パゴーに涅槃像を見に行く

ヤンゴン→パゴー→ヤンゴン旅行記 7月3日(土)

燃えたバス今日は涅槃像で有名な街であるパゴ−に行くこととする。電車に乗って移動したいので、駅のそばにある切符予約所にいってみる。そこは閑散としていて、寂しく、子供たちが遊んでいる。どうやら、当日の切符は駅で受け付けているらしく、ヤンゴン駅に向かう。駅には外国人用の窓口売り場があり、そこで午前11時45分発の電車の切符(1人5ドル)を購入しようとすると、パスポートが必要で10時にもう一度きてくれとのこと。それまで、少し時間があるので、ホテルを通り過ぎて、アウンサン・マーケットに行く。外観は立派な駅のような感じで、中は広いスペースにそれぞれの商店が服や鞄、雑貨等を売っている。そこにいたガキが寄ってきて、日本語で「なにが買いたいの?」といってくる。また、出身が大阪というと、「おおきに!」といってくる。周りに、日本人の観光客はみかけないが、多くの日本人が訪問する季節でもあるのだろうか。絵葉書だけを購入し、25枚で400k(150円程)であった。

ホテルに戻り、パスポートをもって再び駅に戻る。先程の窓口には誰もおらず、仕方なく、駅の中に入って、ツーリストオフィス〔インフォメーション〕に行く。そこで、切符を購入しようとしたところ、11時45分発の電車は遅れていて、夕方5時頃になるとのこと。さすがミャンマー。しかし、受け付けてくれた女性は親切で、それならばということでタクシーの運チャンと交渉してくれている。バゴーまで10ドルで交渉してくれたが、折り合わず、バスターミナルまで500k(180円程)ということで決着がつき、駅を離れる。

そのバスターミナルは、長距離のバスステーションで、広場にいろんなバスが好き勝手に点在している。行き先を表示している看板などはないらしく、行き先を告げているらしい男に、バゴーに行くことを伝えると、案内してくれた。どのバスも日本の中古車というか古老車で、日本で現役だった頃の表示がそのままにされている。私たちが乗ったバスも自動車教習所が所持していたバスだった。このバスはエアコン付きということで喜んでいたが、発車すると周りのミャンマー人は窓を開けている。何てもったいないことだと思っていたが、エアコンの吹き出し口から冷風が流れていない。なんと、ターミナルで客を待っている時のみ、エアコンバスになるという代物であった。とはいえ、車が走っている間は暑くはなく、吹き付ける風が気持ち良かった。

涅槃像バスが1時間程、走行し、ガソリンスタンドに立ち寄った時に2日前の大西事件以来のハプニングが起こった。バスはそのときバックしていたのだが、白い排気ガスが私たちの窓に入ってきた。大西君は「日本の昔の車は、こんな感じやなー」といっていたのだが、窓から顔を出して後方をみるとエンジンルームから火がでているではないか。さすがミャンマー。私の気分はえせ報道カメラマン状態になり、すぐにカメラを手にして窓から顔を出して、写真を撮った。が、車内では、どうやらいつもあることらしくて、パニックもなく、皆落ち着いて、徐々にバスから降りている。私も降りて、再度写真を撮ってみた。

それから、20分ほど露店みたいなところで今後どうなるのだろうかと待ちぼうけしていたら、何ともなかったようにバスは動き出して、客は乗り込んでいる。さすがだ!我々も再度同じ席に座り、何事もなかったように、バゴーに向かった。

中心地らしいところで降ろしてもらい、とりあえず、帰りの電車の時刻を確かめるために駅に向かう。どうやら、3時過ぎに電車があるらしい。駅には自転車こぎがたむろしていたが、金額面で折り合いが付かず、歩いて涅槃像を見に行くことにする。20分から30分程歩いたであろうか。目的地に着き、有名な涅槃像を見る。巨大である。しかし、顔が笑っているような感じなので、威圧感がない。ありがたみは感じなかったが、いいものを見せていただいた。

さて、駅に戻ることとして、馬車に乗る。2FECである。ちゃりんこより安い。しかも、乗っていると気持ちいい。馬の首には素朴な音のする鈴が付いていて、心地よい振動とともに牧歌的な気分にさせてもらった。しかし、3時過ぎにくるはずの電車はなく、尋ねてみると、7時発とのこと。恐るべし。どうやら、電車には嫌われたらしい。

悩んだ末、行きと同じバスに乗ろうと判断し、地図で、バスターミナルと書いてあるところに行く。30分ほど何もないところを歩いたであろうか。しかし、そこには意図したバスはなく、トラックバスしかない。しかも、発車する様子もない。どうしようかと悩んでいるとヤンゴーンと叫んでいるトラックバスが走っている。ミャンマー人の学生が「あれに乗れ!」といっている。乗った!これはすごい。どう説明したらいいのか分からないが、とにかく、小さなスペースに20人ほど乗っている。しかも、屋根の上にも乗っている。こんなもの、日本では、1秒走っただけで捕まってしまうはずだ。これは強烈なスピードでヤンゴンに向かっている。お尻は痛いが、楽しくなってきた。なんか嬉しくなってきた。行きと同じ交通手段ではつまらない。いいぞ!トラックバス。タイヤに空気を入れるために2回止まったのも、愛嬌だ!2時間ほど乗って、100k(約120円)。行きの半額だ。バスは行きと同じバスターミナルに止まった。そこからタクシーでホテルまで帰り(2FEC)、シャワーを浴びた。

体はさっぱりしたが、腹が減っているので、豪勢にトレダースホテルの中華料理に行く。我々にはまだたくさんのFECがある。今日か明日に使わないと紙屑になってしまうのだ。ということで、ビール4本、キクラゲ、揚げ豆腐、鴨の3種類の前菜、蟹とコーンのスープ、牛肉の炒め物、エビのトマトソース炒め、麻婆豆腐、海鮮チャーハンを頼んだ。これで満腹。88FEC。一人あたり3500円程か。私自身は牛肉の炒め物がお気に入りであった。その後、昨日と同じバーに行って飲んで、我がホテルに戻ったのである。

(写真:バゴー。宴の後と全長55メートル巨大涅槃像)

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