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「災厄のとき」The Evitable Conflict
○初出
1950年6月「アスタウンディング・サイエンス・フィクション」誌

○内容
全世界が一つの連邦に統合され、スティーブン=バイアリィはその初代統監となった。世界の秩序は「マシン」と呼ばれる電子頭脳に任せられるようになったが、各地域で不自然な異常が報告される。ロボットに反対する「人間同盟」の活動も活発で、統監のバイアリィは彼らが「マシン」に虚偽のデータを与えて混乱を起こそうとしているのでは、と疑うのだが、相談を受けたキャルヴィンは意外な真相を解き明かす。

○解説
「証拠」の続編にあたり、「われはロボット」の最後を飾る作品。世界が一つの国家となった時代が描かれ、ロボットたちが人間社会を支配し操作していく未来像が描かれる。しかしそれが決して悪いことではなく人類のためになっているという楽観的で明るい展望が開けているところがアシモフ流だ。本作で描かれる統合された世界の姿に、アシモフ自身の平和主義・理想主義を見いだすこともできよう。

○時代考証
「われはロボット」ではこの作品の直前にはさまっているキャルヴィンのインタヴューで「2052年」「バイアリィが世界統監を二期務め上げたとき」という発言がある。
○項目解説
□アルフレッド=ラニング(Alfred Lanning)
□アルマデン水銀鉱山(The mercury mines at Almaden)
□ヴィンセント=シルヴァー(Vincent Silver)
□エネルギービーム(energy beam)
□漢字(pictograph of old China)
□キリル文字(Cyrillic charactors)
□コンソリデーテッド・シナバー社(Consolidated Cinnabar)
□スティーブン=バイアリィ(Stephen Byerley)
□スーザン=キャルビン(Susan Calvin)
□世界統監(Co-ordinator)
□セジェコフスカ(Szegeczowska)
□地球連邦
□チン=ソウリン(Chin Hso-lin)
□テンシンの水耕農場(Hydroponics plant at Tientsin)
□東方地区(The Eastan Region)
□人間同盟(Society for Humanity)
□熱帯地区(The Tropic Region)
□ハイラム=マッケンジィ(Hiram Mackenzie)
□ピーター=ボガート(Peter Bogert)
□フランシスコ=ヴィラフランカ(Fransisco Villafranca)
□北方地区(The Northern Region)
□マシン(Machine)
□メキシコ運河(Mexican Canal)
□USロボット&機械人間株式会社(US Robot&Mechanicalman)
□ヨーロッパ地区(The Europa Region)
□ラマ=ヴラサナヤ(Rama Vrasanaya)
□リンカン=ゴーマ(Lincoln Ngoma)
□ワールド・スチール社(World Steel)