◆◇◆ 車上狙い〜警察に望むこと ◆◇◆



1.人数を増やせばいいのか?
2003年4月現在、全国の地方警察官は約24万2000人。これに対して小泉改革では「5年で治安の危機的現状を脱し、5年間で不法滞在外国人を半減する。3年で空き交番ゼロを目指す」とアピールし、自民党は2002年度から3年で1万人の増員計画を実施しているようです。
民主党のマニフェストでも「警察官の3万人増員で、48%に落ち込んだ凶悪犯罪の検挙率を、今後5年間で5年前の水準である84%に回復させる」と明記しています。
でも、人数を増やしたからといって治安が良くなるのでしょうか?
昨今では犯罪が増え、それに対する警察官が少ないと言われていますが、人数を増やしてすぐに効果が出るのは単純作業であって、それなりの知識や経験を積まなければ戦力にならないのはどの仕事も同じだと思います。
そして、知識や経験を積んでもそれを活かせるやる気がなければ意味がありません。
今回、ある警官は「被害届を出したから、(盗まれた)カードをいくら使われてもあなたは損しないでしょう?」と言いました。こういう考えを持った人にいくら知識や経験を積ませてもそれを活かしてはくれないのではないでしょうか。

2.被害者よりも加害者に優しい法律?
盗まれたカードは警察から約9.7km(Map Fanるーとマップで算出)離れたお店で使われていました。区が違いますが同じ市内です。ところが管轄が違うから捜査はできないというお話でした。
でも、それでは盗んだところと別の管轄内でカードを使えば何の捜査もされずに犯人は余裕で逃走が続けられるのでは?
さらに、カードが使われたことは「詐欺罪」であり「車上狙い」とは別の事件であるということでした。そして、カードが使われたことによる真の被害者(カード会社か保険会社)からそのお店の管轄の警察に被害届が出されない限り事件とは見なさないとのことです。
それでは今回のこの「車上狙い」はどのように捜査がなされているのでしょうか?今のこのやり方で捜査に不都合はないのでしょうか?実際に私たちの「車上狙い」はどの程度捜査がされているのでしょうか?

3.被害届より先にカード会社への連絡を
最初、交番に足を運んだ際、お巡りさんには「カードを盗られたのでしたら至急連絡をされた方が」と言われました。
盗られたカードは3枚でした。ところが、出先で急なことで連絡先が分かりません。警察にも番号の分かる資料のような物がなかったので携帯電話のサイトで探してやっと1件連絡を付けることができました。
さらに・・・と思ったところで警察の方が到着し被害届の作成となり、カード会社への連絡は中断されました。
ところが、連絡のできなかった2社のカードは被害届の作成中に使われていました。
しかも、当初私は「犯人がカードを使えばそれで足取りが掴めたり、そこから手がかりが見つかる可能性があるから連絡を遅らせているのかも?」と淡い期待を持っていましたが、実際には「カードを使われたのは詐欺。車上狙いと詐欺ということでまったく別の事件」ということで使用されたお店が分かっても意味のないこととなりました。
それならば新たな被害を出さないためにもまずカード会社に連絡を入れるという手順にしていただけないでしょうか?
「被害届を出したから、(盗まれた)カードをいくら使われてもあなたは損しない」ではないはずです。カード会社あるいはそこと契約している保険会社に損失を与えてしまうのです。
また、各警察や交番にカード会社の連絡先一覧のような物を置いていただけないでしょうか?
そうすればすみやかに連絡が取れます。(カードの番号が分からなくても個人情報を照会した上でカードのストップがかけられます)
被害の無かったカードと被害のあったカードでは再発行にかかる時間も違ってきます。
被害届が先という手順では、犯人にしかメリットはありません。

4.被害届を受理したら終わり?
今回の体験の中で一番気になったのは「被害届を出したから、(盗まれた)カードをいくら使われてもあなたは損しないでしょう?」のいうある警察官のひとことです。一体この人は何を考えているのでしょうか?
2.で書きましたとおり、カードが使われれば被害を被る人は確実にいるのです。
また、「受理してやったんだからこれ以上何も望むことはないだろう」と言いたげなその口調。たかが車上狙いとでも思っているのでしょうか。
車上狙いから殺人に発展した事例もあります。決してぞんざいに扱って良い事件とは思えません。
悲しいかな、それがたとえ1人の警察官の言動であっても一般市民からすれば全ての警察官がそうであるかのように誤解されることもあるでしょう。
警察は「情報提供のお願い」を出しますが、自分たちにとって欲しい情報でなければいい加減に扱うのでは「どうせ警察に言っても」という思いにさせられてしまいます。
日本には「情けや人のためならず」という言葉があります。人に情けをかければ、それは巡り巡って自分に返ってくるというものです。一般市民の情報に真剣に耳を傾ければ良心的な情報提供者は次の機会にも「警察の手助けをしたい」という思いで情報提供に協力してくれるでしょう。
反対に一般市民の情報に真剣に耳を傾けなければ「どうせ言っても」という思いが先に出て、良心的な情報提供者もなくなってしまうでしょう。いたずらが多くて本当の情報が寄せられなくなった現状も我が身を振り返ってみてはいかがでしょうか?
統計からみても平成12年以降の増加は著しいものがあります。平成14年については実に1分間に50件発生している計算になります。やはり本腰を入れて捜査していただきたいものです。



統計資料より / 実体験より / 犯人の足取り / 考察 / 警察に望むこと



ホームページ  / 車上狙いについて考える