書名:眠狂四郎異端状
著者:柴田錬三郎
発行所:新潮文庫
発行年月日:2007/12/20
定価:819 円+税
大飢餓に苦しむ秋田藩は、清国の偽銀貨を鋳造して、それで清国からお米を買うという密貿易を企てる。その動きを察知した水野越前守忠邦の側用人、武部仙十郎は、秋田藩を利用してアヘンの密輸によって、忠邦が閣老主座を手にするために軍資金を捻出しようと計る。こんな状況の中眠狂四郎がこの渦の中で動き回って、清国まで行くという日本だけではなくシナ海を行く眠狂四郎の生涯の危機を描く。この異端状は眠狂四郎シリーズは最終章となる。これでシリーズはお仕舞いとなった作品。このニヒルな今までのヒーロー像とは全く違った主人公を作者は100話位で死ぬことにする予定だったとか?眠狂四郎よりはやく柴田錬三郎の方が先に亡くなってしまった。物語の登場人物が作者亡き後、一人歩きしている感じ。まだまだ眠狂四郎は面白い。