書名:刑事の骨
著者:永瀬 隼介
発行所:文藝春秋
発行年月日:2011/6/20
ページ:379頁
定価:1700円+税
連続幼児殺人事件の捜査本部を指揮する不破は、同期の落ちこぼれ警察官(高尾の巡査)田村の失敗(犯人を見つけたにも関わらず、逃げられ拳銃を発射するも規則道理の打ち方で、逃してしまった)
その不適切な処置、指令を巡ってマスコミに暴露され、不破は捜査一課の刑事を追放される。そして事件は時効になってしまう。17年後、定年退職した田村が不破を訪ねてくる、酔っていて田村の話したいことも殆ど聞くことなく別れてしまった。その夜、田村は新宿歌舞伎町のビルの屋上から転落死する。警察は自殺と断定するが不破は納得出来ない。田村の家族(医者の息子)は妻も亡くしてガンで余命が短い。ので将来を悲観して自殺したのではないかと自殺に納得しているようだ。
その後気になって田村の身辺調査をしていくと若い頃失敗した連続幼児殺人事件の犯人を一人追っていたことが判った。不破も田村の意志をついで捜査に乗り出す。4人の被害者の父親、母親を訪ね、その当時目撃者は田村だけだと思われていたが、他に高校生がいたことが判る。目撃者(当時高校生)に出会うことによって少し展望が開けてくる。不破はノンキャリアで同期では出世した辣腕刑事、この事件で全く出世からは縁がなくなった。
行き詰まる迫力で犯人に迫る。そして当時、出世した不破に嫉妬していたキャリア、署内の面々が事件をうやむやにしていたと言う事実が見えてくる。警察内部の深い闇に迫る作品。警察物語とでも言った作品か?