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《5月1日(月)》

 五月です。メーデーメーデー。

 今日からBSマンガ夜話が始まりましたね。でも、今シリーズは読んだことがある作品が少ないなー。しらないマンガでどこまで楽しめますやら。というかそれ以前に見るのか?

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

清涼院流水『ユウ 日本国民全員参加テレビ新企画(幻冬舎)

◇あらすじ◇
 RRRRR……。『木村さん、今、御覧になってますか? おめでとうございます!』
 ブラウン管越しに手を振る人気TV番組『ゴールデンu』の司会者。何のことだかわからない。応募した憶えのない自分の「人間CM」が目の前で放送され、しかもベスト・インパクト賞に選ばれてしまった!? あの「木村彰一さん」は誰だ? 今年も木村彰一は珍妙な事件に出くわした。数々の悪戯的陰謀が暴かれた時に見えてくる真実とは?

 著者渾身の傑作新世紀ミステリ。

(カバーより)


 こっちに感想をアップはしてませんけど、なんだかんだいって清涼院流水作品はそれなりに読んでるのであります。

 しかーし、面白がって読んでるわけではないんだな。つまらなさを確認するために読んでるってのとも違うんだけど。なんなんでしょうねえ。いつかは傑作を書くだろうから読み続けるぜ、とも思ってないし。イヤなんだけど、引っ張られるんですわな。まあ、それだけの無闇なパワーは未だに持続している作家さんだと思います。と思う。

 さて、この作品内に登場するTV番組の企画。これを考えついた時点で「いけるっ」と作者は考えたんだろうけど(あとがきにそれはうかがえますね)、その思いつき以上でも以下でもない小説になっちゃいましたね。だいたい、そのTV番組の企画自体がイマイチ。そう感じさせてしまった時点で失敗でしょ。

 今回はおとなしく(?)2通りの読み方しかできませんけど、どっちもたいしてかわらんような気が。これも 企画倒れな感じ。

《5月2日(火)》

 いやはや、雨ですね。ざんざざんざ、という擬音は好きです。

 WOWOWにて「GIMME SOME TRUTH」を観賞中。ジョン・レノンの「イマジン」メイキングフィルムですね。前回放送時は見逃してたんだよねー。

 前口上としてオノ・ヨーコが出てますけど、動いてるオノ・ヨーコをみるのってすんごい久しぶりな気がするなー。普通のおばちゃんだなー。

 しかーし、私って「イマジン」持ってないんだよね。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

ヘンリィ・スレッサー『快盗ルビイ・マーチンスン』(ハヤカワ文庫)

◇あらすじ◇
 悪魔的な頭脳を持ち、良心や気兼ねなどひとかけらもない男、あらゆる悪事を歓迎し、どんな恐ろしい犯罪でも計画する男―――それがルビイ・マーチンスンだ。

 彼はマディスン街の大きな計理会社に勤め、大きな眼鏡をかけて、古机の上の帳簿にかがみこんでいるが、その途方もない犯罪者の頭脳はつねに活動している。この男こそ、真に偉大な世紀の悪党である。その犯罪は、詐欺、横領、恐喝ととどまるところを知らない。だが……

 現代の悪漢の奇想天外な犯罪計画の数々とその失敗の経緯をほのぼのとした筆致で描く大人の童話10篇を納める連作短編集。

(カバーより)


 「盗」でなく「盗」です。誤字ではありません。

 あらすじを読むとすんごい悪いやつのように感じられるルビイではありますが、実際はその計画はことごとく失敗に終わるわけです。はっきしいって、そんなにたいした悪党ではありません。かといっていい奴でもないんだけど。

 これはある意味ホームズのパロディといえますかね。

 ワトソン役ともいえる「わたし」が登場するんだけど、この「わたし」はかなりルビイを恐れていて(恐れているというよりも畏怖の念を抱いてるって感じかな)、あらすじのようなルビイに対するイメージを持っているんですね。

 でも読者にはそのすごさが伝わってこない。ただのおまぬけさん。「わたし」ひとりがすごいと思ってるだけなんですね。

 つまり「無能なホームズとそれを尊敬するワトソン」というホームズパロディをさらにひっくり返して、悪党を主役に持ってきてるわけですな。

 いや、作者がそう思って書いたかどうかはしらんけど。

 なんにせよ、ほのぼの。

《5月3日(水)》

 サイクリング。自転車乗りすぎでケツいてー。

 最近出来たらしい古本屋に行く。なんかやたらに新しい講談社ノベルスが置いてたなー。先月くらいの新刊とか。書店流れなのだろうか?

 歯の詰め物取れる。がびーん。

 がびーんて。

 今日は大阪での映画サービスデイだったんだけど、何も見にいかず。なんか今かかってるやつって、どうもそそられるのが無いんだよねえ。

《5月4日(木)》

 だりぃ。

 先日、CDが送られてきた。CD3枚買ったら1枚もらえるキャンペーンってやってるじゃないっすか、あれで申し込んで他のが送られてきたんですよ。

 忘れた頃に届くと、ものすごくうれしいですね。うむうむ。ちなみに、スティービー・ワンダーの「キー・オブ・ライフ」でござります。

《5月5日(金)》

 しかし、あいかわらず被害者のプライバシーはがんがん流れてますねぇ。

 暑いですねえ。寝苦しいことはなはだしい。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

高田崇史『QED 六歌仙の暗号』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 「明邦大学・七福神の呪い」――大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!? ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。そして浮かび上がった事件の真相とは?
 前作「百人一首の呪」に続く驚異のミステリ!
(カバーより)


 これがシリーズ2作目ですね。3作目の『ベイカー街の問題』の方を先に読んでたんですけど、やはりそれに比べるとかなり京極の影響がもろに出てますねえ。まあ題材が題材だし。

 とはいえ「六歌仙」と「七福神」の謎はなかなか楽しく読めましたよ。現代の「連続怪死事件」はミステリとして読めば確かにしょぼいけど、あくまでもマクガフィンの一種だと思えばそれほど気になりません。

 今回は京都が舞台なわけで、そのぶん地名等にも親しみが持てたのも好印象の要因でしょうか。でも、七福神巡りはちょっとしてみたくなりましたぞ。

《5月6日(土)》

 いや、ほんと暑い。

 DCのNBA2K。すごいっすね、このゲーム。見た目の良さとゲーム内容がバランス良いもんね〜。おもろいわ〜。

 NBAに詳しい人からしたらどうなんでしょうなー。

《5月7日(日)》

 ここ数日と違って、今日は雨模様でしたね。散髪。

 へっくしょん

《5月8日(月)》

 しかし最近は電波な人が多いんですねえ。

 横田基地に親子3人が侵入。(Yahoo NEWS) アメリカに亡命したかったんだって。わざわざ高松からご苦労なこって。

 普通に車で入っていって(逆送したそうだけど)、輸送機に乗り込んで座席に着席し、シートベルトまでしめていたってんだから、なんつうか笑える話ですな。やっぱりこそこそするより堂々としてる方が怪しまれないんでしょうか。

 まあ、あっさり捕まってますけど。

 しかし、「基地の外」の人間が「基地内」に入って来ちゃあ困りますな。なにかと。

 とゆーわけで、今日読んだ本の感想。

スタンリー・ハイランド『国会議事堂の死体』(国書刊行会)

◇あらすじ◇
 英国国会議事堂の時計塔、ビッグベンの改修工事中、壁の中からミイラ化した死体が発見された。後頭部を打ち砕かれ、着衣等から100年前のものと推定されたこの死体をめぐって検屍裁判が開かれたが、事件に興味を感じた若手議員ブライは調査委員会を組織し、謎の解明に乗りだした。
 やがて少しずつ集まりだしたデータから、19世紀の国会議事堂建設をめぐる秘話と、激しい愛憎の物語が次第に明らかにされていく。

 個性豊かな国会議員の面々が推理の饗宴を繰り広げる「時の娘」風の歴史推理の前半から、後半にいたって物語は思わぬ展開を見せはじめる。
 読み巧者フランシス・アイルズがただ一言、「真の傑作」と評した50年代の知られざる名作。

(カバーより)

原題: WHO GOES HANG?


 原書は1958年の作品だそうですけど、特に序盤は非常に読みにくいですね。妙に回りくどい書き方をするところもあれば、現代の日本の読者にはよくわからない説明不足のところも散見されます。

 そこを我慢して読んでいくと、この物語の面白みが徐々に感じられていくんですけどねえ。まあ、取っつきにくい作品ではあります。

 「歴史推理」といったものは、歴史上の有名人(『時の娘』ならリチャード三世とか)がその推理の対象になることが多いですが、この作品に関してはそのミイラは特に有名な人物ではないわけです。

 その点でどうしても地味になるんですが、読み進めていくとこの作品の主役はそのミイラではなくビッグベンだということがわかりますね。ビッグベンの建設にまつわる秘話。これは抜群に面白い。

 ある意味無味乾燥な国会議員たちの調査からたちのぼってくる、ビッグベンに関する人間関係。これが第一部の主眼なのではないでしょうか。そう、第一部は。

《5月9日(火)》

 やっぱり噂通り、ブランキージェットシティは解散ですか。ま、そんなに好きなわけではないんですけど。

 いつぞやのフジロックで彼らを観たんですけど、そん時はいまいちだなー、と後ろの方で寝てたんですけどね。後から聞くと、なんでも機材トラブルやらでコンディションは最悪に近かったとか。

 ベストな状態でのライブは一度みてみたかったなあ、とは思いますけどねん。

《5月10日(水)》

 今朝の朝刊にででんとブランキー解散の広告が出てましたね。そっかー、アルバムの発売日と同時に発表ということなんだね。

 欧州サッカー、チャンピオンズリーグ準決勝。やー、やっぱこのレベルのチームが必死になると面白いですね〜。レアル激勝で決勝はスペイン対決か〜。スペインびいきの私はニンマリ。

 とゆーわけで、最近読んだ本の感想。

歌野晶午『安達ヶ原の鬼密室』(講談社ノベルス)

◇あらすじ◇
 兵吾少年は奇妙な枡形の屋敷に住む老婆に助けられた。その夜、少年は窓から忍び入ろうとする鬼に出くわす。次々と起きる奇怪な事件。虎の彫像の口にくわえられた死体や、武者像の弓矢の先にぶら下げられた死体が発見される。
 真相は五十年の時を経て、「推理嫌いの探偵」の手により明らかとなる! 本格超巨編!
(カバーより)


 歌野晶午ってどうも、「常にリハビリ中」の作家ってイメージがあるんですよねえ、なぜか。

 そのリハビリを終えたらどうなるかってのは、よくわからないんですけど。常に模索してる感じがするんですねえ。法月綸太郎なども「悩める探偵」ということで有名ですけど、あれとはまた違った感じで。

 法月の場合は作家としての信条がまずあって、それと現実との摩擦に悩むといった感じですけど、歌野はもっと根本の所で手探り状態というか。作品によって作風が割と変わるからってのもあるのかもしれないですけど。あと寡作だし。

 そういったことが影響してるのか、どの作品からも不思議な浮遊感が感じられるんですよね。本格ミステリーってのはある意味がっしりした構築物であるはずなんだけど、彼の作品の場合、土台がない感じなんだな。土台が弱いって事じゃなく、まるまる無くて宙に浮いてる感じ。

 わかりにくいですね。まあ、いいです。私の伝達能力不足です。

 この作品に関しても、かなり考えられてる仕掛けがあるんですけど、どこかつかみ所がないんだよなあ。


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