<8〜10面>
残暑の厳しい中、お忙しいところを繰り合わせて大勢の方々にご参集いただき、地涌倍増大結集推進僧俗指導会が盛大に開かれましたこと、たいへんごくろうさまに存ずる次第であります。私は、「『行動の年』の折伏誓願完遂」についてお話をいたします。
ご承知のように平成21年・『立正安国論』正義顕揚750年という、我々がなかなか巡り合えない大佳節をあと2年後に控え、宗門では記念局が開設され、いろいろな記念事業が進められています。
この記念事業の中には、平成21年7月15日・16日の記念大法要、あるいは精鋭7万5千の大結集、さらに一年間を通して全国の講中のすべてが一人も漏れなくお山へ参詣する記念総登山があり、その準備が進められています。
また総本山の整備事業ということで目下、御影堂の大改修工事が進んでいます。あの大きな御堂を上からすっぽりと覆ってしまう素屋根を掛ける作業をご覧になった方もいらっしゃると思います。今回の大改修は、ただ傷んだところの修復ということだけではなくて創建当時はどういった形であったか、きちんと学術的にも調査をした上で再建する平成の大工事です。そのため、解体するにも部材を一つひとつ丁寧に取り外して広いところに並べる、とも聞いています。したがって、これらを進めていく上でやはり相当な工費がかかりますので、我々の真心からの御供養を御本尊様にお供えして無事に完成するよう祈っていくことが大事だと思います。
また、総本山塔中宿坊の建て替え工事も順調に進んでいます。最初に出来上がる4力坊の落慶法要が10月、11月に行われます。これは今、東海地震等がいろいろと問題になっている時期でありますので、信徒の皆さん方が登山され御戒壇様に御目通りする上で何の心配もない、そういう宿坊にしなくてはとの、御法主上人猊下の尊い思し召しによるものです。
そのほか出版事業も教学部を中心に御書教学辞典という、皆さん方が大聖人様の御書や教義を研鑽する上において参考となる辞書を目下、平成21年に出版できるようにと執筆編纂を進めています。
さて、これらの中でも、地涌倍増ということが最も大事なことであります。御命題達成に向かって僧俗が一致して折伏弘教に精を出すところに、最も意義を感ずることができるのではないかと存じます。地涌倍増とは、皆さん方が地涌の菩薩の眷属としての自覚に立ち、大聖人様の仏法をこの末法において勇気を持って弘めていく、一人でも多くの人に伝え共々に幸せになっていこうと折伏を行じていくことであり、広宣流布に向かってそういう人をさらに倍増していこうという、僧俗一体となっての崇高な活動であります。
よって、他の事業は皆成し遂げたけれど、地涌倍増だけできなかったということでは、これはまことに御本尊様に対して申し訳ないことです。僧俗一体となって「よし、やるぞ」「何としてでも完遂していこう」と決意を固めることが、最も大事なことであります。そのために必死に御本尊様に祈り、そして御題目を唱えながら、まず体を動かしていく。「行動の年」にふさわしく、折伏を身をもって実践していただきたいと思います。
折伏を行じるのは、なかなか勇気がいることであります。今まで信心をして、有り難いと思って御本尊様を拝んではいるけれども、他の人にこの信心を勧めたことはないという方もいらっしゃると思います。親兄弟をはじめとする身内や知り合い、お友達に日蓮正宗の話をし折伏すると、嫌われて離れていってしまうんじゃないかとか、いろいろ考えて躊躇(ちゅうちょ)するかも知れません。
我々が過去世から積んできた罪障を一切消滅し、現当二世に亘る揺るぎないすばらしい即身成仏の境界を得ていくには、この折伏行によってしかそれは達成できない。これが大聖人様の教えでございます。『教行証御書』に、「日蓮が弟子等は臆病にては叶ふべからず」(御書1109ページ)と仰せられています。ついつい臆病風に吹かれて折伏行に立ち上がれない。もし一人でできなければ同信の先達の人にお願いして、一緒に行ってお話をしていただく、あるいは折伏相手の方をお寺へお連れして御本尊様の前に座っていただいて、そして僧侶から話をしていただく等、いろいろな方法があります。
御法主日如上人猊下は、「『地涌倍増』と『大結集』の達成へ向けて前進しておりますが、その闘いのなかで大事なことは、一人ひとりがこの『立正安国論』の御聖意を体して、傍観者になるのではなく主体者となって闘っていくことであります。傍観者と主体者とでは歴然たる差が生じます。主体者とは動く人のことであります。動かない人は主体者とは言いません。大聖人様の仏法は観念や理論で成仏をするわけではありません。広布のためにこの身体を使い、動いてこそ、仏の広大なる功徳を体現できるのであります。信心をしているということは、信心を実践している人のことを言うのであります」(大白法715号)と、このように明解に我々の信行の在り方について御指南されています。要は、自ら「よし、やるぞ」と傍観者ではなくて主体者となって行ずることが大切なのです。端から見ている人になるのではなく、自分自身が体を動かし汗を流して実践していく、そういう一人ひとりになっていただきたいと思います。
さらに御法主上人猊下は、「これから地涌倍増の折伏戦においては、講中においてもまた布教区の単位でも組織戦が大事である」と御指南されています。折伏の実践に臨む時、一人で行うのではなく複数人と一緒に連れ立って行く、それぞれ相談をしながら組織を挙げて折伏戦の展開を図っていくことが肝要です。あるいは、世帯数の少ない講中の場合は、そのお寺だけではなくて、布教区内の複数の講中と一緒になって組織戦を展開する。支院長さんの指導のもとにそういう闘いをしていきましょう。
我々のモットーは、「一年に一人が一人の折伏をしよう」ということにあります。今年の支部の目標がいくつか、何とかその目標数を達成するために一生懸命やろうと、これも大事なことですけれども、講中の誓願目標が達成できた、私は何もやらなかったが達成できた、ああよかったと。それで済む問題でしょうか。そうではありません。やはり一人ひとりが、支部の目標がどうであれ、まず自分自身が一人の方を折伏しようとの思いを常に持って下種先を探し、あの人にこの人にと話をしていくことが大切です。話を聞いて「ああそうですか。それは有り難い話ですね」と言う人はそうはいません。話を始めてから一年、二年、三年、五年、十年。私が聞いた話では十何年目でやっと入信したという人がいます。粘り強い、相手の人の幸せを願う慈悲の気持ちを持って御本尊様に唱題をして折伏をしていく、そのことがとても重要であります。
本年「行動の年」は、ご承知のように年間実践テーマ三項目が掲げられています。「勤行と唱題で、歓喜の行動」「僧俗一致の折伏実践で、地涌倍増」そして「寺院参詣並びに家庭訪問で、人材の育成」。その三項目をただ口に唱えるだけではなくて実際に行じることが大切です。
まず第一の基本は勤行・唱題です。五座・三座の勤行を欠かすことなく、しっかりと行じていく。それが日蓮正宗の僧俗の信行の基本である。朝晩の勤行ができていない人が折伏に走り回っているという話は、聞いたことがありません。朝は時間がない、忙しいからついつい方便・自我偈にしよう、御題目三遍でおしまいにしよう、そういうことでは日蓮正宗の信心をしているとは言えない。もし、時間がないならどうすればいいのか。もっと早く起きることです。これは小学生でも判ることですね。早く起きられない、それは夜更(ふ)かしをしているから。その理由は何か、いろいろありましょうけれども、もしどちらでもよいようなことが原因だとすれば、強い決意を固め、とにかく朝の勤行を欠かさない生活に切り換える。もちろん、夕の勤行も同じであります。その上で「一切を開く鍵は唱題行にある」との御指南を心肝に染め、真剣な唱題に励む。一人が一人の折伏を何とか自分自身の誓願として徹底して行じていく。それこそが地涌倍増を実現する鉄則であります。
第二は、僧俗一致の折伏実践です。住職とご信徒の皆さん方が一体となって折伏に打って出ることが肝要です。これが地涌倍増の秘訣であります。僧侶がお寺にいて、ただ座っているだけということでは、本当の僧俗一致ということにはなりません。僧侶自らが折伏に打って出る。また、ご信徒は未入信者をお寺にお連れするということも大切です。折伏相手に様々なことを聞かれて、答えることができなくてもよいのです。今日入信した人が折伏をすぐに行じるということもあります。「御本尊様の功徳は素晴らしい」「日蓮正宗の信心をすることがあなたの幸せに繋がるのです」と話して、お寺にお連れする。そこには、僧侶がおります。その僧侶にお話をしていただき、共に折伏を行じれはいいのです。どうか、僧侶とご信徒が一緒になって折伏に励んでいただきたいと思います。
第三は寺院参詣と家庭訪問です。寺院では御報恩御講や広布唱題会等、一年を通じて大事な行事があります。これらの行事や会合に一人で参詣するのではなくて、家族はもちろん、信心をしている方に二人でも三人にでも声をかけて一緒に参詣する。また、未入信者もお誘いしてお寺へお連れし、御本尊様の前に座っていただき、お詣りしていただくことが折伏成就の大きなきっかけにもなります。いずれにしても、足繁くお寺に参詣するということが大切です。また、家庭訪問が実に重要です。同じ信心をしている同志の方々の家庭をお訪ねする。訪ねてくるのを待っているようではいけません。こちらから出向いていく、そういう立場になることが大事です。一軒一軒、ご信徒宅を丁寧に回り顔を出して、「近頃は、どうですか」と声をかけ、「自行化他の信心が大切です。一人でも多くの人に信心を弘めていきましょう」「お寺に参詣しましょう」と話をしていくことによって立ち上がる人が多くいるはずです。
これら実践三項目を基本に、それぞれ各支部の本年の誓願目標を達成するべく、大いにご精進していただきたいことをお話いたしまして終了します。
日蓮大聖人様は『立正安国論』に金光明経の文を引かれて、「暴雨悪風時節に依らず、常に飢饉に遭ひて苗実成らず、多く他方の怨賊有りて国内を侵掠せば、人民諸の苦悩を受けて、土地として所楽の処有ること無けん」(御書235ページ)と御指南されておられますように、先日の新潟県中越沖地震、引き続いての台風による九州・四国地方の災害、また政治面では醜態をさらけ出した安倍内閣、さらに社会保険庁職員らの横領等、最近の緊迫した世界情勢をも含めて非常に心配な現在の社会情勢であると思います。最近は、本当に自然界・人間共々に狂ってしまっているのではないでしょうか。
今年5月、私はお許しを戴いて中華民国台湾・妙徳寺板御本尊入仏法要の御親修に御法主日如上人猊下のお供をさせていただき、併せて台湾の現在の広布活動を如実に勉強させていただいてまいりました。あらかじめ台湾の状況は聞いて渡航したのでしたが、実際に台湾を訪問し、行事に参加されている誰を見ても、その行動は生き生きとして、元気一杯の姿を見るだけで隆々とした広布への力強い熱意が溢れ、言葉は交わさなくても、その毎日の活動状況が目に浮かぶ充実感を味わってまいりました。
台湾法華講は、九州より少々小さい国土にではありますが、平成10年に約4千名の信徒が集まって発足した組織であります。平成14年には徹底した折伏により、講員数は既に1万5千名を数え、現在ではさらにその後の「地涌倍増」の御指南に基づき、年間折伏目標2千5百名の誓願が立てられて着実にこの誓願を達成して、現在の講員数は2万5千名を達成しており、その拡大率を見るならば実に10年間で6倍以上という、正に驚異的な充実ぶりであり、すぼらしい活躍であると思います。
その上で今回、御法主上人猊下の御親修に当たって台湾全土の法華講を結集してお迎え申し上げようと総会の開催を企画し、結集目標を1万名と定めて見事にこれを達成し、その席上、地涌倍増に当たる3万名の達成を御法主上人猊下にお誓い申し上げたのであります。
私はこの台湾の同志の力強い壮挙を見聞して感動すると同時に、今まで平成21年・7万5千名の大結集ということで大騒ぎをしていた自分自身の信心を振り返ってまことに情けなく、反省をさせられております。
台湾法華講は同時に、着々と計画を進め昨年までに寺院5力寺を建立し、さらに本年に入って1力寺建立して、現在では、併せて6力寺体制に充実発展しておるのであります。まことに名実共の大躍進なのであります。御法主上人猊下はこの点を御嘉賞(かしょう)あそばされて、皆様も拝聴されたと思いますが、夏期講習会指導会においてこの点を紹介され、その信心を見習うべきであると、我々を激励あそばされておられます。
これら台湾同志の精進を見て切実に感じ敬服させられることは、彼らが「立正安国」を願って御本尊様を恋慕渇仰する信心が非常に強いということであります。不安定な台湾を取り巻く国際情勢の中にあって、恐ろしさ、苦しさを体験しており、この点が身に染みて「立正安国」を願う信心の強さに繁がっていると思うのであります。
『立正安国論』に、「而るに他方の賊来たりて其の国を侵逼し、自界叛逆して其の地を掠領(りょうりょ)せば、豈驚かざら んや童騒がざらんや。(中略)汝す須く一身の安堵を思はヾ先づ四表の静謐を祈るべきものか」(同249ページ)とありますが、彼ら台湾の人たちは、何の説明の必要もなく切実にこれを理解して、必死の思いで信心をされているように見受けられましたが、一方、我々日本人は戦後60年を経て戦争の悲惨さの実感が薄くなり、「立正安国」に関する感じ方が曖昧であります。
そのために国家の安全を願う信心においても曖昧さがあり、御本尊様に対しての誓願も、その認識が甘く、ともすると誓願を破ってしまう信心のひ弱さがあるのであります。まことに残念なことであると思います。諸天善神に御嘉賞され、その御加護にあずかるためには、誓願は必ず果たす、という基本的な信心の厳しさが絶対に必須なのであります。
『立正安国論』正義顕揚750年を1年3カ月後に控え、まず自らが初心に帰って、御法主上人猊下が御指南あそばされましたように今までの信心を総括し、台湾法華講の同志のように御命題達成をお誓い申し上げようではありませんか。
「来たるべき平成21年・立正安国論正義顕揚750年に当たり地涌倍増と大結集を名実ともに必ず成就なさしめ給え」の御祈念を、我々は朝夕の勤行に御祈念申し上げておりますが、この「地涌倍増」と「大結集」について申し上げます。
「大結集」につきましては、記念局から与えられた目標を各支部共、御住職様御指導のもと、支部役員協議の上、結集可能の数を定めて、各支部の誓願として正式に提出したものでありますから、我々が今までの甘えた信心の姿勢を改めて初心に帰り、自覚をもって真剣な偽りのない精進をすれば、必ず全支部が揃って誓願は達成されることと信じます。
その証として、まず明年開催されることが決定された決起大会を見事に成功に導き、我々の信心の実証を示しましょう。しかしさらに、結集近くなるとこれを妨げようと想定外の三障四魔が起こることは必定であります。油断して「九仞の功を一簣に虧く」ことがないよう、細心の心配りをして名実共に完全な形で総会を迎えられるよう、一層の心を引き締めたご精進を祈念いたします。
御法主上人猊下は「地涌倍増」と「大結集」について、去る2月の第3回立正安国論正義顕揚750年記念局委員会の砌、次のように御指南あそばされています。「大結集のほうは一往、日程と人数については決まりましたが、これもなかなか大変な闘いであります。しかし、さらに大変な闘いは、やはり地涌倍増の闘いではないかと思います。やはり地涌倍増の闘いと大結集の闘い、そしてその他の記念事業等も含めてでありますが、これらが全部整ってこそ、名実ともに平成21年を迎えることになるのではないかと思います。我々は僧俗一致して、なんとしてでも名実ともに21年を迎えたいと思います。そして仏祖三宝尊の御照覧を賜ると同時に、この御命題をくだされた御隠尊日顕上人猊下の御慈悲にお応えしていかなければならないと、強く感じている次第であります」(大白法712号)と。我々はこの御指南に随順し奉る信心が肝要であります。
ここに「これらが全部整ってこそ、名実ともに平成21年を迎えることになる」と仰せあそばされる「そのほかの記念事業等」を遂行するための、第2回目の御供養の勧寡が間近でございます。とかく最初と比べて2回目となると、心構えが疎かになる方が多くいらっしゃいます。今から心の準備を改め、十分な功徳を積ませて戴けるよう心がけましょう。
御命題を必ず達成するという祈りを堅固に、一丸となり励まし合い、全支部が御命題達成されることを御祈念申し上げます。
同時に高島市の妙静寺(現在、自称正信会により不法占拠中)の法華講員として、総本山での全国大会や御霊宝虫払大法会、総本山第66世日達上人の御葬儀にも参加。その後、55年8月に東京武道館で行われた全国大会に、総本山から中止の指示が出ているのを知る由もなく参加しました。その後も総本山の御指導が伝わってこず、末寺住職の指導を真実と受け止め、いつの日か和解して総本山へ復帰できることを信じて信心活動を続けてきました。
自称正信会発足以来、最高裁の判決、学会の組織破門、御法主上人猊下の御座替りなど大きな節目もありましたが、復帰が叶うような話もなく、今思うと、正信会の一方的な話を聞くのみでした。いつしか26年余りの歳月が流れる中、折伏と登山ができていないのが、気がかりでした。
御書に「須弥山に近づく鳥は金色となる」とありますが、久しく総本山から遠ざかっている私は、70歳を越えた今、30年の昔、仕事の忙しい中を幼い子供の手を引いて幾度となく登山をしたのは、一体何のためやったのかと焦りを感じていました。
近年に至り正信会発行の機関紙「継命」の妙静寺講中での配布取り止め、正信会全国大会に住職の不参加等、組織に分裂が見られ不審に思っていたところ、昨年5月に発表になった正信会北近畿教区の活動テーマが、学会破折・総本山破折と発表があり、いつまでもこのような状態の正信会に総本山へ帰る意思はないものと自分で判断しました。6月に入って講の先輩の橋本さんとも話し合い、4月に正信会を脱会して京都市の妙清寺の所属となっていた飯間さんのお宅に伺い、ご夫妻から正信会の現況と総本山の様子など、とりわけご夫妻の総本山での感激の様子が、お話の中に伝わってきました。橋本さんの意見や飯間さんとの面会は、私の正信会脱会の大きな節目となりました。
7月に入り意を決して正信会・妙静寺住職に面会を申し入れ、奥さんにも同席願って3時間半にわたり、
などについて話を聞き、私からは「和解成ったら資金は総本山へ御供養すると言うが、総本山から見て日蓮正宗の住職ではない者が、講員でない人々から御供養と言って集めた資金など受理されるはずもなく、考えが違うのではないか」、「いつまでも総本山に登山できなければ感激も生まれない。感激がなければ折伏もできないし、法統相続も思うに任せないから衰退の時がくる。今の正信会は、30年前の遺産を食いつぶしているのではないか。このままでは先行き暗いので、どのような形でもよいから皆で総本山へ帰りませんか」と言いましたら、「私はどうなってもよいが、講員の皆さんが謝って帰るようなことにしたくない」と言われ、話はすれ違いに終わりました。
私は家業も順調で、今では3人の子供にそれぞれ孫が出来、8人の孫のうち、長男夫婦とその3人の子と家内と共に7人で、大病もせず元気で暮らしています。入信以来40年余り、恵まれた人生と思っていますが、人の世に明日は何が起こるか判りません。まして老人の私には、成仏という大願があります。
永くの歳月、行動を共にしてきた住職夫婦や講員の皆さんとお別れするのは辛いことですが、信心に私情は禁物と心に決め、お別れの挨拶に正信会寺院へ伺った私たち老夫婦に、いつまでもお元気でと言ってくださり、「いずれ総本山でお会いしましょう」と言って寺院を後にしました。たまたま別の用事で電話のあった法華講員の方に紹介していただき、大津市法乗寺の門をくぐりました。御住職・西岡雄恩御尊師、講頭さんのお話を伺い、後日の返事を約束して帰宅し、家内と話しながら、今日までの想いがつのってきました。
40年余りの信心生活の中の、そのほとんどが学会と正信会で、法華講員としての信心は、学会脱会後から正信会発足時までの3年余りだけ。一からのやり直しです。
学会脱会の時もこのたびも、誰に追われたわけでもまた誘われたわけでもありませんが、生活が安定し健康な今こそ正しい行動をと、長年いた海の底から渾身の力を振り絞って浜辺に自力ではい上がるような気持ちで、仏縁を感じながら8月2日、家族で勧誠を受け、26年ぶりに法華講員に復帰しました。
そして8月7日には、念願の夫婦での登山が叶いました。想えば、昭和54年以来の御開扉を受け、感動のうちに長年の罪障消滅を御祈念申し上げました。入講の日に、一日も早く登山をと申し出た私の意を受け入れてくださり、法務御多忙の中を新富士駅からレンタカーで同道してくださった御住職様にお礼を申し上げます。
また同月21日には、私に続いて入講されたHさんご夫婦の登山にも私共夫婦で同行させていただき、感激の中、正信会の知人や学会員を訪ね歩いて現在20名余り。時には御住職様と共に、中には玄関先での立ち話もありますが、もとより覚悟の上です。そんな中、私の勧めで学会員だった弟夫婦が、9月に入講しました。
続いて10月には、正信会で仲間だったKDさん夫妻も私が縁となり、私が同行して勧誠を受けられ、近くに仲間が2世帯できました。11月の支部総登山には弟夫婦も参加でき、久々に今日まで想ってもいなかった兄弟夫婦揃っての登山ができた喜びを感じています。今年に入って1月に、私の次男夫婦も私の話を聞き入れて、孫2人と共に御授戒を受けました。
急所の手術なので心配しましたが、4時間の手術は順調で、術後、医者は「うまくいきました」と言ってくれました。14日に手術、22日には予定より早く術後1週間で退院し、25日平安寺での婦人部対象の広布推進会には、夫婦揃って参加できました。3月末の医師の最終診断で再発の心配はないと言われ、思いの他軽く済んだことに、日蓮正宗の信心によって一つの難を乗り越えた喜びを感じております。
私は今、遅まきながらではありますが、長い間休んでいた正信会時代の分を取り返さなくてはと思いながら、今日までの順調な人生を折伏に活用して、今後共がんばることをお誓い申し上げ、体験発表とさせていただきます。
平成19年8月20日〜9月28日
記念事業について
最も大事は地涌倍増
年間実践テーマ三項目の復習
●地涌倍増大結集推進委員会委員・永井藤蔵
台湾の壮挙を見聞して
大結集へ向けて、明年の決起大会で実証を
特別御供養も油断無く
法乗寺支部 Y・M
脱会決断の時、迫る
ついに家族で勧誠、これまでを取り返すべく折伏
今日まで病気知らずだった家内が、体の変調のため検査を受けた結果、鼻の奥に出来物が見つかり、2月に手術と決め、昨年8月の入講以来、夫婦で3回登山し、回復を願い唱題を重ねながら折伏も行ってきました。大津日赤で行われる手術の時間には法乗寺で唱題しましたが、御住職様が御導師をしてくださいました。
3月に入って、かねて入信を勧めていた私と同業のKNさんから、入信するとの返事をもらいました。24日の春季総登山会には夫婦で参加し、御開扉では家内の病気回復のお礼と、KNさん入信の御報告をしてきました。また、このたびの総登山会には、春には共に行きましょうと約束していたKDさん夫妻も参加され、KDさんは30年ぶりの登山に感激も一入(ひとしお)だったと思います。帰宅した翌日の26日、法乗寺でKNさんが御授戒を受けました。また4月14日には、KNさん宅に、御住職様と講頭さんご夫婦を案内して、御本尊様の入仏式を執り行うことができました。4月に入り、御住職様を我が家にお迎えしてみんなで唱題し、折伏のため下種先を回っております。