ。 私は同年配の男性に声をかけ倉岳山かと尋ねる。
梁川大橋から深い桂川を覗く、水が川底の岩に砕けしぶきが見える。
 立野の集落を横に見ながら緩やかな林道を上っていく。
いくたびか曲がり民家がなくなり遠くに倉岳山らしき姿を望む。
やがて登山口に着くと青年が先に登っていった、続いて私が歩き始めた。
 あたりは雑木林から杉の樹林帯に変わり、小さな沢が見える。 その月夜根沢もやがて水量が多くなり岩肌に砕け音を立てて流れている。

倉岳山頂からの眺めはすばらしい
 このあとも幾度か沢を渡り返して上っていくが、沢の岩に降りるのも身構える、飛び石伝いに水量の多い沢を渡るのも気合が入る。
 「ここから恩賜林」の表示がある。山道のところどころに恩の文字が彫られた石標、コンクリート標が眼に入る。1911年に明治天皇から下賜されたものだそうだ。
 11時17分水場に到着。 立野峠まで15分、倉岳山まで50分と書かれている。
長いジグザクを繰り返し樹林帯を抜けると立野峠に着いた。
尾根道をアップダウンの後最後に急登して山頂に着く。  人気の山らしく20人ぐらいが食事中だった。

高畑山頂から南を望む・・・
 私は昼食が終わると賑わいの山頂を後にした。 高畑山まで小1時間かかるらしい。
 頂のあとは急降下、一瞬立ち止まり足をどこに置くか考える。 ポールをさらに長めにセットし体を支える。
小さなアップダウンのあと穴路峠に下り立つ。 ここはむかし秋山村と大月市の集落を結ぶ生活、文化が行きかったところだそうだ。「峠道文化の森」という案内板が立っていた。
 高畑山へ向かう尾根道を登ろうとすると、10人くらいの団体さんが下ってきた。 峠道文化を訪ねているらしいシニアの方々のようだ、先生らしい人が説明をしていた。
 右手の方が開けた場所に出た、遠くに百蔵山と扇山が連なって見え、振り返ると倉岳山がすぐ近くにある。
ピークを登ると天神山(876m)の標識があった。
 ガレキに気をつけながら登り雛鶴峠への分岐を過ぎひと登りすると高畑山に着く。 山頂にはお年寄りと女性たち5,6人がいた。
 ここから下りばかり汗びっしょりの肌着、靴下を交換する。 ひとりの高齢の方が小篠の方に下っていく。
しばらくして誰もいなくなった山頂を後にした。 13時45分

分岐の石仏
 小篠への下りはそれほど急降下と感じるところはない。 中年の男性がひとり登ってくる。
 ジグザグを繰り返しあたりが雑木林から竹林へと変わっていく。 道幅は狭く山腹は斜めになっておりザレたところは滑りやすい。
 高畑山での高齢の方に追いついた、おそらく古希は過ぎているようだ、何歳になってもこのようなところに来られるのはすばらしいと思う。 それなりの精神力が必要かもしれない。 そう思いながら先に行かせてもらう。
 山頂を出発して40分、穴路峠へ登る道との分岐に下り立った。 傍らに風化した石仏らしいのが立てられている。 表面は何が彫られているのか良くわからない。 地図には石仏と記されている。

オシノ沢を下り続けます・・・
 樹木が生い茂り薄暗い緩やかな下りを進んでいると沢に出て来た。 地図にはオシノ沢と書かれている。
 沢は左の方に別れたが、山道もかなりガレキで水が流れている。 前方に人が歩いているようだ。
着ている物から梁川大橋で声をかけた人のようだ、伺うと私と同じ町から来たという。
ひとりで静かに歩くのがお好きなようだ。 

単独行よりグループの方が賑やかでいいが、マイペースで休みたいところで休み、カメラを向けることができる方がいい。 まして初めて出会った人と歩くのはペースもわからない、止めた方が賢明だと思う。
私は速度を上げた。

小篠貯水池は・・・
 沢の下流に池が見えてきた水面が濃い緑色の周りの木々を映している。 小篠貯水池である。
 さらに下ると堰堤が見え人造のものだとわかるが、あたりの静けさ、人が いる様子もなく自然のままのような美しさにしばらく見とれてしまう。
 堰堤の脇の水門らしきところから水が勢いよく流れている。
 登りの月夜根沢といいここの小篠沢といい水量が多い、富士山の伏流水のことを聞いたことがあるが、 ここらの沢の水もそのようなものだろうか。

 桂川に架かる虹吹橋を渡って甲州街道まで緩やかな舗装道を上がっていく。 振り返ると倉岳山と高畑山が並んで見える。

先週より少し早く・・・
 甲州街道に出てから西の鳥沢駅に向かいややしばらく歩く。 駅前のコンビニに入り先週と同じものを手にする。
3時20分駅着、31分の東京行きの快速に乗車。 今日はちょっと気の緩みがあったと反省しなければならない。


ウオーキング