<3〜8面>
広布大願の使命達成に向けて、
西アフリカ、ギニア湾に面する国。国土の大部分は低地帯・熱帯気候で、南部は熱帯雨林地帯。15世紀以降ヨーロッパ列強の進出が続き、19世紀にイギリスの支配下に。1957年3月独立を達成し、60年7月共和制へ移行。その後70年代には軍事クーデターが続発し、めまぐるしく政権が交代した。
2000年12月の大統領選挙で当選したジョン・アジェク・クフォーが大統領に就任。1人当たりの年間国民総所得は340ドル(〜4万円)、産業の中心は農業と鉱物資源。面積は、23.85万平方キロメートルで日本の本州の約1.1倍。人口は1841万人。住民は、アカン族、モレ・タグバニ族、エウェ族など。公用語は英語で、その他8大民族語が使用されている。
今回はアフリカ・ガーナの法華寺信徒クワミ・ガゾー・アペニャジー氏に、ガーナでの活動や、昨年の宗旨建立750年海外信徒総登山並びに、今年2月に行われた慶祝記念アフリカ総会などのお話を伺った。
アフリカに初の寺院である法華寺が建立されたのは、1998年(平成10年)2月21日。このとき、御法主日顕上人猊下の御下向を賜る予定だったが、ガーナ大使館へ虚偽の告発を行った者があり、突如ビザが無効となり、御法主上人猊下の渡航が叶わなかった。また1年半もの間、居住ビザが下りなかった御住職は、日本に帰国できなかった。
その後、2000年(平成12年)8月に法華講支部が結成され、多くの信徒が様々な妨害や嫌がらせをはねのけ、活発に活動している。信徒は経済的に厳しい中でも、御供養と寺院の外護を欠かさずにがんばっている。そのような中、今年の2月にアフリカ総会並びに法華寺の5周年記念法要を盛大に行うことができたことは、たいへんな喜びである。
■(ガゾー氏)今回の総登山会の啓蒙を、御住職は3年前からされていました。目標を50名として取り組み、80名近い方から申し込みがありましたが、最終的に昨年4月の時点で登山に要する費用(1800ドル〜21万円)を揃えられたのは36名でした。この中には、トーゴの1名、ナイジェリアの2名も含まれていました。
実際にこれだけの費用を貯めるのは容易なことではありません。ガーナでは月給が30ドル(〜3500円)を下回る方も少なくありませんので、準備できた36名の中には、家族・親戚中の支援を受けて、やっとのことで工面した方もいました。
7月、36名のメンバーはパスポートを用意し、毎週日曜日に御住職から登山のためのミーティングをしていただき、皆さん、とても楽しみにしていました。そして、手配がほとんど整った9月半ば、御住職と私とでビザの申請のため在ガーナ日本大使館に出向いたところ、なんと「許可できるのはせいぜい5人です」と言われたのです。そのとき、御住職が愕然としてガックリ肩を落とされた姿は、それまで一度も見たことがありませんでした。
その後、御住職は一人ひとりと話し合い、何度も大使館へ足を運んで渡航人数を増やしてもらえるよう懇願されました。その結果、13名の書類が受理されることとなり、最終的には12名のメンバーが登山できたのです。
■大使館の担当者の話では、日本やヨーロッパ、アメリカなどに多くのガーナ人が渡航するが、その先で不法滞在、また軽犯罪などの前例が多いため、ガーナのみならずアフリカ諸国の人へのビザ発給を、数年前から厳しくしているとのことでした。そういう背景を考えると、私たちの中から12名が許可されたのは幸運だったと思います。
■私は今回で4回目の登山でしたが、ほとんどの方が初めての登山、初めての海外旅行でした。総本山に着いてから、山内の景観と落慶法要を終えたばかりの奉安堂の姿に、一同、長旅の疲労も忘れ、大変感動しました。そして奉安堂で初めての御開扉を受け、堂内いっぱいに世界各国から集まった同志たちと大御本尊様を拝せたことは、生涯忘れることができない思い出です。
総会では法華寺支部の婦人部員が、各国の婦人部の代表として決意発表をさせていただけました。本人はもちろんアフリカ信徒一同が誇りに思っています。
この海外信徒総登山に合わせて、これまで3年以上にわたって私たちガーナメンバーと交流を続けてきた長野県・開法寺支部の方々と、総本山で交流会を持つことができたことも大きな喜びでした。とても楽しく、有意義な時を過ごすことができました。
■今回のアフリカ総会には、日本をはじめ、アメリカ・ヨーロッパから15名の御僧侶に来ていただき、総会は大成功でした。3年前から御住職と共にプランを立てていました。
一番の問題は、たくさんの来賓のビザが発給されるのかどうか、また発給された後も無事に入国できるかどうか、最後まで油断できませんでした。苦い思い出があるだけに慎重に検討してきました。さらに、直前になって経由地のロンドンの空港がテロ騒動で封鎖されるなどの報道もありましたので、皆さんが無事にアクラ市に到着されたときには、ほっと胸をなで下ろしました。
総会は実に盛大に行われ、アフリカ信徒全員が一層の精進を誓い合うことができたと確信しています。総会の成功により、これまでの苦労は大きな喜びに変わりました。
■ベニン、トーゴから参加したメンバーは問題なく出席できました。ただし、コートジボワールでは昨年クーデターがあり、国境で非常に厳しいチェックがあったそうです。それでも戦火をくぐり抜けて、16名が18時間かけて馳せ参じました。また、ナイジェリアからはジャングルの中をくぐり抜け、40時間以上の道のりを経て参加したメンバーもいました。
西アフリカは陸続きではありますが、隣国に出かけるにも大変な費用と手間がかかります。ですから、ガーナ以外の国の信徒も、一日でも早く自分の国に御僧侶をお迎えしようと、がんばっています。
■2月の総会を期に、法華寺では学校建設が具体化してきました。メンバーからの学校設立基金と、日本からの寄付を募って、大聖人様の教えを基調とした、待望の学校建設のプロジェクトが始まります。
近い将来、そこから多くの法華講員の子供たちが、社会へ清風を送る人材として巣立っていくことでしょう。そのためにも、ガーナの信徒が先陣を切って、僧俗和合を基として折伏弘教し、アフリカ社会に実証を示していかなければなりません。
●(編集)昨年の海外信徒総登山にはガーナから12名ものメンバーが登山されましたね。しかし、当初はもっと大勢の方が登山される予定であったと聞いていましたが、どうだったのですか?
●なぜそれほど日本への入国が厳しいのですか?
●海外信徒総登山はいかがでしたか?
●2月に行った宗旨建立750年慶祝記念アフリカ総会には、3000名を超える信徒が集まったそうですね。
●ガーナ以外の国から集まったメンバーは、特に問題なく総会に参加できたのでしょうか?
●最後に、今後の決意をお聞かせ下さい。