00/09/16「トンネルを抜けたらそこは一面の…」

水溜りだった。

翌朝,明るくなって目がさめたら道路で寝ていた。

カメラバッグ…あった。

傘…ない。

眼鏡…ないぞ。

雨に濡れるな…ちょっと屋根の有るところに行こう…
 
 

次に目が醒めたとき,大体午前9時前後だった。今度は正気である。

カメラ…ある。レンズ…ある。フィルム…あった。現金(約9万円相当)…よかった,あった。
でも…げ,財布がない。
眼鏡…もないぞ。それから…なに?カメラのストロボがケースごとない。

まいった。

大体こう言うときは,財布なんて出てくるものではない。

寝ていた場所は…チョンノ3街の駅のそば,チョンノに面したところ。

慌てて,かすかな記憶をたどり,最初に気づいた場所のあたりを見に行くが眼鏡も無し,ストロボもなし,財布も無し。

通りを曲がったところにあるコンビニで傘を買い,そこから宿に戻る。とりあえず疲れた。眠い。カードの申告は紛失後24時間は遡ってくれるのでまだ余裕がある。とにかく疲れているのと服がびしょぬれなのでそれをなんとかしたい。

宿に戻ると,フロントのおばちゃんが

「夕べは戻らなかったけど何があったんですか?」

と尋ねてくる。

「友達と飲みにいったんだ」

と答え,とりあえず数時間寝る。

昼過ぎに起き出し,夕べ一緒だった友人に電話,最初の3軒に財布・ストロボの忘れ物を確認してもらう。そもそも,2軒目まではストロボは確実にあったので,無くしたとしたら3・4軒目以降のはずなのだ。

…1時間ほどして連絡。やっぱり無い。4軒目は,友人も大体の地域と店の名前しかわからないという。それをメモし,とりあえず,一番近い交番へと向かい,これまたとりあえず,紛失届を作成する。この時点では,盗難なのか紛失なのか自信がなかったためである。(写真は,この翌日(2000/09/17)昼間撮影した,僕が届け出たチョンノ2街派出所:タプコル公園すぐ脇)

Pentax LX, SMC-P M35/2.8, F8, RAP

この時対応してくれた婦警さんがめちゃくちゃ美人だったんで,もし,こういうことで来ているんじゃなければ,つい写真を撮っていただろう…(恥)

なんとかかんとか書類を作成し,その後,最後に行った店を探しに,「マポ」へと繰り出す。すでに夕方で,小雨が降る中,30分くらい歩くが見つからない。

そのとき,ふとひらめいて,派出所に行けば飲み屋は押さえているだろう,と思いつく。

案の定であった。巡回中のパトカーを呼び出してくれ,あげくの果てに,そのパトカーに乗って,警官2名を伴ってお店に入る・・・
異様な感じではあったが,結局そこにも無し。やむを得ず,そのまま宿に戻る。

この日は,まず日本へと電話:弟がつかまらず,妹を捕まえる。紛失したクレジットカード4枚,キャッシュカード1枚。なんとか妹に連絡先をしらべてもらう。こんなところで,アメリカ時代に車から荷物を盗まれてカードを止めた経験が役にたとうとは・・・

いかな電話代が安い韓国とはいえ,日本への国際電話で,しかも,受け付けで待ちが入る状況では,あっという間にテレカの度数が減っていく。慌ててテレカを買い出しに行くが,途中で,これらのカード停止のサービスは,コレクトコールがあることを知らされる。(それでもカードはトータルで約2000円分は使った)

すべてのカードを停止したのは午後11時頃。宿に公衆電話がなく,近所の銀行のロビーの公衆を無理やり借りての停止処理。

宿に戻り,残りの日程と残金の使い道を考える。ぎりぎりだ。こうなると,前日購入したレンズの値段も痛い。

結局,翌日,知人から現金を借りることとし,この日は就寝。(あとで気づいたが,この日台風が去ったらしい)

あ,この日はさすがに1枚も写真を撮影せず。それくらい精神的にダメージを食らってしまった。前半はほんとに不調だった…

おっと,予告のようになるが,この後,思わぬ展開を示すのは,翌日の夕方のことなのである。

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