Waltz for Debby/Bill Evans

これでアルバム紹介も4枚めで、ここまでは、はまった順番の記載となっている。次のカンスージーまではまず駆け足で年代順にいって、その後各論に、というか、気が向いたものから書いてみようかと思う。

Bill Evansにはまったのは比較的最近だと言えると思う。とはいえ、2、3年ではなく、12、3年位の出来事か。日本はCDに関しては非常に恵まれた国で、一時他の国になくても日本盤なら出ているという事態が、特にジャズCDに関しては多かったのではないかと思う。二つ前の歌謡曲のところで書いたとおり、しばらくは自分のところでテープを作ることはできなかったのだが、大学院に入ってバイトと奨学金とで、ある程度生活も潤い(苦笑)徐々に耐久消費財を購入できるようになった。最初にかったのがベータのビデオデッキなのだが、この話はまた別の機会に。次に買ったのがレーザーディスクとCDのコンパチプレーヤーだった。

最初に買ったCDは確かキースジャレットの星影のステラライブだったと思う。86年頃の話である。高校時代のなごりでジャズは元々好きだったのだけれど、CDプレイヤーを買うことでその熱が再燃(?)したとも言える。時期的には85〜86年はCDが一気に普及していった時期で、それにあわせてさまざまなアルバムがCDフォーマットで再発されていった。中でもビルエバンスは JVC のジャズ音源の中でも確実に売れるプレイヤーの一人であり、続々と再発され、比較的早い時期にリバーサイド・コンプリートレコーディングなど、コレクター心をくすぐるラインナップとなっていったと思う。

で、掲題の Waltz for Debby であるが、これはエバンスがスコットラファロというベーシストと吹き込んだ4枚の内の最後の1枚である。この二人にポールモチアンを含んだトリオが、ジャズピアノトリオというフォーマットに残した影響についてはいろんなところで語られているから、とりあえず今回は省略。自分でCDを買う前にも、きっとどこかのジャズ喫茶などで聞いたことがあったに違いない。が、聞き込んだといえるのは86年にCDで購入してからの事である。

一曲めが My Foolish Heart という甘いバラードで始まる。このアルバムの魅力というのは色々あると思うのだが、私にとっては、最初のピアノの単音二つ→シンバル→ベースと入ってくる、出だしの部分が魅力点の一つである。忙しいときなどはここだけ聞いて止める事もあるくらい。ここだけで、また、このアルバムだと分かってしまう訳で、ジャズ喫茶などでかかったときには、一瞬ピクリと反応してしまうのだが。

それで、次がタイトルトラックの Waltz for Debbyなのである。このラファロの演奏と、枯葉の演奏でファンになったと言っても良いと思う。おそらくマイクを立ててとっているのだと思うけど、最近の録音では感じられない「太さ」がある。僕は楽器のセッティング(弦高が高いと思っていたのだがそうでもないらしい)とプレイのせいかとも思っていたのだけれど。

これを聞き込んでいた頃から、まわりの仲間とジャズとは?という模索を始める。最初はコピーだったな。ピアノを弾いていた I さんは、その後アメリカに転勤になり、そこでもピアノを習ったらしい。私はそこまでジャズに入れ込んではいかなかったのだけど、それでもスタンダードのコードチャートをもらって、それっぽく弾くくらいの雰囲気練習というのはちょっと位は、やったと言えると思う。

このちょっと位というのが問題で、あきるまではやっていないのがダメなのである。不真面目ではなかったけれど、まじめにとはかけない程度の練習量。これではいかん。で、5年位はずーっと、バンドするときはモダンジャズというような状況が続いたのだが・・・今でも好きよ、ジャズピアノ。

そのうち、なんか、別のこともやりたいぞ、と思いはじめていた頃、次に予定しているカンスージーに出会ってしまった訳だ。その辺の事情は次編で記してみよう。
 

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