＜その１＞
本書より気になった対談者達の発言を要約して紹介すると共に、私のコメントを付してみたい。

◆田原「東日本大震災は第三の敗戦だ。大自然が人間に問うた強烈な警告じゃないかと思う。」
こういった類のコメントを出す識者は多いが私には違和感がある。 一つには過去の津波のデータから考えると、きちんと対応を考えておけば被害をここまで大きくしなくても済んだという点である。相手が大自然だから仕方が無いという発想には納得できない。 二つ目はこの社会には、もっともっと大きな問題があるということである。確かに死亡者は２万人近くに上るが、死亡者人数から言えば毎年自殺者は３万人超、交通事故死亡者は推定だが約１０万人。こちらの方がもっともっと大きな悲劇なのである。