大白法

平成13年3月16日号


主な記事

<1〜3面>

<2〜5面>


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奉安堂現場(27Kb)



海外リポート

◎ガーナ法華寺創立三周年記念法要

2月25日、乾期のために2カ月以上も雨の降らないガーナにおいて、法華寺の創立3周年記念法要並びに法華講総会が奉修された。これには、法華寺の上棟式以来4年ぶりとなる海外部長・尾林広徳御尊師、海外部主任・中本代道御尊師が参列、信徒1202名が参加して、盛大に執り行われた。

3年前の落慶入仏式に関する妨害については既報の通りであるが(大白法497号)、その後、現地信徒のあらゆる努力、さらには日本国内においても海外部長がガーナ大使と直接面談するなどの努力が功を奏し、ガーナ政府による日蓮正宗への誤解が解消され、今では問題なく、ガーナ訪問のビザが発行されるようになった。まさに変毒為薬の教えのままに、これまでのあらゆる妨害や困難が、かえって僧俗和合の結束を高め、純粋な信仰の推進力となってきたのである。現在では折伏活動も活発に展開され、ガーナ国社会に貢献できる信徒も輩出し、大きく発展している。

はじめに法要の部が午前10時に開始され、住職・吉田道常御尊師の導師により、献膳の儀・読経・唱題と如法に奉修され、引き続き御授戒が行われた。続いて式の部に移り、はじめに副講頭のコフィ・ナカワ氏による経過報告、次いで尾林海外部長が祝辞に立たれ、英語で判りやすく妙法蓮華経の功徳について述べられ、宗旨建立750年記念法要に向かって前進するよう指導された。次に、折伏実行委員長のクワメ・ニャコ氏より決意発表、さらに講頭のクワミ・ボアマー氏より祝辞が述べられ、最後に吉田住職より、尾林海外部長はじめ参列の各位に対して謝辞が述べられた。引き続き、本堂入口前にて参列者全員で記念撮影が行われた。

小憩の後、歓迎・アトラクションの部に移り、少年部や婦人部などによるコーラスが会場を盛り上げ、少年部による「唱えてゆこう妙法を」の日本語の合唱や英語の御書朗読は、全参加者に感銘を与えた。さらにトーゴ、クマシのメンバーによる民族ダンスなどが披露され、盛会のうちに全予定が終了した。

ガーナにおいては、昨年8月に法華講支部が結成されて以来、磐石な僧俗和合のもとに各地で折伏活動が進められている。しかし、人口の大半がキリスト教信徒であることから、幼稚園、小学校、高等学校のほとんどがキリスト教系の学校であり、幼少期に正しい信仰を身につけても、通学するうちにキリスト教の影響を受けてしまう子供が多い。

こうした現状から、信徒の中に、一般の子供たちのためにも、仏教の教えを基盤とした教育機関を設立してほしいとの希望が多い。こうした声を受けて、20年先の信徒育成を考え、現在、学校設立の準備を進めている。すでに信徒より基金を募り、適地を求め5500坪の土地が購入されている。前途には様々な困難が予想されるが、ガーナ信徒は大きな夢に向かって、今力強く、しかも確実に前進している。


◎ガーナ法華寺創立三周年記念法要

アルゼンチン布教所は、南米スペイン語圏各国(ブラジルを除く全南米大陸の国々)の仏道修行の中心道場として、首都のブエノスアイレス市に、1998(平成11)年4月に開所されました。布教所が担当する地域はたいへんに広く、日本の面積の25倍もあり、その内、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、パラグアイ、ベルー、ボリビアの6カ国に所属信徒がおります。ただし、全信徒400世帯ですから、広大な地域に信徒が点在しているというのが実状で、すべての活動を布教所への参詣を中心に行うことができないという状況があります。

そこで他国や地方では、布教所での行事における指導・法話の原稿をファクシミリや電子メールで配信し、信徒宅や会館を拠点に信徒同士で布教所と同様に行事を行っており、信行学の糧としています。布教所の開所式以来、様々な魔の蠢動や妨害によって活動を阻害されてきました。そのためアルゼンチン国内での布教活動禁止の大統領令が出され、一年以上もの間、活動が自由に行えなかった時期もありました。しかし反面、他国への出張の機会が増え、昨年度は、チリとペルーで宗教法人の認可がされ、法人事務所・会館が設置されました。今後とも遠隔地においては、点在する信徒の点と点を結んで「線」にし、さらに線と線で囲んで「面」にして、そこに拠点を開設していくという方向で活動を展開していきたいと思います。

現在は、アルゼンチン国内での活動禁止の処分が一時的に停止され、布教所開所以来の遅れを取り戻すべく、来年の宗旨建立750年へ照準を合わせて種々の活動を行っております。指導教師の姿を見れば講中が判るとの御法主上人猊下の御言葉から、まずは自分自身の信行を確立すべき時と肝に銘じて2時間の唱題行を日課とし、さらに火曜日には日本の丑寅勤行と同じ時間帯に一時間半、お供させていただく心持ちで行い、昨年末からは、毎月一度の12時間唱題を始めました。

平日は信徒の参加が難しいので、白宅でも毎日最低一時間以上の唱題行を実践できるよう励まし合っています。また、基本である「勤行」の個人面接指導を始めました。お経にはスペイン語にはない濁音等の発音が多いため、正確に発音するのが難しいことや、SGI時代に身に付いてしまった悪癖を矯正するためであります。今後、体得した正確な勤行によって、本人自身の信行の深化のみならず新入信者の育成にも良い結果をもたらすものと確信しております。

昨年5月の南米総会(大白法552号)には、当布教所から50余名が参加できました。この総会は、様々な困難や迫害が続くアルゼンチンの信徒に活気を取り戻させてくれました。今後、広布への鋭気を日々増し、宗旨建立750年の中心行事である「慶祝記念海外信徒総登山」と共に、南米で開催を計画している「慶祝記念総会」の大成功と折伏誓願目標貫徹のため、さらなる真剣な唱題行と折伏の実践をお誓いいたします。




教学用語解説 護法(ごほう)

「護法」とは、仏法を護持することをいいます。私たち法華講員にとって「仏法」とは、日蓮大聖人の末法下種・三大秘法の大正法であり、これを「護持」するということは、日蓮大聖人の教えを固く受持し、令法久住・広宣流布に向かって折伏弘教に励み、日蓮正宗を外護していくことです。


護法には内護と外護がある

護法には、伝持付嘱をもってなされる「内護」と、守護付嘱をもってなされる「外護」の二つがあります。涅槃経に、「内には弟子有って甚深の義を解(さと)り、外には清浄の檀越(だんのつ)有って仏法久住せん」と説かれているように、護法は僧俗の和合一致によらなければ、その目的を正しく全うすることはできません。

内護(ないご)とは、「内には弟子有って甚深の義を解り」とあるように、内にあって正法を護る御僧侶の立場をいいます。日蓮正宗における伝持付嘱とは、日蓮大聖人以来、歴代御法主上人の法水潟瓶(ほっすいしゃびょう)、唯授一人の血脈相承によって、法統連綿として伝えられるところの法体・法門の伝持をいいます。そしてまた、日蓮正宗の御僧侶が御法主上人猊下に師弟不二の信をとって、甚深の正法正義の極理を学びつつ、伝法・伝持していく姿勢をいいます。唯授一人の血脈を伝持あそばされる時の御法主上人猊下に信伏随従し奉り、確固たる信念と絶対無比の法力を得て、教法の研鎖錬磨、言論・文筆をもって正法の興隆に努めることを内護というのです。

次に、外護(げご)とは、「外には清浄の檀越有って仏法久住せん」とあるように、外から正法を護る信徒の立場をいいます。僧団の外にあって、経済的な財力、勢力をもって仏教を保護すると共に、種々の障害を除いて令法久住し、布教活動の便宜を図ることをいいます。私たち法華講員が、それぞれの仕事や家庭生活を営む上において、本門戒壇の大御本尊を根本に、時の御法主上人猊下の御指南のもと、純粋な信仰心をもって折伏、唱題、御供養等に励み、広布の進展を図っていく姿勢を外護というのです。

このような内護と外護を「二護」ともいいます。


内護と外護は鳥の両翼、車の両輪

内外一体の護持は、鳥の両翼、車の両輪のように、立場を異にする僧俗の二者が、互いに信頼し合い、尊敬し合いながら、よく自身の本分を全うしてこそ、護法の目的が達せられるのです。法華経の『見宝塔品』に、「諸の仏子等誰か能く法を護らん 当に大願を発(おこ)して 久住することを得せしむべし」(法華経350ページ)と説かれているように、仏弟子の流類たる私たち僧俗は、互いに力を合わせて、令法久住、正法弘通のためおこに大願を発し、さらに精進することが必要です。

私たちが日蓮大聖人の三大秘法の仏法を信ずる身となることができたのは過去からの宿縁のいたすところであり、それは日蓮正宗の一門として広宣流布、令法久住の使命を遂げんがためであり、そのために、まずもって自分自身が正法護持への決意を固めるべきです。日蓮大聖人が、「大願とは法華弘通なり」(御書1749)と仰せられ、また日興上人が『遺誡置文』に、「未だ広宣流布せざる間は身命を捨てゝ随力弘通を致すべき事」(同1884)と示されているように、三大秘法の広宣流布は御本仏の御命です。故に、我々は身命を賭して日蓮大聖人の大正法を弘通していかなけれはなりません。


護法の功徳

日蓮大聖人は『開目抄』に、「涅槃経の疏に云はく『出家・在家、法を護らんには、其の元心の所為を取り、事を棄(す)て理を存して、まさ匡(まさ)しく大経を弘む、故に護持正法と言ふは小節に拘(かかわ)らず、故に不修威儀と言ふなり』」(同575)と、僧俗を問わず正法を護持せんと折伏を行ずる者は、戒律等の威儀を修めずとも、それは立派に護法の人であることを仰せられています。

また、護法の功徳については『佐渡御書』の中で、「及び余の種々の人間の苦報現世に軽く受くるは、斯(これ)護法の功徳力に由る故なり」(同582)との、般泥経(はつないおんきょう)の文を引かれ、正法を信受する護法の功徳によって謗法の宿業を転じて軽く受け、現世の苦を免れ、その重罪を消滅することができると御教示されています。

日蓮正宗は、本門戒壇の大御本尊を奉りて722年、厳として謗法を許さず、宗祖日蓮大聖人の正系の法統を継がせ給う御開山日興上人の嫡流として、厳粛に信行を続けてきた宗門です。「日蓮が一類は異体同心なれは、人々すくなく候へども大事を成じて、一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(同1389)、「よき師と・よき檀那と・よき法と、此の三つ寄り合ひて祈りを成就し」(同1314)と御指南のように、私たち僧俗は、唯授一人の血脈を承継あそはされた御法主上人猊下の御指南を拝し奉り、内護・外護の両面より一致団結、異体同心して日蓮正宗の正義を令法久住、広宣流布していかなけれはなりません。

御本仏日蓮大聖人の大慈大悲を常に拝しつつ、私たち日蓮正宗の僧俗は、正法正義による世道人心の救済のため、心を合わせて固い団結のもとに、明年の法華講30万総登山達成に向け、本年の折伏誓願貫徹、奉安堂建立御供養に精進してまいりましよう。


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