パソコンとインターネットの未来って

今週(1999年9月7〜11日)千葉の幕張でWORLD PC EXPO99[zdnet]なる展示会が開かれていたのですが、その初日のパネルディスカッションを紹介したZDNetの記事[zdnet]が面白いでした。ZDNetの中でも、Mac系のサイトの記事なので、アップルよいしょな表現が見え隠れしていますが、それをおいても、企業のトップがどんな考えでパソコンを作ろうとしているかを、かいま見ることができます。でも、「パソコン+インターネットで拓く未来」って言うのも、結論まるみせなわりに、結論なさそうなタイトルですね。

このパネルディスカッションに登場しているのは、アップルの原田社長、NECの高山専務、東芝の溝口常務、富士通の杉田専務、そして有名人の成毛社長@マイクロソフトです。この記事でうんうんとうなづいてしまったのが、高山専務が個人生活には3つの資産として、「コストと時間と生活スペース」があると言っているところ。貧乏暇なしな私には納得の言葉です。最近、10万円以下のパソコンとか出てきて、パソコンのコストも衝動買いの範囲に接近してきました。でも、時間がねぇ。テレビも見たいし、雑誌も見たいし。会社から帰ってから、風呂入って飯食ってテレビ見て、さらにパソコンの電源入れるってものもおっくう。さんざん仕事でパソコンのお相手をしてるしさ。でも、深夜、インターネットでチャットにはまっている皆さんは、そういうバイタリティーな生活を続けていらっしゃるのかな。スペースについては、最近の省スペースパソコンは、あまり邪魔にもならないかもしれない。問題は、本当に省スペースな液晶モデルは、かならずしもローコストではないってあたりでしょうか。

成毛社長の、パソコンの普及は消費者がコミュニケーションにお金を払うようになったのが原動力という分析は、本当だとすれば、パソコンの未来はインターネットとともに開けるという結論につながるものでしょうね。確かに、携帯電話の爆発的な普及は、コミュニケーションにお金を払っているわけで、皆さん、誰かとお話しをする時間の重みが生活のなかでおおきくなってきているか、あるいは、そういう時間を希望する気持ちが大きくなってきているんだと思いますね。それは、例のインスタントメッセンジャーにもつながるものなのかな。これからは、みんなが、誰かから話しかけられるのを待っている時代になる。すると、インターネットツールも、WebTVのような眺めるものではなくて、チャットやBBSのような、みんなでわいわいやるタイプが要求される。電子メールが読める携帯電話が、Webチャットができる携帯電話に進化するかも。でも、すぐにアダルト系の、あやしいサービスにつながらなきゃよいけど(^_^;。

記事の最後に、目立ったキーワードとして著者があげているのが、「デザイン」「ワイヤレス」「インターネット」「コミュニケーション」です。ワイヤレスについてはここでも書いたけど、多分、これからどんどん家庭に入ってくるでしょうね。キーボードとかマウスまで電波でつなぐ[impress]ものも出てきてますから。でも、健康に大丈夫だろうか。ペースメーカーを付けている人は、うかうかパソコンに近づけなくなるのではないかな。iMacもそうですが、これからは、パソコンにも、どんどん無線技術が入ってくるでしょう。それと、デザイン?このあたりは、トレンドなんでしょうか。iMacではデザインで買った人も多いようですから。私は、ディスプレイのデザインにはこだわりますけどね。毎日顔を合わせるものだから(^_^)。でも、本体のデザインはどうだろうか。そうね、家で使うパソコンであればこだわるかもしれないな。でも、ださくても安いと、そっちにしちゃうだろうけど。文化的にまずしいのだろうか。

それはさておき、展示会では、PHS内蔵のノートパソコン[zdnet]とか、携帯通信端末の話題[zdnet]も出ていたようですね。これからは、インターネットがどこまでもついて回る。デスクトップのパソコンばかりが、インターネットの入口ではない(ここのホームページの名前もかえなきゃ?)。でも、自分でミニノートを持って外に出ると、意外と不便だったりするのが、机のパソコンのブックマークや、電子メールアドレス帳が共有できないことだったりする。究極のモバイルが、トイレにまでついてくる携帯電話であるように、本当は一番使っているパソコンのインターネット接続環境が、家の外に出てもついて回って欲しい。一番ありがちなのが、出先でメールを読み直したくても、机で読んでしまった電子メールはサーバーに残っていないことだったりします。つまり、本当にパーソナルコンピューターな環境は、本人について回らないと意味がない。でも、部屋にはかっこいいデザインのパソコンが欲しいし、携帯用にはPHS付の小型パソコンが欲しいし、職場にはハイエンドなパソコンが欲しい、などとやっていると、環境がばらばらで、どこでもつながるインターネットなのに、情報はパソコンに収まっていて、個人にはついてまわらないなんてことになる。

場所に合わせてパソコンを使い分けるのがいいとは言っても、将来インターネットで買い物をするのが当たり前になったりすると、それに必要な個人情報とか、電子メールボックスやブックマークのような情報が、ハードごとに分散することは意外と不便になるのではないかと思います。携帯電話で読んだ電子メールも家で読み直せる、職場でも読み直せる環境。「サーバーに残す」設定にすれば良いとはいえ、いつかは消さねばサーバーがパンクするので、どれかのパソコンを、「サーバーから消す」設定にしなくてはいけません。すると、いちいち使ってるパソコンで読む順番を考えなきゃいけない。それは不便ですね。すると、多分、将来には、家庭かプロバイダーに、そうした情報がおかれるサーバをおいて、出先のパソコンから必要な情報を回線を通してもってくるような仕組みに成るのではないかと想像します。そうなるには、まだインターネットのセキュリティが危ないとは思いますが。さて、10年後には、どんなインターネット環境になってるんでしょうか。

1999.09.10
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