32GTRのころ1
改造車の最初は、再登場した32Rでした。平成元年の4月でしたか、それまでは
プレリュードさんでしたので、そのGTRのボデイの大きいこと大きいこと。その時
には、すでに車のチューニングの心積もりがありましたので、納車して、すぐに
奈良のHKS関西という車屋さんに持って行きました。HKS関西の場所もちゃんと
調べておいたのですが、そういうお店は全く初めてでしたので、コワイコワイ
おにいさん達がいるかもしれないので、仲良しの友人に、一緒に付いて来てもらい
ました。でも、道がとっても分かり難くて、名阪国道の最寄りインター「小倉」を
とっくに通り過ぎてしまい、行けども行けどもありません。分かり難い。やっと
到着したその店は、なんというか・・・、まず貧相な造りの町工場という感じで
ありまして、第一印象はなんだかちょい悪しでしたのね。運悪くちょうどその日は、
二日酔いで、ゲロゲロ状態なのも手伝って、いいのかなーホントにこんなとこに
頼んじゃって、暗ぁい・・・と思いながらも、ゲロゲロ、おえぇぇーっ。
しかし、店の中には、雑誌でよく見た顔がありました。
「向井さんですかあ?」
「ああ、どうも」
「お願いします」
「じゃあ、西窪君、君がお伺いして」
てなかんじで・・・、なんだ事務的な態度なの・・・。
西窪ちゃんの聞き取りは慎重でしたな。
「最初は少しずつステップアップしていかれればどうでしょうか?」
てな具合です。
最初からタービン交換までやってしまおうと考えていましたので「いや、
あのね。もうちょっと、なんとか・・・」っていう感じで、内気な私は、
うまく自分の意志を伝えられませんでした。まあ、そんなこんなで一通りの
メニューを作ってもらいました。その時に気に入ったのは、なんと、HKS
関西ではお客さん毎に、車の「カルテ」を作ってたのです。これには驚いた
とともに、見かけよりもちゃんとしてるんじゃないかなと見直したのです。
その後も店に行くたびに、いろいろ見直すところがあり、かえって感心する
ことしきりでした。しかし最初の1000kmの慣らし運転の永かったこと。やっと
慣らしを終えて、意気揚々と店に持ち込みました。1週間でしたか2週間
でしたか忘れましたが、出来上がりを取りに行ったときは、そりゃあもう
興奮しましたねえー。帰りの名阪(国道)では、まさに目が覚めました、
ハハハ。その時はアクセルを踏み込めば、いくらでも加速するような気が
しましたし、スピードもどんどん出るように感じました。中年のあぶない
おもちゃでしたな。