書名:三人吉三
著者:鈴木輝一郎
発行所:双葉社
発行年月日:2002/6/25
ページ:363頁
定価:1800 円+税
これも歌舞伎でお馴染みの三人吉三。原作は河竹黙阿弥ですが、この本はかなりストーリーは違っています。「明日に向かって撃て」と参考に「明日もおじたぁつまるめぇ」と御坊吉三、お嬢吉三、和尚吉三の三人吉三が、綱吉の世に、幕府のやり方に怒りを、火付け、おいぬ様殺害を江戸の街々ではじめる。パロディ風の物語です。実際に本当に居たらこまる3人ですが、物語、芝居の中では面白い試みです。歌舞伎もたまには見てみたい。
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三人吉三の台詞
月も朧に白魚の 篝(かがり)もかすむ 春の空
冷てえ風にほろ酔いの 心持ちよくうかうかと
浮かれ烏(からす)のただ一羽 ねぐらへ帰る川端で
竿の雫か濡れ手で粟 思いがけなく手にいる百両
(呼び声)おん厄払いましょう、厄おとし
ほんに今夜は節分か
西の海より川の中 落ちた夜鷹は厄落とし
豆だくさんに一文の 銭と違って金包み
こいつは春から 縁起がいいわえ