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《12月11日(土)》

 今日はてっちりをいただきやした。うーむ、やっぱふぐはいいねぇ。

 夕食前に何をしていたかというと、久しぶりに中古盤屋をふらふらと覗いていたり。
 まぁ、本日の収穫はいまいちでしたわ。プライマル・スクリームなんかをちょぼちょぼと。

 そうそう、こないだ発見してうはうは言ってたトラヴェリング・ウィルベリーズを、あっさり見かける今日この頃。
 「苦労して手に入れたCDは、手に入れた後はやたらと見かける」という法則ですかね。

 で、他のプライマルズのアルバムなんかも引っぱり出して聴いてるわけですが、酔っぱらってるときに聴くプライマルズはサイコーですな。うーむ、トリップトリップ。

 最近買ったCDの感想でも書きましょうか。これは新品で買いましたが。

フィオナ・アップル
『WHEN THE PAWN HITS THE CONFLICTS HE THINKS LIKE A KING WHAT HE KNOWS THROWS THE BLOWS WHEN HE GOES TO THE FIGHT AND HE'LL WIN THE WHOLE THING 'FORE HE ENTERS THE RING THERE'S NO BODY TO BATTER WHEN YOUR MIND IS YOUR MIGHT SO WHEN YOU GO SOLO , YOU HOLD YOUR OWN HAND AND REMEMBER THAT DEPTH IS THE GREATEST OF HEIGHTS AND IF YOU KNOW WHERE YOU STAND , THEN YOU KNOW WHERE TO LAND AND IF YOU FALL IT WON'T MATTER , CUZ YOU'LL KNOW THAT YOU'RE RIGHT』

 なげーよ、タイトル。
 そう、これがアルバムタイトルなんですわ。邦題は『真実』なんですけどね。それはそれで短すぎ。

 というわけで、フィオナ・アップルの2ndです。
 一聴して感じるのは、「うーむ、椎名林檎」ということ。声がちょっとだけ似てるとかそういうことではなくて、たたずまいというか立ち位置が近しいですよね、この2人。

 某ロッキングオンなんかでは派手に扱われてますけど(^^;、地味なアルバムですね。ダーク。ってもNINみたいな極悪ダークではないんですけど。ただこれがボディブローのようにがしがしくるんですわ。

 彼我の徹底的な断絶。それを明確に理解しながらも、理解しているが故に他者を求める心。そして傷つき傷つけ合う世界。それは見えない闘争。Invisible War。気づいた者は降りる事の許されないレース。

 やっぱこの感覚は椎名林檎ですわ。

 問題は、ジャケ写の彼女の笑顔がものすごく怖いということ。夜中にひとりでは見れません。でも、この不安定さがアルバムのトーンをよくあらわしているとは思います、ハイ。

《12月12日(日)》

 しかし、相川七瀬はあいかわらず中澤裕子ですな。

 さて

 今年ももうそろそろ終わりですね。そんなわけで本日は企画もの。

 「1999年私的映画ベスト10」を発表してみましょう。
 まぁ、今年はあと20日ほどあるわけですけど、これから映画を見るとしても、それはお正月映画というわけで、来年度の映画といたします。

第1位
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』

 前半の伏線が全て後半のドタバタにつながっていく脚本はお見事。こういったややこしい話をスタイリッシュに描いてしまうガイ・リッチー監督に完敗。
 音楽も含めて全てが高レベル。唯一今年2度観た映画。

第2位 『ライフ・イズ・ビューティフル』

 あざといだとか、不謹慎だとかの批判もありますが、いいものはいいんだから仕方がないでしょう。

第3位 『メリーに首ったけ』

 あざといだとか、不謹慎だとか………(以下同文)

4位 『HEART』

 予想外の拾いもの。人間の感情こそが一番怖い。

5位 『恋におちたシェィクスピア』

 「つくりもの」としての映画としては満点の出来。

6位 『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』

 泣ける男の友情。最近ドイツ映画は勢いがあるなぁ。

7位 『WHO AM I?』

 ジャッキーのアクションはいったいいつまで見られるのでしょうか。人間世界遺産指定を!!
 ハリウッド製作でもこれくらいのレベルを求む。

8位 『シックスセンス』

 あいかわらず、ネタは話せません。

9位 『シックス・ストリング・サムライ』

 世の中こんなバカばっかりだと平和なんでしょうねぇ。

10位 『スターウォーズ エピソード1』

 とりあえずなんだかんだ言ってもいれとけでしょ。マトリックスとどっちを入れるか悩みましたが。CMで見せすぎなかったのでこちらに軍配。

<特別枠>(^^;) 『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』

 リバイバル上映なんでこちらに。でも強烈だった。

 といったところですね。

 ちなみにワーストは『ホーホケキョ となりの山田くん』ですな。強烈につまんなかった。

 皆さんは今年一年いかがでしたか?

 さて、来週(19日)は「1999年私的ベストアルバム」をお送りする予定でござる。

《12月13日(月)》

 今日のHEY!!^3はなかなかよかったですね。っても、フツーの視聴者的にはどうなんでしょ。

 だいたいエレカシがあの曲でゴールデンに登場ってだけで無茶な話ですね。TAKUYAは相変わらずヒスブル嫌いを公言してるし、ノーザンブライトがあんなに歳食ってたのはオドロキの一言。ぜってぇ若手バンドだと思ってたわ。

 さて

 ビデオでサブ監督の『ポストマン・ブルース』をみた。

 主人公の郵便配達人が、本人のあずかり知らぬ所でひょんな事から警察に追われるはめに。チンピラ、殺し屋と共に彼は自転車で街を走り抜ける………。
 とゆうお話。

 サブ監督作品でなぜかこれは見てなかったんですよね。相変わらず面白いんですけど、この作品ではあらも結構みえますな。

 例えば、この郵便屋が事件に巻き込まれる発端となったのは、冒頭で彼が郵便物を勝手に開封したからなんですけど、見てる方はそこで「こらこら勝手に開けるなよ」とか思ってしまうわけですな。
 「映画なんだからオッケー」という言い方もできるかもしれないけど、オッケーにするならそれだけ説得力を見せて欲しかったですわ。

 それまでに郵便屋の退屈な日常ってのを多少は描いてるんですけど、それが共感にまでいかないんです。説得力弱し。
 ちゃんと表現してるなら殺人犯が主人公であっても感情移入ができるものですが、この映画の場合はそこがきちんとできていない。

 揚げ足をとってるみたいですけど、これは映画全体を規定する重要なポイントですからねぇ。実際、最後までそういった点が引っかかってしまっていまいちのめり込めなかったっす。

 もったいない。

《12月14日(火)》

 全国版はどうか知らないけど、「関西版ぴあ」の今週号の表紙は怖すぎ。いつも買ってるから買ったけどさ、ぜってぇ売り上げダウンやと思うな………。

 ところで

 KDDから請求書がきました。よくCMとかでやってる「001」を使った分ですわ。忘れてましたわ。そういえばこないだ東京方面にかけるときに、ちらっと使ったんですね。

 で、その請求額、なんと97円。

 

 ―――97円て

 

 さて、コンビニにでも行って振り込んでくるか。なんだか恥ずかしいぞ。

 とゆーことで、最近読んだ本の感想。

エラリー・クイーン『文字』(ハヤカワ文庫)

◇あらすじ◇
 探偵小説家ローレンスと女流演出家のマーサは、誰もが羨む幸福な夫婦だった。しかし、結婚三年目から二人の仲が悪くなり、やがて凄まじいトラブルが毎日起こるようになった。
 エラリイと秘書のニッキーは何度か仲裁に入っては、諦めて手を引こうとしているうちに“文字殺人事件”とよばれる姦通事件に巻き込まれていった。死者の残したダイイング・メッセージ、XYの謎とは?

 ホーソーンの同名小説に因んだ中期の代表作。

(文庫カバーより)

原題:THE SCARLET LETTERS


 クリスティと違って、クイーンは結構未読作品が多いんですよね。考えて見れば、国名シリーズも全部読んでいるわけでなし。
 この作品もそんな未読の山の中の一冊。

 クイーンと聞いて想像する作風をかなり裏切る作品ですね。大部分が浮気現場の追跡だし(^^;。まるで三文小説のようですわ。
 もっとも、それは作者もわかってるわけで、それがある種ミスディレクションにもなってるんですね。っていうか、長すぎ。

 そんなわけでラストの急速な展開は、それまでのたるい展開からの一気のシフトアップなもんでそこそこのカタルシス。とはいっても「本格」趣味という観点からはあれですけど。

 でも、結構大胆に手がかりは示されてるあたり、さすがにクイーンですけど。

心に残った言葉:(88ページより)

 「だがそれは論理に合わないじゃないか」
 「クイーンさん、……(中略)……論理なんてトイレットに捨てておしまいなさい」

《12月15日(水)》

 『このミステリーがすごい!』2000年版が出てましたね。

 しかし、ここで挙げられた作品を見ていくと、相変わらず私は新刊を読んでないことを思い知らされますな。
 国内ベスト10のうち既読は2冊のみ。海外作品にいたってはゼロですわ。

 うーむ、どっかで聴いたぞこのセリフ………。
 去年の12月14日の日記でも同じ事言ってますね。我ながら進歩がないですな。

 積ん読のなかには新刊書もあるんですけどね。そのうちの何冊かはなんとか年末までに読めるかな?

 とかいいつつも、またもや古い作品の感想です。

麻耶雄嵩『メルカトルと美袋のための殺人』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 男の死顔になぜ化粧の跡が? 計画的な殺人事件に自ら巻き込まれる才能とは!? 奇妙奇天烈な不可能犯罪から雪の密室での「犯人当て」まで――空前絶後の推理能力で登場するや否や次々と真相を看破。
 「長編には向かない探偵」といいきる銘探偵・メルカトル鮎とワトソン役の美袋三条が<七つの奇蹟>を起こす!
(文庫カバーより)


 うーむ、そーいえば、美袋って「三条」名前だったんですね。

 さて、タイトル通りメルカトル鮎と美袋の登場する短編集です。
 さすがにひとひねりした作品が多いですね。「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」の結末なんかいかにも麻耶らしくて好きです。

 しっかし、この短編集に限って言えば、美袋が散々ぼやくほど「極悪」ではないんだよなぁ、メルカトルって。

《12月16日(木)》

 ウルフルズの新アルバム『トロフィー』購入しました。

 ベーシスト脱退という事態を招いたこのアルバムですけど、いやあ『バンザイ』以来の快作じゃあないですか。

 シングル「ヤングソウルダイナマイト」ではっきりしていましたけど、正確にいうとその前のベストアルバムに新曲として収録された「心」からだけど、明確にウルフルズはシフトチェンジしましたな。
 てらいがなくなりましたね。まさしく直球勝負。ソウル。

 まぁ、この「変化」がメンバー脱退という結果につながったわけですけど。

 しかしほんま、『バンザイ』当時の熱さを取り戻したね。しかも「ガッツだぜ再び」でも「脱・ガッツだぜ」でもなく、正面突破してしまったところが泣けるじゃないですか。

 特にラスト曲がいいんだなあ。うーん。日本に生まれてよかったわ。

《12月17日(金)》

 某ラジオ番組で募集していた試写会が当たりやした。招待状が本日送られてきたわけで。

 まあここまではよくある話なんですけど、この試写会というのが曲者で。
 何を上映するかが秘密なんですよね。幕が開くまでわからないわけです。何が見られるんですかねー。

 んでもって、試写会場すらもシークレットなんですわ。大阪の某所にいったん集まってから、その会場に移動するそうなんですけど。
 うーむ、徹底してますな。一体、どこに連れていかれるのやら………。

《12月18日(土)》

 オアシスとかゆうバンドの日本公演のチケット先行予約が今日あったんですわ。

 で、朝から電話の前に座りっぱなしの勢いで暮らしていたわけですけど、あっさり繋がってしまって拍子抜け。
 今回は楽だったなあと思ってると、東京公演(っても横浜アリーナやけど)のチケット取りは結構大変だったみたいで。

 やっぱ、大阪だから楽だったんですかね。私がたまたま運が良かっただけですかね。

 それとも、大阪公演が平日だからでしょうか。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

山口雅也『生ける屍の死』(創元推理文庫)

◇あらすじ◇
 ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った!

 この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?
 自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?

 著者会心の長編第一作、全面改稿による待望の文庫化。

(文庫カバーより)


 再読です。っても、前に読んだのは、ハードカバーが出た頃。つまり、10年前ですか。
 そりゃすっかり忘れてるよなー。

 そう思ってたんですけど、結構覚えてましたねぇ。やっぱ当時もインパクトが結構あったですから。ただ単に、若い頃に読んだものはよく覚えてるってだけかもしれへんけどね。
 近頃は物覚えが悪うなって往生しますわ。

 って、じじいの繰り言はおいといて、この作品は再読でもやっぱ新鮮ですし、面白いですよね。
 「本格」の様々な要素をごちゃごちゃと詰め込んだカオティックなおもちゃ箱。

 最近の非常に巧みな山口雅也作品もいいですけど、現在読み返すと、この「無駄の多い」作品が愛おしく感じられますなあ。

 無駄といっても、清涼院流水とは違うけどね☆

《12月19日(日)》

 今年ももうそろそろ終わりですね。というわけで先週の日曜に引き続き、本日は自己満足企画もの。

 「1999年私的CDアルバムベスト5」を発表してみましょう。

 ちなみに今年発売したものに限っております。今年買ったCDを全部対象にしてしまうと、何が何だかよくわからなくなりますから(^^;。
 それと、今年はあと20日ほどあるわけですけど、これからCDを買うとしても、新譜の購入は多分無いでしょう。

  そんなわけで、いってみよう。

 RED HOT CHILI PEPPERS 『CALIFORNICATION』

 邦題をつけるならば「夢想転生」か。「哀しみを知らぬ者に勝利はない」。
 199X年に何とか間に合った世紀末救世主。

 椎名林檎 『無罪モラトリアム』

 椎名林檎と宇多田ヒカルのブレイクは今年の音楽界最大の収穫でしょう。

 NINE INCH NAILS 『THE FRAGILE』

 深い穴をのぞき込んでいると、気づけば自分自身が覗かれていた。宇宙に満ちる暗黒物質。それは心の中のことで。

 というわけで、私的には今年はこの3枚が頭一つ、二つ抜けてましたね。かなり長い間、うちのプレイヤーにはこの3枚が入っておりました。
 そしてこれからも聴き続けることでしょう。

 あとの2枚は共にライブ盤ということになりました

 Mr.Children 『1/42』

 彼らのディープな部分とポップな部分が、非常にフラットに表現されているところに刮目。スケールのでかいロックバンドになったな、と再認識。

 SOUL FLOWER UNION 『HIGH TIDE & MOONLIGHT BASH』

 この年の瀬の新作ラッシュの締めを飾ったのがこの作品。自然と踊りだしてしまう、これぞ日本人のグルーヴ。

 以上、この5枚が私のお気に入りでございました。皆さんは今年一年いかがでしたか?

 さて、来週(26日)は「1999年小説私的ランキング」をお送りする予定でござる。

《12月20日(月)》

 うー、さむー。と起きてみると雪景色。めっきり冬ですな。

 さて

 今日は交通事故を目撃しやした。

 ふらーっと歩いていると、向こうから自動車が何台か連なってやってきました。先頭を走っていた車が脇に寄せてゆっくり停車。かと思うと、ゆっくりバックをはじめました。で、そのまま後続の車にゆっくりと激突。

 うーん、ゆっくりとした事故でした。すべてがスロー。ほのぼのしてしまいました<不謹慎。

 しかし、なぜあそこでバックしたのかは謎。ブレーキとアクセルを間違えた風でもなかったし。


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