00/09/18「食の都,全州へ」

このページのタイトルを「しょくのみやこ」として,変換したら,こともあろうか「色の都」と出てしまった。

それはさておき,ソウルから全州へ移動する。

ソウルの宿を出る前,戻ってからの部屋も確保する。というのは,予算の関係もあり,他のホテルに移るのはどうか,と思われたため。また,一応部屋に電話はあるし,ダイヤルアップするにもこまらないのだ。

宿を出発したのは午前10時。快晴である。なぜ10時か?もっと早く起きられたので,早い時間でもよかったが,現地の通勤時間をさけて,地下鉄で移動するため出発を遅らせたのだ。

全州まではバスに載ってからでも,約3時間の道のり。バスターミナルについてから,切符買いと,出発待ちもあるので,早くても4時間後の到着となる。それまで食事を我慢はできないので,まずは腹ごしらえ。宿からチョンノ3街駅に行く途中の中華料理屋にて,チャジャンミョンを食す。

ターミナルにつき,一つ次の優等バス(ウドゥンポス)の切符を購入,あとは出発まで荷物を見張りながらターミナルの情景をスナップする。バスの出発は12時。

…途中,つつがなく,バスは全州に到着。休憩所では,ハンバーガーを食べた気がする。

全州に来るのは,9年ぶりで,2度目となる。前回は91年の12月,真冬にふらふらうろつきまわり,最後には発熱してソウルに戻った記憶と,コンナムルクッパのおいしさが忘れられない。

バスを降り,タクシーにのって,中心街にある「ハンソンホテル旅館」に向かう。これは「地球の歩き方」からの情報で,宿代は5000ウォン上がって30000ウォンとなっていた。結構広い部屋だったと思う。

ちょっと横になったあと,夕陽が沈むまで写真を撮りに出かける。宿を出たのが大体午後4時頃で,結果としてこのあと3時間ほどで6本強を撮影したようである。

Pentax LX, SMC-P M35/2.8, Av 8, RDP III +1
夕方5時をすぎているので,結構日が傾いている。場所は,慶基殿の前あたり。もうちょっと影が長くなった瞬間を撮れば良かった…と後でいつも思う。

平日の夕方であるから,当然下校する学生が多い。しかも,全州では,まずセーラー服を見たのだった…
EOS-1v, EF135/2L, Av2.8 (RDP III)
うーん,左下隅のセーラー服がなければ結構良いスナップかと思ったんですが。残念。トリミングするか?撮影時刻は午後5時20分。なぜわかるか?というと,今回から使っているカメラ,内部に撮影データが残るのだが,その記録時間を見ているだけなのである。しかし,これは結構便利で,後から色々思い出すのにも役立っている。

このあと,ガイドブックによれば,この角を入ったところに女子中・高があるようなのだが,この状態では完全に日陰…一応前を通って,さらに先の韓屋街を目指すが,途中,学生相手と思われるこぎれいな中華料理屋(また!)で,チャプチェトッパプ(春雨いため丼)を食す。

さすがに9年間という歳月で,前回の記憶などほとんど残っていないが,街を歩いていると,ちょうど10年前のソウルのような雰囲気を感じる。また,繁華街の中央から道一本入っていくと,それだけで上の背景のような民家が登場する。観光写真はとれないかもしれないが,普通の地方都市と,大き目の繁華街…そういう雰囲気を味わうには,この全州が丁度良い大きさかもしれない。

さて,前述の韓屋街を通り,郷校(ヒャンギョ・朝鮮時代の儒教の学校)を通り,遠回りして中心部に向かう。

こうやって書いていると,非常に順調に,楽しく写真を撮っていたように思われるかもしれないが,あまり気分が乗ってこなかったのである。なぜか?

…実は眼鏡が無いためなのだ。なぜ困るかというと
 

  1. ランドマークを見つけづらい。ソウルならまだしも,9年ぶりの町,初めての宿。帰り道すらおぼつかない。ましてや地図は地球の歩き方である(笑)
  2. 被写体を見つけづらい。これは致命傷ではないか?
  3. こまかなフレーミングや,MFカメラの場合毎回フォーカスをあわせるのが大変で,楽をしようとしてしまう(カメラが好きな方へ:パンフォーカスってやつです)
幸いにも,持っていったカメラの1台は視度補正がついていて,僕の裸眼でも十分にはっきり見えるまでの調整が出来た(EOS-1v)が,残り2台はまったく出来ない(EOS-3)か,不充分か(LX)なのである。実際,どうしても確認したい標識など,望遠をつけたカメラを見て確認したほどである。(裸眼視力は,右0.4〜0.5+弱乱視,左0.6程度なので,見えないというほどではないのだが)

このことを考え出したのは,このページ1枚目の写真を撮った場所を逆方向に通りすぎた頃。そのまままっすぐ豊南門に向かい,商店街の間を進んで行く。

頭の中は葛藤している。
何をしに韓国に来たのか?→写真を撮るため。
写真を撮れる状態か?→撮れないことはない。
楽しいか?→眼鏡がなくてつらい。
眼鏡を買えるか?→旅行も前半で,手持ちで足りるかどうかまだ不安。
眼鏡無しで目的達成できるのか?→中と半端だろう。

それでも,ペンタックスにつけているレンズを50mm f/1.4に交換したところで,
「あかん,こりゃピント合わせられんわい」
と結論が出る。

そうなると,さっきまで,通りすぎてきた眼鏡屋が,ぱったりと途絶えてしまう。

…時計屋…宝石屋…スポーツ品店…

『よし,次に見つけたお店で,「一番安く作ると幾ら?」と聞いて,6千円くらいまでなら作ってしまおう』

みつけたお店で,質問する。店主にとっては,変な外国人もいいところ。それでも「3万ウォン(3000円)」という答。これには僕も驚く。時間も15分という。

二つ返事でお願いし,数日振りに明瞭な視界を手にする。

この後,復活した視界を楽しみながら,屋台やブティック類が多い,宿の周囲まで戻る。
Pentax LX, SMC-P A50/1.4, Av 1.4, +1EV,  RDP III (+1)

どうでも良いが,全州って女性が多いような気がするのは錯覚だろうか?

夕食は宿のそばで,手打ちうどん(韓国風)。オリンピックを見ながら就寝。翌日は南原(ナムウォン)である。

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