書名:ネット・バカ
インターネットがわたしたちの脳にしていること
著者:ニコラス・G・カー
訳者:篠儀 直子
発行所:青土社
発行年月日:2010/7/30
ページ:359頁
定価:2200円+税
昨年の秋に図書館に予約をしておいた「ネット・バカ」をようやく借りることが出来た。買って読むほどの本でもない。でもちょっと興味があると言った感じで気軽に予約しておいた。読んでみてなかなか面白い。インターネットのハイパーリンク、HPにはリンクがある。ホームページを読むという行為はリンクを辿って、さも判りやすい。理解していると思えるように見えるが、一つの論文、本を集中して読み、次に他の論文、本を読んだ方がずっと理解も出来るし、記憶にものこる。
インターネットのホームページは最初の数行、中の行、最後の行を拾い読み、そしてリンクへ飛ぶという読み方をしている。脳に対して刺激、認識機能には刺激的ですが、深い深い読みや、じっくり考える、集中して考えるということが出来なくなってくる。インターネットのメリットとデメリットを歴史を踏まえながらじっくりと説明している。ラジオ、テレビが出現したときもやっぱり本はもう要らなくなるという危機があった。インターネットで本は要らなくなるという説もあるが、この本を読むとインターネットだけでは深い思惑、創造的な行動などはやっぱり無理。ネット・バカになる。
今この世に存在する人達の中で比較的高齢の人は、本をじっくり読んできた経験が多いので、今のインターネットの中をリンクを辿っても理解が出来るが、若い人が本も読まず、論文も読まず、インターネットだけとしたら非常に怖い世界になるように思う。インターネットに有ることを鵜呑みにしてそれ以外は信じない。とんでもないことが起こりそうです。何事もほどほどにということが、普遍的な考え方かなと思います。