過去の雑記 01年 6月

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6月11日
さる筋から「SPAMは炒めろ」という助言を頂いたので挑戦してみる。SPAM料理サイトに載っていた基本的調理法に従い、数ミリ厚に切ってソテー。というか炒めたというか、揚げたというか。ともあれ、大量の油で火を通したSPAMはなんとか我慢できなくも無い歯ごたえの食い物になっていた。強烈に自己主張する油と塩のなかにかすかに肉かもしれないという風味が漂い、一回きりなら犬にでも噛まれたと思って諦められる味といえなくもない。幻想から醒めないうちに速攻で食い、SPAMは無事消滅した。まあ良い体験といえば良い体験か。

でも、次は送り返すから。

6月12日
「勇者エクスカイザー」を録り損ねた。来週、来週こそは必ず。

6月13日
つい油断して心臓に悪い試合を見てしまう。見始めたときには12対6だったはずなのに、一瞬目を離してもう一度見てみるとなぜか12対9。なんでそんなにホームランを打たれたがるか、横浜の投手陣は。しかも八回裏二死からは斎藤隆が登場。その回はなんとか抑えきったものの、九回裏判定ミスから走者を許すと見事に慌てふためいて、あれよあれよという間に一死満塁。なんとかゲッツーで終わってくれたが、一時は本当にどうなることかと思ったよ。こういう試合は、追いかける立場に立ってもらいたいものだ。追いつけなくてもいいからさ。< だから横浜大洋ファンはダメだというのだ

会社の先輩に借りたとある同人誌を読む。傑作。複線ドリフトはないだろう、複線ドリフトは。
# 読み手をおいてきぼりなのはいつものことなので、いまさら「何を読んだのかちゃんと書け」などと突っ込まないように。

6月14日
久しぶりにIndex to Science Fiction Anthologies and Collections, Combined Editionを見にいったら、トップページに1983年までに刊行された作品集/アンソロジーの収録回数ベスト10作家リストと収録回数ベスト10作品リストが追加されていた。前からあったっけこれ?

最多収録作家はレイ・ブラッドベリ。2位がアイザック・アシモフ、3位がハーラン・エリスンというあたりまでは納得のラインナップだが、4位のL・スプレイグ・ディ・キャンプが意外。人気作家だったんだ。後は、クラークハインラインの名が無いのも不思議。長篇型作家の証拠なのだとしても、オールディスに負けるというのは。

最多収録作品はブラッドベリ「雷鳴の音」。なかなかマイナーな線から来るね。2位がアシモフ「夜来たる」とウェルズ「妖星」。3位がエリスン「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」とオールディス「だれが人間にかわれる?」。4位がクラーク「九〇億の神の御名」「前哨」とシマック「逃亡者」。5位がブラッドベリ「優しく雨ぞ降りしきる」とゴドウィン「冷たい方程式」。以下、6位 クラーク「星」、7位 ラインスター「最初の接触」、8位 バラード「至福一兆」 キース「アルジャーノンに花束を」 ウェルズ「奇跡をおこせる男」、9位 ビクスビィ「今日も上天気」 デル・レイ「愛しのヘレン」 エリスン「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」、10位 ブリッシュ「コモン・タイム」 ブラウン「闘技場」 クラーク「歴史のひとこま」 メリル「ママだけが知っている」 ヴァン・ヴォクト「モンスター」、と。さすがにこの辺はぜんぶ邦訳があるね。全体としてはそれなりに説得力があるんだけど、そこかしこに意外な作品が混ざる感じ。特にクラーク。「前哨」「星」はともかくとして、「歴史のひとこま」ってのは何だよ。

6月15日
大戸屋で夕飯を食った帰り、ふと喫茶店に入ってみるとなぜかカレーの匂いが漂っていた。松屋だった。いかにも喫茶店然とした店構えで、牛丼だのカレーだの麻婆飯だのがメニューに並ぶのはかなり異様。松屋には少し分をわきまえて欲しいものである。< 失礼です

ところで。松屋といえば近所の吉野家が安売りをはじめた。並が280円。もともと松屋に押されていたところに、すぐ近くにかつ屋が出来てしまい、閑古鳥が鳴いていたのは目にしていたが、こんな捨て身の攻撃に出るとは。来年にはらんぷ亭になっている方に100カノッサ。

思いもかけず時間が空いてしまったので小林泰三『Α・Ω』(角川書店)を読み始める。しまった面白い。仕事があるって―のに、これじゃ読んじまうかも。どうしよう。

とりあえず、ネタはちゃんと隠してあるんで、SFM7月号の新SFインターセクションはこれを読むまで取っておくほうが吉。って、もう遅いよな。

6月16日
小林泰三『Α・Ω』(角川書店)読了。だから仕事があるんだってばよう。
「超・ハード・SF・ホラー」の帯に嘘偽りはなく、正しくハードSFであり、正しくスプラッタ系ホラーでもある怪作。というか清く正しく小林泰三というか。どこを紹介してもネタバラシになりそうなので内容紹介は保留(実を言うとどのネタをばらしても、それで価値が下がったりはしないと思っているのだが)。プラズマ生物と人類のファーストコンタクト物とでも言っておこうか。計算とずるずるのぬとぬとのぐちょぐちょを愛する全ての人にお勧め。
個人的には、唐松刑事の退場シーンがいかにも小林泰三で気に入っている。そこまで登場人物をいじめなくても。

夕方、例によって高田馬場に出て芳林堂へ。『ファミコンロッキー』の愛蔵版でミニキャンペーンを組むというのも馬場芳林堂らしいが、その宣伝用にファミコンゲームのオープニング集を流してしまうというのはあまりにも芳林堂。まさか、いまさらゲーム版うる星やつらのOPを拝むはめになろうとは。

その後ユタ。参加者は井手聡司、SF人妻、大森望、尾山則子、久世信、工藤央奈、小浜徹也、志村弘之、鈴木力、林、藤元直樹、三村美衣、柳下毅一郎、山本和人(あいうえお順敬称略)。聞いていた中での主な話題は、どきどき水滸伝、i-doroid2号、鈴木力の近刊予定、伝奇Mモンストルム、新型i-Book、『ΑΩ』、読むべき新刊、アニメ版雪風、かぶとの折り方、正式に「でならい草子」、サッカー、スポーツ中継の下手な局、CSの魔力、『ワンダーランドin大青山』、小泉メルマガの占有率、トミカのミニガシャ、折り紙怪獣総進撃、ワトスンの新刊の刊行経緯、!をつけると魔夜峰央、ミニミニイントロクイズ、余詰を許す要約、すべてのSFは30通りの類型に分類される(根拠無し)など。例によって例のごとく遠くではSF大会の話もあったらしい。余詰を許す要約とは、「こんな話を知りませんか」と聞く際に要約しすぎると別解が出来てしまうという話。「頭が良くなって、最後に頭が悪くなる話」とは何かとか。三作以上思いついたら合格です。

帰宅後、有里さんの日記から『人生の取り扱い説明書』へ。チャート式タイプ判別問題集をやってみたら、思いっきり学者タイプなので笑ってしまったのだった。まあ、ウソつきの薀蓄マニアなので当然の結果とは言える。今後、僕を取り扱うときはこの手順に従っていただければ幸い。そら、こんな風に扱ってもらえればだれでも嬉しいだろう。

6月17日
何かに追われるような気分を振り払いつつ、書店によって「伝奇M」1号と「i-doroid」2号を購入。

「伝奇M」(学研)はブックガイドと小説2本だけからなる謎の雑誌。ブックガイドの選者が妙に豪華で楽しい。マルケスが鼓直、ボルヘスが木村榮一って、そらこれ以上の人選は難しかろう。詳読したくてしかたがないが、とりあえず見えないところにしまっておこう。

「i-doroid」(コアマガジン)は1号同様3DCG&ラブドールの本。その両者を求める客層というのが見えないんだが誰かいるのか。ゼブロウスキーの短篇目的で買ってみたら、『ラブメイカー』にも掲載されている「星のめぐり」だったってのはちょっと泣きたいかも。いいんだ。3号に初訳作品が載ったとき、欠けが出ないようにするために1600円払ったんだから。うう。

Linuxでラブホールを動かそうという楽しい工作記事は良いとして、他のグラビア記事は正直つらすぎ。これで金を取るのはやはり詐欺じゃないかと思わなくもない。いや、誰かのように1ページずつ熟読しながら辛辣な言葉を浴びせ続けるのなら、それなりに買う価値もありそうですが。

6月18日
先日来、突然テトリスにはまって何も進まなくなっていたのだが、なんとか軌道修正に成功。懸案となっていた作業を続ける。

はっ!作業を続けていたはずなのに、なぜチューチューロケット!のノーマルモードをクリアしていますか。> おれ

まあ、仕事が一段落着いためでたい席だし、良しとしよう。

6月19日
てれびをつけたらしゅーるすとろーむがいっしょうけんめいたまをなげないようにしていました。そおしてやっとなげたとおもったらあさいがいやふらいをうつためだけにいるのだとおもっていたたかのりがらいとへまぐれあたりのほーむらんをうちました。ぼくはたいへんうれしかったです。だからってじぶんをかんちがいしてほーむらんねらいをつづけるんじゃねえぞ。> たこのり

6月20日
仕事を休んで芝居を見に行く。

とりあえず昼前に新宿へ。諸般の事情で突然暇ができたので、ビックカメラに寄りデータベースソフトを入手。ついでにアンチウィルスソフトなぞ買ってみる。パソコンを使い始めて17年、実に初めて買うアンチウィルスだ。< おい

東口の喫茶店で予想外にうまいホットサンドを食べたあと、まだ暇を消化できてなかったので、西口Yellow Submarineへ。「英雄三国志」に1万5千円をつける勇気に感動しつつ、「Game Journal」の最新号を買う。他の記事はどうあれ、掲載ゲームが「太平記 血戦楠木正成」の二版じゃ買わざるを得まい。ほとんど強盗にあったようなものだ。
しかし、「Game Journal」が次号から商業誌になるという記事には驚いた。ひょっとしてボードシミュレーションって勢いを取り戻しているのか。

どうにか時間も潰しきったので初台へ移動。新国立劇場で「贋作・桜の森の満開の下」を見る。言わずと知れた夢の遊民社の名作戯曲の再演。人と鬼、国と異端者の関係を描く歴史物ってのは小説的な「読み方」か。深津絵里の声の変化、野田秀樹のちょこまかした動き、女官たちの台詞回しなど演技(僕の「読み方」では文体と呼ぶべきかも)はほぼ文句無く楽しめた。ただラストの展開が腑に落ちなかったのは心残り。坂口安吾も読んでおくか。

劇場を出た後、HMVに寄り「蔵出・山本正之作品大全集」を入手。しばらく前に「続々山本正之大全集」と書いたもの。実は、あの時点では出てなかったという落ちがついていたり。実際の発売後もなかなか入手できずにいたのだが、今回やっと入手できた。なんか今日はいろんなものは手に入る日だね。

なんだか変な時刻にものを食ったのがまずかったか、うまく腹が減らなかったので、夕飯を食うのを諦め、カラオケに行ったり水道橋で軌道エレベータ(ウソ)を見物したりして帰宅。ついチューチューロケット!のハードモードをクリアしてしまったり……、したらスペシャルモードがあるとか言ってるよ、おい。

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