さてと、
「本当に帰れるのかなぁ・・・」
「でも帰れないとは、言われていないから 予定通り、飛行機は飛ぶんじゃない?」
「そうだよね・・・とりあえず直行便だし・・・」 といまいち説得力に欠ける会話をするが、とりあえず予定通り帰れる という前提で行動することに (なんとなく) なった。
「それじゃあ、町まで出てお土産でも物色してくるか」
不発
もともとショッピングしにパラオにまで来たわけでもなく、またパラオもそういった物産は皆無といっていいほど何もない (失礼!) ということで ぶらぶらした割には、疲れただけでほとんど収穫物はなかった。
おまけに、楽しみにしていた昼食もレストランを発見できず、不発に終わって疲れがどっと増した。
昨年と違って、バスがある! という話をしたが、もうひとつ大きなものに 「地球の歩き方」 が出版されたことがある。 いままでは、ガイドブックなるものがほとんどなかったパラオにおいて、画期的である。 しかし、反面これは観光化が進み、観光客がどっと訪れる 前兆でもある。 観光地には、適切なキャパがあると思う。 そのキャパシティの判断を誤り、より多くの観光客を受け入れてしまった観光地に未来はない。
パラオは、そうなってはいけない。
あっという間に夜
とりあえず、地ビールのレッドルースターとパラオ産(らしき)胡椒、(唯一の)パラオ産(と言っている)クッキーを入手し、 「まあ、これでよしとしよう」
気を取り直して、夕食へGO!
本日は、「美登寿司」。 パラオまで来て、すしかい! と怒られそうだが、パラワン(パラオの人々)は、商売っけがないのか、日本人が商売根性がありすぎるのか、日本人経営の店が多いのである。
すし屋に来ても、ありきたりのネタではつまらない。ということで、「ナポレオンフィッシュの薄造り」、「シャコ貝の刺身」、「パラオ卷(えび、トビコなどが入ったものでおいしかった!)」 などを注文。 ナポレオンフィッシュは、鯛と平目を足して2で割ったような味?で、日本人好みの味である。 シャコ貝は、絶滅危惧種であったのだが、ここパラオで養殖に成功し、安心して食べられるようになってきた(らしい)。
「いいよ、いいよ! そのぐらい」
満腹になった腹をさすりながら、ホテルへ着くと、やはり何も連絡がない。 ということは、なんとか予定通り帰れると考えてよさそうである。 ニュースを見ていても、「本日より、一部の地域を除いて離着陸許可を出す」 といっている。 直行便の我々は、米国領土の上を 「かする」 のみである、これぐらいなら許してくれるだろう。
といっていたら、電話が鳴り 「予定通りロビーに集合してください」 と連絡が来た。 「ほっと」 胸をなでおろす。
「Zzzzzzz・・・」
夜というより、未明(朝4時)のフライトなので、飛行機の中ではぐっすりと寝たい。なのに、貧乏性の私は 食事を出されると、ついつい食べねば、という気持ちになってしまい起きてしまうのだ。
それでもなんだかんだ言って、知らぬ間に熟睡していた。
「まもなく、着陸態勢に・・・・」 のアナウンスで目が覚める。 そして、お詫びのアナウンスが、
「本機は、定刻より15分ほど遅れて到着しましたことを・・・」
「いいよ、いいよ! 15分くらい!」 と後席で声が、
見ると、サンセットクルーズで一緒になった。2日間帰れなかった(今日を入れると合計3日帰れなかった)2人が座っていた。
わしらも思わず 「んだ、んだ 」 と相槌を打つのであった。
(おしまい)
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